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論文

Development of microwave sensor for measuring moisture in granulation process

中山 茂*; 川口 浩一; 瀬川 智臣; 山田 美一

Proceedings of 19th International Symposium on Artificial Life and Robotics (AROB 2014) (CD-ROM), p.246 - 249, 2014/01

核燃料製造プロセスにおいて、臨界安全管理の理由で水分量は重要なパラメータである。将来の商業プラントを考慮すると、迅速で耐久性に優れた水分センサーが必要とされる。我々は物質中の水分を測定するための開口端同軸マイクロ波共振器センサーを開発してきた。このセンサーは半導体素子を持たないため、強い放射線場で使用できる。本論文では、結合剤として水を用いた造粒工程におけるMOX(UO$$_{2}$$+PuO$$_{2}$$)中の水分測定のための予備試験を行った。予備試験では、MOX造粒粉を模擬するために、MOXに近い比誘電率を持ち、顆粒内部に水を保持できる空隙を持つ三酸化タングステン(WO$$_{3}$$)造粒粉を用いた。マイクロ波による水分測定の原理は次の通りである。パイレックスビーカに入れたWO$$_{3}$$を共振器の開口端に置くと、WO$$_{3}$$と空気との誘電率の違いによる静電容量の変化によって共振周波数がシフトする。さらに、WO$$_{3}$$によるマイクロ波吸収によって共振曲線のピークが減衰する。それゆえ、周波数シフトまたは減衰のどちらを測定することによってもWO$$_{3}$$中の水分量を推定できる。これらはトラッキングジェネレータおよびスペクトルアナライザによって測定できる。

論文

A Structural mechanism for dimeric to tetrameric oligomer conversion in ${it Halomonas}$ sp. nucleoside diphosphate kinase

新井 栄揮; 米澤 悌; 岡崎 伸生; 松本 富美子; 玉田 太郎; 徳永 廣子*; 石橋 松二郎*; Blaber, M.; 徳永 正雄*; 黒木 良太

Protein Science, 21(4), p.498 - 510, 2012/04

 被引用回数:14 パーセンタイル:34.5(Biochemistry & Molecular Biology)

さまざまな生物種で保存されているヌクレオシドニリン酸キナーゼ(NDK)は、4量体もしくは6量体構造を形成することが知られる。一方、中度好塩菌${it Halomonas}$ sp. 593由来NDK(HaNDK)はNDKとしては例外的に2量体を形成し、E134A変異導入により4量体へ変換される。本研究では、ゲルろ過光散乱及びX線結晶解析により、中度好塩菌${it Halomonas}$ sp. 593由来NDKにおけるE134A変異導入による多量体変換の機構を解明した。また、E134A変異型HaNDKの結晶中には、グラム陰性菌由来MxNDKに類似した4量体構造と大腸菌由来EcNDKに類似した4量体構造が交互に現れることを明らかにした。一般に蛋白質は会合することで熱安定性や基質親和性を増大することから、少ない変異導入による多量体構造の変化は、NDKがさまざまな環境に適合するために有効に寄与している可能性がある。

論文

Tensile property evaluation by stress and strain analyses of small punch test specimen using finite element method

中田 隼矢; 駒崎 慎一*; 幸野 豊*; 谷川 博康

Metallurgical Journal, LXIII(Sp.), p.146 - 150, 2010/08

スモールパンチ試験は微小試験片試験技術の一つであるスモールパンチ(SP)試験について、Ramberg-Osgood則を用いて有限要素解析(FEA)モデルを構築し、SP試験から引張特性を推定することを試みた。その結果、試験片のネッキングが顕著化する領域までではあるが、FEAによって実験にて得られたSP曲線を再現できた。SP試験片で相当塑性ひずみが最も大きくなる箇所のMises相当応力とRamberg-Osgood則による全ひずみの関係が、引張試験によって計測された真応力-真ひずみ線図とよく一致することを見いだし、0.2%耐力,引張強度,均一伸びを評価することが可能となった。

論文

Dimer-tetramer assembly of nucleoside diphosphate kinase from moderately halophilic bacterium ${it Chromohalobacter salexigens}$ DSM3043; Both residues 134 and 136 are critical for the tetramer assembly

徳永 廣子*; 伊豆津 健一*; 新井 栄揮; 米澤 悌; 黒木 良太; 荒川 力*; 徳永 正雄*

Enzyme and Microbial Technology, 46(2), p.129 - 135, 2010/02

 被引用回数:6 パーセンタイル:20.75(Biotechnology & Applied Microbiology)

本論文では中度好塩菌${it Chromohalobacter salexigens}$由来CsNDKの多量体構造にかかわる134及び136番目残基の役割について議論する。CsNDKのGly134やGlu136をAlaやThrに置換した数種類の変異蛋白質を調製し、それらの会合状態を比較した結果、134及び136番目残基の両者がCsNDKのサブユニットの会合に寄与していることが明らかになった。Gly134をAla、Glu136をThrに置換したCsNDK/ANTでは、Ala134が疎水性クラスターを形成することで二量体-二量体の会合が安定化することが判明した。

論文

Residue 134 determines the dimer-tetramer assembly of nucleoside diphosphate kinase from moderately halophilic bacteria

徳永 廣子*; 石橋 松二郎*; 有坂 文雄*; 新井 栄揮; 黒木 良太; 荒川 力*; 徳永 正雄*

FEBS Letters, 582(7), p.1049 - 1054, 2008/04

 被引用回数:17 パーセンタイル:40.45(Biochemistry & Molecular Biology)

ヌクレオシド二リン酸化キナーゼ(NDK)は、中度好塩菌${it Halomonas}$由来HaNDKの場合は2量体を形成し、通常細菌${it Pseudomonas}$由来PaNDKの場合は4量体を形成する。しかし、HaNDKのGlu134にAlaを変異導入すると4量体を形成するようになり、PaNDKのAla134にGluを変異導入すると2量体を形成するようになった。この結果は、134番目のアミノ酸一残基のみの置換でNDKの複合体構造を変換できることを意味する。中度好塩菌${it Myxococcus}$由来NDKの結晶構造に基づいて作製したHaNDKとPaNDKの分子モデルからは、Glu134による反発的相互作用が4量体中の2量体-2量体間の分裂を促すことが判明した。

論文

Crystallization of a 2:2 complex of Granulocyte-Colony Stimulating Factor (GCSF) with the ligand-binding region of the GCSF receptor

本庄 栄二郎; 玉田 太郎; 前田 宜丈*; 小柴 琢己*; 松倉 康子*; 岡本 智之*; 石橋 松二郎*; 徳永 正雄*; 黒木 良太

Acta Crystallographica Section F, 61(8), p.788 - 790, 2005/08

 被引用回数:7 パーセンタイル:55.27(Biochemical Research Methods)

顆粒球刺激因子(GCSF)受容体は顆粒球前駆体の分化や増殖を調節する刺激を細胞内へ伝える。その受容体のリガンド結合部位とGCSFの2:2複合体の結晶化を行った。結晶は1.0Mギ酸ナトリウムを含む0.1M酢酸緩衝液(pH4.6)の条件で結晶化した。空間群は${it P}$4$$_{1}$$2$$_{1}$$2(もしくは${it P}$4$$_{3}$$2$$_{1}$$2)で、セル長は${it a}$=${it b}$=110.1$AA , {it c}$=331.8$AA $であった。しかしながら5$AA $以上の回折データが収集できなかったことから、受容体を陰イオン交換クロマトグラフィーで精製し、再度結晶化を試みた。その結果、3$AA $以上の回折データが収集可能な新たな晶形の結晶が得られた。その結晶の空間群は${it P}$3$$_{1}$$21(or its enantiomorph ${it P}$3$$_{2}$$21)で、セル長は${it a}$=${it b}$=134.8, ${it c}$=105.7$AA $であった。

口頭

1アミノ酸(134th)置換による好塩性nucleoside diphosphate kinaseの2量体-4量体変換

徳永 廣子*; 石橋 松二郎*; 有坂 文雄*; 新井 栄揮; 黒木 良太; 山口 類*; 荒川 力*; 徳永 正雄*

no journal, , 

ヌクレオシド二リン酸化キナーゼ(NDK)は、ほとんどの生物種に広く保存された酵素である。グラム陰性中度好塩菌${it Halomonas}$ sp. 593由来のNDK(HaNDK)とグラム陰性非好塩菌${it Pseudomonas aeruginosa}$由来NDK(PaNDK)は高い相同性(78% identity, 89% similarity)を示すにもかかわらず、前者は2量体構造、後者は4量体構造を形成する。両者のアミノ酸配列の比較や立体構造予測から、134番目のアミノ酸残基が複合体構造の違いに大きく関与していると予測された。また、HaNDKはGlu134をAlaに置換すると4量体を形成するようになり、逆にPaNDKはAla134をGluに置換すると2量体を形成することが判明した。これらの結果から、野生型HaNDK及び変異型PaNDKは、Glu134のマイナス電荷による反発的相互作用により、4量体形成が阻害されていることが示唆された。

口頭

中度好塩菌由来ヌクレオシド・二リン酸キナーゼ(HaNDK)の多量体構造

新井 栄揮; 米澤 悌; 岡崎 伸生; 玉田 太郎; 徳永 廣子*; 石橋 松二郎*; 徳永 正雄*; 黒木 良太

no journal, , 

ヌクレオシドニリン酸キナーゼ(NDK)は、あらゆる生物に保存された蛋白質であり、オリゴマー構造を形成することが知られている。グラム陰性細菌由来のNDKは基本2量体が2つ集まった4量体,真核生物及び古細菌由来のNDKは基本2量体が3つ集まった6量体などの会合構造をとる。本研究では、中度好塩菌${it Halomonas}$ sp. 593株由来NDK(HaNDK)のE134A変異型の結晶構造を調べ、結晶構造中にグラム陰性菌${it Myxococcus}$由来NDKに類似した4量体構造(Type I)と${it E.coli}$由来NDKに類似した4量体構造(Type II)が交互に現れることを明らかにした。この結果により、HaNDKが少ない変異導入によって多量体構造を容易に変化させることが示唆された。

口頭

中度好塩菌由来ヌクレオシド・二リン酸キナーゼ(HaNDK)の多量体構造

新井 栄揮; 米澤 悌; 岡崎 伸生; 玉田 太郎; 徳永 廣子*; 石橋 松二郎*; 徳永 正雄*; 黒木 良太

no journal, , 

ヌクレオシドニリン酸キナーゼ(NDK)は、あらゆる生物に保存された蛋白質であり、オリゴマー構造を形成することが知られている。グラム陰性細菌由来のNDKは基本2量体が2つ集まった4量体、真核生物及び古細菌由来のNDKは基本2量体が3つ集まった6量体などの会合構造をとる。本研究では、中度好塩菌${it Halomonas}$ sp. 593株由来NDK(HaNDK)のE134A変異型の結晶構造を調べ、結晶構造中にグラム陰性菌${it Myxococcus}$由来NDKに類似した4量体構造(Type I)と${it E.coli}$由来NDKに類似した4量体構造(Type II)が交互に現れることを明らかにした。この結果により、HaNDKが少ない変異導入によって多量体構造を容易に変化させることが示唆された。

口頭

スモールパンチクリープ試験を用いた低放射化フェライト鋼のクリープ余寿命評価

駒崎 慎一*; 千田 真司*; 中田 隼矢; 幸野 豊*; 谷川 博康

no journal, , 

核融合原型炉では、構造材料に対するクリープ損傷がブランケットの主損傷の一つになると想定される。したがって、ブランケットの長期運用のためには、構造材料のクリープ損傷を評価し、その余寿命を推定することが重要となる。そこで本研究では、微小試験片試験技術の一つであるスモールパンチ(SP)クリープ試験を用いて、低放射化フェライト鋼のクリープ損傷を評価し、そのクリープ余寿命の推定に資することを目的とした。その結果、クリープ損傷材をSPクリープ試験に供したところ、損傷量にしたがって、クリープ強度が低下していることを確認した。この結果をもとに、線形損傷則によって、クリープ余寿命の評価を行った。試験数が十分でないためか、クリープ寿命を過大に評価する結果も見受けられたが、多くの結果はクリープ余寿命を精度よく評価することができていた。これは、SPクリープ試験結果を利用した線形損傷則による損傷評価によって、低放射化フェライト鋼のクリープ余寿命を推定できる可能性があることを示唆するものである。

口頭

Oligomeric structure of nucleoside diphosphate kinase from ${it Halomonas}$ sp.593 (HaNDK)

新井 栄揮; 米澤 悌; 岡崎 伸生; 玉田 太郎; 徳永 廣子*; 石橋 松二郎*; 徳永 正雄*; 黒木 良太

no journal, , 

ヌクレオシドニリン酸キナーゼNDKは、あらゆる生物に保存された蛋白質であり、オリゴマー構造を形成することが知られている。グラム陰性細菌由来のNDKは基本2量体が2つ集まった4量体、真核生物及び古細菌由来のNDKは基本2量体が3つ集まった6量体などの会合構造をとる。本研究では、中度好塩菌由来HaNDKのE134A変異型の結晶構造を調べ、結晶構造中にグラム陰性菌由来MxNDKに類似した4量体構造と大腸菌由来EcNDKに類似した4量体構造が交互に現れることを明らかにした。この結果により、NDKが少ない変異導入によって多量体構造を容易に変化させることが示唆された。

口頭

中度好塩菌${it Chromohalobacter}$ sp.560株由来$$beta$$-LactamaseのX線結晶解析

新井 栄揮; 米澤 悌; 岡崎 伸生; 玉田 太郎; 徳永 廣子*; 石橋 松二郎*; 徳永 正雄*; 黒木 良太

no journal, , 

近年、希少金属の供給の不安定化に伴って、海水等から希少金属イオンを効率的に回収する技術の確立が求められている。われわれは、分子表面に数多くの負電荷を有する好塩性蛋白質を、希少金属を捕集する材料として着目し、数種類の好塩性蛋白質のX線結晶解析を実施し、無機イオンの結合にかかわる蛋白質分子表面の構造学的特徴(極性原子の配置や配位数など)の解析を行っている。その研究の一環として、われわれは中度好塩菌${it Chromohalobacter}$ sp.560由来・好塩性$$beta$$-LactamaseのX線結晶解析を行い、立体構造決定に成功した。現在、構造解析結果について極性原子の配置や配位数などを精査し、Na$$^{+}$$やMg$$^{2+}$$などが結合しうる部位の抽出を行っている。これらの金属結合部位に変異導入による電荷や構造的な摂動を与えて無機イオン選択性を操作できれば、希少金属結合部位を人工的に創製することも可能になると考えられる。この技術が確立されれば、原子力発電所の事故により漏出した放射性セシウム等の回収にも応用できると期待される。

口頭

X-ray crystallographic analysis of $$beta$$-Lactamase derived from ${it Chromohalobacter}$ sp.560

新井 栄揮; 徳永 廣子*; 玉田 太郎; 米澤 悌; 安達 基泰; 山田 貢; 石橋 松二郎*; 徳永 正雄*; 黒木 良太

no journal, , 

好塩性蛋白質は、表面に存在する多くの酸性アミノ酸残基によってさまざまな無機イオンを結合することができる。好塩性蛋白質はレアメタルや放射性金属イオンの捕集材料として用いることができる可能性があるため、分子構造・機能研究グループでは好塩性蛋白質の分子構造を研究している。最近、分子構造・機能研究グループでは、中度好塩菌${it Chromohalobacter}$ sp.560由来$$beta$$-Lactamase(HaBLA)のX線結晶解析に成功した。Photon FactoryのNE3Aビームラインにより、3.0${AA}$分解能の回折データを収集し、構造解析を行った結果、HaBLAの主鎖構造は非好塩性$$beta$$-Lactamaseと類似した構造をとるが、HaBLAの分子表面は大部分が負電荷で占められることが判明した。このような構造学的情報は、CsやSrのような金属の特異性を向上させるために有効となる。

口頭

好塩性細菌由来$$beta$$-lactamaseによるCs$$^{+}$$及びSr$$^{2+}$$認識機構

新井 栄揮; 米澤 悌; 安達 基泰; 徳永 廣子*; 石橋 松二郎*; 徳永 正雄*; 黒木 良太

no journal, , 

蛋白質は金属イオンの電荷数の違いやイオン半径のわずかな違い(Na$$^{+}$$ $$sim$$1.14${AA}$, K$$^{+}$$ $$sim$$1.52${AA}$, Mg$$^{2+}$$ $$sim$$0.86${AA}$, Ca$$^{2+}$$ $$sim$$1.14${AA}$)などを識別することができる。これまでにわれわれは蛋白質が有する上記の特徴に着目し、蛋白質を利用した希少金属の捕集研究を進めてきたが、原子力発電所事故を背景に、Cs, Sr捕集蛋白質材料の開発に着手した。その一環としてわれわれは、分子表面に数多くの負電荷を有し、多くの金属イオンを結合できる可能性がある${it Chromohalobacter}$ sp.560由来・好塩性$$beta$$-Lactamase(HaBLA)について、X線結晶解析によるCs$$^{+}$$, Sr$$^{2+}$$結合部位の抽出を試みた。0.1M Cs$$^{+}$$, 0.2M Sr$$^{2+}$$を含む結晶化溶液から得られたHaBLA結晶について、空間群${it P}$3$$_{1}$$,分解能2.0${AA}$,格子定数a=b=115.9${AA}$, c=67.9${AA}$, Rmerge 9.6%の回折データを取得し、非対称単位(蛋白質3分子)あたり3つのCs$$^{+}$$結合部位、及び、6つのSr$$^{2+}$$結合部位の同定に成功した。Cs$$^{+}$$, Sr$$^{2+}$$選択性の高い金属結合部位を抽出できれば、その構造をスカフォールドとしてCs$$^{+}$$, Sr$$^{2+}$$結合部位の人工創製が可能になると期待できる。

口頭

SS結合の導入によるHIV-1プロテアーゼの一本鎖化

安達 基泰; 新井 栄揮; 松本 富美子; 黒木 良太; 畠中 孝彰*; 伊東 祐二*; 日高 興士*; 津田 裕子*; 木曽 良明*

no journal, , 

HIV-1プロテアーゼ(HIVPR)はエイズ治療における創薬標的タンパク質である。HIVPRの阻害剤との相互作用解析を目的に、野生型HIVPR及びA17型薬剤耐性HIVPR(A17-HIVPR)に人工的に架橋構造を取らせた誘導体を創製し、阻害剤親和性の比較を行うことにした。われわれはまずHIVPRがC2対称であることに着目し、2回軸付近でかつ基質結合部位の反対側に位置するAsn98をCys98残基に置換することで、SS結合形成型の一本鎖化N98C/HIVPR及びN98C/A17-HIVPRの作製を試みた。N98C/HIVPR及びN98C/A17-HIVPRを、野生型と同様に大腸菌内に封入体として発現させた。既報の方法に従ってリフォールディングした結果、SS結合形成型の収率は、野生型と同程度であった。N98C/HIVPR及びN98C/A17-HIVPR両試料の阻害剤複合体の結晶構造と物理化学的手法による阻害剤相互作用についても報告する。

口頭

ヒトトロンボポエチン受容体を構成する2つのサイトカイン受容体相同性領域の機能

松本 富美子; 畠中 孝彰*; 安達 基泰; 清水 瑠美; 玉田 太郎; 伊東 祐二*; 黒木 良太

no journal, , 

トロンボポエチン(TPO)は、血液細胞の一つである巨核球を増殖させるとともに血小板への分化を刺激するサイトカインである。TPO受容体細胞外領域(ecTPOR)にはサイトカイン受容体相同性領域(CRH)が2つ並ぶユニークな配列が存在するが、ecTPOR中のシステイン残基は15箇所と多く、また試料調製中に非特異的なジスルフィド結合を形成して失活しやすいためecTPORの高純度試料の調製はこれまで困難であった。そこでわれわれはecTPORのシステイン残基を選択的に変異させることにより、非特異的なジスルフィド結合形成を抑制した2つのCRH領域(CRH-1とCRH-2)の大腸菌発現系を構築し、第11回日本蛋白質科学会年会にて発表した。さらにわれわれは、ecTPORとTPOとの相互作用を解析するとともに、中和抗体、アゴニスト抗体との相互作用部位を定量的に解析した。表面プラズモン共鳴法により親和性を調べところ、TPOはCRH1とCRH2の両方に結合すること、また既に取得している中和抗体はCRH2に、アゴニスト抗体はCRH1とCRH2の両方に結合することがわかった。先に動物細胞で発現させたecTPORにはTPO結合部位が一箇所だけ存在することを明らかにしていることから、リガンドがCRH1とCRH2の間に結合した際、受容体が活性化し、抗体などによりこの結合が阻害された場合、活性化が抑制されることが示唆された。

口頭

X-ray structure analysis of the single-chain derivatives of HIV-1 protease in complex with inhibitor

安達 基泰; 畠中 孝彰*; 伊東 祐二*; 日高 興士*; 津田 裕子*; 木曽 良明*; 黒木 良太

no journal, , 

HIV-1プロテアーゼ(HIVPR)は、ウイルスの増殖に必須な酵素であることから、エイズ治療のための創薬標的タンパク質である。HIVPRに対する阻害剤設計において、立体構造の特徴と阻害剤結合の速度論的・熱力学的解析から得られるパラメーターの相関を明らかにすることが重要である。本研究では、阻害剤結合による熱安定性の変化を指標として阻害剤結合を評価するため、リンカー配列の挿入とSS結合の導入により2種類の1本鎖型HIVPRの作製を試みた。1本鎖化HIVPRは、野生型と同様に大腸菌内に封入体として発現した。リフォールディングした1本鎖化HIVPRを精製後、ヒドロキシメチルカルボニル構造を持つ阻害剤KNI-272との複合体の結晶を作製し、結晶構造解析を行った。その結果、設計した1本鎖化HIVPRは野生型と同等の構造を持つことが示された。本発表では、同試料を用いた阻害剤結合の評価結果も報告する。

口頭

中度好塩菌Halomonas sp.593由来Alkaline PhosphataseのX線結晶構造

新井 栄揮; 米澤 悌*; 玉田 太郎; 徳永 廣子*; 石橋 松二郎*; 徳永 正雄*; 黒木 良太

no journal, , 

中度好塩菌${it Halomonas}$ sp.593のペリプラズム蛋白質Alkaline phosphatase(HaALP)は、他の好塩性Alkaline phosphataseと異なり、幅広い塩濃度域(1$$sim$$4M NaCl)において機能発現が可能である。そこで本研究では、HaALPの構造学的特徴と好塩性の関係を理解するために、HaALPのX線結晶解析を行った。分解能2.1${AA}$、空間群${it P}$2$$_{1}$$、格子定数${it a}$=52.7${AA}$, ${it b}$=147.0${AA}$, ${it c}$=58.3${AA}$, $$alpha$$=90$$^{circ}$$, $$beta$$=105.2$$^{circ}$$, $$gamma$$=90$$^{circ}$$, R$$_{merge}$$ 8.4%の回折データを取得して、生物学的構造単位であるHaALP二量体の立体構造を解明することに成功した。また、HaALPの立体構造を、PDB中で最も配列相同性が高い低度好塩菌${it Vibrio}$ sp.由来VALP (identity 70.0%)の立体構造と比較した。その結果、ASA$$>$$0$AA $^{2}$$の酸性アミノ酸(D, E)の数は、VALP (57個)よりもHaALP (72個)が多いことが明らかになった。また、VALPとHaALPを構成する疎水性アミノ酸(V, L, I, P, F, M, W)に着目すると、二量体界面に位置する疎水性アミノ酸の数はほぼ同じ(39個と40個)であったが、分子内部(ASAが0${AA}$)の疎水性アミノ酸はそれぞれ24個と37個であった。このようなHaALPにおける分子表面の高い酸性アミノ酸含量や分子内部の高い疎水性アミノ酸含量は、中度好塩菌のペリプラズム特有の幅広い塩濃度環境下(0.5M$$sim$$飽和塩濃度)における高い可溶性と機能発現の両立に寄与していると考えられる。

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