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原子力科学研究部門 原子力科学研究所
JAEA-Review 2023-050, 178 Pages, 2024/03
原子力科学研究所(原科研)は、従来からの部署である保安管理部、放射線管理部、工務技術部、研究炉加速器技術部、臨界ホット試験技術部、バックエンド技術部の6部及び計画管理部に加えて、先端基礎研究センター、原子力基礎工学研究センター、原子力エネルギー基盤連携センター及び物質科学研究センターで構成され、各部署は、中長期計画の達成に向け、施設管理、研究技術開発などを行っている。本報告書は、今後の研究開発や事業推進に資するため、令和3年度の原科研の活動(各センターでの研究開発活動を除く)、並びに原科研を拠点とする廃炉環境国際共同研究センター、安全研究センター、原子力人材育成センターなどが原科研の諸施設を利用して実施した研究開発及び原子力人材育成活動の実績を記録したものである。
須山 賢也; 植木 太郎; 郡司 智; 渡邉 友章; 荒木 祥平; 福田 航大; 山根 祐一; 井澤 一彦; 長家 康展; 菊地 丈夫; et al.
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 6 Pages, 2023/10
2011年の福島第一原子力発電所の事故により発生した燃料デブリの臨界安全性評価において採用される手法の妥当性を臨界実験で得られたデータに基づいて検証するため、NRAからの委託により原子力機構は2014年から関連研究開発プロジェクトを実施している。このプロジェクトにおいては、i)燃料デブリの臨界特性の網羅的計算とデータベース化(燃料デブリ臨界マップの開発)、ii)新しい連続エネルギーモンテカルロコードの開発、iii)臨界事故の評価、iv)臨界安全性評価手法の検証実験のための臨界集合体STACYの改良などが行われている。前回のICNC2019以降、本プロジェクトは2024年5月に正式運転を開始するSTACYの改造やパワースペクトルに準拠した空間ランダム分布を持つ物質の臨界計算に適したモンテカルロコード「Solomon」の開発で大きな進展があった。本発表では、この研究開発プロジェクトの全体像と各技術トピックの状況について紹介する。
郡司 智; 吉川 智輝; 荒木 祥平; 井澤 一彦; 須山 賢也
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 8 Pages, 2023/10
燃料デブリの組成や特性は不確かであるため、安全評価に用いる計算コードや核データの妥当性を検証するための臨界実験が必要である。このため、原子力機構は「STACY」と呼ばれる臨界実験装置の更新改造を進めてきた。新STACYの初臨界は、2024年春に予定されている。本論文では、新STACYの初臨界時の炉心構成について検討した結果を報告する。初臨界時には、中性子減速条件の異なる2組の格子板(間隔は1.50cmと1.27cm)が用意される。しかし、使用可能なUO燃料棒の本数には400本までの制限がある。また、初臨界の臨界水高さを95cm程度に設定したい。これは、アルミニウム合金製の中間格子板(高さ約98cm)の有する反応度影響を回避するためである。この条件を満たす初臨界の炉心配置を計算機解析で構築した。最適な減速条件に近い1.50cmの格子板を用いた正方形の炉心構成では、臨界に達するまでに261本の燃料棒が必要である。1.27cmの格子板については、1.80cm間隔で市松模様に燃料棒を配置した2つの炉心配置を検討した。一つは1.27cmと1.80cmの2つの領域を持つ炉心配置で、もう一つは1.80cmのみの炉心配置である。臨界に必要な燃料棒は、それぞれ341本と201本である。本論文では、これら3つの炉心構成とその計算モデルについて示す。
郡司 智; 荒木 祥平; 新垣 優; 井澤 一彦; 須山 賢也
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 9 Pages, 2023/10
原子力機構は、東京電力福島第一原子力発電所の事故で発生した燃料デブリの臨界特性の解析結果を検証するために、STACYと呼ばれる臨界集合体を溶液体系から軽水減速非均質体系に更新している。燃料デブリの組成や特性を実験的に模擬するために、特定の中性子減速条件を作る格子板や、棒状のコンクリートやステンレス鋼材を複数用意する予定である。これらの装置や材料を用いて、燃料デブリの臨界特性を評価する実験が予定されている。この一連のSTACY実験では、燃料デブリを模擬した試料の反応度測定、コンクリートやステンレス鋼などの構造材を含む炉心構成の臨界量測定、それらの配置が不均一になった場合の臨界量変化などが含まれている。さらに、燃料デブリの落下を静的に模擬した2つの分割炉心実験と、部分的に異なる中性子減速条件での未臨界測定実験などを予定している。これらの実験計画は、いくつかの実験的制約を考慮して検討された。本論文では、これらの実験のスケジュール、最適化された炉心構成の計算結果、及び各実験で期待される結果について示す。
郡司 智; 荒木 祥平; 渡邉 友章; Fernex, F.*; Leclaire, N.*; Bardelay, A.*; 須山 賢也
Proceedings of 12th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC2023) (Internet), 9 Pages, 2023/10
フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)と日本原子力研究開発機構(JAEA)は、臨界安全分野において長年のパートナーシップを築いている。今回の共同研究でIRSNとJAEAは、JAEAが更新する新しい臨界実験装置STACYを用いた共同実験を計画している。STACY実験の計画で両機関が使用するコード(MVP3, MORET6など)や核データ(JENDL, JEFF)を比較するため、両機関がかつて所有していた臨界集合体であるApparatus BとTCAのICSBEPハンドブックからのベンチマーク、新しいSTACYの計算モデルについて計算結果の比較が実施された。新STACYの計算モデルを含め、数種類の中性子減速条件と臨界水高さを含む計算を行い、その計算結果には、核データライブラリの処理や形式に起因すると思われるわずかな系統的な差異があった。しかし、新しいコードと新しい核データを含む計算結果は、概して実験値とよく一致することがわかった。したがって、双方の有する計算ツールを新STACYの実験設計に利用することに問題はない。加えて、JENDL-5に含まれる新しいTSLデータが実効増倍率に与える影響についても計算解析で調査した。これらの計算結果に対する実験的検証は、両研究機関共同による新STACYの臨界実験によって行われる予定である。
郡司 智; 荒木 祥平; 須山 賢也
Nuclear Science and Engineering, 197(8), p.2017 - 2029, 2023/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)東京電力福島第一原子力発電所の事故で発生した燃料デブリには、非均質な組成だけでなく、不均一な組成も予想される。同様に原子炉容器内に残っている損傷した燃料集合体も一部の燃料棒が欠損しているため組成が不均一になっている。これらの不均一性は中性子増倍率の変化を引き起こす可能性がある。このような不均一性が中性子増倍率に及ぼす影響を計算により明らかにして、臨界管理に用いる計算の実験的検証の可能性を検討する。本研究では、日本原子力研究開発機構の新臨界集合体STACYにおいて、ウラン酸化物燃料棒,コンクリート棒,ステンレス鋼棒を不均一に配置した複数の炉心構成の臨界効果を調べ、ベンチマーク化の可能性を確認した。これらの配置の違いによって、中性子増倍率は1$以上変化し、局所的な中性子減速条件の変化と特定の部材のクラスター化がこの効果をもたらすことを確認した。さらに不均一配置のベンチマーク実験炉心の実現可能性も評価した。このような実験のベンチマークデータ化を実現できれば、計算コードの妥当性の検証、計算コードの検証、及び機械学習による臨界管理手法の開発に役立つと考えられる。
原子力科学研究部門 原子力科学研究所
JAEA-Review 2023-009, 165 Pages, 2023/06
原子力科学研究所(原科研)は、従来からの部署である保安管理部、放射線管理部、工務技術部、研究炉加速器技術部、臨界ホット試験技術部、バックエンド技術部の6部及び計画管理部に加えて、先端基礎研究センター、原子力基礎工学研究センター、原子力エネルギー基盤連携センター及び物質科学研究センターで構成され、各部署は、中長期計画の達成に向け、施設管理、研究技術開発などを行っている。本報告書は、今後の研究開発や事業推進に資するため、令和2年度の原科研の活動(各センターでの研究開発活動を除く)、並びに原科研を拠点とする廃炉環境国際共同研究センター、安全研究センター、原子力人材育成センターなどが原科研の諸施設を利用して実施した研究開発及び原子力人材育成活動の実績を記録したものである。
原子力科学研究部門 原子力科学研究所
JAEA-Review 2023-006, 153 Pages, 2023/06
原子力科学研究所(原科研)は、従来からの部署である保安管理部、放射線管理部、工務技術部、研究炉加速器技術部、臨界ホット試験技術部、バックエンド技術部の6部及び計画管理部に加えて、組織再編によって加わった先端基礎研究センター、原子力基礎工学研究センター、原子力エネルギー基盤連携センター及び物質科学研究センターで構成され、各部署は、中長期計画の達成に向け、施設管理、研究技術開発などを行っている。本報告書は、今後の研究開発や事業推進に資するため、平成31年度・令和元年度の原科研の活動(各センターでの研究開発活動を除く)、並びに原科研を拠点とする廃炉国際共同研究センター、安全研究センター、原子力人材育成センターなどが原科研の諸施設を利用して実施した研究開発及び原子力人材育成活動の実績を記録したものである。
柴 茂樹*; 岩橋 大希*; 大川 剛*; 郡司 智; 井澤 一彦; 須山 賢也
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 9 Pages, 2023/05
原子力規制委員会は2014年より日本原子力研究開発機構と共同して実際の燃料デブリを模擬した模擬燃料デブリの臨界性を判断するための実験に取り組んでいる。日本原子力研究開発機構は模擬燃料デブリの特性を解明することを目的とした燃料デブリを模擬した臨界実験を実施するためSTACY(STAtic experiment Critical facilitY)を改造した。そこでは3種類のSTACY更新炉の炉心構成が提案されている。STACY更新炉での臨界実験では、提案した炉心構成が溶融炉心-コンクリート相互作用デブリを代表するものかどうかを判断することが重要である。本研究では、擬似燃料デブリと減速材の体積比(V/V)を考慮した擬似燃料デブリ・モデルを構築し、SCALE6.2の感度及び不確かさ解析手法の実装のためのツール-指標及びパラメータ(Tools for Sensitivity and Uncertainty Analysis Methodology Implementation-Indices and Parameters: TSUNAMI-IP)を用いて、修正STACY炉心形状と疑似燃料デブリ・モデルの間の不確かさに基づく類似性値(C)の算出を行った。その結果、我々が提案したSTACY更新炉の炉心に装荷される構造材棒は、V/V値を通じて疑似燃料デブリ模型と高い類似性を持つことが示された。C値への主な寄与は、極めて高いコンクリート成分を含む疑似燃料デブリモデルを除き、U , U , Fe (n,)であった。
郡司 智; 荒木 祥平; 須山 賢也; 井澤 一彦
Proceedings of International Conference on Physics of Reactors 2022 (PHYSOR 2022) (Internet), 10 Pages, 2022/05
燃料デブリには、非均質な組成だけでなく、不均一な組成も想定される。そのため、その臨界管理に用いられる計算方法を実験的に検証する必要がある。本研究では、燃料デブリを構成するウラン酸化物燃料棒,コンクリート棒及びステンレス鋼棒を不均一に配置した原子力機構の臨界集合体「STACY」の炉心構成を複数検討し、燃料デブリの不均一な状態を模擬した炉心構成について解析的に検証を行った。本論文では、異なる構成要素を持つ1515の中央試験領域を持つSTACY炉心構成の4つのケースを示す。また、各ケースにおいて乱数に基づいて試験領域の配置パターンを100個作成し、その中性子実効増倍率を評価した。いずれの場合も、中央値が平均値よりも大きくなった。また、パターン変更により実効増倍率に1ドル以上の差があること、局所的な中性子減速条件を変更することで中性子スペクトルが大きく変化することが確認された。特に、熱中性子吸収量の増加により、局所的に水対燃料比の大きな中性子過減速領域が形成されると、実効増倍率が小さくなることを確認した。このような複数組成の不均一配置による臨界実験は、計算コードの妥当性を評価するために有用である。
原子力科学研究部門 原子力科学研究所
JAEA-Review 2021-072, 141 Pages, 2022/03
原子力科学研究所(原科研)は、保安管理部、放射線管理部、工務技術部、研究炉加速器技術部、臨界ホット試験技術部、バックエンド技術部の6部及び計画管理部で構成され、各部署は、中長期計画の達成に向け、施設管理、技術開発などを行っている。本報告書は、今後の研究開発や事業推進に資するため、平成30年度の原科研の活動、並びに原科研を拠点とする廃炉国際共同研究センター、安全研究センター、先端基礎研究センター、原子力基礎工学研究センター、物質科学研究センター、原子力人材育成センターなどが原科研の諸施設を利用して実施した研究開発及び原子力人材育成活動の実績を記録したものである。
原子力科学研究部門 原子力科学研究所
JAEA-Review 2021-067, 135 Pages, 2022/03
原子力科学研究所(原科研)は、保安管理部、放射線管理部、工務技術部、研究炉加速器管理部、福島技術開発試験部、バックエンド技術部の6部及び計画管理室で構成され、各部署は、中期計画の達成に向け、施設管理、技術開発などを行っている。本報告書は、今後の研究開発や事業推進に資するため、平成29年度の原科研の活動、並びに原科研を拠点とする安全研究センター、先端基礎研究センター、原子力基礎工学研究センター、物質科学研究センター、原子力人材育成センターなどが原科研の諸施設を利用して実施した研究開発及び原子力人材育成活動の実績を記録したものである。
原子力科学研究所
JAEA-Review 2021-006, 248 Pages, 2021/12
原子力科学研究所(原科研)は、保安管理部、放射線管理部、工務技術部、研究炉加速器管理部、福島技術開発試験部、バックエンド技術部の6部及び計画管理室で構成され、各部署は、中長期計画の達成に向け、施設管理、技術開発などを行っている。本報告書は、今後の研究開発や事業推進に資するため、平成27年度及び平成28年度の原科研の活動、並びに原科研を拠点とする安全研究センター、先端基礎研究センター、原子力基礎工学研究センター、物質科学研究センター(平成27年度: 量子ビーム応用研究センター)、原子力人材育成センターなどが原科研の諸施設を利用して実施した研究開発及び原子力人材育成活動の実績を記録したものである。
郡司 智; 外池 幸太郎; Clavel, J.-B.*; Duhamel, I.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 58(1), p.51 - 61, 2021/01
被引用回数:1 パーセンタイル:12.16(Nuclear Science & Technology)新しい臨界実験装置STACY更新炉は、燃料デブリに関連する臨界計算の検証に貢献することができ、原子力機構(JAEA)と仏IRSNの共同研究として実験炉心設計が進行中である。この論文では、燃料デブリの溶融炉心コンクリート相互作用(MCCI)を模擬した模擬燃料デブリの臨界特性を測定するための新しいSTACYの炉心設計を最適化するために適用される方法を示す。炉心設計がコード検証に関連していることを確認するには、関心のある主要な同位体が持つ反応度価値と、断面積に対する実効増倍率kの感度を評価することが重要である。この研究で説明されている燃料デブリの場合、特にそのコンクリート組成では、ケイ素が断面に対するk感度が最も高くなる核種である。最適なアルゴリズムを使用して評価に最適な炉心設計を効率的に見つけ、ケイ素の捕獲断面積の高い感度を得るために、格子ピッチや炉心の寸法などのいくつかのパラメーターを調整した。これらの最適化手法の適用結果に基づいて、MCCIの興味深い感度フィードバックを得るための新しいSTACYでの燃料デブリの現実的な一連の実験を定義できた。この方法論は、新しいSTACYの他の実験条件を設計するのに役立てることができる。
外池 幸太郎; 渡邉 友章; 郡司 智; 山根 祐一; 長家 康展; 梅田 幹; 井澤 一彦; 小川 和彦
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 9 Pages, 2019/09
福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出しに係る臨界管理は、臨界を防止する決定論的な管理ではなく、臨界による影響を緩和するリスクの考え方に基づいた管理になる可能性がある。この課題に取り組むため、原子力規制委員会・規制庁は、2014年から、日本原子力研究開発機構に委託して研究開発を進めてきている。燃料デブリの臨界特性解析、臨界解析コードの整備、臨界実験の準備、リスク解析手法の開発の進捗について報告する。
井澤 一彦; 石井 淳一; 大久保 卓哉; 小川 和彦; 外池 幸太郎
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 9 Pages, 2019/09
日本原子力研究開発機構は臨界実験装置STACYを非均質体系に変更する更新計画を進めている。更新されたSTACYでは、福島第一原子力発電所事故によって生成された燃料デブリを想定した臨界解析結果の検証のための実験が計画されている。STACY更新炉の初臨界は2021年初めに予定されている。初臨界後は、STACYでは「基本炉心」を構成し、運転員の習熟と実験結果の不確かさを把握するための一連の運転が行われる。STACY更新炉の初臨界に先立ち、基本炉心の核特性を把握するための一連の核特性解析を行った。本発表では、基本炉心の炉心構成条件を示すとともに、新規制基準のもとで炉心に課される諸条件をあきらかにする。
郡司 智; Clavel, J.-B.*; 外池 幸太郎; Duhamel, I.*
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC 2019) (Internet), 11 Pages, 2019/09
臨界実験施設STACY更新炉は、燃料デブリに関する臨界計算の検証に貢献することができる。実験炉心設計はJAEA/IRSNの共同研究で進行中である。本論文では、溶融炉心コンクリート相互作用(MCCI)デブリの擬似燃料デブリの臨界特性を測定するためのSTACY更新炉の実験炉心構成の設計を最適化するために適用した方法を示した。炉心構成がコード検証に資することを確認するために、模擬デブリに含まれる同位体の反応度価値と反応断面積に対するkeff感度を評価することが重要である。Siの捕獲反応の感度を最大化するために、例えば格子ピッチまたはコア寸法などのコア構成の複数のパラメータを最適化するアルゴリズムを使用して最適な炉心構成を効率的に研究した。
原子力科学研究所
JAEA-Review 2018-036, 216 Pages, 2019/03
原子力科学研究所(原科研)は、保安管理部, 放射線管理部, 工務技術部, 研究炉加速器管理部, 福島技術開発試験部, バックエンド技術部の6部、原科研福島技術開発特別グループ(平成25年度)及び計画管理室で構成され、各部署は、中期計画の達成に向け、施設管理, 技術開発などを行っている。本報告書は、今後の研究開発や事業推進に資するため、平成25年度及び平成26年度の原科研の活動、並びに原科研を拠点とする安全研究センター, 先端基礎研究センター, 原子力基礎工学研究センター(平成25年度: 原子力基礎工学研究部門), 量子ビーム応用研究センター(平成25年度: 量子ビーム応用研究部門), 原子力人材育成センターなどが原科研の諸施設を利用して実施した、研究開発及び原子力人材育成活動の実績を記録したものである。
関 真和; 前川 知之; 井澤 一彦; 曽野 浩樹
JAEA-Technology 2017-038, 52 Pages, 2018/03
日本原子力研究開発機構では、溶液燃料を用いるSTACY(定常臨界実験装置)施設を「棒状燃料と軽水減速材を用いる熱中性子炉用臨界実験装置(STACY更新炉)」に更新する計画を進めている。これまでのSTACYは、炉心タンクへ供給する溶液燃料の体積を調整する液位制御方式を採用していたが、STACY更新炉は、炉心タンクへ減速材の給水量を調整する水位制御方式を採用する。この水位制御について、これまでに行った基本設計の妥当性を検証するため、実機とほぼ同一構造の設備・機器を用いた給排水系モックアップ試験装置を製作した。モックアップ試験では、最大給水流量の制限、給水流量の調整、給水停止等の性能確認を行った。本書では、STACY更新炉給排水系のモックアップ試験の結果について報告する。
郡司 智; 外池 幸太郎; 井澤 一彦; 曽野 浩樹
Progress in Nuclear Energy, 101(Part C), p.321 - 328, 2017/11
被引用回数:3 パーセンタイル:28.82(Nuclear Science & Technology)燃料デブリ、特にMCCI(溶融炉心コンクリート相互作用)生成物の臨界安全性は、福島第一原子力発電所廃炉における主要な安全課題のひとつである。燃料デブリが臨界なのか未臨界であるのかは依然として不確かである。その組成、位置、中性子減速条件などは未だ確認できていない。燃料デブリの臨界制御にあたって、冷却水中に混ぜる中性子毒物の有効性は不確実である。そこで日本原子力研究開発機構(JAEA)では、そのような組成・中性子減速など取りうる条件を広くカバーし、燃料デブリのサンプルが取得され、その条件が判明した場合の臨界特性の評価に寄与する解析データベースを構築する。この計算モデルには、臨界実験によって明らかにされるべき不確かさも含まれる。これらの実験は、改造されたSTACY(定常臨界実験装置)と燃料デブリ組成を模擬したサンプルを用いて実施される予定である。各々のサンプルは、その外形はSTACYの燃料棒と同等で同じくジルカロイ被覆されたものである。この論文では、MCCI生成物を模擬したサンプルの反応度価値を測定するための実験炉心構成の研究について報告している。一連の実験における計算モデルで考慮されるパラメータは次のとおりである:(1)3, 4, 5wt.%のU濃縮度を持つ二酸化ウラン、(2)0, 20, 40, 60及び80%のコンクリート体積割合、並びに(3)0-80%のサンプルの空隙率。この測定実験は、減速不足および加減速の条件で実施できると結論付けられた。また、実験に必要なサンプル量が推定された。