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論文

Estimating the corrosion rate of stainless steel R-SUS304ULC in nitric acid media under concentrating operation

入澤 恵理子; 加藤 千明

Journal of Nuclear Materials, 591, p.154914_1 - 154914_10, 2024/04

 被引用回数:0

核燃料再処理施設における濃縮運転時の溶液組成及び沸騰の変化を考慮して、オーステナイト系ステンレス鋼R-SUS304ULCの腐食量を評価した。オーステナイト系ステンレス鋼R-SUS304ULCは、日本の使用済燃料再処理施設の高放射性廃液濃縮装置の構造材料であり、濃縮運転時に腐食性の高い硝酸溶液を処理する。本研究の結果、カソード反応活性化によるステンレス鋼の腐食速度を加速する要因として、硝酸濃度、酸化性金属イオン濃度、減圧沸騰に着目する必要があることがわかった。

報告書

放射線核種溶存溶液中での鋼の電気化学測定法及びイメージングプレートを用いた腐食試験片解析手法の開発

山下 直輝; 青山 高士; 加藤 千明; 佐野 成人; 田上 進

JAEA-Technology 2023-028, 22 Pages, 2024/03

JAEA-Technology-2023-028.pdf:1.9MB

現在廃止措置過程にある福島第一原子力発電所(1F)では、$$^{90}$$Srや$$^{137}$$Csをはじめとする放射線核種が構造物の健全性に及ぼす影響への関心が高まっている。特に1F内で多くの箇所に用いられている炭素鋼は、溶液中の金属カチオンによって腐食挙動が変化することが知られているが、$$^{90}$$Srや$$^{137}$$Csが腐食に及ぼす影響については未解明である。また、腐食挙動を理解するうえでは錆層中の$$^{90}$$Sr及び$$^{137}$$Csの分布を調査することが重要であるが、その手法は未だ確立されていない。本研究ではグローブボックス内で$$^{90}$$Sr及び$$^{137}$$Csを含むNaCl中で炭素鋼の腐食試験を行えるよう、グローブボックスの整備を行った。加えて、溶液中に金属カチオンとして存在する$$^{90}$$Srや$$^{137}$$Csが炭素鋼の腐食挙動に及ぼす影響を明らかにするため、イメージングプレートを用いた錆層中放射線核種の検出手法の確立を試みた。

論文

Synergistic effect of aluminum lactate and sodium molybdate on freshwater corrosion of carbon steel under irradiation

大谷 恭平; 加藤 千明; 五十嵐 誉廣

Corrosion, 79(11), p.1277 - 1286, 2023/11

A novel corrosion inhibitor of carbon steel in fresh water using Al lactate was proposed and its corrosion-inhibition mechanism was investigated. 0.75 mM Al lactate and 0.25 mM sodium molybdate were the most inhibitive to the corrosion of carbon steel in 3 mM NaCl. Al$$^{3+}$$ and MoO$$_{4}$$$$^{2-}$$ in solution formed the metal cation layer on carbon steel with few defects, and the layer did not contain Fe. The metal cation layer on carbon steel inhibited both the cathodic oxygen reduction reaction and anodic iron dissolving reaction and thus enhances the corrosion protection of carbon steel in fresh water.

論文

Optimization of dissolved hydrogen concentration for mitigating corrosive conditions of pressurised water reactor primary coolant under irradiation, 2; Evaluation of electrochemical corrosion potential

端 邦樹; 塙 悟史; 知見 康弘; 内田 俊介; Lister, D. H.*

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(8), p.867 - 880, 2023/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:53.91(Nuclear Science & Technology)

PWR一次冷却水中の腐食環境評価の1つの主要な目的は、主な構造材への悪影響を抑えつつ、PWRにおける一次冷却材応力腐食割れ(PWSCC)を抑制するための最適水素濃度を決定することにある。この目的に資するため、本研究ではラジオリシス解析と腐食電位(ECP)解析を併用したECP評価手法を提案した。前報では、ラジオリシス解析結果について報告した。この結果を踏まえて本報ではECP解析結果を報告する。ECP解析は混成電位モデルと酸化物層成長モデルを組み合わせたものであり、元々BWR用に開発したものである。本研究ではこれにLi$$^{+}$$とH$$^{+}$$のアノード分極曲線への影響を取り入れ、PWR用に拡張した。解析結果を過去のINCAインパイルループでの実験結果やその他の実験結果と比較し、本解析により$$pm$$100mVの誤差でECPを再現可能であることを示した。

報告書

ガンマ線照射下でのネプツニウム-237を含む沸騰硝酸水溶液中でのステンレス鋼の電気化学測定手法の開発

山下 直輝; 入澤 恵理子; 加藤 千明; 佐野 成人; 田上 進

JAEA-Technology 2022-035, 29 Pages, 2023/03

JAEA-Technology-2022-035.pdf:2.54MB

現行の商用再処理プラント(六ヶ所再処理工場)の処理工程で、最も腐食が厳しいステンレス鋼製機器が高レベル廃液濃縮缶である。高レベル廃液濃縮缶では、ウランやプルトニウムを分離した後の抽出廃液を加熱、濃縮して減容する。そのため、硝酸濃度やネプツニウム-237($$^{237}$$Np)等の腐食性金属イオン種の濃度が再処理工程の中で最も高くなり、腐食量が大きいと予想される。本研究では、腐食反応に与えるガンマ線の影響を電気化学的観点から明らかにするため、原子力科学研究所廃棄物安全試験施設の気密コンクリートセル内にある伝熱面腐食試験装置を、ガンマ線照射下で$$^{237}$$Npを含む硝酸水溶液を使った電気化学測定が行えるように改良した。そして、ステンレス鋼表面で起こっている腐食反応に与えるガンマ線の影響を電気化学試験結果から考察した。その結果、ガンマ線の放射線分解により生成したと考えられる化学種に起因するステンレス鋼の自然浸漬電位の変化や、分極曲線の変化を確認した。

論文

Investigation of the oxidation behavior of Zircaloy-4 cladding in a mixture of air and steam

根本 義之; 石島 暖大; 近藤 啓悦; 藤村 由希; 加治 芳行

Journal of Nuclear Materials, 575, p.154209_1 - 154209_19, 2023/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:31.61(Materials Science, Multidisciplinary)

著者らはこれまでジルコニウム合金製の燃料被覆管について、空気と水蒸気の混合雰囲気中での酸化試験を実施し、乾燥空気中よりも空気と水蒸気の混合雰囲気中において酸化が速くなる場合のあることを報告してきた。このような酸化は使用済み燃料プール(SFP)の重大事故時や、原子炉圧力容器への空気侵入事故時に起こることが懸念されるため、詳細な検討が必要である。そのためジルカロイ4製の被覆管の酸化試験を、空気と水蒸気の混合比を変化させた環境中で800$$^{circ}$$Cの温度条件で実施し、酸化試験データに基づいて酸化速度定数の評価、酸化試験後の試料について、酸化層の詳細評価,水素吸収量の評価等を行った。その結果、酸化の極初期におけるジルコニウム窒化物(ZrN)の生成や、試料表面の全面に拡がる多孔質な酸化層の成長などが、空気と水蒸気の混合雰囲気中での酸化挙動に影響していることが確認された。以上に基づき、乾燥空気中と、空気と水蒸気の混合雰囲気中での酸化メカニズムの違いについて議論を行った結果を報告する。

論文

Introduction of Cu$$^{2+}$$ to the inside of the crevice by chelation and its effect on crevice corrosion of Type 316L stainless steel

青山 高士; 加藤 千明

Corrosion Science, 210(2), p.110850_1 - 110850_10, 2023/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)

Cu$$^{2+}$$のキレート錯体: [Cu(EDTA)]$$^{2-}$$を用いて、Cu$$^{2+}$$を隙間の外側から内側へ導入した。導入されたCu$$^{2+}$$は、ステンレス鋼の隙間腐食の抑制剤として作用することが期待される。隙間腐食試験により、[Cu(EDTA)]$$^{2-}$$のエレクトロマイグレーションによりCu$$^{2+}$$が隙間内部へ導入されることが確認された。移行した[Cu(EDTA)]$$^{2-}$$はH$$^{+}$$と反応して隙間内部のpH低下を抑制し、Cu$$^{2+}$$と[Cu(EDTA)]$$^{2-}$$は分離してステンレス鋼の活性溶解が抑制されることが確認された。

論文

Effects of potential on the electrical conductivity of a solution within a crevice of stainless steel in high-temperature water

相馬 康孝; 小松 篤史; 上野 文義

Corrosion, 78(6), p.503 - 515, 2022/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)

高温水中におけるステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)を理解するためにはすき間部における溶液の性質を、電位(ECP)の関数として理解することが重要である。本研究ではSUS316Lステンレス鋼すき間内の溶液導電率($$sigma$$$$_{crev}$$)の測定を288$$^{circ}$$C、8MPa、主要なアニオンとして約10ppbのCl$$^{-}$$を含有する水中で行った。$$sigma$$$$_{crev}$$のその場測定は、すき間幅15$$mu$$mおよび奥行き23mmの直方体すき間において、異なるすき間深さ位置に設置した電気化学センサーにより実施した。ECPを-0.49V (vs. standard hydrogen electrode at 288$$^{circ}$$C, 8MPa)から-0.12Vに増加させたところ、$$sigma$$$$_{crev}$$は開口部から21mmの距離において12$$mu$$Scm$$^{-1}$$から160$$mu$$Scm$$^{-1}$$まで上昇した。$$sigma$$$$_{crev}$$の上昇は約0.15Vで最大値(約300$$mu$$Scm$$^{-1}$$)を示したのちは電位上昇と共に減少する傾向を示した。本現象は電気化学反応を考慮した有限要素法解析により定量的に再現することができた。すなわち、比較的低電位ではCl$$^{-}$$が主要なすき間内への電気泳動種となり、ECP上昇により$$sigma$$$$_{crev}$$は単調に増加し、同時にpHも低下すると考えらる。一方、ECPが0V近傍を超えると過不働態溶解によって発生したHCrO$$_{4}$$$$^{-}$$もすき間内へ十分な量が泳動する。本化学種はCl$$^{-}$$とは異なり酸化性が強いことから、金属カチオンと反応してそれを酸化沈殿させ、導電率を下げるものと推測された。

論文

オフセット周期加熱法による一方向炭素繊維複合材料の熱拡散率特性評価

永田 將*; 三宅 修吾*; 五十嵐 誉廣; 太田 弘道*; 西 剛史*

実験力学, 22(2), p.105 - 111, 2022/06

単軸炭素繊維強化プラスチック(CFRP)シートの熱緩和軸と熱拡散率をオフセット周期レーザー加熱法で測定し、熱緩和軸と繊維配向の関係を厚さの異なるCFRPシート試験片を用いて実験的に検討した。厚みが薄くなるにつれて、熱緩和軸の配向が面内方向に広がることを明らかにした。可変周波数法及び可変変位法を用いて、CFRP試験片の面外方向及び面内方向の熱拡散率を測定した。面外方向について、炭素繊維方向とほぼ一致した熱拡散率が得られた一方、面内方向は予想外の値を示した。オフセット周期加熱法による熱拡散率測定の結果、繊維の角度による熱的容易軸を考慮した熱拡散率は面内方向の測定とは異なる特性を示すことがわかった。

報告書

溶融鉛ビスマス共晶合金中における9Cr-1Mo鋼の腐食抑制のための適切な酸素濃度の検討

小松 篤史

JAEA-Research 2021-019, 24 Pages, 2022/05

JAEA-Research-2021-019.pdf:1.53MB

溶融鉛ビスマス共晶合金(LBE)中における材料の腐食速度を低減するには、酸素濃度を調整することが重要とされており、過去の報告を見ると約10$$^{-7}$$$$sim$$10$$^{-5}$$wt%程度に酸素濃度を調整していることが多い。しかし、どの程度の濃度が最適と明言されているわけではなく、この濃度範囲内であっても激しく腐食したとの報告もある。本研究では9Cr-1Mo鋼を例にとり、酸化被膜中およびLBE中の拡散を考慮した腐食モデルを作成し、腐食モデルから推定される腐食抑制策について検討を行った。また、LBE中における9Cr-1Mo鋼の腐食を低減しつつ、流れのあるループ環境における低温部での流路閉塞を防止するための最適酸素濃度の算出を試みた。その結果、LBE中における9Cr-1Mo鋼の腐食形態は、酸化被膜厚さと拡散層厚さの比や、LBE中の鉄濃度、温度等により変化し、その成膜挙動から、緻密被膜生成、沈殿被膜生成、被膜溶解の三つに分類した。腐食を抑制するには、緻密被膜生成条件を維持できるように酸素濃度を調整することが重要であり、そのためにはLBEに浸漬する前に10$$^{-7}$$m程度以上の予備酸化被膜をつける必要がある。従来報告でよく用いられる約10$$^{-7}$$$$sim$$10$$^{-5}$$wt%という酸素濃度は、酸化被膜がある程度成長した場合の最適酸素濃度であり、被膜が薄い場合は、より高い酸素濃度が必要になると推察された。

論文

薄い液膜下における鋼の腐食に及ぼす腐食抑制剤の影響

門馬 悠一郎*; 坂入 正敏*; 上野 文義; 大谷 恭平

材料と環境, 71(5), p.133 - 137, 2022/05

薄い液膜下における鋼の腐食に及ぼす腐食抑制剤の影響を調査した。試料上に1.0-0.2mmの厚さの液膜を形成し、モリブデン酸ナトリウムと乳酸アルミニウム混合液を腐食抑制剤として添加し電気化学測定を実施した結果、腐食抑制剤はアノード反応を抑制すること、および液膜中では完全浸漬に比べて腐食抑制剤による保護層の形態が液量に応じて変化することが示唆された。

論文

高温水クレビス模擬環境におけるFe-Cr-Ni合金の電気化学的性質

相馬 康孝; 加藤 千明

材料と環境2022講演集(CD-ROM), p.219 - 220, 2022/05

沸騰水型軽水炉においてはステンレス鋼すき間内部に外界の不純物イオンが濃縮し、酸性化することから、そのような環境(クレビス環境)におけるステンレス鋼の電気化学的性質を知ることは重要である。本研究は、クレビス模擬環境をバルクスケールで再現し、Fe-Cr-Ni合金の電気化学的性質に及ぼすCr濃度の影響を主体に調査した。クレビス環境を模擬した、温度288$$^{circ}$$C、Cl濃度2$$times$$10$$^{-4}$$ mol/dm$$^{-3}$$、pH約4.5、溶存水素濃度10ppbの水中で、Fe-20Ni-xCr (x=16.4, 23, 26)の分極曲線を計測した。その結果、-400mVにおける活性溶解のピーク電流、および-50mVにおける不働態保持電流密度はCr濃度x=16.4, 23、および26%の試験片でそれぞれおおよそ13.8, 15.9, 10.0 $$mu$$Acm$$^{-2}$$、および18.4, 8.5, 8.5 $$mu$$Acm$$^{-2}$$であった。いずれもx=26の電流値が若干低いが、本環境では分極曲線に及ぼす明確なCr濃度依存性は見られないと判断された。

論文

第一原理計算を用いた金属表面腐食機構解明へのアプローチ

五十嵐 誉廣; 大谷 恭平; 小松 篤史; 加藤 千明; 坂入 正敏*

防錆管理, 66(4), p.141 - 145, 2022/04

金属腐食は原子スケールにおける電気化学反応を基とする材料劣化現象である。本報では、第一原理計算を用いた金属表面における様々な物性値取得方法を説明する。また第一原理計算を金属腐食研究に応用した例として、金属表面への水素吸着が電位変化に及ぼす影響と水溶液中カチオン原子が金属の耐食性に及ぼす影響について報告する。

論文

Time dependence of corrosion behavior on Ta in NaOH solutions

石島 暖大; 上野 文義; 阿部 仁

Materials Transactions, 63(4), p.538 - 544, 2022/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)

核燃料再処理機器に使用されているタンタルについて、除染作業での使用が想定される水酸化ナトリウム溶液における腐食挙動の時間依存性を浸漬腐食試験により調査し、経時変化の機構について表面観察および電気化学測定結果から検討した。浸漬腐食試験についてNaOH濃度は1から7mol/L、浸漬時間はそれぞれ、24から168hrとし、室温で行った。腐食速度はNaOH濃度とともに増加するが、浸漬時間によりピークを示しその後減少した。ピークまでの時間はNaOH濃度が高いほど短時間であった。浸漬腐食試験後に洗浄・秤量を行った試料表面のSEMおよびラマン分析では皮膜の生成はみられなかった。一方、分極抵抗は浸漬直後から減少した後に一定値あるいは増加を示した。分極抵抗の経時変化は腐食速度の変化と同じ挙動を示し、また分極抵抗の値は皮膜抵抗と電荷移動抵抗の和とおおよそ一致することから、腐食速度の経時変化は浸漬による皮膜生成に影響を受けることが示唆された。皮膜は主としてTaの溶解により生成するNa$$_{8}$$Ta$$_{6}$$O$$_{19}$$であると考えられた。

論文

$$^{90}$$Sr標準溶液の滴下がSUS 316Lの腐食電位に及ぼす影響の検討

青山 高士; 加藤 千明; 佐藤 智徳; 佐野 成人; 山下 直輝; 上野 文義

材料と環境, 71(4), p.110 - 115, 2022/04

溶存$$^{90}$$Srが炭素鋼およびSUS 316Lステンレス鋼の腐食電位に及ぼす影響を調査した。人工海水中で腐食電位を測定しながら、$$^{90}$$Sr溶存溶液を人工海水に滴下した。溶液の滴下は2回に分けて行い、滴下した溶液の放射能がそれぞれ0.15MBqおよび1.5MBqとなるように調整した。その結果、$$^{90}$$Sr溶存溶液の滴下によって、炭素鋼の電位はほとんど変化しないがSUS316Lステンレス鋼の電位は上昇することが分かった。

論文

膜厚制御された液膜下における炭素鋼の電気化学挙動

門馬 悠一郎*; 坂入 正敏*; 上野 文義; 大谷 恭平

材料と環境, 71(4), p.121 - 125, 2022/04

3Dプリンタを用いて作製した装置で炭素鋼の大気腐食に及ぼす液膜厚さの影響を調査した。新たに作製した装置により、液膜厚さを正確に保持することが可能となった。異なる厚さの液膜で酸素の拡散限界電流密度($$j_{rm lim}$$)とアノード電流密度($$j_{rm anode}$$)を測定した。液膜が薄くなると、$$j_{rm lim}$$は増加し$$j_{rm anode}$$は減少した。$$j_{rm lim}$$と拡散距離の関係から酸素の拡散係数を3.20$$times$$10$$^{-5}$$ cm$$^{2}$$ s$$^{-1}$$と算出した。この結果を用いて、溶存酸素の拡散に影響を与え始める臨界厚さは0.87mmと求められた。

論文

CFD analysis of natural circulation in LBE-cooled accelerator-driven system

菅原 隆徳; 渡辺 奈央; 小野 綾子; 西原 健司; 市原 京子*; 半澤 光平*

Proceedings of 19th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-19) (Internet), 10 Pages, 2022/03

JAEAでは、LBE冷却型加速器駆動システム(ADS)の研究開発を行っている。ADSは既存の臨界炉に比べて安全性が高いと考えられているが、除熱源喪失事象が生じた場合、炉心の破損の可能性が考えられる。これを回避するためDRACS(直接炉心補助冷却システム)を備えているが、その機器信頼性と流量確保が重要となる。本研究では、CFD解析によりADS炉容器内の自然循環時の流れを解析し、DRACS熱交換器位置において十分な流量が確保されるかを検討した。解析の結果、定格運転時の約4.3%の流量が確保され、崩壊熱が適切に除去されることを確認した。また、炉容器内のLBE流れを整えるために設けられている内筒の有無が、自然循環時にどのような影響を与えるかについても検討を行った。

論文

ネプツニウム-237を含む硝酸水溶液中でのステンレス鋼の分極特性と腐食速度の評価

入澤 恵理子; 加藤 千明; 山下 直輝; 佐野 成人

材料と環境, 71(3), p.70 - 74, 2022/03

使用済核燃料再処理溶液施設でのステンレス鋼の腐食評価として、放射性核種である$$^{237}$$Npを含む硝酸水溶液中でのステンレス鋼R-SUS304ULC鋼の浸漬腐食試験と分極測定を行った。328K以上の温度では硝酸水溶液中よりも高い腐食電位を示し、過不動態域近傍となることがわかった。また、浸漬腐食試験により腐食量と分極抵抗との比較から換算係数として$$k$$=0.018V$$sim$$0.025Vの値を取得し、電気化学測定からの腐食量算出が可能であるかを検討した。

論文

Novel ${it Methanobacterium}$ strain induces severe corrosion by retrieving electrons from Fe$$^{0}$$ under a freshwater environment

平野 伸一*; 井原 奏太*; 若井 暁*; 土津田 雄馬; 大谷 恭平; 北垣 徹; 上野 文義; 岡本 章玄*

Microorganisms (Internet), 10(2), p.270_1 - 270_12, 2022/02

 被引用回数:7 パーセンタイル:84.82(Microbiology)

淡水中の嫌気条件下での腐食におけるメタン生成菌の役割を理解するために、地下水と河川から収集されたサンプル中のメタン生成菌の腐食活性を調査した。地下水中でCO$$_{2}$$/NaHCO$$_{3}$$とFe$$^{0}$$をそれぞれ唯一の炭素源と電子供与体として成長できる微生物を単離した。電気化学的分析により、メタン細菌種は、-0.61V vs.SHE未満でカソードから電子を取り込むことができ、細胞外電子伝達能力を持つ他の以前に報告されたメタン生成菌とは異なる電気化学的ポテンシャルを持つ酸化還元活性を持っていることが明らかになった。この結果により、嫌気性淡水環境でFe$$^{0}$$から電子を取り込むことができるメタン生成菌による腐食リスクと、リスク診断に寄与するための腐食メカニズムを理解する必要性が明らかとなった。

論文

気液交番環境の炭素鋼の腐食速度に及ぼす酸素濃度の影響

大谷 恭平; 上野 文義; 加藤 千明

材料と環境, 71(2), p.40 - 45, 2022/02

本研究では、福島第一原子力発電所のPCV内部において確認されている気液交番環境における炭素鋼の腐食速度に及ぼす気中酸素濃度の影響を低酸素濃度の範囲で調査した。調査結果より、腐食速度は気中酸素濃度が増大するに伴って増加するが腐食速度の勾配は徐々に減少すること、最大侵食深さは気中酸素濃度が1%の場合を除いて気中酸素濃度が増加するに伴って増大するが気中酸素濃度が1%の最大侵食深さは5%の場合よりも大きいことを見出した。

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