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和田 勇生*; 玉田 正男; 瀬古 典明; 三友 宏志*
Journal of Applied Polymer Science, 107(4), p.2289 - 2294, 2008/02
被引用回数:14 パーセンタイル:41.99(Polymer Science)前照射法を用いてポリ(3-ヒドロキシブチレート)フィルムへ酢酸ビニルをグラフトした。グラフト反応は、溶媒としてメタノール又は水を用いた。水系においては、界面活性剤としてノニオンL-4を用いることにより最も安定したエマルションを作製することができた。また、酢酸ビニルと界面活性剤の重量比が10対1のときグラフト率は最大となり、23%に達した。メタノールや水系との比較では、界面活性剤を用いたエマルション溶液中で反応を行うことで、メタノールの系と比較して、約100倍グラフト速度を高めることに成功した。
和田 勇生; 瀬古 典明; 長澤 尚胤; 玉田 正男; 粕谷 健一*; 三友 宏志*
Radiation Physics and Chemistry, 76(6), p.1075 - 1083, 2007/06
被引用回数:20 パーセンタイル:78.19(Chemistry, Physical)放射線グラフト重合法を用いてポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)フィルムに酢酸ビニルを重合した。その結果、グラフト率が5%を超えるとフィルム表面がグラフトした酢酸ビニルによって覆われてしまうため、完全に酵素分解性を消失した。しかし、酢酸ビニルグラフトPHBフィルムをアルカリ溶液中、最適条件下でケン化すると酵素分解性は再現した。これは、ケン化反応によりグラフト鎖が生分解性を有するポリビニルアルコール(PVA)に転化されたためである。
Quynh, T. M.*; 三友 宏志*; 長澤 尚胤; 和田 勇生; 吉井 文男; 玉田 正男
European Polymer Journal, 43(5), p.1779 - 1785, 2007/05
被引用回数:115 パーセンタイル:94.90(Polymer Science)架橋剤添加したポリ乳酸の放射線橋かけ技術を用いて、従来のL体からなるポリL乳酸と比較するため、光学異性体であるD体からなるポリD乳酸の橋かけ効果について検討した。D体でもL体と同様に、トリアリルイソシアヌレートを3%添加して電子線を30kGy照射すると、ゲル分率が80%になることがわかった。ポリD乳酸の耐熱性や引張強度は橋かけにより向上するが、その度合いはポリL乳酸とほぼ同じであることが確認された。一方プロテナーゼによる酵素分解では、橋かけポリD乳酸はほとんど分解しないのに対し、橋かけポリL乳酸は分解しやすいことから、D体及びL体をブレンドすることにより、ポリ乳酸の生分解度を制御できると考えられる。
Sghaier, H.; 鳴海 一成; 佐藤 勝也; 大庭 寛史; 三友 宏志*
Theory in Biosciences, 126(1), p.43 - 45, 2007/03
被引用回数:15 パーセンタイル:85.71(Biology)放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの進化に関する学説には、放射線耐性と乾燥耐性の相関という共通の特徴がある。現在広まっている仮説は、ラジオデュランスの放射線耐性がこの菌の乾燥適応の結果生じたという乾燥適応仮説である。しかし、最近の計算生物学,実験的研究,地質調査の知見から、乾燥適応仮説の矛盾点が浮かび上がっている。この論文では、ラジオデュランスの乾燥耐性がこの菌の放射線耐性の結果生じたという新仮説(放射線適応仮説)が、乾燥適応仮説と対等に議論されるべきであることを主張する。
長澤 尚胤; Wasikiewicz, J. M.*; 瀬古 典明; 八木 敏明; Zhao, L.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 玉田 正男
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 52, 2007/02
放射線で橋かけしたカルボキシメチルキチン(CMCt)及びカルボキシメチルキトサン(CMCts)ゲルを作製し、金や白金等の有用金属イオンの吸着特性を検討した。試料を40%濃度の高濃度ペーストに調製後、フィルム状(1mm厚)に作製し、電子線を所定線量照射後、凍結乾燥して蒸留水中に投入し、その不溶分からゲル分率を評価した。CMCtとCMCtsの最大ゲル分率はそれぞれ72%(75kGy)と50%(100kGy)に達した。これらのゲルは、乾燥ゲル1gあたり8.3g(CMCt), 21.2g(CMCts)の吸水特性を有した。作製ゲルの金属吸着特性は、100mLの金属イオン水溶液(100ppb, pH4.0)に乾燥ゲル50mgを2時間浸漬した後、その上澄み液の金属イオン濃度を誘導結合プラズマ質量分析装置で測定後、初期水溶液と上澄み液との濃度差から評価した。両ゲルとも、金や銅イオンを最も吸着し、CMCtゲルはスカンジウムやカドミニウムを、CMCtsゲルはバナジウムを吸着した。カルボキシメチル化キチン誘導体の放射線橋かけゲルは、金やスカンジウム等の有用金属を吸着し、かつ生分解性を有した捕集材として応用可能である。
長澤 尚胤; 金田 綾子*; 松崎 友章*; 金澤 進一*; 八木 敏明; Tran, M. Q.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 玉田 正男; Quynh, T. M.*
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 53, 2007/02
デンプンを原料とする植物由来プラスチックであるポリ乳酸(以下PLAと略記)は、約170Cの高い融点を有し、透明性や機械的特性などが優れていることから、実用化に一番近い材料として有望視されている。しかし、PLAは約60Cを超えると熱変形し、強度が低下するという欠点があるため、耐熱性の向上が必要とされている。ここでPLAの耐熱性改善に対して、放射線照射による橋かけ構造を導入することを試みた。PLAに融点以上の温度(180C)でポリマー重量に対して3重量%濃度の各種多官能性モノマーを添加して線照射したPLAのゲル分率を測定した結果、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)とトリメチルプロパントリアクリレート添加した系のみ、50kGy照射で80%のゲルが生成し、効果的に橋かけ反応が起きた。橋かけ前後の熱機械的分析の結果、未照射PLAでは、約60Cのガラス転移温度以上で急激に変形し、約100Cで測定不可能になる。3%TAIC濃度で50kGy照射したPLAでは、約60Cで変形せず、200Cでも5%しか変形しないことから、橋かけ構造導入により耐熱性が極めて大きく向上することがわかった。放射線照射によって橋かけしたPLAを熱収縮チューブに応用した。橋かけPLAを200Cで2.5倍に膨張させ、室温で冷却固定すると熱収縮チューブにでき、このチューブを160C以上で再加熱すると、元の大きさに収縮して電線などの結束部分の保護材として利用できる。
和田 勇生; 三友 宏志*; 瀬古 典明; 玉田 正男
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 51, 2007/02
ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)は酵素PHBデポリメラーゼによって加水分解される生分解性高分子である。鹸化反応をすると生分解性を有するポリビニルアルコールに誘導可能な酢酸ビニルモノマーをこのPHBフィルムにグラフトし、グラフト率が1から15%のグラフトフィルムを作製した。グラフトした結果、グラフト率が10%を超えると酵素分解が抑制されることがわかった。また、グラフトフィルムを鹸化処理し、グラフト鎖部分をポリビニルアルコールに転換したところ、生分解性は再現し、分解速度をコントロールできる生分解性型フィルムの作製に成功した。
和田 勇生; 三友 宏志*; 粕谷 健一*; 長澤 尚胤; 瀬古 典明; 片貝 秋雄; 玉田 正男
Journal of Applied Polymer Science, 101(6), p.3856 - 3861, 2006/09
被引用回数:21 パーセンタイル:53.52(Polymer Science)放射線グラフト重合法により、生分解性ポリマーであるポリ(3-ヒドロキシブチレート)(PHB)フィルムにアクリル酸をグラフトした。グラフト率が5%を超えると、酵素分解性が失われた。酵素分解性を失ったグラフトフィルムを再加熱成形することにより、酵素分解性は再現した。その場合グラフト率が10%に増加すると加熱成形したフィルムは、PHBフィルムに比べ酵素分解性が向上した。酵素分解性が失われるのは、フィルム表面にアクリル酸がグラフトし、PHB部分に酵素が接触できなくなったためである。また、再加熱により酵素分解性が再現するのは、グラフト鎖がフィルム内に混合され、フィルム表面部分にPHBが現れ、その部分から酵素分解されるためだと考えられる。
Sghaier, H.; 三友 宏志*; 鳴海 一成
Viva Origino, 33(4), p.243 - 257, 2005/12
放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのDNA修復能欠損株の解析及び野生株の遺伝子発現プロファイルの解析から、放射線耐性と乾燥耐性という形質の相関性が明らかにされている。また、電離放射線耐性獲得の地球環境要因が不明のため、放射線抵抗性細菌の放射線耐性は、乾燥耐性を獲得した際の副次的な効果であると示唆されている。われわれは、デイノコッカス・ラジオデュランスのゲノム情報配列解析結果を階層化し、上記の仮説の妥当性を評価した。解析結果をもとに、放射線耐性の乾燥耐性起源説とは別に、われわれは、放射線耐性は初期地球環境の回復力を生体分子が反映したものであり、一方、乾燥耐性は始世代に陸地で生物細胞が繁殖した証であるという調和モデルを提唱する。
長澤 尚胤; 金田 綾子*; 金澤 進一*; 八木 敏明; 三友 宏志*; 吉井 文男; 玉田 正男
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 236(1-4), p.611 - 616, 2005/07
被引用回数:80 パーセンタイル:97.87(Instruments & Instrumentation)生分解性のポリ乳酸は硬く、透明性のよい樹脂であるが、ガラス転移温度60C以上で変形が起きるため、耐熱性の改善が急務である。これを改善するには橋かけ構造の導入が有効であるため、反応性の多官能性モノマーについて検討した結果、トリアリルイソシアヌレートが橋かけに最も有効であることを見いだした。照射橋かけにより耐熱性が向上したポリ乳酸は、融点(160C)以上でも融解しないことから熱収縮チューブへの応用を可能にした。また、橋かけPLAは結晶化が起こらないため熱湯を注いでも透明性を保持しており、食器類への応用が期待できる。
Wasikiewicz, J. M.; 長澤 尚胤; 玉田 正男; 三友 宏志*; 吉井 文男
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 236(1-4), p.617 - 623, 2005/07
被引用回数:54 パーセンタイル:94.86(Instruments & Instrumentation)電子線照射して架橋したカルボキシメチルキチン(CMCT)及びカルボキシメチルキトサン(CMCTS)ハイドロゲルの金属イオン吸着特性について研究した。これらのゲルは、さまざまな希金属イオンの中でスカンジウムイオンと金イオンの吸着能力が高く、2時間といった短時間でほぼ吸着が飽和した。特に金イオンの吸着について詳細に検討し、ラングミア式で算出した結果、乾燥ゲル1gあたりの金イオンの最大吸着量が、CMCTゲルで0.06mol/g、CMCTSゲルで0.19mol/gであった。両ハイドロゲルは金カチオンの有効な吸着材である。
三友 宏志*; 金田 綾子*; Tran, M. Q.*; 長澤 尚胤; 吉井 文男
Polymer, 46(13), p.4695 - 4703, 2005/06
被引用回数:116 パーセンタイル:94.24(Polymer Science)植物産生プラスチックであるポリL乳酸(PLLA)は、ガラス転移温度(Tg)である約60C以上で軟化する性質を持っており、耐熱性に乏しい材料である。このTg以上での軟化を改善する目的で、PLLAに少量の橋かけ助剤を添加して所定線量の電子線を照射して、高分子鎖間に橋かけ構造を導入して耐熱性をはじめとした諸物性の変化について検討した。さまざまな橋かけ助剤の中からトリアリルイソシアヌレート(TAIC)が最も効果的に橋かけ構造を導入でき、3%TAIC添加で50kGy照射した条件で橋かけしたPLLAがTg以上での軟化を抑制することを見いだした。この橋かけしたPLLAは、結晶化するための分子運動性を阻害するような分子鎖ネットワークを広範囲に形成しているため、低結晶化度を示した。さらにPLLAの再結晶化温度である90Cで熱処理と照射により橋かけしたPLLAのTg以上での軟化を完全に改善することができた。また、プロテナーゼ酵素による生分解性試験の結果、未橋かけPLLA(未照射PLLA)に比べ、橋かけしたPLLAは分解しにくく、橋かけ構造導入によって生分解性を制御できることがわかった。
Zhao, L.; 三友 宏志*; 吉井 文男; 久米 民和
Journal of Applied Polymer Science, 91(1), p.556 - 562, 2004/01
キチン及びキトサンをカルボキシメチル化したCM-キチン及びCM-キトサンは高濃度ペースト状照射により橋かけすることを見出した。橋かけ試料は、シート状に成形できゴム的弾性のあるものである。この厚み5mmのシートを5mm角程度に切り二価の銅イオンによる金属吸着の試験を行った。CM-キチン及びCM-キトサンゲルは、銅イオンの溶けた水溶液に浸すことにより、銅を吸着した。吸着性能は、CM-キチンゲル1は161mg/1g乾燥ゲルに対し、CM-キトサンは172mg/gであった。キトサン誘導体の方が吸着性能がやや優れている。溶離は酸性に移すことにより金属の脱着が起き、再利用が可能である。
Zhao, L.; 三友 宏志*; 吉井 文男; 久米 民和
Journal of Applied Polymer Science, 91(1), p.556 - 562, 2004/01
被引用回数:20 パーセンタイル:53.91(Polymer Science)水溶液中の金属イオンを捕集するため、カルボキシメチルキチン(CM-キチン)及びカルボキシメチルキトサン(CM-キトサン)のハイドロゲルをペースト状放射線橋かけにより合成した。CM-キチン及びCM-キトサンの最適な銅イオン吸着条件を求めた結果、pHは5.5,浸漬時間は2時間であった。銅イオンはpHを酸性側に移行させることにより脱着し、ゲルは再利用できることがわかった。CM-キトサンゲルによる銅イオンの最大吸着量は、グルタルアルデヒドの化学橋かけによる吸着よりも2倍ほど高く、172mg銅/1g乾燥ゲルという値を得た。この結果より、汚れた水や水道水からの微量の金属イオンの除去に有効な吸着剤になることが期待できる。
Zhao, L.; 三友 宏志*; Zhai, M.*; 吉井 文男; 長澤 尚胤; 久米 民和
Carbohydrate Polymers, 53(4), p.439 - 446, 2003/09
被引用回数:204 パーセンタイル:99.05(Chemistry, Applied)ポリビニルアルコール(PVA)とカルボキシメチルキトサン(CM-キトサン)のブレンドハイドロゲルを電子線照射により合成し、相溶性やゲルの特性を調べた。CM-キトサンは、PVAゲルのゲル強度を著しく向上させた。その最適濃度は、PVA10/CM-キトサン5/水85の組成である。強度向上の機構は、赤外吸収スペクトルと熱測定の結果から、CM-キトサンがPVA分子鎖にグラフト橋かけ及びからみあい起こすためと考えられる。相溶性については、CM-キトサンが金属イオンと錯体をつくることから、ブレンド中のCM-キトサンが結合した銅の分散性を観察した結果、均一に相溶していることがわかった。ブレンドハイドロゲルには抗菌効果もあることが認められた。
Zhao, L.; 三友 宏志*; 長澤 尚胤; 吉井 文男; 久米 民和
Carbohydrate Polymers, 51(2), p.169 - 175, 2003/01
被引用回数:115 パーセンタイル:96.38(Chemistry, Applied)蟹やエビの殻から得られるキチンをカーボキシメチル化したCM-キチン、それを脱アセチル化したCM-キトサンに橋かけ構造を導入するため、10%以上のペースト状で照射した。放射線橋かけには30~40%の高い濃度ほど橋かけ収率が高く、これはセルロースやデンプン誘導体の橋かけと全く同じである。しかし得られるゲルシートの強度は、CM-キチン及びキトサンゲルの方が高い値を示す。橋かけによるゲル分率は、同じ照射線量で比較すると、CM-キチンの方がアセチル基が橋かけに寄与するためCM-キトサンよりも高い。オリジナルのキトサン試料には抗菌活性があり、橋かけによりゲル化させても抗菌活性が保持されていた。
Suhartini, M.; 三友 宏志*; 長澤 尚胤; 吉井 文男; 久米 民和
Journal of Applied Polymer Science, 88(9), p.2238 - 2246, 2003/00
被引用回数:46 パーセンタイル:79.70(Polymer Science)生分解性プラスチックは耐熱性が低いため、応用分野が限られている。放射線橋かけは耐熱性の改善に有効な方法であるため、アクリレート,メタクリレート及びアリル化合物の1分子内に二つ以上の二重結合をもつ多官能性モノマーを添加し橋かけ促進効果について調べた。その結果、生分解性のポリブチレンサクシネート(PBS)の橋かけ助剤にトリアジン環をもったトリメタアリルイソシアヌレート(TMAIC)が1%という極めて低い濃度で効率的に橋かけを起こすことを見出した。ゲル分率から評価した橋かけ収率は、TMAICを添加しない試料は50kGyでほとんど橋かけしないのに対し、1%TMAIC添加試料は85%のゲル分率が得られた。この橋かけにより耐熱性が著しく向上し、熱湯水で全く変形の起こらないものが得られた。土壌中での生分解性は,橋かけ試料でもオリジナル試料とほぼ同様に分解した。
Wach, R. A.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 久米 民和
Macromolecular Materials and Engineering, 287(4), p.285 - 295, 2002/04
被引用回数:58 パーセンタイル:85.14(Materials Science, Multidisciplinary)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が20%以上のペースト状態の照射により橋かけ反応を起こした。橋かけHPCは吸水しハイドロゲルとなった。得られたハイドロゲルは温度応答性を示し、35~40Cで著しい体積収縮が起き、温度降下により元の体積に戻る可逆的変化を示した。ゲル強度は線量とともに増大した。このハイドロゲルは、50kGy照射により10kGy照射の3倍大きい強度が得られた。乾燥後のゲルについても照射により著しく強度が増加した。これらの結果から、ペースト状橋かけが機械的強度の向上に有効であることがわかった。また、HPCは酵素分解の結果から、橋かけ後も生分解性を有していた。
Suhartini, M.; 三友 宏志*; 吉井 文男; 長澤 尚胤; 久米 民和
Journal of Polymers and the Environment, 9(4), p.163 - 171, 2001/10
被引用回数:25 パーセンタイル:66.13(Engineering, Environmental)生分解性のポリブチレンサクシネート(PBS)は耐熱性が低いため、その改善が求められてる。特にアジペートとの共重合体は熱湯水中で融解が起きる。本論文では、エネルギー移動や橋かけ開始点を増加させるためにPBSに無機物を混練し、照射を行った。その結果、活性炭や二酸化珪素の添加により低い線量から橋かけが起き、橋かけ収率が増大した。添加濃度は2%が最も効果的であった。耐熱性は熱湯にも耐えられるものが得られた。生分解性は、酵素分解と土壌中に埋め重量変化から評価した。無機物添加はオリジナル試料と比較して、未橋かけ試料及び橋かけ試料の生分解性を促進するという興味ある結果が得られた。これは、熱分析の結果無機物添加により結晶化度が低下するためと考えられる。
Wach, R. A.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 久米 民和
Journal of Applied Polymer Science, 81(12), p.3030 - 3037, 2001/09
被引用回数:115 パーセンタイル:95.29(Polymer Science)カルボキシメチルセルロース(CMC)が水とのペースト状照射で橋かけすることを見いだした。本稿では種々の条件下で照射した場合の橋かけ挙動について述べる。(1)置換度が高いほど橋かけしやすい。(2)ペースト状照射では、50~60%の高濃度ほど橋かけしやすく95%のゲル分率が得られる。(3)含水量は最高で1グラムの乾燥ゲルが800gの水を吸収する。(4)塩濃度が増すと吸収率は低下し、1グラムのドライゲルが約100gの水を吸収する。これは市販のアクリル酸ソーダの吸水性の値よりも大きい。(5)置換度が高いほど橋かけしやすいことから、橋かけ点にカルボキシメチル基が寄与していると推定できる。