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論文

First-principles modeling for dislocation motion of HEA alloys

都留 智仁; 板倉 充洋; 弓削 是貴*; 青柳 吉輝*; 下川 智嗣*; 久保 百司*; 尾方 成信*

Proceedings of 4th International Symposium on Atomistic and Multiscale Modeling of Mechanics and Multiphysics (ISAM-4) (Internet), p.59 - 62, 2019/08

ハイエントロピー合金(HEA)は結晶構造をもつ単相または多相の合金であり、主要な構成元素をもたず5種類またはそれ以上の等原子分率の組成を有している。このような状況では、変形挙動は従来の固溶強化機構では説明することができないため、変形の基礎的な機構はわかっていない。本研究では、第一原理計算を用いて体心立方(BCC)構造を有するHEA合金の転位挙動に関して検討を行った。クラスター展開に基づくSpecial quasirandom structures (SQS)を用いて、高濃度不規則固溶体を構築して、MoNbTaVWの組成を有する原子モデルに対して転位芯構造を導入した。第一原理計算の結果、局所的な変位が小さいMoNbTaVWでは、純BCC金属で見られる転位構造と同様の転位芯構造を有することがわかった。一方、その運動は純BCC金属と異なり、転位芯構造の化学的に無秩序さを反映して、Peierlsポテンシャル面が複雑に変化することがわかった。

論文

Atomic scale simulations of relationship between macroscopic mechanical properties and microscopic defect evolution in ultrafine-grained metals

都留 智仁; 青柳 吉輝*; 下川 智嗣*

Materials Transactions, 57(9), p.1476 - 1481, 2016/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:88.44(Materials Science, Multidisciplinary)

超微細粒(UFG)金属の降伏メカニズムへの影響について原子シミュレーションによって検討を行った。機械特性とミクロな欠陥組織の影響を明らかにするため、粒径と粒内転位を変化させた多結晶原子モデルを構築し変形解析を行った結果、粒内転位は初期降伏と粒界を介した塑性変形挙動に大きな役割を果たすことがわかった。さらに、同じFCC金属でもCuは粒界から双晶の生成・成長が生じ、Alよりも早く塑性変形を開始することがわかった。

論文

Heterogeneous plastic deformation and Bauschinger effect in ultrafine-grained metals; Atomistic simulations

都留 智仁; 青柳 吉輝*; 加治 芳行; 下川 智嗣*

Modelling and Simulation in Materials Science and Engineering, 24(3), p.035010_1 - 035010_10, 2016/03

 被引用回数:6 パーセンタイル:56.54(Materials Science, Multidisciplinary)

大規模原子シミュレーションを用いて、多結晶モデルに対して単軸引張りと圧縮を与えることで超微細粒材料の降伏強度と塑性変形に関する転位密度の影響を検討した。その結果、初期の降伏挙動は転位密度が小さくなるにつれて異方性が大きくなることがわかった。また、Bauschinger効果はこれまで知られている粗大粒のメカニズムと異なり、転位密度が変化することによって生じることを明らかにした。

論文

Atomistic simulation of yield and plastic deformation in bulk nanostructured metals

都留 智仁; 青柳 吉輝*; 加治 芳行; 下川 智嗣*

Proceedings of 23rd International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-23) (DVD-ROM), 4 Pages, 2015/05

バルクナノメタルなどの結晶粒がきわめて小さい金属では、通常の強化機構を越えて降伏応力は著しく上昇する。また、粗大粒金属と比べて引張・圧縮異方性や、繰り返し変形による異方性が観察される。バウシンガー効果などの繰り返し変形による異方性は多くの微細粒材料に共通であり、引張・圧縮異方性は一部の金属にのみに見られるが、これらの要因は明らかになっていない。そこで、本研究では、複数の結晶粒と転位源を有する三次元多結晶モデルを用いた原子シミュレーションによって、変形時の内部構造の変化から特異な機械特性と材料によって異なる塑性異方性について検討を行った。

論文

Crystal plasticity modeling and simulation considering the behavior of the dislocation source of ultrafine-grained metal

青柳 吉輝*; 都留 智仁; 下川 智嗣*

International Journal of Plasticity, 55, p.43 - 57, 2014/04

 被引用回数:31 パーセンタイル:10.33(Engineering, Mechanical)

結晶粒径が1$$mu$$m未満の超微細粒材料は驚くべき強度特性を持つことが知られており、材料科学の分野においてこのような特性を扱うことができる計算科学的手法が求められている。粒径がサブミクロンオーダーになる場合、粒のサイズに応じて転位源から転位ループは張出しにくくなる。そこで我々は粒界と転位源の影響を両方考慮した結晶塑性モデルを新たに構築し、超微細粒材料の機械特性に転位源が与える影響について検討を行った。

論文

超微細粒金属の機械特性に対する粒内転位生成と粒界におけるすべり伝播の影響

都留 智仁; 青柳 吉輝*; 加治 芳行; 下川 智嗣*

日本金属学会誌, 78(1), p.45 - 51, 2014/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

超微細粒金属の粒内および粒界における塑性変形と力学特性の関係を明らかにするため、転位源としてのFrank-Read源を含んだアルミニウム薄板多結晶モデルを用いた大規模原子シミュレーションを行った。粒界の流動応力に与える影響を明確にするため、原子モデルとして結晶学的にすべり伝播が容易な粒界と困難な粒界を生じるような二つの異なる多結晶モデルを検討した。粗大粒材料と同様に、いずれのモデルにおいても、最初の塑性変形は粒内に存在する転位源の運動によって開始する一方、初期の降伏以降の塑性変形は粒界における転位の通過によるすべり伝播の抵抗に大きく影響されることが示された。粒内の転位源の運動とすべり伝播に必要な臨界応力の間の大小関係が材料強度に与える影響について検討し、超微細粒金属の強度の結晶粒径と転位源長さに関連した局所的な欠陥構造に依存性を定量的に示した。本論文は、"Materials Transactions, 54(9), p.1580-1586 (2013)"の邦文誌として掲載されたものである。

論文

Influence of competition between intragranular dislocation nucleation and intergranular slip transfer on mechanical properties of ultrafine-grained metals

都留 智仁; 青柳 吉輝*; 加治 芳行; 下川 智嗣*

Materials Transactions, 54(9), p.1580 - 1586, 2013/09

 被引用回数:10 パーセンタイル:41.18(Materials Science, Multidisciplinary)

バルクナノメタルの力学特性は、粒界部の体積率が通常の粗大粒材と比べて大きくなるため、従来の転位の平均的挙動として説明することができない。そのため、粒界や転位の個々の局所的な挙動が力学特性に与える影響が大きくこれらを理解することが重要となる。本研究では、大規模原子シミュレーションを用いて、粒界および粒内転位の活性化過程について検討を行う。粒内転位源として、フランクリード源の原子モデルを構築し、せん断変形に対する多結晶内の転位の運動について検討を行った結果、初期の転位源の活動は粒径に依存しないものの、粒界を越えた転位の伝播が系全体の塑性変形に大きく影響することを明らかにした。本論文は、第62回日本金属学会論文賞を受賞した。

論文

Atomistic simulations of activation ability of dislocation source within grain boundary

都留 智仁; 青柳 吉輝*; 下川 智嗣*; 加治 芳行

International Workshop on Bulk Nanostructured Metals; Proceedings Book, p.56_1 - 56_4, 2012/06

サブミクロン以下の粒径で構成されるバルクナノメタル(BNM)は粒界における過剰体積が大きく、平均場としての材料強度則で評価することは困難である。そのため、個々の転位の運動と粒界が塑性変形に大きく寄与することが指摘されている。本研究では、大規模源シミュレーションに基づく計算科学モデルを用いて転位源の活性化と粒界のマクロな塑性変形に対する影響を検討する。

論文

Simulation on nanostructured metals based on multiscale crystal plasticity considering effect of grain boundary

青柳 吉輝; 下川 智嗣*; 志澤 一之*; 加治 芳行

Materials Science Forum, 706-709, p.1751 - 1756, 2012/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:36.05

本研究では、粒界の影響を考慮した結晶塑性モデルを構築した。粒界の存在に起因する局所的な臨界分解せん断応力の増加を表現するために、結晶塑性論における硬化則に転位源としての役割を有する粒界の情報を導入した。さらに、本モデルを用い、FCC多結晶を想定したFEM解析を行い、降伏応力の増加や加工硬化率の減少といったバルクナノメタルの応力-ひずみ応答を再現した。本結果に基づき、転位挙動がバルクナノメタルの材料特性に与える影響を検討した結果、粒径の減少に伴う降伏応力の増加及び加工硬化率の減少は局所的な臨界分解せん断応力及び転位挙動に起因するといった知見を得た。

口頭

Strain rate sensitivity of dislocation nucleation from grain boundary

Tirtom, I.; Wang, Y.*; 下川 智嗣*; 尾方 成信*

no journal, , 

Defect behavior can be classified as nucleation and mobility. In order to estimate plastic deformation behavior of nanocrystal materials, correct estimation of dislocation nucleation rate from the grain boundary at elevated temperatures is essential. However, it is not measurable within the capability of available experimental methods. And also with rare event characteristic, it is mostly out of the time span of classical MD. Therefore, objective of this study is to estimate dislocation nucleation from grain boundary at finite temperature by established consequent calculations of classical MD, NEB and constrained MD methods.

口頭

Multiscale computational approach of grain size effect on plastic deformation

都留 智仁; 青柳 吉輝*; 下川 智嗣*; 加治 芳行

no journal, , 

近年の粒界制御などのミクロ組織制御により、ナノ結晶材料などの材料特性の向上が広く応用されている。このような材料では、材料特性が従来のようにそれぞれの粒の平均的挙動として記述することができないため、個々の結晶粒の方位や欠陥の役割を明確に理解する必要がある。そこで、本研究では、原子シミュレーションから結晶塑性法に基づくマルチスケールアプローチによって、結晶粒内の個々の欠陥挙動のマクロな機械特性に対する影響について検討を行う。

口頭

Atomistic simulations on size-dependent yield mechanism of ultrafine-grained metals

都留 智仁; 青柳 吉輝*; 加治 芳行; 下川 智嗣*

no journal, , 

微細粒材料の機械特性は粗大粒と大きく異なることが知られており、その代表的なものが粒径に依存した強度変化である。最近の研究から繰り返し変形の力学応答についても通常の延性金属材料にないバウシンガー効果を示すことが分かってきた。本研究では、初期転位密度の異なる三次元多結晶金属の大規模原子モデルを構築し、単軸引張り・圧縮シミュレーションによってそれらの変形挙動について検討を行った。その結果、粒径依存の降伏挙動を明らかにするとともに、繰り返し変形の力学応答としてバウシンガー効果が発生する条件も初期転位密度の違いによって決定されることがわかった。

口頭

超微細粒金属の変形機構に関する大規模原子シミュレーション

都留 智仁; 青柳 吉輝*; 加治 芳行; 下川 智嗣*

no journal, , 

微細粒材料の機械特性は粗大粒と大きく異なることが知られており、その代表的なものが粒径に依存した強度変化である。本研究では、多結晶薄板モデルに対するせん断変形解析を行い、降伏応力と流動応力の粒径依存性を明らかにした。また、転位密度の異なる3次元多結晶モデルを用いた繰り返し変形シミュレーションを行い、薄板モデルと同様に粒径依存の降伏挙動を示すとともに、微細粒材料のバウシンガー効果が変形時の転位密度の変化によってもたらされることを明らかにした。本研究の一部は、2014年度日本金属学会論文賞(力学特性部門)を受賞した。

口頭

結晶構造・微細組織構造によって生じる塑性異方性の素過程に関する計算科学的検討

都留 智仁; 青柳 吉輝*; 下川 智嗣*; 山口 正剛; 板倉 充洋; 蕪木 英雄; 加治 芳行; Chrzan, D. C.*

no journal, , 

構造材料の軽量化は省エネルギーにおける重要課題であり、軽量のマグネシウム(Mg)合金の実用化が期待されている。しかし、六方晶Mgの強い塑性異方性は、実用化を阻む致命的な問題となっている。また、強加工によって得られる超微細組織材料において、引張圧縮異方性や繰り返し変形による塑性異方性が確認されている。本研究では、金属材料の構造因子(1)や微細組織(2)によって生じる塑性異方性の素過程についてそれぞれ原子シミュレーションに基づく検討を行う。この研究は、日本金属学会2015年春期(第156回)講演大会において基調講演として発表されるものである。

口頭

Tension/compression anisotropy in yield stress and Bauschinger effect in ultrafine-grained metals

都留 智仁; 青柳 吉輝*; 加治 芳行; 下川 智嗣*

no journal, , 

超微細粒金属では引張・圧縮異方性や、繰り返し変形による異方性が観察される。バウシンガー効果などの繰り返し変形による異方性は多くの微細粒材料に共通であり、引張・圧縮異方性は一部の金属にのみに見られるが、これらの要因は明らかになっていない。そこで、本研究では、アルミニウムと銅の異なる金属を用いた大規模原子シミュレーションによって、変形時の内部構造の変化から特異な機械特性と材料によって異なる塑性異方性について検討を行った。その結果、アルミニウムで引張・圧縮異方性が顕著であることがわかった。これは積層欠陥エネルギーが外部負荷によって大きく変化し、粒界からの転位の生成を容易にするためであることを明らかにした。

口頭

Large-scale atomistic simulations of anisotropic plastic deformation in bulk nanostructured metals

都留 智仁; 青柳 吉輝*; 加治 芳行; 下川 智嗣*

no journal, , 

バルクナノメタルのように結晶粒が微細な金属では降伏応力や塑性変形に異方性が生じることがわかってきた。材料の種類によってバウシンガー効果や引張り圧縮異方性は異なるがこれらの要因は明らかになっていない。そこで、本研究では、並列原子シミュレーションによって、変形時の内部構造の変化から特異な機械特性と材料によって異なる塑性異方性について検討を行い、積層欠陥エネルギー等のすべりに関する材料特性の外部負荷依存性が異方性に大きく影響することを明らかにした。

口頭

First-principles predictions of dislocation motion in high-entropy alloys

都留 智仁; 板倉 充洋; 弓削 是貴*; 青柳 吉輝*; 下川 智嗣*; 久保 百司*; 尾方 成信*

no journal, , 

ハイエントロピー合金(HEA)は結晶構造をもつ単相または多相の合金であり、主要な構成元素をもたず5種類またはそれ以上の等原子分率の組成を有している。このような状況では、変形挙動は従来の固溶強化機構では説明することができないため、変形の基礎的な機構はわかっていない。本研究では、第一原理計算を用いて体心立方(BCC)構造を有するHEA合金の転位挙動に関して検討を行った。第一原理計算の結果、局所的な変位が小さいMoNbTaVWでは、純BCC金属で見られる転位構造と同様の転位芯構造を有するが局所変位の大きな合金系では転位芯構造が大きく広がった不均質な変位分布を持つことがわかった。

口頭

第一原理計算によるハイエントロピー合金の転位構造と運動に関する研究

都留 智仁; 弓削 是貴*; 青柳 吉輝*; 下川 智嗣*; 久保 百司*; 尾方 成信*

no journal, , 

ハイエントロピー合金(HEA)は、主要成分を持たない5元素またはそれ以上の成分が等原子分率で混合した結晶構造を持つ合金として定義される。HEAでは、従来の希薄合金を対象とした固溶強化理論による評価が困難な一方、特異な変形機構を生じ、強化の促進や強度と延性の両立などの優れた機能の創出が期待されている。しかし、局所的な原子変位などの影響により強度が向上することなどが分かっているが、詳細な機構は明らかになっていない。そこで本研究では、第一原理計算を用いて転位構造とその特性について検討を行った。BCC相が安定なMoNbTaVWと安定性の低いZrNbTaTiHfを対象として、第一原理計算によって計算された平均二乗原子変位(MSAD)を評価した。その結果、MSADの小さなMoNbTaVWでは純BCC金属の転位芯と同様に、転位芯近傍の3つの原子が転位のBurgersベクトルをほぼ均一に持つことが確認される。一方、ZrNbTaTiHfでは、局所的な変位による弾性ひずみエネルギーの偏差が大きく、転位構造は転位芯近傍の周囲の元素の影響を受けて多様な構造を取ることがわかった。

口頭

第一原理計算によるBCCハイエントロピー合金の転位構造

都留 智仁; 弓削 是貴*; 青柳 吉輝*; 下川 智嗣*; 久保 百司*; 尾方 成信*

no journal, , 

ハイエントロピー合金(HEA)は、5元素またはそれ以上の成分が等原子分率で混合した結晶構造を持つ合金として定義される。HEAでは、特異な変形機構によって、強化の促進や強度と延性の両立などの優れた機能の創出が期待されている。しかし、局所的な原子変位などの影響により強度が向上することなどが分かっているが、詳細な機構は明らかになっていない。本研究では、とりわけ高い強度を示すことが知られているBCC構造を持つHEAを対象として、2種類のHEAについて、第一原理計算を用いて転位構造に関する特徴について検討を行った。MoNbTaVWとZrNbTaTiHfを対象として、第一原理計算によって転位芯構造を評価した結果、局所所変位の小さなMoNbTaVWでは純BCC金属の転位芯と同様に、転位芯近傍の3つの原子が転位のBurgersベクトルをほぼ均一に持つことが確認される。一方、ZrNbTaTiHfでは、各原子の局所変位により、転位構造は転位芯近傍の元素の影響を受けて位置によって大きく変化することがわかった。

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