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嘉悦 勲; 吉田 勝; 浅野 雅春; 山田 明夫*; 桜井 靖久*; 中村 光司*; 高崎 健*; 羽生 富士夫*; 中井 克幸*; 山中 英寿*; et al.
人工臓器, 12(2), p.689 - 692, 1983/00
MMC-高分子複合体を低温放射線重合法により、またTS-ポリペプチドあるいはTS-タンパク質複合体を加圧加熱溶解法により試作した。ビニルポリマー系複合体は複合対中の薬物濃度が高いにも拘らず血液障害を認めずかつ抗腫瘍効果を示した。しかしながら、埋入物周辺の癌細胞に対する有効な作用領域は比較的限局性であることが判明した。そこで上述した作用領域を拡大するため、薬物の生体での拡散透過を促進するような物質、例えばUK,PEG,DMSOあるいはSDSを複合体に共存させてその効果を検討した。一方、消化性担体については、放射線照射によって担体の消化速度を早くしたり、あるいは遅くしたりすることが可能であることを見出した。このような担体特性を薬物の情報化に応用し、担体-薬物複合体の試作条件および薬理機能との関連において検討した。
嘉悦 勲; 吉田 勝; 山田 明夫*; 桜井 靖久*; 中村 光司*; 羽生 富士夫*; 安井 平造*; 多嘉良 稔*; 洒徳 治三郎*
人工臓器, 9(6), p.1128 - 1131, 1980/00
人工材料には生体器官を模擬し、その機能を代行するために用いられる代用人工臓器と、治療のためにデザインされシステム化されたdrug delivery systemのような新しい人工臓器とがある。我々は、埋め込みによって生体内で化学療法を行うための制癌材-高分子複合体を開発し、臨床的にも試験利用される段階に達した。この複合体はビニル系合成高分子を素材とし、放射線重合法により調製されるもので、埋め込み使用に適した長期の薬品作用を有している。 この複合体の利用に当っては、癌の種類、治療の狙いなどによって、きわめて多様な形状と構造への制癌剤の高分子による複合加工が要求され、それぞれの形状、構造と溶出、薬理機能の関係を検討・把握することが求められる。