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報告書

Deuterated Materials Enhancing Neutron Science for Structure Function Applications; 2017年10月19$$sim$$20日,いばらき量子ビーム研究センター

阿久津 和宏*; 安達 基泰*; 川北 至信

JAEA-Review 2018-002, 36 Pages, 2018/03

JAEA-Review-2018-002.pdf:4.67MB

J-PARC MLFでは安定した大強度パルス中性子の供給が実施されており、現在までに数多くの中性子線を用いた先導的な研究、特に化学・生命の中性子研究においては中性子線が水素に敏感である性質を活用した研究が展開されている。特定の位置の水素又は有機分子の水素をその同位体である重水素でラベル化する手法は、部分選択的構造解析、水素の非干渉性散乱に由来するバックグラウンドの低減、従来では見えない構造を可視化するなど多くの利点があり、中性子研究を更に高度なものへと昇華する手法として重要な役割を担っている。そこで、わが国の中性子科学の発展に寄与することを目指して、2017年10月19日-20日に 国際ワークショップ「Deuterated Materials Enhancing Neutron Science for Structure Function Applications」がJ-PARC Workshopとして開催された。このワークショップでは、重水素ラベル化技術及びそれらを中性子科学研究に利用している国内外の研究者が一堂に会し、重水素化実験手法、最新の中性子科学研究成果及びその動向について多方面より議論した。本レポートは、オーガナイザーによるワークショップの報告である。

論文

The Catalytic mechanism of decarboxylative hydroxylation of salicylate hydroxylase revealed by crystal structure analysis at 2.5${AA}$ resolution

上村 拓也*; 喜田 昭子*; 渡邉 佳彦*; 安達 基泰; 黒木 良太; 森本 幸生*

Biochemical and Biophysical Research Communications, 469(2), p.158 - 163, 2016/01

 被引用回数:10 パーセンタイル:31.68(Biochemistry & Molecular Biology)

The X-ray crystal structure of a salicylate hydroxylase from ${it Pseudomonas putida}$ S-1 complexed with coenzyme FAD has been determined to a resolution of 2.5${AA}$. Structural conservation with $$p$$- or $$m$$-hydroxybenzoate hydroxylase is very good throughout the topology, despite a low amino sequence identity of 20-40% between these three hydroxylases. Salicylate hydroxylase is composed of three distinct domains and includes FAD between domains I and II, which is accessible to solvent. In this study, which analyzes the tertiary structure of the enzyme, the unique reaction of salicylate, i.e. decarboxylative hydroxylation, and the structural roles of amino acids surrounding the substrate, are considered.

論文

Structure of a highly acidic $$beta$$-lactamase from the moderate halophile ${it Chromohalobacter}$ sp.560 and the discovery of a Cs$$^{+}$$-selective binding site

新井 栄揮; 米澤 悌*; 岡崎 伸生*; 松本 富美子*; 柴崎 千枝; 清水 瑠美; 山田 貢*; 安達 基泰; 玉田 太郎; 河本 正秀*; et al.

Acta Crystallographica Section D, 71(3), p.541 - 554, 2015/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:56.64(Biochemical Research Methods)

蛋白質を利用した希少・有害金属捕集材料の研究開発の一環として、中度好塩菌Chromohalobacter sp.560由来・高酸性$$beta$$-Lactamase(HaBLA)のX線結晶構造を解明するとともに、X線異常分散測定により、HaBLA分子上のCs$$^{+}$$, Sr$$^{2+}$$結合部位の抽出を試みた。PFのNW3AにてHaBLAのX線結晶構造を解明した後、Cs吸収端($$lambda$$=2.175${AA}$)近傍のX線を利用できるSAGA-LSのBL7やPFのBL17A、及び、Sr吸収端($$lambda$$=0.770${AA}$)近傍のX線を利用できるSPring-8のBL38B1やPFのBL5Aなどを使用して、HaBLA分子に結合したCs$$^{+}$$及びSr$$^{2+}$$を同定した。その結果、HaBLA分子上に少なくとも1ヶ所のCs$$^{+}$$結合部位、3ヶ所のSr$$^{2+}$$結合部位を発見した。特に、今回発見したCs$$^{+}$$結合部位は、Na$$^{+}$$がCs$$^{+}$$の9倍量存在する条件下(Na$$^{+}$$/Cs$$^{+}$$ = 90mM/10mM)でもCs$$^{+}$$を選択的に結合できることが明らかになった。このCs$$^{+}$$選択的結合部位は、Trp側鎖のベンゼン環によるカチオン-$$pi$$相互作用、および、主鎖の2つの酸素原子によってCs$$^{+}$$を結合していた。本研究で得たCs$$^{+}$$結合部位の立体構造情報は、原発事故によって放出された放射性Cs$$^{+}$$を捕集する蛋白質材料の設計(人工的Cs$$^{+}$$結合部位の設計)の土台として利用できる。

論文

Interaction of double-stranded DNA with polymerized PprA protein from ${it Deinococcus radiodurans}$

安達 基泰; 平山 裕士; 清水 瑠美; 佐藤 勝也; 鳴海 一成*; 黒木 良太

Protein Science, 23(10), p.1349 - 1358, 2014/10

 被引用回数:7 パーセンタイル:63.85(Biochemistry & Molecular Biology)

DNAの修復に関与する多機能なPprAは、デイノコッカスラジオデュランスの高度な放射線耐性を促進する重要なタンパク質である。PprAによる放射線耐性機構を解明するために、大腸菌で発現した組換え型PprAと2本鎖DNAとの相互作用解析を実施した。ゲルシフトアッセイにより、PprAとスーパーコイル型のpUC19 DNAとの複合体のゲルシフトが2極性であり、それが1mMのMg, Ca, Srイオンで促進されることが示された。シフトしたバンドの相対的な割合からPprAとスーパーコイル型のpUC19 DNAとの複合体形成のヒル係数および解離定数を計算したところ、1mM Mgイオンの存在下で、それぞれ3.3と0.6$$mu$$Mであった。このことは、PprAがスーパーコイル型のpUC19 DNAに少なくとも281分子結合していることを示しており、ゲル濾過での分離後にUV吸収で見積もられた値と一致した。この結果は、PprAが2本鎖DNAに沿って、直鎖状に重合して結合していることを示唆している。一方で、直鎖状の2本鎖DNAとニックがある環状DNAのバンドシフトに関しては、飽和が見られず、1.3$$mu$$M以上のPprA濃度の時、さらに大きな複合体の形成が確認された。この結果は、DNAに結合したPprAが、ダメージを受けたDNAの末端の会合を濃度依存的に促進していることを示している。

論文

Structural characteristics of alkaline phosphatase from the moderately halophilic bacterium ${it Halomonas}$ sp.593

新井 栄揮; 米澤 悌*; 石橋 松二郎*; 松本 富美子*; 安達 基泰; 玉田 太郎; 徳永 廣子*; Blaber, M.; 徳永 正雄*; 黒木 良太

Acta Crystallographica Section D, 70(3), p.811 - 820, 2014/03

 被引用回数:4 パーセンタイル:53.34(Biochemical Research Methods)

中度好塩菌${it Halomonas}$ sp.593のペリプラズム蛋白質Alkaline phosphatase(HaAP)は、他の好塩性Alkaline phosphataseと異なり、幅広い塩濃度域(1$$sim$$4M NaCl)において機能発現が可能である。そこで本研究では、HaAPの構造学的特徴と好塩性の関係を理解するために、HaAPのX線結晶解析を行った。分解能2.1${AA}$, 空間群${it P}$2$$_{1}$$, 格子定数${it a}$=52.7${AA}$, ${it b}$=147.0${AA}$, ${it c}$=58.3${AA}$, $$alpha$$=90$$^{circ}$$, $$beta$$=105.2$$^{circ}$$, $$gamma$$=90$$^{circ}$$, R$$_{merge}$$ 8.4%の回折データを取得して、生物学的構造単位であるHaAP二量体の立体構造を解明することに成功した。また、HaAPの立体構造を、PDB中で最も配列相同性が高い低度好塩菌${it Vibrio}$ sp.由来VAP(identity 70.0%)の立体構造と比較した。その結果、ASA$$>$$0${AA}$ $$^{2}$$の酸性アミノ酸(D, E)の数は、VAP(57個)よりもHaAP(72個)が多いことが明らかになった。また、VAPとHaAPを構成する疎水性アミノ酸(V, L, I, P, F, M, W)に着目すると、二量体界面に位置する疎水性アミノ酸の数はほぼ同じ(39個と40個)であったが、分子内部(ASAが0${AA}$)の疎水性アミノ酸はそれぞれ24個と37個であった。このようなHaAPにおける分子表面の高い酸性アミノ酸含量や分子内部の高い疎水性アミノ酸含量は、中度好塩菌のペリプラズム特有の幅広い塩濃度環境下(0.5M$$sim$$飽和塩濃度)における高い可溶性と機能発現の両立に寄与していると考えられる。

論文

生体分子の中性子単結晶回析,3; タンパク質中性子結晶構造解析の実例と応用

安達 基泰; 新井 栄揮; 廣本 武史; 黒木 良太

波紋, 24(1), p.45 - 49, 2014/02

中性子回折を使った蛋白質の構造解析は、生体高分子の構造と機能の関係を理解する上においてますます重要になっている。原子力機構の研究用原子炉およびパルス中性子施設に設置した中性子回折計の近年の発達したことによって、水和水と生体高分子の水素原子を観察することが可能となり、化学反応の機構を解明するための重要な知見が得られるようになった。ここでは、生体高分子の中性子結晶構造解析のための、試料調製、結晶成長、構造解析と得られる情報の利用について例を挙げ概説する。

論文

Creation and structure determination of an artificial protein with three complete sequence repeats

安達 基泰; 清水 瑠美; 黒木 良太; Blaber, M.

Journal of Synchrotron Radiation, 20(6), p.953 - 957, 2013/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:81.05(Instruments & Instrumentation)

Symfoil-4Pは、ヒト酸性繊維芽細胞増殖因子を基に設計した3回対称なベータトレフォイル構造をもつ人工タンパク質である。脱アミド反応を防ぐためにアスパラギン-グリシン配列を除去した変異体Symfoil-QGおよびSymfoil-SGを作製し、さらにSymfoil-QGにHisTagを付加したものをHis-Symfoil-IIとした。His-Symfoil-IIは、プロテアーゼ処理によりHisTagを除去することで、完全な3回繰り返し配列をもつことになる。各タンパク質は、大腸菌内で可溶性タンパク質として発現し、Niカラムにより精製した。Symfoil-IIについては、HisTagをプロテアーゼ処理により除去した後に陰イオン交換カラムを用いて精製した。Symfoil-QGとSymfoil-IIをそれぞれ、1.5および1.1${AA}$分解能で結晶構造解析した。精密化したSymfoil-IIは、他のSymfoilと同等に疑似3回軸を持っていることが示された。

論文

酵素阻害剤複合体の中性子結晶構造解析による反応機構の解明

玉田 太郎; 安達 基泰; 栗原 和男; 黒木 良太

日本結晶学会誌, 55(1), p.47 - 51, 2013/02

生体内化学反応の原子レベルでの理解において、化学反応の直接の担い手である水素原子や水分子の挙動を知る場合には、中性子をプローブとする立体構造解析は大きな力を発揮する。本稿では、中性子を用いたタンパク質の結晶構造解析の手順と酵素反応機構の解明を目指した中性子結晶構造解析例を示すとともに、著者らがJ-PARC/MLFに建設提案を行った新しい中性子回折装置(生体高分子専用高分解能中性子回折計)についても紹介する。

論文

Seven cysteine-deficient mutants depict the interplay between thermal and chemical stabilities of individual cysteine residues in mitogen-activated protein kinase c-Jun N-terminal kinase 1

仲庭 哲津子*; 深田 はるみ*; 井上 達矢*; 合田 正貴*; 中井 良子*; 桐井 康行*; 安達 基泰; 玉田 太郎; 瀬川 新一*; 黒木 良太; et al.

Biochemistry, 51(42), p.8410 - 8421, 2012/10

 被引用回数:8 パーセンタイル:69.89(Biochemistry & Molecular Biology)

タンパク質キナーゼは、さまざまな疾病の治療のための創薬標的タンパク質となっている。C-Jun-N末端キナーゼ1(JNK1)に存在する遊離型システインの機能・安定性・構造への効果を調べるために、そのシステイン残基に系統的に変異導入を実施した。JNK1の3つ及び7つのシステインに変異導入したM3変異体とM7変異体は、大腸菌発現実験において、M0野生型JNK1よりも、それぞれ5及び2倍高く発現した。凝集の時間依存性を分析したSDS-PAGEの結果から、M3とM7は凝集しにくいことが示された。走査型熱量計で熱安定性を評価したところ、M0野生型JNK1, M3変異体及びM7変異体は、いずれも3状態で遷移し、熱変性することが示された。2.6${AA}$分解能の結晶構造解析の結果、M3変異体の構造は野生型と同等であった。以上より、(1)最も高く生産され、(2)凝集に対する安定性が改善され、(3)構造も野生型と同等であったM3変異体が、今後JNK1の構造と機能の関係を調べるために最も適した変異体であると結論した。

論文

Crystallization and preliminary neutron diffraction studies of ADP-ribose pyrophosphatase-I from ${it Thermus thermophilus}$ HB8

岡崎 伸生; 安達 基泰; 玉田 太郎; 栗原 和男; 大賀 拓史*; 神谷 信夫*; 倉光 成紀*; 黒木 良太

Acta Crystallographica Section F, 68(1), p.49 - 52, 2012/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:76.05(Biochemical Research Methods)

ADP-ribose pyrophosphatase-I from ${it Thermus thermophilus}$ HB8 (${it Tt}$ADPRase-I) prevents the intracellular accumulation of ADP-ribose by hydrolyzing it to AMP and ribose 5'-phosphate. To understand the catalytic mechanism of ${it Tt}$ADPRase-I, it is necessary to investigate the role of glutamates and metal ions as well as the coordination of water molecules located at the active site. A macroseeding method was developed in order to obtain a large ${it Tt}$ADPRase-I crystal which was suitable for a neutron diffraction study to provide structural information. Neutron and X-ray diffraction experiments were performed at room temperature using the same crystal. The crystal diffracted to 2.1 and 1.5 ${AA}$ resolution in the neutron and X-ray diffraction experiments, respectively. The crystal belonged to the primitive space group ${it P}$3$$_{2}$$21, with unit-cell parameters $$a$$ = $$b$$ = 50.7, $$c$$ = 119 ${AA}$.

論文

Identification of erythroid progenitors induced by erythropoietic activity in ${it Xenopus laevis}$

小坂 菜美*; 須貝 龍久*; 永澤 和道*; 谷崎 祐太*; 目黒 瑞枝; 會沢 洋一*; 前川 峻*; 安達 基泰; 黒木 良太; 加藤 尚志

Journal of Experimental Biology, 214(6), p.921 - 927, 2011/03

 被引用回数:19 パーセンタイル:27.37(Biology)

酸素は、動物が生きていくうえで必須である。赤血球は、組織への酸素の運搬を担っている。本研究では、カエルの赤血球前駆細胞を検出できるコロニーアッセイを確立することで、組換え型xlEPOが赤血球コロニー形成を誘導させることと、貧血における血中の赤血球造血活性を増加させることを示した。以上の結果は、エリスエポエチンを介した赤血球造血活性が両生類に存在し、赤血球数の制御が脊椎動物間で変化していることを示している。

論文

Towards investigation of the inhibitor-recognition mechanisms of drug-target proteins by neutron crystallography

黒木 良太; 岡崎 伸生; 安達 基泰; 大原 高志; 栗原 和男; 玉田 太郎

Acta Crystallographica Section D, 66(11), p.1126 - 1130, 2010/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:64.4(Biochemical Research Methods)

酵素は重要な創薬標的蛋白質の一つである。酵素の反応メカニズムや基質・阻害剤との相互作用様式についての知見は、医薬品候補分子の設計において有用な情報を与える。中性子を用いる蛋白質の立体構造解析は、酵素の機能や分子認識において重要な役割を有する水素原子に関して、重要な情報を提供することができる。原子力機構の研究炉(JRR3)に設置された生体高分子用中性子回折計(BIX-3/4)を用いて実施した、2つの創薬標的蛋白質(ヒト免疫不全ウイルス及び膵臓エラスターゼと遷移状態アナログとの複合体)の中性子立体構造解析の結果について紹介する。

論文

Crystal growth procedure of HIV-1 protease-inhibitor KNI-272 complex for neutron structural analysis at 1.9 ${AA}$ resolution

清水 典子*; 杉山 成*; 丸山 美帆子*; 高橋 義典*; 安達 基泰; 玉田 太郎; 日高 興士*; 林 良雄*; 木村 徹*; 木曽 良明*; et al.

Crystal Growth & Design, 10(7), p.2990 - 2994, 2010/06

 被引用回数:10 パーセンタイル:25.27(Chemistry, Multidisciplinary)

本研究では、HIV-1プロテアーゼとその阻害剤であるKNI-272との複合体の大型結晶作製を6種類の方法で行った。それらを比較した結果、top-seeded solution growth(TSSG)法とTSSG combined with the floating and stirring technique(TSSG-FAST)法が、種結晶の多結晶化を効果的に防ぎ、迅速に大型の単結晶を得るために有効で、得られた結晶は質が高いことが示された。さらに、結晶の形が、溶液の流れに依存したことから、過飽和の程度が結晶の成長方向に影響することが示唆された。これらの知見は、溶液の流れを操作することで、結晶の形が制御できる可能性を示している。

論文

中性子と放射光の相補的な利用による創薬標的タンパク質の立体構造解析

黒木 良太; 玉田 太郎; 栗原 和男; 大原 高志; 安達 基泰

薬学雑誌, 130(5), p.657 - 664, 2010/05

 パーセンタイル:100(Pharmacology & Pharmacy)

タンパク質分子中の正確な原子位置は、結晶構造解析によって得ることができる。高分解能X線構造解析は、タンパク質分子を構成する原子の大部分の原子位置情報を与えるが、水素の情報を得ることは難しい。中性子回折は、この水素原子の位置情報をX線回折より決定された構造情報に加えることが可能である。ここでは、X線と中性子回折の両方を用いた結晶構造解析から最近得られた、創薬標的タンパク質であるブタ膵臓エラスターゼとヒト免疫不全ウイルス(HIV)1型プロテアーゼに関する研究成果を示す。膵臓エラスターゼでは、その阻害剤との複合体による同一結晶から、X線回折データ(1.2${AA}$分解能)と中性子回折データ(1.65${AA}$)の両データを取得し全原子構造を決定した。HIVプロテアーゼにおいても、その阻害剤との複合体結晶から得たX線回折データ(1.4${AA}$)と中性子回折データ(1.9${AA}$)を用いて構造解析を行った。両試料に対しては、さらに別途、超高分解能X線回折データ(それぞれ0.94${AA}$, 0.93${AA}$)も取得し上述の構造と比較した。以上の構造解析結果から、両酵素の触媒メカニズムの解明において議論となっている活性残基における水素原子位置及び解離状態を明らかにした。

論文

医療関連酵素

安達 基泰; 角南 智子; 黒木 良太

酵素利用技術大系, p.34 - 37, 2010/04

酵素は、病気の解明,医薬品の創製,医薬品の生産過程,臨床検査などに関係し、医療と密接なつながりを持っている。例えばガンでは、ガン化した細胞の増殖や浸潤にプロテインキナーゼをはじめとした多くの酵素がかかわっており、エイズでは、HIV(Human Immunodeficiency Virus)プロテアーゼがウイルスの増殖に必須の役割を果たしている。多くの病気の進行において、酵素が中心的な役割を果たしていることから、酵素を阻害することが治療における有効な手段の一つとなっている。現代では、疾患とその原因酵素との複雑な関係に対する理解がますます深まりつつあり、病気を治療するために、どのような酵素をどのように阻害すればよいのかについても、精力的な研究が続けられている。本稿では、医療関連酵素のX線解析手法と、創薬をめざして数多くの研究がなされているプロテアーゼとプロテインキナーゼとチトクロームP450という3つの酵素群と、世界的な流行(パンデミック)が懸念されている新型インフルエンザウイルスの創薬標的分子(ノイラミニダーゼ)の立体構造解析について概説する。

論文

中性子回折による創薬標的蛋白質の構造解析

玉田 太郎; 安達 基泰

Radioisotopes, 59(4), p.299 - 308, 2010/04

水素原子の中性子散乱長は炭素や酸素原子などと同程度であるため、X線結晶構造解析では0.1nm以上の高分解能でなければ決定できない水素原子の位置を、中性子結晶構造解析では通常の分解能(0.2nm程度)で容易に決定できる。また、この2つの方法で観測される水素原子の位置には違いがあり、特殊な環境に存在する酵素の触媒基の電子状態と原子核の位置にどのような違いがあるのかは大変興味深い。このように中性子とX線の特徴的な違いをうまく利用した構造解析を行えば、タンパク質が関与するさまざまな生命反応をより深く理解することが可能になると思われる。最近、われわれは2例の創薬標的蛋白質と医薬品候補分子(阻害剤)複合体の中性子構造解析に成功した。1つはHIV-1プロテアーゼ/KNI-272複合体、もう1つはブタ膵臓エラスターゼ/FR130180複合体であり、いずれの結果もX線では観察が難しい触媒残基の解離状態を明らかにできた。これらの知見は、創薬標的酵素の触媒機構の理解を深めるとともに、より効果的な治療薬の開発に繋がるものと期待される。

論文

中性子を用いた創薬標的蛋白質の立体構造解析

安達 基泰; 黒木 良太

蛋白質 核酸 酵素, 55(1), p.82 - 87, 2009/12

中性子を使うとその独特の性質から蛋白質の水素原子を含む全原子の観測が可能である。特に蛋白質における分子認識や化学反応のメカニズムの解明において水素原子を観測する意義は極めて大きい。われわれはこのような性質を有する中性子を利用して創薬標的蛋白質の立体構造解析を行っている。その一つの例として抗エイズ薬の標的分子であるHIVプロテアーゼと遷移状態アナログとして設計された阻害剤との複合体の中性子結晶構造解析の結果を紹介する。新たに観測された触媒残基と阻害剤の相互作用様式は、触媒機構解明やより阻害活性の高い医薬品候補分子の設計に有用な情報を与える。

論文

HIV-1プロテアーゼの中性子結晶構造解析

安達 基泰; 黒木 良太

波紋, 19(4), p.214 - 217, 2009/10

構造をもとにしてHIV-1プロテアーゼに対する阻害剤の設計を展開していくためには、その阻害剤認識機構と触媒機構を理解することが必要である。今回、HIV-プロテアーゼと阻害剤KNI-272との複合体の結晶構造解析を、1.4${AA}$分解能のX線回折データを合わせることで、中性子構造解析により決定した。その結果、阻害剤KNI-272のヒドロキシメチルカルボニル(HMC)部位のヒドロキシル基が脱プロトン化されたAsp125と水素結合を形成し、同じくHMCのカルボニル基がプロトン化されたAsp25と水素結合を形成して相互作用していることが明らかとなった。今回の結果は、HIV-1プロテアーゼの最初の中性子構造解析であり、遷移状体アナログとの結合と触媒における重要な水素原子の位置を直接明らかにしたものである。

論文

Small-sized human immunodeficiency virus type-1 protease inhibitors containing allophenylnorstatine to explore the S2' pocket

日高 興士*; 木村 徹*; Abdel-Rahman, H. M.*; Nguyen, J.-T.*; McDaniel, K. F.*; Kohlbrenner, W. E.*; Molla, A.*; 安達 基泰; 玉田 太郎; 黒木 良太; et al.

Journal of Medicinal Chemistry, 52(23), p.7604 - 7617, 2009/07

 被引用回数:14 パーセンタイル:54.92(Chemistry, Medicinal)

HIVプロテアーゼのS2'ポケットと相互作用する部位に着目し、アロフェニルノルスタチンを基本構造としてHIVプロテアーゼに対するさまざまな阻害剤を合成した。その中で、比較的小さいアリル基の導入が有効であり、既に臨床薬の候補となっている阻害剤KNI-764(JE-2147, AG-1776, SM-319777)と比較しても同等の活性があることがわかった。KNI-727にanilinic基を導入することで、水溶性と抗HIV活性を改善した。P2'の位置に$$beta$$-methallyl基を持つKNI-1689複合体のX線結晶構造解析の結果、KNI-764の場合と同じく疎水性のアミノ酸のAla28, Ile84, Ile50'と疎水性相互作用していることが明らかとなった。KNI-1689のアリル基中のメチル基の存在によって、KNI-764以上の抗HIV活性が示された。このことは、構造の最小化と膜透過性のための理論的な薬剤設計に関して重要な知見である。

論文

Combined high-resolution neutron and X-ray analysis of inhibited elastase confirms the active-site oxyanion hole but rules against a low-barrier hydrogen bond

玉田 太郎; 木下 誉富*; 栗原 和男; 安達 基泰; 大原 高志; 今井 啓祐*; 黒木 良太; 多田 俊治*

Journal of the American Chemical Society, 131(31), p.11033 - 11040, 2009/07

 被引用回数:39 パーセンタイル:23.49(Chemistry, Multidisciplinary)

セリンプロテアーゼの触媒機構を理解することを目的として、ブタ膵臓エラスターゼの高分解能中性子及びX線構造解析を正四面体型中間体を模倣する阻害剤と複合体の状態で実施した。同一の大型単結晶を用いた室温における測定の結果、1.65${AA}$分解能の中性子回折データ及び1.2${AA}$分解能のX線回折データを取得した。また、別の結晶を用いて100K下で0.94${AA}$分解能のX線回折データも併せて取得した。今回の解析は、セリンプロテアーゼとしてはこれまでで最も高分解能で実施された中性子構造解析例である。中性子とX線の両解析結果から、His57とAsp102の間に形成された水素結合は結合距離が2.60${AA}$と短く、強い水素結合であると判明したものの、水素原子はHis57に結合していた。この結果は、一説として唱えられている低障壁水素結合の特徴(水素原子がドナーとアクセプターの中間付近に存在する)は満たすものではなく、低障壁水素結合仮説を否定するものであった。また、中性子解析結果から、いわゆるオキシアニオンホールの形成とオキシアニオンホール中に阻害剤由来の酸素原子が酸素陰イオンの状態で存在していることが明瞭に示された。これより、セリンプロテアーゼの触媒機構において正四面体型中間体構造の安定化に対するオキシアニオンホールの役割が明らかになった。

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