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小林 恵太; 中村 博樹; 山口 瑛子; 板倉 充洋; 町田 昌彦; 奥村 雅彦
Computational Materials Science, 188, p.110173_1 - 110173_14, 2021/02
セメント水和物(セメントペースト)は建築材はもとより、放射性セシウムの閉じ込め材料として利用される。本論文はセメント水和物の代表的なモデル物質であるトバモライトの機械学習力場の構築を行ったものである。トバモライトに対し第一原理計算を実施し、様々な原子配置とそのポテンシャルデータを大量に生成し、ニューラルネットを用いた機械学習力場の学習を行った。構築した機械学習力場はトバモライトの弾性係数,振動状態密度をほぼ第一原理と同等の精度で計算可能であることを確かめた。また、機械学習分子動力学法を実行し、トバモライト細孔における水,イオンの輸送特性の解析を行った。
永井 佑紀; 奥村 雅彦; 小林 恵太*; 志賀 基之
Physical Review B, 102(4), p.041124_1 - 041124_6, 2020/07
被引用回数:1 パーセンタイル:31.73(Materials Science, Multidisciplinary)第一原理計算で得られたポテンシャルを再現するようなニューラルネットワーク(ANN)を構築して分子動力学を実行するのが機械学習分子動力学法である。ANNを構築する際の最適なトレーニングデータは、元々の第一原理分子動力学法で生成される原子配置とそのポテンシャルである。通常は、様々な原子配置とそのポテンシャルデータを大量に作成することで、目的の機械学習分子動力学法と同じようなポテンシャルを生成するANNを構築している。しかしながら、構築されたANNが元々の第一原理計算のポテンシャルを再現するという保証はない。さらに、4元素以上で構成されるような系の場合には、長時間の機械学習分子動力学法では計算が不安定になることがあり、機械学習分子動力学法の計算の精度や妥当性については常に慎重な議論が必要であった。本論文発表では、自己学習モンテカルロ法のアイディアを用いることで、得られた結果が統計的に厳密にオリジナルの第一原理計算分子動力学法の計算結果と等しい手法を開発したことを報告する。
小林 恵太*; 奥村 雅彦; 山田 進; 町田 昌彦; 青木 秀夫*
Physical Review B, 94(21), p.214501_1 - 214501_7, 2016/12
被引用回数:24 パーセンタイル:16.9(Materials Science, Multidisciplinary)平坦バンドが超伝導性を示す可能性を探るために、平坦バンドを形成する最も単純な準一次元系の一つであるダイアモンド鎖上の斥力相互作用するフェルミオン系について調べた。厳密対角化法と密度行列繰り込み群法を用いて調べた結果、フェルミエネルギーに近い空の平坦バンドと相互作用する分散バンドが満たされる1/3フィリングよりも少しだけ小さなフィリングで、長い相関距離を持つクーパー対が有意な束縛エネルギーを持つことがわかった。さらに、この対相関関数は、ダイアモンド鎖の外側のサイトに存在するフェルミオン対によるものであることを明らかにした。また、厳密に1/3フィリングの時、系は絶縁体になり、ダイアモンド鎖の外側のサイトに存在するフェルミオンがトポロジカルに区別可能なエンタングル状態を形成していることがわかった。
小林 恵太; 奥村 雅彦; 太田 幸宏*; 山田 進; 町田 昌彦
JPS Conference Proceedings (Internet), 3, p.016006_1 - 016006_6, 2014/06
光学格子中の冷却原子気体では固体中の電子状態と同様の状態を作り出すことができることから、量子物性のシミュレーターとして注目されている。近年では多軌道を持った光学格子中の原子気体が実現しており、遷移金属などが示すさまざまな強相関電子物性を光学格子中で実現することが可能になると考えられている。本発表では多軌道を持つフェルミ原子気体が示す強磁性状態に対し、密度行列繰り込み群法を用いた解析を行った。得られた結果として、原子が金属的な状況にある場合に強磁性が発言することを示した。また、Haldane相と強磁性相が共存して現れることも明らかにした。強磁性相はHaldane相のedge状態と結合して現れ、強磁性自体がedge状態と同様の特性を持つという興味深い結果を得ることができた。
小林 恵太; 太田 幸宏; 奥村 雅彦; 山田 進; 町田 昌彦
Physical Review A, 89(2), p.023625_1 - 023625_6, 2014/02
被引用回数:9 パーセンタイル:48.66(Optics)光格子中の冷却原子気体では固体中の電子状態と同様の状態を作り出すことができ、また、その高い実験制御性から量子物性のシミュレーターとして注目されている。近年では多軌道を持った光格子中の原子気体が実現しており、遷移金属などが示す強相関電子物性を光格子中で実現することが可能になると考えられている。本論文では軌道中の引力相互作用する原子気体に対し、密度行列繰り込み群法を用いた解析を行った。得られた結果として、この系では特殊な絶縁体状態であるハルデン絶縁体相が実現することを明らかにした。更に系が有限磁化を持つ場合に、強い相分離が引き起こされることを示した。
小林 恵太; 町田 昌彦; 太田 幸宏*; Nori, F.*
Physical Review B, 88(22), p.224516_1 - 224516_5, 2013/12
被引用回数:16 パーセンタイル:36.71(Materials Science, Multidisciplinary)近年、鉄系超伝導物質などの多バンド超伝導体が注目を集めており、バンド間に働く相互作用により特異な超伝導状態が引き起こされる可能性が指摘されている。本発表では多バンド超伝導体における時間反転対称性の破れた状態、及び集団励起の解析を行った成果を報告する。まず多バンド超伝導模型がフラストレーションのあるスピンモデルにマッピングできることを示し、スピンモデルに対し平均場解析を行うことにより、超伝導状態、集団励起を調べた。時間反転対称性の破れるパラメーター領域を調べ、さらに集団励起の解析を行ったところ、いくつかの集団励起がギャップレスになる領域が存在することが判明した。集団励起は物質の比熱などと結びつく量であることから、ギャップレスな集団励起は超伝導物性において重要な役割を果たすと考えられる。今回の計算手法は多バンドを持つ様々な超伝導物質に適用可能であり、今後の発展が期待される。
小林 恵太; 太田 幸宏*; 町田 昌彦
Physica C, 494, p.13 - 16, 2013/11
被引用回数:4 パーセンタイル:74.83(Physics, Applied)近年、鉄系超伝導物質などの多バンド超伝導体が注目を集めており、異なったバンド間に働く相互作用により特異な超伝導状態が引き起こされる可能性が指摘されている。本発表では、その多バンド超伝導体の集団励起の解析を行った成果を報告する。まず多バンド超伝導模型がフラストレーションのあるスピンモデルにマッピングできることを示し、さらに導出したスピンモデルに対し平均場解析を行うことによって、超伝導状態、及び集団励起の解析を行った。得られた結果として、幾つかの集団励起がギャップレスとなるパラメーター領域が存在することが判明した。集団励起は物質の比熱等と結びつく量であることから、ギャップレスな集団励起は超伝導物性において重要な役割を果たすと考えられる。今回の計算手法は多バンドを持つさまざまな超伝導物質に適用可能であり、今後の発展が期待できる。
町田 昌彦; 小林 恵太; 小山 富男*
Physica C, 491, p.44 - 46, 2013/08
被引用回数:1 パーセンタイル:93.59(Physics, Applied)おもに科学研究費補助金及び科学技術振興機構受託研究の成果について、発表する。国際会議は、2年に1度のベースで開催され、高温超伝導体において発見された固有ジョセフソン接合とジョセフソンプラズマ振動についての専門家が一堂に会する国際会議であり、トルコにて開催される。この分野では、2008年にテラヘルツ領域の電磁波発振が観測され、原子力をはじめとしてさまざまな応用が期待されている一方、結晶作成によりデバイス自身が構成可能であるという特質に対する関心も高く、改めてその物理的性質を議論することが盛んである。本発表では、その物理的性質に着目し、低温で現れる量子相についての解析を行った結果を発表し、さらに、その特質を利用するデバイス応用についても議論する。
小林 恵太; 奥村 雅彦; 太田 幸宏*; 山田 進; 町田 昌彦
Physical Review Letters, 109(23), p.235302_1 - 235302_5, 2012/12
被引用回数:22 パーセンタイル:24.84(Physics, Multidisciplinary)冷却中性フェルミ原子気体はその高い実験制御性から、物質の量子シミュレーターとして注目を集めており、さまざまな物質の根源的メカニズムが理解できる可能性が指摘されている。特に、近年では、多軌道性を有する原子気体が実現しており、遷移金属からアクチナイド元素まで幅広い元素を主要元素とする化合物に対し、より実際の物質に近い状況での実験が可能となっている。本論文では、この光学格子中の多軌道を持つフェルミ原子気体においてハルデーン相を実現する方法を提案した。ハルデーン相とはスピンギャップと端状態を持つ系であり、近年では量子コンピューター等への応用等も提案されている。本文では系を記述する多軌道模型の導出を行い、密度行列繰り込み群を用いた数値解析によりハルデーン相の実現条件を明らかにした。さらに、相互作用が強い場合にはハルデーン相と強磁性体相が共存して現れることも示した。これらの結果は、例えばさまざまな多軌道を持つ機能材料物質に対する知見の獲得とも位置付けられ、今後、さまざまな分野への発展が期待される。
河村 繕範; 落合 謙太郎; 星野 毅; 近藤 恵太郎*; 岩井 保則; 小林 和容; 中道 勝; 今野 力; 山西 敏彦; 林 巧; et al.
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1253 - 1257, 2012/08
被引用回数:14 パーセンタイル:21.12(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケットで生成するトリチウムの量の把握は、トリチウム増殖性能の評価及び、回収システム設計の観点から重要である。そこで原子力機構では、核融合中性子源を用いた模擬ブランケットの照射によるトリチウム生成回収実験を開始した。増殖材にはチタン酸リチウムを用いている。今回は、生成トリチウムの放出挙動におけるスイープガスの種類の影響について報告する。1%のHを含むヘリウムガスでパージした場合、水蒸気状のトリチウムの放出が中性子照射に敏感に対応して生じた。これはスイープガス中に水蒸気成分が含まれていたことに起因する。乾燥ヘリウムガスでパージした場合は、水蒸気成分での放出が少なく、ガス分子状トリチウムの放出が目立つ結果となった。
太田 幸宏*; 小林 恵太; 町田 昌彦; 小山 富男*; Nori, F.*
Physics Procedia, 27, p.352 - 355, 2012/00
被引用回数:2 パーセンタイル:31.22相転移点近傍にある超伝導体は、微量な熱量を受け取ることにより超伝導状態から通常の伝道体状態への相転移を引き起こす。この性質を利用することにより、中性子,単一光子,分子などに対し精度の高い検出が可能となる。これは中性子などの検出対象が検出器に衝突したときに生じる熱が超伝導体中を流れる電流の変化として現れるためである。この現象は超伝導体の相転移現象,電磁気,熱拡散などを含む非常に複雑な非平衡現象であるが、今回、われわれは超伝導現象を記述するランダウ・ギンツブルグ方程式、マクスウェル方程式,熱伝導方程式を連立させ、超伝導検出器に対する大規模数値シミュレーションを行った。結果として、超伝導体表面に検出対象が衝突することによる超伝導体内の電流変化などを再現することに成功した。今回の計算手法は超伝導検出器の詳細なメカニズム解明,精度向上などに役立つことが期待される。
宮沢 豊*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 根岸 洋*; 小林 啓恵*; 金安 智子*; 大庭 淳*; 諸橋 恵太*; 柿崎 竹彦*; et al.
Journal of Radiation Research, 49(4), p.373 - 379, 2008/07
被引用回数:24 パーセンタイル:37.64(Biology)本研究は、重粒子マイクロビーム照射及びレーザー照射を用いて根の水分屈性における根端と伸長領域の役割を明らかにすることを目的とした。伸長領域への重イオンマイクロビームの照射は水分屈性の進行を有意に一時的に抑制したが、コルメラ細胞への照射は抑制しなかった。しかし、レーザー照射は水分屈性にコルメラ細胞が必要なことを示唆した。さらに、重イオンブロードビーム照射実験から、重イオンの照射によりIAA5遺伝子の発現が抑制されるが、MIZU-KUSSEI1遺伝子は抑制されないことがわかった。これらの結果は、根端と伸長領域とが根の水分屈性に異なる役割を持つこと、また遺伝子の発現が必要なことを示唆した。
小林 恵太*; 峰 真如*; 奥村 雅彦; 山中 由也*
素粒子論研究, 116(2), p.B64 - B66, 2008/06
本発表は、これまで古典的な解析に終始していた光学格子中ボース・アインシュタイン凝縮体の動的不安定性について、量子場の理論による定式化を初めて行い、さらに数値計算によって崩壊の様子をシミュレートしているなど、完成度が高い。今後、開発した解析法をほかの系にも適用することで、成果が得られると大いに期待できる。
宮沢 豊*; 坂下 哲哉; 根岸 洋*; 小林 啓恵*; 金安 智子*; 大庭 淳*; 諸橋 恵太*; 柿崎 竹彦*; 舟山 知夫; 浜田 信行*; et al.
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 116, 2008/03
水分屈性において機能する細胞群とそこでの生体反応を同定することを目的として、重イオンマイクロビーム照射及びレーザー照射によって組織あるいはその機能を局所的に破壊した根の水分屈性を解析した。レーザーによる根端の局所的な照射を行った解析から、コルメラ細胞及び、伸長領域が水分屈性の発現に必須であることが示唆された。一方、重イオンマイクロビーム照射は、伸長領域への照射においてのみ水分屈性発現の低下をもたらしたが、コルメラ細胞への照射では屈性の低下をもたらさなかった。重イオン照射が新規の遺伝子発現を不活化できるかを、重イオン照射後の個体のオーキシン誘導性遺伝子発現を指標に検証したところ、照射によりオーキシン誘導性遺伝子発現の誘導が顕著に抑制されることが明らかになった。これらの結果は、水分屈性発現過程でコルメラ細胞,伸長領域の両細胞群が機能すること、また伸長領域では新規の遺伝子発現が必須である一方、コルメラ細胞においては新規の遺伝子発現が必須でないことを示唆した。
小林 恵太*; 峰 真如*; 奥村 雅彦; 山中 由也*
no journal, ,
光学格子中のボース・アインシュタイン凝縮体をとめたまま光学格子ポテンシャルを動かした場合、凝縮体が崩壊する現象が観測されており、その現象を量子場の理論による定式化によって記述し、数値シミュレーションによって凝縮体の挙動を記述した。先行研究で得られていた結果を再現し、さらに、崩壊が加速する場合があるという、新しい現象の発見も報告された。
宮沢 豊*; 坂下 哲哉; 根岸 洋*; 小林 啓恵*; 大庭 淳*; 金安 智子*; 諸橋 恵太*; 高橋 あき子*; 柿崎 竹彦*; 舟山 知夫; et al.
no journal, ,
本研究は、水分屈性において機能する細胞群とそこでの生体反応を同定することを目的として、重イオンマイクロビーム及びマイクロレーザーにより局部照射を行い、照射後個体の根の水分屈性能を解析した。レーザーによる根端の局部照射を行った個体の解析から、コルメラ細胞及び、伸長領域が水分屈性の発現に必須であることが示唆された。一方、重イオンマイクロビーム照射は、伸長領域への照射において水分屈性発現の低下をもたらしたが、コルメラ細胞への照射では屈性の低下をもたらさなかった。一般に、重イオンビーム照射は非破壊的に遺伝子発現を変化させると考えられている。そこで、重イオンビーム照射による遺伝子発現の変化を、イオンビーム照射後の個体のオーキシン誘導性遺伝子発現を指標に検証した。その結果、オーキシン誘導性遺伝子のオーキシンによる発現誘導が顕著に抑制されることが明らかになった。これらの結果は、水分屈性発現過程でコルメラ細胞,伸長領域の両細胞群が機能すること、また伸長領域では、コルメラ細胞と異なり刺激感受後の遺伝子発現の変化が水分屈性発現に必須であることを示唆している。
落合 謙太郎; 近藤 恵太郎; 星野 毅; 小林 和容; 岩井 保則; 中道 勝; 今野 力
no journal, ,
現在の核融合炉固体増殖ブランケット設計では十分なトリチウム増殖を見込むことは困難であるため、増殖ブランケット設計に必要なトリチウム生成から回収に関する工学データを取得することが急務である。われわれは、日本原子力研究開発機構のDT中性子源であるFNSを用いて、候補増殖ブランケット材であるチタン酸リチウムペブルを用いた固体増殖ブランケット模擬体系の照射実験を実施し、トリチウム放射能測定から回収トリチウム量と生成トリチウム量を導出した。本実験で得られたトリチウム回収率は98.7%で、トリチウム放射能測定の誤差は3.4%であることから、チタン酸リチウムペブル温度800
C,配管温度150
Cの条件でトリチウムをすべて回収できたと考えられる。
落合 謙太郎; 河村 繕範; 星野 毅; 近藤 恵太郎; 小林 和容; 岩井 保則; 今野 力
no journal, ,
核融合炉増殖ブランケットのトリチウム回収率を検証するため、候補増殖材チタン酸リチウムペブルを用いた固体増殖ブランケット模擬体系のDT中性子照射実験をFNSで実施した。固体増殖ブランケットの中性子増倍材であるベリリウム体系に、トリチウム増殖候補材であるチタン酸リチウムペブルを70g程度充填したステンレス製のアッセンブリを挿入し、DT中性子照射を行った。照射終了後、チタン酸リチウムペブルを外部ヒーターで800Cまで加熱し、放出したトリチウムを水素ガスが1%含まれているヘリウムガスで回収した。回収されたトリチウムは150
C程度に加温された内径7mm,長さ約1mのステンレス配管と酸化銅触媒を経由し、水バブラーで捕集した。捕集したトリチウムの量は液体シンチレーションカウンターで測定した。一方、照射中に生成したトリチウム量の評価は、同様に照射したチタン酸リチウムペブルを希塩酸で直接溶解し、水溶液中のトリチウム量を測定することにより行った。その結果、生成量と回収量の比率は約98%であることが初めてわかった。
落合 謙太郎; 近藤 恵太郎; 星野 毅; 河村 繕範; 小林 和容; 岩井 保則; 今野 力
no journal, ,
核融合炉固体増殖ブランケット設計では十分なトリチウム増殖を見込めないため、増殖材でのトリチウムの生成から回収までのトリチウム損失を極力低減する必要がある。原子力機構FNSでは固体増殖ブランケット模擬体系中のチタン酸リチウムペブルにDT中性子を照射し、そのトリチウム回収特性を検証することで、増殖ブランケット設計に必要なトリチウム生成から回収に関する工学データを取得することを進めている。今回、DT中性子照射中、300Cに保った模擬体系中のペブルからのトリチウム回収特性をトリチウムの化学形ごとに調べた。300
C加熱の場合、生成量の90%以上が酸化銅ベッド前のバブラーで回収され、水成分のトリチウム回収量が支配的であった。また、水成分のトリチウムは照射直後にすべてペブルからでてくることもわかり、核融合炉ブランケット中で生成したトリチウムは運転停止時の温度でも水成分として回収できることが明らかになった。
小林 恵太; 奥村 雅彦; 太田 幸宏*; 山田 進; 町田 昌彦
no journal, ,
本発表は、科学技術振興機構からの受託研究(CREST)「超伝導新奇応用のためのマルチスケール・マルチフィジックスシミュレーション基盤の構築」に従って実施した、超伝導メゾスケールのシミュレーションに関する研究成果の発表である。発表者は、光学格子中に閉じ込められた中性原子フェルミオン気体において、多軌道を利用することにより、スピンギャップを持つ相(ハルデーン相)を実現する方法を提案する。具体的には横方向に強い閉じ込めポテンシャルが存在する擬一次元系を想定し、サブバンドのフェルミ粒子数がハーフフィリングである場合に系はスピン1のハイゼンベルグ模型により記述されることを示す。この成果は、鉄系超伝導などの多軌道が関与する高温超伝導等の理解を目標とした研究の一環として得られたが、さまざまな物質で普遍的な問題である多軌道強相関物性に対する知見の獲得とも位置付けられ、今後の発展が期待される。なお、本成果は科学技術振興機構・受託研究の研究成果である一方、原子力材料のマルチスケールシミュレーション研究開発にも資する成果である。