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論文

Multiharmonic vector rf voltage control for wideband cavities driven by vacuum tube amplifiers in a rapid cycling synchrotron

田村 文彦; 杉山 泰之*; 吉井 正人*; 山本 昌亘; 大森 千広*; 野村 昌弘; 島田 太平; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 古澤 将司*

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 22(9), p.092001_1 - 092001_22, 2019/09

ビーム誘起電流による影響の低減(ビームローディング補償)はJ-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)における大強度ビーム加速に最も重要な課題の一つである。RCSでは広帯域金属磁性体空胴が用いられており、ビームの誘起する電圧は周回周波数の整数倍の成分を含むことから、それら複数の周波数成分(マルチハーモニック)の誘起電圧を抑制するビームローディング補償が必要である。これまではビーム電流の測定から補償信号を生成するRFフィードフォワード法による補償が行われており、マルチハーモニックフィードフォワードシステムは1MWまでのビーム試験においてその役割を果たしてきた。しかしながら、大強度になるにつれて補償性能の低下が確認されていた。そこで、低電力高周波(LLRF)制御システムの更新にあたり、マルチハーモニックベクトル電圧制御によるフィードバック制御を採用することとした。フィードバック制御はゲインの変動についても安定性の範囲内で性能を発揮することが期待される。本論文では、システムの構成、調整方法、大強度ビーム試験の結果について報告する。設計パワーである1MW相当のビーム加速において、ビームローディングはよく補償されている。

論文

Reduction of the kicker impedance maintaining the performance of present kicker magnet at RCS in J-PARC

菖蒲田 義博; 入江 吉郎*; 高柳 智弘; 富樫 智人; 山本 昌亘; 山本 風海

Journal of Physics; Conference Series, 1067, p.062007_1 - 062007_8, 2018/10

J-PARCのRCSのキッカーにはコイルが内蔵されており、そこを流れる電流が作る磁場の力でビームを出射させている。このキッカーは4つの端子を持っており、その2つが電源側につながれ、残りの2つがショートしてある。ビームをRCSから出射させる時に必要なキッカーに誘起される電流値は、この特徴のために電源から供給される電流値の2倍となる。これは、ビームを出射させる上では、必要な消費電力を節約でき、キッカーの設置スペースを節約できるという利点を持つ。一方で、この特徴のためにビームが大強度化するに従って、キッカーを通過する際に励起する電磁場(インピーダンス)は、ビームを不安定にさせることが分かっている。このようなビーム不安定性への対策は、大強度での安定的なビーム利用運転をするために必要である。本レポートでは、現在のキッカーの持つパフォーマンスを維持しながら、ビームの不安定要因であるキッカーのインピーダンスを下げる新しい手法について紹介する。

論文

Baseband simulation model of the vector rf voltage control system for the J-PARC RCS

田村 文彦; 杉山 泰之*; 吉井 正人*; 大森 千広*; 山本 昌亘; 島田 太平; 野村 昌弘; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 古澤 将司*

Journal of Physics; Conference Series, 1067, p.072030_1 - 072030_6, 2018/10

J-PARC RCSの広帯域金属磁性体空胴における大強度ビームによる重いビームローディングの補償のため、ベクトルRFフィードバック制御の採用が検討されている。マルチハーモニックベクトル制御プロトタイプシステムを製作しテスト中である。システム性能を検証するために、Matlab SimulinkによるRFシミュレーションが行われることが多いが、商用かつ高額なソフトウェアである。また、計算機資源を要し計算時間がかかることも問題である。このため、フリーソフトウェア(Scilab, Python control library)を用いて簡単化したベースバンドシミュレーションを行った。ベースバンドシミュレーションは高速に実行できることはパラメータサーチの際に有利である。この発表では、シミュレーションモデルのセットアップについて述べる。シミュレーション結果は開ループ閉ループともにシステムの応答をよく再現している。

論文

Conceptual design of a single-ended MA cavity for J-PARC RCS upgrade

山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 古澤 将司*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 吉井 正人*

Journal of Physics; Conference Series, 1067, p.052014_1 - 052014_6, 2018/10

J-PARC RCSでは金属磁性体を用いた高周波加速空胴において、真空管のプッシュプル励振により高周波電力を供給している。そして、空胴の広帯域インピーダンス特性を生かしてマルチハーモニック励振及びビーム負荷補償を行っているが、プッシュプル励振はマルチハーモニック励振に際して欠点があることが判明した。それは、ビーム強度が上がってきた場合に、陽極電圧振幅のアンバランスが顕著になることである。そのためRCSのビームパワー増強に向けて、シングルエンド励振の金属磁性体空胴を考案した。これにより、陽極電圧振幅のアンバランスが本質的に発生しない空胴を実現できる。

論文

J-PARC RCS次世代LLRF制御システム

田村 文彦; 杉山 泰之*; 吉井 正人*; 大森 千広*; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 古澤 将司*

Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1131 - 1135, 2018/08

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)の デジタルLLRF制御システムは、デュアルハーモニック電圧制御やrfフィードフォワードによるマルチハーモニックビームローディング補償などの機能により、大強度陽子ビーム加速において重要な役割を果たしてきた。一方、RCSの運転開始から10年以上が経過し、使用されているFPGAが現在の開発環境ではサポート外となったことなどから、現システムは今後維持していくことが困難になることが予想されている。このため、次世代LLRF制御システムを製作中である。現システムはVMEモジュールとして構成されているが、次世代システムではフォームファクターとしてmTCA.4を採用し、モジュール間の信号のやりとりにバックプレーンを介した高速シリアル通信を活用する。本発表では、次世代LLRF制御システムの構成および機能の概要、現状について報告する。

論文

Measurement of thermal deformation of magnetic alloy cores of radio frequency cavities in 3-GeV rapid-cycling synchrotron of Japan Proton Accelerator Research Complex

島田 太平; 野村 昌弘; 田村 文彦; 山本 昌亘; 杉山 泰之*; 大森 千広*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 吉井 正人*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 875, p.92 - 103, 2017/12

 パーセンタイル:100(Instruments & Instrumentation)

Magnetic alloy cores loaded in radio frequency cavities are employed to achieve a high field gradient in the 3-GeV Rapid-Cycling Synchrotron of the Japan Proton Accelerator Research Complex. We use three core-types, which were manufactured in three different processes. Buckling occurred in some cores of only one of the three core types. In order to find out the mechanism of buckling, we measured thermal deformations of the two core types, which had not buckled and the core types, which had buckled, while changing their temperatures by RF heating in air. Furthermore, we calculated the thermal stress using the results of the experiments. These experiments yielded that there was no remarkable difference in the strength of thermal stress between the core types, which had not buckled, and the core types, which had buckled; however, that there was a clear difference in the behavior of thermal deformations. The local deformations appeared, when a certain temperature was exceeded, and accelerated with temperature rise in the buckled core types. This was not seen with core types that didn't show the buckling problem. We conclude that the repetition of these catastrophic and local deformations, which are accelerated with the temperature rises, lead to the buckling. This result contributes to the stable operation of RCS.

論文

J-PARC RCSのためのベクトルrf電圧制御システムの開発

田村 文彦; 杉山 泰之*; 吉井 正人*; 大森 千広*; 山本 昌亘; 島田 太平; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 古澤 将司*

Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.241 - 245, 2017/12

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、大強度の陽子ビームを加速する際に金属磁性体(MA)空胴に生じるビームローディングを補償することが必須である。RCSで用いられるMA空胴は広帯域の周波数特性を持つために、ウェーク電圧も高調波を含み、マルチハーモニックのビームローディング補償が必要である。RCSでは、マルチハーモニックフィードフォワードシステムによるビームローディング補償で、設計ビームパワー1MWまでのビーム加速試験を成功裏に遂行してきたが、その過程で、フィードフォワード法が持つオープンループ系であることに起因する弱点もわかってきた。J-PARCシンクロトロンの次世代LLRF制御システムでは、フィードフォワードに加え、ベクトルrf電圧制御によるビームローディング補償の採用を検討している。本発表では、2016年度に製作したベクトルrf電圧制御システムのプロトタイプについて、概要、調整手法および試験結果について報告する。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンビームコリメータの故障原因究明作業

岡部 晃大; 山本 風海; 神谷 潤一郎; 高柳 智弘; 山本 昌亘; 吉本 政弘; 竹田 修*; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 柳橋 亨*; et al.

Proceedings of 14th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.853 - 857, 2017/12

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)には、ビーム損失を局所化し、機器の放射化を抑制するためにビームコリメータが設置されている。RCSにて加速中に広がったビームハローは、すべてコリメータ散乱体によって散乱され、吸収体部にて回収される。2016年4月のコリメータ保守作業時に吸収体部の1つで大規模な真空漏れが発生したため、代替の真空ダクトを設置することで応急的な対処を行い、ビーム利用運転を継続した。取り外したコリメータの故障原因を特定するためには、遮蔽体を解体し、駆動部分をあらわにする必要がある。しかし、故障したコリメータ吸収体部は機能上非常に高く放射化しており、ビームが直接当たる真空ダクト内コリメータ本体では40mSv/hという非常に高い表面線量が測定された。したがって、作業員の被ばく線量管理、及び被ばく線量の低減措置をしながら解体作業を行い、故障したコリメータ吸収体の真空リーク箇所の特定に成功した。本発表では、今回の一連の作業及び、コリメータの故障原因について報告する。

論文

Observation of simultaneous oscillations of bunch shape and position caused by odd-harmonic beam loading in the Japan Proton Accelerator Research Complex Rapid Cycling Synchrotron

山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 吉井 正人*

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2017(11), p.113G01_1 - 113G01_24, 2017/11

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、陽子のバンチが二つ加速器リングを周回している。そして陽子にエネルギーを与える加速電圧も、周回周波数の2倍の周波数で発生させている。このため、大強度ビームの場合バンチが加速空胴を通過する度にウエイク電圧を誘起するが、ウエイク電圧のフーリエ成分も偶数次が主成分となり、奇数次成分はほとんど観測されないはずと考えられていた。実際に加速初期には奇数次成分はほとんど観測されないが、時間とともに増大しビーム損失を起こす現象が観測された。ビーム測定の結果から、奇数次のウエイク電圧がバンチの位置だけでなく形状も同時に振動させていることが示唆された。この振動は奇数次成分をさらに増大させるため、振動が収まらなくなる。ビームシミュレーションはビーム測定の結果をうまく再現し、奇数次のウエイク電圧が極端な高周波バケツ変形を引き起こしてビーム損失に至る様子が確認された。以上のことから、予めマイナーハーモニック成分にもビーム負荷補償システムを導入すればビーム損失が防げることが示されたので、加速器の放射化を減らし安定なビーム運転に貢献することが期待される。

論文

Achievement of a low-loss 1-MW beam operation in the 3-GeV rapid cycling synchrotron of the Japan Proton Accelerator Research Complex

發知 英明; 原田 寛之; 林 直樹; 加藤 新一; 金正 倫計; 岡部 晃大; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 谷 教夫; et al.

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 20(6), p.060402_1 - 060402_25, 2017/06

RCSは、1MWのビーム出力を目指す世界最高クラスの大強度陽子加速器である。こうした加速器では、ビーム損失により生じる機器の放射化がビーム出力を制限する最大の要因となる。ビーム損失の原因(誤差磁場、空間電荷効果、像電荷効果等)は多様で、複数の効果が絡み合った複雑な機構でビーム損失が生じるため、その解決を果たすには、高度なビームの運動学的研究が必要となる。RCSでは、実際のビーム試験と共に、計算機上での数値シミュレーションを精力的に行ってきた。実験と計算の一致は良好で、観測されたビーム損失の発生機構の解明、また、その解決策を議論するうえで、数値シミュレーションが重大な役割を果たしている。ハードウェア系の改良と共に、こうしたビーム試験と数値シミュレーションを反復的に行うアプローチにより、RCSでは、10$$^{-3}$$という極めて少ないビーム損失で1MW相当のビーム加速を達成したところである。本論文では、RCSのビーム増強過程で顕在化したビーム損失の発生機構やその低減に向けた取り組みなど、大強度加速器におけるビーム物理に関する話題を中心に、RCSビームコミッショニングにおけるここ数年の成果を時系列的に紹介する。

論文

Theoretical elucidation of space charge effects on the coupled-bunch instability at the 3 GeV Rapid Cycling Synchrotron at the Japan Proton Accelerator Research Complex

菖蒲田 義博; Chin, Y. H.*; Saha, P. K.; 發知 英明; 原田 寛之; 入江 吉郎*; 田村 文彦; 谷 教夫; 外山 毅*; 渡辺 泰広; et al.

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2017(1), p.013G01_1 - 013G01_39, 2017/01

AA2016-0375.pdf:3.07MB

 被引用回数:5 パーセンタイル:26.6(Physics, Multidisciplinary)

大強度のビームを加速すると、一般にビームは不安定になることが知られている。それは、周回中のビームと加速器の機器には電磁相互作用(ビームのインピーダンス)があるからである。ビームを不安定にならないようにするためには、ビームのインピーダンスが閾値を超えなければ良いことが分かっていて、それは、インピーダンスバジェットと呼ばれている。J-PARC 3GeVシンクロトロンは、キッカーというビームを蹴り出す装置がインピーダンスバジェットを破っていることが、建設初期の段階から明らかにされており、1MWビームの達成を阻害することが懸念されてきた。今回、ビームの構成粒子自身の電荷に由来する電磁相互作用(空間電荷効果)には、ビームを安定化させる効果があることを理論的に明らかにした。また、ビームのパラメータや加速器のパラメータを適切に選べば、J-PARC 3GeVシンクロトロンのような低エネルギーのマシーンでは、従来のインピーダンスバジェットを破ることは、1MWビームを達成する上で致命傷にはならないことを実験的にも実証した。

論文

Vacuum tube operation analysis under multi-harmonic driving and heavy beam loading effect in J-PARC RCS

山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 戸田 信*; 吉井 正人*; Schnase, A.*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 835, p.119 - 135, 2016/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:76.09(Instruments & Instrumentation)

J-PARC RCSでは、金属磁性体を装荷した広帯域加速空胴でマルチハーモニックの電圧を発生させることができる。しかし、マルチハーモニックの下での真空管動作解析は、多変数の解析が必要となり非常に複雑である。過去の動作解析は、真空管の特性曲線から目視で読み取るか、シングルハーモニックで波形を仮定した解析しか行われていなかった。真空管動作を自動で解析するコードを開発し、マルチハーモニックの下でも真空管動作を解析することに初めて成功した。開発したコードは実際の大強度陽子ビーム加速試験において検証され、計算結果と測定結果がよく一致することを確認した。この解析手法の開発により、大強度陽子シンクロトロン加速器における真空管動作の正確な計算が行えるようになり、ビームの品質向上に寄与することが期待される。

論文

J-PARC MRにおける大強度ビーム取り出し時の空胴電圧変動

田村 文彦; 吉井 正人*; 大森 千広*; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.808 - 810, 2016/11

J-PARC MRは現在、ニュートリノ実験に約390kWの大強度陽子ビームを供給している。ビームはキッカー電磁石を用いた速い取り出しにより取り出されるが、ビームの取り出し直後に20マイクロ秒程度の短時間空胴電圧が跳ね上がることがわかった。これは、RFフィードフォワード法によるビームローディング補償信号が、ビーム取り出し後も系の遅延時間だけ出続けることが原因である。MRの金属磁性体空胴は、Q値が22と低いために、ビーム負荷の急激な変動に対して10マイクロ秒程度の応答時間で反応してしまう。ビーム強度の増加につれ、電圧の跳ね上がりが増加傾向にあり、この電圧の跳ね上がりは共振用の真空コンデンサの寿命に関連があると考えられるため、対策が必要である。本発表では、跳ね上がりの抑止の結果およびビームローディングの解析について示す。この電圧変化はRCSではより影響が大きいが、RCSへの応用も期待できる。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロンビームコリメータの故障事象

山本 風海; 岡部 晃大; 神谷 潤一郎; 吉本 政弘; 竹田 修; 高柳 智弘; 山本 昌亘

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.314 - 318, 2016/11

2007年のRCSの運転開始以後、ビームコリメータではこれまで不具合は起きていなかったが、2016年4月の保守作業時に真空漏れが発生した。ビームコリメータはその機能の上から、非常に放射化することが予想されていたため、真空フランジを遠隔から着脱するためのリモートクランプシステムをはじめとして、作業中の被ばく量を低減するための準備がなされていた。そのため、今回故障が発生してから代わりのダクトへの入れ替えを行うに際して、ビームが直接当たるコリメータ本体では40mSv/hという非常に高い表面線量が測定されたにも関わらず、作業者の被ばく線量は最大でも60マイクロSvに抑えることに成功した。本発表では、コリメータの故障から復旧までの状況について報告する。

論文

J-PARC RCSエネルギー増強のための主電磁石の検討

谷 教夫; 渡辺 泰広; 發知 英明; 原田 寛之; 山本 昌亘; 金正 倫計; 五十嵐 進*; 佐藤 洋一*; 白形 政司*; 小関 忠*

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.708 - 711, 2016/11

J-PARC加速器の大強度化を進めるために、3GeV RCSの加速エネルギーを現在の3GeVから3.4GeVに増強する案が検討されている。そのため、3.4GeVを目指したRCS電磁石の検討が行われた。空間電荷効果の影響でRCSからの3GeV 1MWビームでは、MRの入射部でのビームロスが5%と大きい。入射ビームを3.4GeVにすると、ビームロスが1%程度となり、MRで1MWビームの受け入れが可能となる。四極電磁石の検討では、磁場測定データを基に評価が行われた。四極電磁石は、3.4GeVでも電源の最大定格値を超えないことから、電磁石・電源共に対応可能であることがわかった。しかし、偏向電磁石は、3次元磁場解析データから、3.4GeVでは飽和特性が5%以上悪くなった。電源についても、直流及び交流電源の最大定格が現電源と比べて15%及び6.2%超えており、現システムでは難しいことがわかった。このため、偏向電磁石については、既存の建屋に収まることを前提として、電磁石の再設計を行った。その結果、電源は直流電源の改造と交流電源の交換で実現可能となることがわかった。本論文では、RCS電磁石の出射エネルギー増強における検討内容及びその結果見えてきた課題について報告する。

論文

Longitudinal particle tracking code for a high intensity proton synchrotron

山本 昌亘

Proceedings of 57th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop on High-Intensity and High-Brightness Hadron Beams (HB 2016) (Internet), p.110 - 114, 2016/07

3GeVシンクロトロンでの利用を目的とし、大強度陽子シンクロトロン向けに縦方向粒子追跡コードを開発してきた。縦方向粒子追跡コードはいくつか存在するが、我々のコードはウエイク電圧、空間電荷効果を取り込んだ上で粒子追跡を行い、マルチハモニックスの下でビームエミッタンスやフィリングファクターなどのRFバケツの裕度を計算することができる。また、シンクロナス粒子の計算方法を独自に開発し、シンクロナス粒子の周回周波数と加速周波数パターンに比例関係がない場合でも計算することができる。この特徴により、アディアバティシティのチェックが行える独自の仕様となっている。本コードを用いることで、3GeVシンクロトロンで大強度のビームを加速する条件を求めることができ、1MWの出力を達成することができた。本報告では、基本的な設計方針及びJ-PARC RCS, MRでの計算例を示す。

論文

Simulation of beam behavior caused by odd harmonics of beam loading in J-PARC RCS

山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 戸田 信*; 吉井 正人*

Proceedings of 7th International Particle Accelerator Conference (IPAC '16) (Internet), p.3443 - 3445, 2016/06

J-PARC RCSでは、ハーモニック数2において2バンチを加速している。このため、ビーム電流の主なフーリエ成分は偶数次となる。しかし、奇数次成分は初期において非常に小さな成分しか持たないにも関わらず、ある条件下では増大することがある。粒子トラッキングシミュレーションが示唆するところでは、2つのバンチの離合及びバンチ幅の増大・減少が奇数次のウエイク電圧によって引き起こされ、それが奇数次込のポテンシャルとうまく同期することで、ビームが不安定になることが分かった。RCSにおける奇数次のビーム負荷効果について、粒子追跡シミュレーションの結果を示す。

論文

Mechanisms of increasing of the magnetic alloy core shunt impedance by applying a transverse magnetic field during annealing

野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 山本 昌亘; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 戸田 信*; 吉井 正人*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 797, p.196 - 200, 2015/10

 パーセンタイル:100(Instruments & Instrumentation)

J-PARCシンクロトロンでは高い加速電圧を発生させるために金属磁性体コアを用いた加速空胴を採用している。コアのシャントインピーダンスはビームパワーを高めるために重要なパラメータである。我々は磁場中熱処理を行うことにより、コアのシャントインピーダンスを約50%以上高めることに成功している。本論文では磁場中熱処理を行うことによりコアのシャントインピーダンスが高められるメカニズムについて議論を行っている。具体的には、まず磁場中熱処理により磁化過程が主に磁化回転となることにより、低周波数領域ではコアの損失が低減され、高周波数領域では磁気特性が向上していることを測定結果から示し、次にシャントインピーダンスと磁気特性を表す複素透磁率との関係から、コアのシャントインピーダンスが高められているのはこれらの磁気特性の改善が要因であることを述べている。

論文

High intensity single bunch operation with heavy periodic transient beam loading in wide band RF cavities

田村 文彦; 發知 英明; Schnase, A.*; 吉井 正人*; 山本 昌亘; 大森 千広*; 野村 昌弘; 戸田 信*; 島田 太平; 長谷川 豪志*; et al.

Physical Review Special Topics; Accelerators and Beams, 18(9), p.091004_1 - 091004_8, 2015/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:84.56(Physics, Nuclear)

J-PARC RCSは2バンチ加速するように設計されているが、MLFの中性子実験やMRビームを用いたミューオン実験において、RCSでの大強度シングルバンチ運転が必要とされるようになった。シングルバンチ運転においては、広帯域RF空胴に生じる奇数次のウェーク電圧成分によりバケツの歪みが生じ、縦方向のビームロスを生じるために、ビーム強度は制限されていた。このため、奇数次のウェーク電圧成分を補償するために、追加のフィードフォワードシステムをインストールした。追加されたシステムは、偶数次のフィードフォワードシステムと同様の構成である。この論文では、追加のフィードフォワードシステムの機能、調整手法、調整結果の詳細について報告する。フィードフォワードによる奇数次成分の補償により、縦方向のビームロスが消失した。また、シングルバンチ加速でのビーム品質は、フィードフォワードによる補償によって、2バンチ運転のものと同様に保たれていることを、縦方向および横方向のビーム測定により確かめた。2.3$$times$$10$$^{13}$$ppbという大強度のシングルバンチ運転が可能となった。

論文

MAコアを用いたハイパワーバランの開発,2

田村 文彦; 島田 太平; 吉井 正人*; 大森 千広*; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 戸田 信*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*

Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.639 - 642, 2015/09

J-PARC RCSでは、高い加速電圧を発生させ、また1台の空胴に基本波と2倍高調波を重畳した電圧を発生させるデュアルハーモニック運転を実現するために、広帯域の金属磁性体を装荷した加速空胴を採用している。AB級プッシュプル構成の真空管アンプにより空胴は駆動されており、2倍高調波を重畳した時に生じる各真空管の出力電圧振幅のアンバランスを改善させるために、MAコアを使用した高電圧、ハイパワーのバランのR&Dを行っている。バランはMAコアに高電圧ケーブルを巻いた高周波トランスとして構成されているが、RCSでは最大15kVの高周波電圧を線間に印加することになるために、高周波によるコロナ放電の抑制が課題となっている。本発表では、コロナ放電の抑制の手法について、また、コアおよびケーブルの冷却方法についてのR&Dの現状について報告する。

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