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報告書

CTBT検証を目的とした青森県むつ市における国際希ガス共同観測

木島 佑一; 山本 洋一; 小田 哲三

JAEA-Technology 2017-028, 33 Pages, 2018/01

JAEA-Technology-2017-028.pdf:38.85MB

CTBTに係る国際検証制度(IMS)の一環として、世界中で放射性希ガス(キセノン)観測ネットワークに関する実験が行われている。IMSでは日本の高崎を含む30カ所の放射性核種観測所で日常的に放射性キセノンの観測を行っており、これまでの観測結果から複数の観測所で放射性キセノンが頻繁に観測されており、これらの放射性キセノンの主要な放出源が医療用RI製造施設であるということが明らかになった。さらに、原子力発電所や核医学診断に放射性キセノンを使用する医療機関等も放射性キセノンの放出源として考えられており、核実験監視能力の向上のためには、上記施設を起源とする放射性キセノンのバックグラウンド挙動の把握が重要である。日本原子力研究開発機構は東アジア地域における放射性キセノンバックグラウンド調査の一環として、2012年にCTBT機関準備委員会、米国パシフィックノースウェスト国立研究所、及び公益財団法人日本分析センターと共同で、青森県むつ市にある原子力機構青森研究開発センター大湊施設において国際希ガス共同観測を行った。さらに、2014年にも同所にて追加的観測を行った。なお、本観測では、PNNLが開発した高感度の移動型希ガス観測装置が用いられた。本報告書は、2012年及び2014年に実施した本観測の概要及び観測結果について報告するものである。

論文

J-PARC RCSエネルギー増強のための主電磁石の検討

谷 教夫; 渡辺 泰広; 發知 英明; 原田 寛之; 山本 昌亘; 金正 倫計; 五十嵐 進*; 佐藤 洋一*; 白形 政司*; 小関 忠*

Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.708 - 711, 2016/11

J-PARC加速器の大強度化を進めるために、3GeV RCSの加速エネルギーを現在の3GeVから3.4GeVに増強する案が検討されている。そのため、3.4GeVを目指したRCS電磁石の検討が行われた。空間電荷効果の影響でRCSからの3GeV 1MWビームでは、MRの入射部でのビームロスが5%と大きい。入射ビームを3.4GeVにすると、ビームロスが1%程度となり、MRで1MWビームの受け入れが可能となる。四極電磁石の検討では、磁場測定データを基に評価が行われた。四極電磁石は、3.4GeVでも電源の最大定格値を超えないことから、電磁石・電源共に対応可能であることがわかった。しかし、偏向電磁石は、3次元磁場解析データから、3.4GeVでは飽和特性が5%以上悪くなった。電源についても、直流及び交流電源の最大定格が現電源と比べて15%及び6.2%超えており、現システムでは難しいことがわかった。このため、偏向電磁石については、既存の建屋に収まることを前提として、電磁石の再設計を行った。その結果、電源は直流電源の改造と交流電源の交換で実現可能となることがわかった。本論文では、RCS電磁石の出射エネルギー増強における検討内容及びその結果見えてきた課題について報告する。

論文

CTBTに係わる放射性核種の監視

木島 佑一; 山本 洋一

日本原子力学会誌, 58(3), p.156 - 160, 2016/03

日本原子力研究開発機構(原子力機構)では、包括的核実験禁止条約(CTBT)国内運用体制の下で国際監視制度(IMS)施設のうち放射性核種の監視のための観測所及び公認実験施設を整備し、運用を行っている。また、IMS観測所から得られる放射性核種観測データの解析及び評価を行う国内データセンターも整備し、運用を行っている。本稿ではCTBTの概要と原子力機構の活動に関して解説するとともに、これまで国内の放射性核種観測所で得られた観測結果のうち、2013年2月の第3回北朝鮮核実験を含む特異な人工放射性核種観測事例を2つ紹介する。

論文

原子力機構高崎放射性核種観測所における希ガス観測; CTBTOによる認証

山本 洋一

Isotope News, (736), p.31 - 33, 2015/08

包括的核実験禁止条約(CTBT)に係る高崎放射性核種観測所は、日本原子力研究開発機構の高崎量子応用研究所内にあり、認証前の試験運用を2007年から開始し、放射性希ガス(キセノン)の観測を行ってきた。高崎観測所の希ガスシステムはCTBT機関によって2014年12月19日に認証された。放射性キセノンの監視は特に地下核実験の探知に重要な役割を果たすことが期待されている。高崎観測所は2013年4月に通常の濃度変動範囲を超える複数の放射性キセノン同位体を同時検出した。この異常事象は同年2月に北朝鮮により宣言された核実験に由来するものと同定された。高崎観測所はアジア地域の東端に位置するため、偏西風によって運ばれてくる放射性核種の観測において国際的に重要な拠点となっている。

論文

Stress corrosion cracking behavior of zirconium in boiling nitric acid solutions at oxide formation potentials

石島 暖大; 加藤 千明; 本岡 隆文; 山本 正弘; 加納 洋一*; 蝦名 哲成*

Materials Transactions, 54(6), p.1001 - 1005, 2013/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:74.89(Materials Science, Multidisciplinary)

ジルコニウムは硝酸中において優れた耐食性を有するため核燃料再処理機器材料として使用されている。しかしながら、ジルコニウムは不働態破壊電位下において沸騰硝酸中でSCC感受性を示すことが報告されている。一方、ジルコニウムのSCC発生及び進展挙動は明らかになっていない。本研究では、ジルコニムのSCCにおける発生及び進展挙動を明らかにするため、沸騰硝酸中にて定荷重引張試験を実施した。その結果、不働態破壊電位より貴な電位で生成する酸化皮膜下に発生するき裂が成長して破断することが明らかとなった。これは、酸化皮膜の生成が沸騰硝酸中におけるジルコニウムのSCCを引き起こすことを示している。またこのことは、沸騰硝酸中におけるジルコニウムのSCCはTarnish Ruptureモデルで説明できることを示唆している。

報告書

土中水分観測手法としての光ファイバー計測技術の開発(共同研究)

小松 満*; 西垣 誠*; 瀬尾 昭治*; 平田 洋一*; 竹延 千良*; 田岸 宏孝*; 國丸 貴紀; 前川 恵輔; 山本 陽一; 戸井田 克*; et al.

JAEA-Research 2012-001, 77 Pages, 2012/09

JAEA-Research-2012-001.pdf:4.85MB

本研究は、地下水流動解析の上部境界条件として必要となる地下水涵養量を土壌に浸透した水分量から求める手法に着目し、その算定手法の体系化と現場で安定して長期間計測可能なシステムの構築を目的として実施した。計測システムの開発においては、多点かつ長距離に渡る計測が可能な光ファイバーの歪計測原理を、サクションによる圧力計測,土中湿度計測,吸水膨張材を適用した体積含水率計測の3方式に適用する場合についてそれぞれ検討した。さらに、浅層における降水の土中への浸透量を直接的に計測する手法として、現地水分量の計測結果から直接浸透量を算定する手法と、不飽和透水係数の値から浸透量を推定する手法について現地に計測機器を設置してその有効性を確認した。

論文

Beam halo reduction in the J-PARC 3-GeV RCS

發知 英明; 原田 寛之; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 山本 風海; 山本 昌亘; 吉本 政弘; 入江 吉郎*; 小関 忠*; et al.

Proceedings of 3rd International Particle Accelerator Conference (IPAC '12) (Internet), p.3918 - 3920, 2012/05

J-PARC RCSは、2008年12月に、4kWのビーム出力でユーザー運転を開始した。以来、RCSのビーム出力増強は順調に進展している。RCSは、現在までに、1%以下の低ビーム損失で420kW相当のビーム加速に成功し、ユーザー運転時のビーム出力は、210kWに増強されている。現在のRCSにおけるビーム調整の主課題の一つは、出射ビームの品質を向上させる、つまり、大出力かつ低ビームハローのビームを作ることである。本論文では、ビームハロー低減に向けたRCSでの最近の取り組みを紹介する。

論文

Beam commissioning and operation of the Japan Proton Accelerator Research Complex 3-GeV rapid cycling synchrotron

發知 英明; 原田 寛之; 林 直樹; 金正 倫計; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 山本 風海; 山本 昌亘; 吉本 政弘; et al.

Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2012(1), p.2B003_1 - 2B003_26, 2012/00

 被引用回数:11 パーセンタイル:34.66(Physics, Multidisciplinary)

J-PARC 3-GeV RCSは、1MWのビーム出力を目指す大強度陽子加速器である。RCSは、2007年10月にビーム試験を開始し、その後、2008年12月より4kWのビーム出力でユーザー運転を開始した。以来、ビームチューニングの進展やハードウェアの改良に従って、RCSの出力パワーは順調に増強されている。RCSは、これまでに、420kW出力までのビーム損失を1%以下に抑え込むことに成功し、また、210kWでのルーティンユーザー運転を実現させている。RCSのような大強度陽子加速器では、ビーム損失により生じる機器の放射化が出力強度を制限する最大の要因となるため、ビーム損失の低減が出力増強時に常に直面する重要なビーム物理学上の課題となる。本論文では、RCSのビーム増強に関する最近の進展、特に、ビーム増強とともに多様に出現するビーム損失に対するわれわれの取り組み(ビーム損失低減策)を紹介する。

論文

核実験監視用放射性核種観測網による大気中の人工放射性核種の測定

米沢 仲四郎*; 山本 洋一

ぶんせき, 2011(8), p.451 - 458, 2011/08

2011年3月11日の東日本大震災に伴った東京電力福島第一原子力発電所の事故によって大気中に放出された放射性物質は、地球上に張りめぐらされた核実験監視用の放射性核種監視網で検出された。事故発生後3か月が経過し、海外の観測所での放射性核種の検出はほぼ収まったが、高崎観測所では未だに続いている。本稿では、包括的核実験禁止条約(CTBT)の国際監視制度(IMS)放射性核種観測施設とその観測網、そして本観測網による福島第一原子力発電所から放出された、粒子状放射性核種と放射性キセノンの測定結果を紹介する。

論文

Surface analysis of single-crystalline $$beta$$-FeSi$$_2$$

山田 洋一*; Mao, W.*; 朝岡 秀人; 山本 博之; 江坂 文孝; 鵜殿 治彦*; 都留 智仁

Physics Procedia, 11, p.67 - 70, 2011/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:11.47

清浄な表面を有する$$beta$$-FeSi$$_2$$の単結晶を調製し、各種の表面分析を行った。表面酸化物に関するXPS(X線光電子分光)測定からは、FeではなくおもにSiが酸化することがわかった。LEED(低速電子線回折)やSTM(走査トンネル顕微鏡)の測定からは、表面酸化物を除去した表面は、清浄で、バルク結晶の切断面と同じような構造を有し、表面での大きな再構成は認められなかった。このことからFeとSiが強固な結合を呈していることが示唆された。

論文

ステンレス鋼製再処理用機器へのカソード防食の適用性に関する研究

上野 文義; 内山 洋平*; 加藤 千明; 山本 正弘; 蝦名 哲成*; 下川原 茂*; 加納 洋一*

日本原子力学会和文論文誌, 9(3), p.279 - 287, 2010/09

ステンレス鋼製再処理用機器への外部電源方式によるカソード防食法の適用可能性を示すことを目的に、基礎的な検討を行った。極低炭素304ステンレス鋼(SUS304ULC)小型試験片及び電気化学測定装置を用い、沸騰硝酸溶液中での不働態域及び過不働態域の電位や、種々の電位での腐食速度を調べたのち、カソード防食の有無による腐食速度の違いを調べた。また、実際の濃縮缶の構造を想定し、SUS304ULC製管材の外面を対象としたカソード防食試験を行った。その結果、過不働態域から0.1V程度電位を卑とするカソード防食により、1/10以上の腐食速度低減効果が得られた。また、管材外面では平均24$$mu$$mの減肉量が、カソード防食により陽極との位置に関係なく3$$mu$$mまで均一に低減できた。これらの結果と、過不働態域の腐食はおもに電位の影響を受けること、沸騰硝酸の電気伝導率が高く均一な防食効果が期待できることと、腐食がおもに電位による影響を受けると考えられることから、カソード防食法がステンレス鋼製再処理用機器の耐食性改善のために適用可能と考えられる。

論文

X-ray photoelectron and X-ray absorption spectroscopic study on $$beta$$-FeSi$$_{2}$$ thin films fabricated by ion beam sputter deposition

江坂 文孝; 山本 博之; 松林 信行*; 山田 洋一*; 笹瀬 雅人*; 山口 憲司; 社本 真一; 間柄 正明; 木村 貴海

Applied Surface Science, 256(10), p.3155 - 3159, 2010/03

 被引用回数:12 パーセンタイル:43.67(Chemistry, Physical)

放射光を用いたX線光電子分光法(XPS),X線吸収分光法(XAS)を用い、イオンビームスパッタ蒸着法により作製した$$beta$$-FeSi$$_{2}$$薄膜の表面化学状態及び深さプロファイルを非破壊的に解析した。873$$sim$$1173Kで成膜した試料についてXPS測定を行った結果、基板温度973Kでは、励起エネルギー(分析深さ)の減少とともにSiO$$_{2}$$及びSiO$$_{2-x}$$に起因するピークの割合が増加することを明らかにした。この結果から、最表面に1nm以下のSiO$$_{2}$$層が、さらにその直下にSiO$$_{2-x}$$層が形成されていることを確認した。また、XASによるFe-L吸収端測定では、873Kで成膜した場合には未反応のFe、1173Kでは$$alpha$$-FeSi$$_{2}$$の存在する可能性が示唆された。

論文

Conceptual design of experimental equipment for large-diameter NTD-Si

八木 理公; 渡邊 雅範; 大山 光樹; 山本 和喜; 米田 政夫; 加島 洋一; 山下 清信

Applied Radiation and Isotopes, 67(7-8), p.1225 - 1229, 2009/07

 被引用回数:6 パーセンタイル:50.95(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

Neutron Transmutation Doping Silicon (NTD-Si) is expected to save effectively the consumption energy when an Insulation Gate Bipolar Transistor (IGBT) with NTD-Si is applied to electrical inverter of hybrid car. Therefore, development of neutron irradiation technology for the large-diameter silicon up to 12 inches diameter will contribute greatly to increasing production of NTD-Si and cost reduction. In our development project, an irradiation-experimental equipment is designed by using the Monte Carlo neutron transportation calculation code (MCNP5) in order to improve the neutron flux distribution of the radial direction on 12 inches NTD-Si. As the results of the calculations, the neutron absorption reaction ratio of the circumference to the center was within 1.09 by use of the thermal neutron filter which covers the surface of the silicon ingot. The flatting effect of neutron flux distribution for the 12 inches diameter silicon will be confirmed experimentally by using the equipment, which will be installed in the Japan Research Reactor No.4 (JRR-4) in 2009.

論文

エキシマレーザー照射によるh-BNからのアブレーションプラズマの特性

大場 弘則; 佐伯 盛久; 江坂 文孝; 山田 洋一; 山本 博之; 横山 淳

Journal of the Vacuum Society of Japan, 52(6), p.369 - 371, 2009/07

h-BNを真空中にてレーザーアブレーションさせた時の放出プラズマの挙動を調べた。四重極型質量分析計とイオンプローブを用いて放出種の時間分解検出を行った。プラズマの電離度はレーザーパワー密度の増大に伴って15%程度まで高くなること、イオンは中性粒子よりも高い運動エネルギーで上昇することが観測され、また空間分布ではイオンの方が中性粒子よりも上方に収束されたビームを形成することがわかった。このように、アブレーション放出プラズマ中のイオンと中性粒子の挙動が大きく異なることから、この結果はイオンと中性粒子とを区別してイオンのみを利用することにより、微粒子の付着のない良質の薄膜が作製できることを示している。

論文

同位体選択的赤外多光子解離されたフロロシランからの同位体濃縮Si薄膜の作製

大場 弘則; 鈴木 裕*; 江坂 文孝; 田口 富嗣; 山田 洋一; 山本 博之; 笹瀬 雅人*; 横山 淳

Journal of the Vacuum Society of Japan, 52(6), p.292 - 295, 2009/07

濃縮$$^{30}$$Siの中性子照射による$$^{30}$$Si$$rightarrow$$$$^{31}$$Pの核変換を利用した半導体デバイスの創製研究及び同位体組成制御材の物性評価のために、Si$$_{2}$$F$$_{6}$$の赤外多光子解離反応により同位体濃縮したSiF$$_{4}$$ガスからSi薄膜の作製実験を行った。成膜方法はプラズマCVDであり、反応ガスにはSiF$$_{4}$$及びH$$_{2}$$を用い、Arで希釈,混合した後チャンバー内に導入した。基板に石英又はSi単結晶ウェーハを用いた。生成膜の評価はX線回折装置,SEM/EDX,二次イオン質量分析計で行った。まず、13.6MHz高周波加熱平行平板電極型CVD装置を用いた場合、H$$_{2}$$/SiF$$_{4}$$流量比2$$sim$$10とし、基板温度を室温$$sim$$500$$^{circ}$$Cにして成膜し、これらの条件下ではアモルファス薄膜であることがわかった。次に、2.45GHzマイクロ波加熱リモート型CVD装置を用いて、H$$_{2}$$/SiF$$_{4}$$流量比を25、基板温度を350$$sim$$750$$^{circ}$$Cで成膜を試み、結晶性のSi薄膜を作製することができた。どちらの成膜装置においても、生成膜中にはFはほとんど含まれず、ほぼ原料ガスの濃縮度と同じ同位体組成であった。

論文

Surface preparation and characterization of single crystalline $$beta$$-FeSi$$_{2}$$

山田 洋一; 若谷 一平*; 大内 真二*; 山本 博之; 朝岡 秀人; 社本 真一; 鵜殿 治彦*

Surface Science, 602(18), p.3006 - 3009, 2008/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:69.26(Chemistry, Physical)

$$beta$$-FeSi$$_{2}$$薄膜は1.5$$mu$$m帯域で発光し、フォトニック結晶などへの応用が期待される。高品位の$$beta$$-FeSi$$_{2}$$エピタキシャル薄膜成膜用の基板として、よく定義されたバルク単結晶表面が必須であるが、その成長が困難であることからこれまで十分に研究がなされていなかった。本研究では、$$beta$$-FeSi$$_{2}$$バルク単結晶表面の構造を走査型トンネル顕微鏡(STM),低エネルギー電子線回折(LEED)を用いて評価し、清浄表面の調整手法を確立することを目的とした。超高真空下において850$$^{circ}$$C程度の熱処理により得られた清浄表面から、明瞭なLEED像が観察された。得られた回折像から、清浄な(100), (101)及び(110)表面のユニットセルはバルクと同一の周期性をもち、長周期の表面再構成は生じないことが明らかとなった。しかしながら、STM像から清浄表面上には多数の欠陥が存在することも明らかとなった。今後材料応用のためにはこれらの欠陥の制御が必要となると考えられる。

論文

New method to measure the rise time of a fast pulse slicer for laser ion acceleration research

森 道昭; 余語 覚文; 桐山 博光; 西内 満美子; 小倉 浩一; 織茂 聡; Ma, J.*; 匂坂 明人; 金沢 修平; 近藤 修司; et al.

IEEE Transactions on Plasma Science, 36(4), p.1872 - 1877, 2008/08

 被引用回数:6 パーセンタイル:68.64(Physics, Fluids & Plasmas)

本グループでは、京都大学・電力中央研究所・GIST等と共同でレーザー駆動プロトンビームの利用に向け、レーザー・ターゲット双方からエネルギー/変換効率/Emittanceの最適化に関する研究を進めている。本論文はその研究の過程において開発したレーザー駆動高エネルギープロトンビーム発生におけるチャープパルスを用いた高速パルススライサー装置の新たな性能評価法と、その後に行ったイオン加速実験に関する結果をまとめたものである。この研究開発によって、新手法の有意性を明らかにするとともに、プレパルスの抑制により最大2.3MeVのプロトンビームの発生を実証しプレパルスがプロトンビームの高エネルギー化に重要な役割を果たすことを明らかにした。

論文

Si(110)-16$$times$$2単一ドメイン表面の作製

山田 洋一; Girard, A.*; 朝岡 秀人; 山本 博之; 社本 真一

表面科学, 29(7), p.401 - 406, 2008/07

Si(110)は近年改めて研究が進展しつつある。しかしSi(110)は、Siのそのほかの低指数面と比べて研究例が極端に少なく、基礎物性の理解が進んでいない。この要因の一つに、よく定義された清浄表面を再現性よく準備することが困難であったことが挙げられる。Si(110)表面には、16$$times$$2と呼ばれるストライプ状の再構成構造が存在する。通常の清浄表面は複雑な多ドメイン形状をとる。本研究では、表面原子のエレクトロマイグレーションにより、表面の再構成列を一方向に揃えることでSi(110)清浄表面をよく定義された単一ドメイン構造にすることが可能となった。作製された単一ドメインは少なくとも数十$$mu$$m四方に及ぶ均質な一次元構造を有することがわかった。16$$times$$2再構成構造のストライプは単原子ステップと等価であることから、これをテンプレートとした原子・分子ナノワイヤーの作製の可能性が示唆される。また、Si(110)単一ドメインには、二次元カイラリティが導入され、その制御が可能であることも示した。これは本表面上での不斉分子の反応研究の可能性を示唆するものである。

論文

Controlling the surface chirality of Si(110)

山田 洋一; Girard, A.*; 朝岡 秀人; 山本 博之; 社本 真一

Physical Review B, 77(15), p.153305_1 - 153305_3, 2008/04

 被引用回数:13 パーセンタイル:43.24(Materials Science, Multidisciplinary)

非常に広範囲でよく定義されたカイラル構造のSi(110)を、表面再構成構造を制御することにより作製した。よく制御された右手系-左手系の構造スイッチングも可能となった。加えて、水素終端処理により表面の十分な安定化を実現した。これらの発見は、本表面を不斉合成反応の触媒として利用できる可能性を示唆する。

報告書

JRR-4における12インチNTD-Si照射実験装置に関する概念設計(受託研究)

八木 理公; 渡邊 雅範; 大山 光樹; 米田 政夫; 山本 和喜; 加島 洋一

JAEA-Technology 2008-015, 91 Pages, 2008/03

JAEA-Technology-2008-015.pdf:22.92MB

最大12インチ径までの大口径シリコンの中性子照射技術を開発のため、中性子輸送計算モンテカルロ計算コードMCNP5を用いて12インチ径のNTD-Siの径方向の中性子束分布を改善する照射条件を解析的に見いだすことにより照射実験装置を設計し、JRR-4で照射実験を行う。これによって、照射装置の設計手法の妥当性を確証する。12インチNTD-Si照射実験装置は、炉心タンク外壁脇に設置し、中性子束の増大を目的とした反射体カバー内で直径12インチ,高さ60cmのシリコンを回転させることにより周方向に均一照射することとし、熱中性子フィルタを周囲に覆ったシリコンを回転させながら上下移動させるスルー法に関する均一照射条件を検討した。検討の結果、厚さ2mmの天然ボロン濃度1.5%含有アルミニウムを用いた熱中性子フィルタをシリコンに覆い、シリコン上下移動範囲を炉心中心-42$$sim$$+22cmにした場合、ダミー領域の上下10cmを除いて$$^{30}$$Si中性子吸収反応率の偏差が-3.2%$$sim$$5.3%、シリコン中心に対する外周の$$^{30}$$Si中性子吸収反応率の比(O/C比)が1.09となり、本実験装置における12インチNTD-Siの最適な均一照射条件を導くことができた。

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