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後藤 翔; 青木 賢二; 森本 憲次; 坪井 雅俊; 礒崎 尚彦; 古川 竜一; 北川 修; 深谷 康弘*
日本保全学会第17回学術講演会要旨集, p.517 - 520, 2021/07
東海再処理施設では、換気系の排風機を連続運転し、建家、セル、貯槽等を負圧状態に維持することにより、放射性物質の閉じ込め機能を確保している。2011年9月に、特別高圧変電所の定期点検において、分離精製工場の槽類換気系の排風機が、予備機も含めて起動できなくなる事象が発生した。原因は、槽類換気系の排風機の電源供給系統を制御する制御用電源回路内のタイマーの故障によるものであり、制御用電源回路が1号系と2号系で共通であったことから予備機も起動しなかった。再発防止対策として、高放射性廃液を取扱っている分離精製工場、高放射性廃液貯蔵場、ガラス固化技術開発施設の建家換気系、セル換気系及び槽類換気系の排風機の制御用電源回路を1号系と2号系に分離する処置を最優先で行った。また、その他の施設については、1号系と2号系に分離する必要性があるかどうかを検討した上で、同様の処置を行っているところである。本対策を行うことにより、東海再処理施設の給電系統の安全性の向上や各施設の閉じ込め機能が喪失するリスクの低減が図られたことから、その内容について報告する。
田中 泰貴*; 成清 義博*; 森田 浩介*; 藤田 訓裕*; 加治 大哉*; 森本 幸司*; 山木 さやか*; 若林 泰生*; 田中 謙伍*; 武山 美麗*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 87(1), p.014201_1 - 014201_9, 2018/01
被引用回数:18 パーセンタイル:73.84(Physics, Multidisciplinary)ガス充填型反跳生成核分離装置GARISを用いてCa + Pb, Ti + Pb, Ca + Cm反応系における準弾性散乱断面積の励起関数を測定した。これらのデータから融合障壁分布を導出し、チャンネル結合計算と比較した。Ca + Pb及びTi + Pb反応の障壁分布のピークエネルギーはそれらの反応系における2中性子蒸発断面積のピークエネルギーと良く一致し、一方Ca + Cm反応の障壁分布のピークエネルギーは4中性子蒸発断面積のピークエネルギーより少し下に現れることが判った。この結果は超重核合成の際の最適ビームエネルギーの予測に役立つ情報を与える。
廣瀬 健太郎; 西尾 勝久; 田中 翔也*; Lguillon, R.*; 牧井 宏之; 西中 一朗*; Orlandi, R.; 塚田 和明; Smallcombe, J.*; Vermeulen, M. J.; et al.
Physical Review Letters, 119(22), p.222501_1 - 222501_6, 2017/12
被引用回数:50 パーセンタイル:91.01(Physics, Multidisciplinary)JAEAタンデム加速器施設で行ったO+U反応における多核子移行チャンネルを用いた実験により、U, Np、およびPuの核分裂質量分布を励起エネルギー1060MeVにおいて測定した。これらのうち、U, Npのデータは本実験により初めて観測された。原子核の殻効果の減衰によって対称分裂すると予想されていた高励起エネルギーにおいても、質量分布が非対称を示すことがわかった。搖動散逸定理に基づく動力学モデル計算との比較から、この振る舞いはマルチチャンス核分裂によるものであることを明らかにした。
大江 一弘*; Attallah, M. F.*; 浅井 雅人; 後藤 尚哉*; Gupta, N. S.*; 羽場 宏光*; Huang, M.*; 金谷 淳平*; 金谷 佑亮*; 笠松 良崇*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(2), p.1317 - 1320, 2015/02
被引用回数:10 パーセンタイル:64.00(Chemistry, Analytical)超重元素化学にむけ、ガスジェット法によって搬送された核反応生成物を連続溶解する新規方法を開発した。本方法では、疎水性メンブレンフィルターを用い、気相と水相を分離する。本手法を用いて短寿命放射性核種MoならびにWの溶解効率を測定した結果、水溶液流速0.1-0.4mL/minで80%以上の収率が得られた。一方、1.0-2.0L/minの範囲内では、ガス流速への依存性は観測されなかった。以上の結果から、本手法が超重元素の溶液化学研究に適用可能であることが示された。
豊嶋 厚史; 大江 一弘*; 浅井 雅人; Attallah, M. F.*; 後藤 尚哉*; Gupta, N. S.*; 羽場 宏光*; 金子 政志*; 金谷 佑亮; 笠松 良崇*; et al.
no journal, ,
シーボーギウム(Sg)より重い超アクチノイド元素は重イオン核反応で生成されるが、半減期が十秒以下であり、さらに生成率が低いため一時間に一原子しか生成できない。そのため、これらの元素の溶液化学的研究には迅速な化学分離を連続的に行うことができる分析装置が必要となる。本研究ではSgの化学研究に向け、ガスジェット搬送物を溶液に迅速溶解するために新たに開発したメンブレンデガッサー、酸化還元反応を制御するためのフロー電解カラム、そして連続溶媒抽出装置(SISAK)を連結して用い、Sgの軽同族元素であるMoならびにWの模擬実験を行った。学会ではこれらの開発状況について発表する。
水飼 秋菜; 豊嶋 厚史; 浅井 雅人; 塚田 和明; 佐藤 哲也; 金谷 佑亮; 武田 晋作*; 永目 諭一郎; 小森 由希子*; 村上 昌史*; et al.
no journal, ,
超重元素シーボーギウム(Sg)の硫酸錯体形成についての研究を進めている。本研究発表では、硫酸とアミン抽出剤(Alqiaut336)系におけるシーボーギウムの軽同族元素Mo, Wの溶媒抽出挙動について報告する。理化学研究所AVFサイクロトロンにおいてZr(,)Mo反応により合成したMoとTa(,x)Wにより合成したWを用いて実験を行った。0.1-8.6M硫酸と0.01-0.2M Aliquat336-トルエン溶液中におけるMo, Wの分配比を二相間の放射能比として評価した。その結果より、硫酸濃度3M以上でMo, Wは[MO(SO)](M=Mo, W)として抽出されていることが分かった。
豊嶋 厚史; 宮下 直*; 大江 一弘*; 北山 雄太*; Lerum, H. V.*; 後藤 尚哉*; 金谷 佑亮; 小森 有希子*; 水飼 秋菜*; Vascon, A.; et al.
no journal, ,
超重元素研究グループでは、超アクチノイド元素シーボーギウム(Sg)の還元実験に向けた準備実験を進めている。本研究では、Sgの同族元素であるMoならびにWを用い、これらを電解還元した後、溶媒抽出分離が可能な溶液条件を探索した。原子力機構タンデム加速器施設においてMoならびにWを生成した。これらをHe/KClガスジェット法により化学室まで搬送し、3分間捕集した後、数百Lの硫酸水溶液あるいは硫酸と過塩素酸の混合水溶液に溶解した。これを0.4Vから-1.4Vまでの電圧(vs. Ag/AgCl参照電極)を印加したフロー電解カラムに導入した後、溶出液を収集した。さらにこの溶出液をトリイソオクチルアミン(TOA)-トルエン溶液と混合して1分間振とうした後、30秒間遠心分離した。その後、両相から同量分取して線を測定し、分配比Dを評価した。硫酸/過塩素酸水溶液で電解還元し、0.2M TOAへ抽出した場合、MoのD値は-0.4 V以下で急激な減少を示す一方、WのD値は変化しなかった。このような変化は他の分離条件においても観測されており、WがMoに比べて還元され難いことを示している。討論会では、他の電解条件や抽出条件についても報告する。
豊嶋 厚史; 浅井 雅人; Attallah, M. F.*; 後藤 尚哉*; Gupta, N. S.*; 羽場 宏光*; Huang, M.*; 金谷 淳平*; 金谷 佑亮; 笠松 良崇*; et al.
no journal, ,
Sgの還元研究に向け、キャリアフリートレーサーMoとWの電解還元挙動をフロー電解カラム(FEC)を用いて調べた。異なる溶媒抽出挙動に基づいて安定なMo(VI)やW(VI)とそれぞれの還元種を分離・同定するために、FECを用いて電解済みのサンプルをTOAやHDEHPを用いた溶媒抽出により化学的に分析した。また、マクロ量のMoやWのサイクリックボルタンメトリーや紫外可視分光測定を行い、それぞれの条件下における酸化還元反応の情報を得た。会議ではMoとWを用いた基礎実験の現状について報告する。
水飼 秋菜; 豊嶋 厚史; 金谷 佑亮; 大江 一弘*; 佐藤 大輔*; 後藤 尚哉*; 津藤 翔平*; 小森 有希子*; 村上 昌史*; 羽場 宏光*; et al.
no journal, ,
106番元素シーボーギウム(Sg)の硫酸錯体形成の解明を目標に、軽同族元素であるモリブデン(Mo)ならびにタングステン(W)の硫酸-Aliquat336系における溶媒抽出挙動を調べた。理化学研究所において、Mo (半減期T=6.85h)とW (T=121.8d)を生成し、これらを放射性トレーサーとして用いてバッチ抽出実験を行った。分配比の硫酸濃度依存性を調べた結果、Mo, Wともに0.10Mから3.0Mの硫酸濃度範囲で値が緩やかに減少していき、3.0M以上で急激に増加した。このことから、Mo, Wは3.0M HSO以下でプロトン付加し、3.0M以上で陰イオン硫酸錯体を形成していると推測される。更に値のAliquat336濃度依存性について調べた結果、約3.0M以下では[HMO] (M=Mo, W)として、約5.0M以上では[MO(SO)]として抽出されることが示唆された。