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大久保 浩; 吉井 文男; 本多 滋和*; 嘉悦 勲
J.Appl.Polym.Sci., 22(1), p.13 - 26, 1978/01
被引用回数:5多官能性モノマーの多くは安定なガラス化性モノマーであり、放射線によるキャスティングが適用可能と考えられる。また前報で内部可塑化性コモノマーを含んだ耐衝撃性のすぐれたモノマー系を見出し、放射線キャスティングが適用できることを示したが、内部可塑化された系の耐熱性を改良するためにも多官能性モノマーが有効であると予想された。本報では多官能性モノマー単独系ならびにこれを内部可塑化された系に添加した混合系について、ガラス化性、重合性、耐熱性、耐衝撃性ならびに低温における注形重合性を検討し、ある種の多官能性モノマーすなわち、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレートなどが上記の項目について満足すべき性質を示すことを見出した。
大久保 浩; 吉井 文男; 嘉悦 勲; 本多 滋和*
J.Appl.Polym.Sci., 22(1), p.401 - 410, 1978/01
ガラス化性モノマーの低温放射線重合を利用した新しい有機ガラスのキャスティングプロセスの開発研究を進めているが、このキャスティング法の特徴は光学歪のないポリマーを短時間で製造できる点にある。キャスティングで生成する光学歪には熱対流型歪と残留応力歪の二種類のタイプがあり、その生因を解明することは歪の制御のため重要である。前報では熱測定を手段として熱対流型歪の生因について基礎的な知見を得たが、本報では残留応力型歪について、これに影響する種々の因子について検討する形で間接的に生因を推定することを試みた。すなわち残留応力型歪はプレポリマーを添加した系において優先的に生成するので、ヒドロキシエチルメタクリレート・グリシジルメタクリレートなどのプレポリマー存在下におけるキャスティングを検討し、系の粘度およびプレポリマーの濃度が歪生成に大きく影響を与えることを明らかにし、このタイプの歪生成には重合に伴う容積収縮が主因となっていることを推
大久保 浩; 本多 滋和*; 吉井 文男; 森田 洋右; 嘉悦 勲
J.Appl.Polym.Sci., 22(1), p.43 - 52, 1978/01
被引用回数:7代表的な有機ガラスであるPMMAはそれ自身ガラス化性を有しないが、プレポリマーを添加するとある程度過冷却性を増すと同時に、重合速度が増大して相対的低温領域でキャスティングを行うことが可能になる。(???)(?V)報では内部可塑化コモノマーと多官能性モノマーを用いた独自の素材について、また(V)報ではCR-39をモディファイしたモノマー系について放射線キャスティングの適用性と物性とを検討してきたが、本報ではMMAを主成分とし、これにプレポリマーを加えた系について放射線キャスティング法を適用するための条件について検討した。すなわち、プレポリマーの重合度、濃度、粘度などと重合性ならびに注形重合性(光学歪生成)の関係を検討し、MMAを用いた場合でも-50C以上の相対的低温領域において、放射線キャスティング法を適用すれば十分なメリットがあることを明らかにした。