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論文

High-temperature short-range order in Mn$$_3$$RhSi

山内 宏樹; Sari, D. P.*; 渡邊 功雄*; 安井 幸夫*; Chang, L.-J.*; 近藤 啓悦; 伊藤 孝; 石角 元志*; 萩原 雅人*; Frontzek, M. D.*; et al.

Communications Materials (Internet), 1, p.43_1 - 43_6, 2020/07

中性子とミュオンの相補利用により、720Kまでの高温での短距離磁気秩序現象をMn$$_3$$RhSiで発見した。

論文

Presence of $$varepsilon$$-martensite as an intermediate phase during the strain-induced transformation of SUS304 stainless steel

秦野 正治*; 久保田 佳基*; 菖蒲 敬久; 森 茂生*

Philosophical Magazine Letters, 96(6), p.220 - 227, 2016/06

 被引用回数:6 パーセンタイル:50.42(Materials Science, Multidisciplinary)

さびにくい鉄鋼材料として原子炉シュラウドをはじめ最も実用材料として使用されているステンレス鋼SUS304の加工誘起マルテンサイト変態における中間相として六方晶$$varepsilon$$相が出現することを明らかにした。SUS304に応力を加えると結晶構造が変わり、強度や延性が向上することが知られているが、機械的性質のさらなる向上のためには、この相変態のプロセスを解明することが大変重要である。本研究ではSPring-8の高輝度放射光を用いることにより、「室温において」今までないとされてきた中間相とその応力依存性を観測、さらに、ローレンツ透過電子顕微鏡観察により、結晶粒界面に生成した中間相を介して新しい相に変態する全く別のプロセスの存在を明らかにした。

論文

Current-induced enhancement of magnetic anisotropy in spin-charge-coupled multiferroic YbFe$$_{2}$$O$$_{4}$$

吉井 賢資; 松村 大樹; 齋藤 寛之; 神戸 高志*; 福永 守*; 村岡 祐治*; 池田 直*; 森 茂生*

Journal of the Physical Society of Japan, 83(6), p.063708_1 - 063708_4, 2014/06

 被引用回数:4 パーセンタイル:58.33(Physics, Multidisciplinary)

マルチフェロイックYbFe$$_{2}$$O$$_{4}$$について、電流印加冷却による磁性の変化を報告する。磁気転移温度250K近傍において電流印加して試料を冷却した場合、電流無しの場合に比べ、低温100K以下において、磁化が10-20%低下する。それに伴い、電流印加後のヒステリシスループ測定から、磁気異方性が10-20%増強されることが分かった。これらの現象は、強磁性ドメインと反強磁性ドメインのうち磁気異方性の大きい後者が優勢となること、あるいは、電荷秩序ドメインの生成が抑制されピニング効果が大きくなることを示唆する。応用的に見ると本現象は、磁場冷却による磁気異方性の増強である交換バイアスとは異なり、磁場が無くても異方性が増強されるため、磁化の安定化を起こす新しい手法と提案できる。

論文

Magnetic properties of R$$_{2}$$Fe$$_{3}$$O$$_{7}$$ (R=Yb and Lu)

吉井 賢資; 池田 直*; 福山 諒太*; 永田 知子*; 神戸 高志*; 米田 安宏; 福田 竜生; 森 茂生*

Solid State Communications, 173, p.34 - 37, 2013/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:93.46(Physics, Condensed Matter)

R$$_{2}$$Fe$$_{3}$$O$$_{7}$$(R=YbおよびLu)の磁性を調べた。これらの物質は、マルチフェロイック電子強誘電体RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$の関連物質である。磁気転移温度は270Kであり、RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$の転移温度230-250Kより明らかに高かった。また、RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$でも報告されている、スピングラスおよび交換バイアス現象を観測した。これらは、磁気的な乱雑性の存在を示しており、磁気熱量効果のブロードなピークと一致する結果であった。また、磁気熱量効果より得られた、室温に近い磁気冷却温度は、この物質群が応用に適していることを示す。

論文

Magnetic properties of single crystalline YbFe$$_{2}$$O$$_{4}$$

吉井 賢資; 水牧 仁一朗*; 松本 圭右*; 森 茂生*; 遠藤 成輝; 齋藤 寛之; 松村 大樹; 神戸 高志*; 池田 直*

Journal of Physics; Conference Series, 428, p.012032_1 - 012032_5, 2013/04

 被引用回数:12 パーセンタイル:2.16

マルチフェロイック物質YbFe$$_{2}$$O$$_{4}$$の単結晶試料について、その磁性を調べた。磁気転移温度は250Kと過去の報告値に近かった。また、c軸方向の磁化のほうが、ab軸方向のそれよりも10倍以上大きく、この物質の異方性が観測された。ab面内の磁化については、10K以下で、磁場中冷却した磁化が負となる現象が見られた。これは、磁化が外部磁場と逆向きに向いていることを示し、エネルギー的に不安定な特異現象である。Ybモーメントの磁化がFeのそれと逆に向いており、それが低温で増強されるためと考えた。磁気熱量効果の測定からは、エントロピー変化のピーク値は1Jkg$$^{-1}$$K$$^{-1}$$とあまり大きくないものの、ピーク幅100K程度の広い温度範囲で見られており、磁気冷凍に有利な性質であることがわかった。これは、この物質系特有の三角格子上の磁気フラストレーションに起因するものと考えられる。

論文

Exchange bias in multiferroic $$R$$Fe$$_{2}$$O$$_{4}$$ ($$R$$=Y, Er, Tm, Yb, Lu and In)

吉井 賢資; 池田 直*; 西畑 保雄; 真栄田 大介*; 福山 諒太*; 永田 知子*; 狩野 旬*; 神戸 高志*; 堀部 陽一*; 森 茂生*

Journal of the Physical Society of Japan, 81(3), p.033704_1 - 033704_4, 2012/03

 被引用回数:10 パーセンタイル:42.2(Physics, Multidisciplinary)

磁性と誘電性が共存するマルチフェロイック$$R$$Fe$$_{2}$$O$$_{4}$$($$R$$=Y, Er, Tm, Yb, Lu and In)の交換バイアスを観測した。小さい$$R$$$$^{3+}$$イオンの場合($$R$$=Tm, Yb, Lu and In)、100-150K以下で交換バイアス磁場は1kOe以上の大きな値を示した。この性質は、強磁性的相互作用と反強磁性相互作用の競合に由来する磁気的グラス状態により発現する。交換バイアス磁場は、$$R$$$$^{3+}$$イオンを小さくすると大きくなる傾向を示した。すなわち、$$R$$サイト元素を置換することにより交換バイアスを制御できる可能性が示され、応用的にも興味深い結果が得られた。

論文

Doping effect on charge ordered structure in Mn-doped YbFe$$_{2}$$O$$_{4}$$

松本 圭祐*; 小山 司*; 森 茂生*; 吉井 賢資; 神戸 高志*; 池田 直*

IOP Conference Series; Materials Science and Engineering, 18(9), p.092047_1 - 092047_4, 2011/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:100

YbFe$$_{2}$$O$$_{4}$$は鉄イオンの電荷秩序により強誘電体となる物質である。本研究では、この物質のFeの一部をMnに置換した場合の電荷秩序構造を透過電子線回折により調べ、わずかなMn置換量により、電荷秩序構造が破壊されることを観測した。鉄の半分をMnで置換したYbFeMnO$$_{4}$$では、ハニカム状の散漫散乱を見いだし、これが中心対称を失った短距離イオン秩序構造を持つことを見いだした。本系は室温で1000程度の誘電率を示すが、この性質は、イオン秩序構造がランダムに分布することによると考えられる。

論文

Collapsing processes of charge ordered structure in charge- and spin- frustrated ferrite YbFe$$_{2}$$O$$_{4}$$

松本 圭右*; 小山 司*; 森 茂生*; 吉井 賢資; 池田 直*

Journal of Physics; Conference Series, 320, p.012085_1 - 012085_5, 2011/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:100

表記酸化物はFe$$^{3+}$$とFe$$^{2+}$$が電荷秩序配列することによる新規なタイプの強誘電体である。本物質につき、Feの一部をMnに置き換えた場合の電荷秩序構造の変化を透過電子顕微鏡により観察した。10%ほどの置換により、電荷秩序構造は破壊され、Fe$$^{3+}$$とMn$$^{2+}$$の短距離イオン秩序が発生することがわかった。この系は室温で比誘電率が1000ほどの値を示すが、この性質は短距離イオン秩序による電気双極子を起源とすると考えられる。

論文

Direct observation of low-temperature superstructure in spin- and charge-frustrated ferrite YFe$$_{2}$$O$$_{4-delta}$$

堀部 陽一*; 池田 直*; 吉井 賢資; 森 茂生*

Physical Review B, 82(18), p.184119_1 - 184119_5, 2010/11

 被引用回数:7 パーセンタイル:61.91(Materials Science, Multidisciplinary)

電子強誘電性を示す標記酸化物につき、透過電子線回折により低温構造を調べた。100K以下で、$$bar{1}$$/14 2/7 1/14という特徴的な長周期構造を持つ鉄電荷秩序が現れることを見いだした。これは誘電性を持たない構造であり、また、室温近傍の強誘電状態である、1/3 1/3 ${it l}$/2(${it l}$:整数)とは全く異なる状態である。低温での高分解能実空間像からは、FeとY相両方に超格子変調構造が見られた。これらにより、この系特有の長周期構造がY層の格子歪に由来すること、すなわちこの系の誘電性がFe層の電荷秩序状態のみならず希土類層の歪みに左右されていることを議論する。

論文

Lorentz transmission electron microscopy observation of magnetic domains in La$$_{0.825}$$Sr$$_{0.175}$$(Mn,Al)O$$_{3}$$

森 茂生*; 吉留 和弘*; 永峰 佑起*; 戸川 欣彦*; 吉井 賢資; 竹中 康司*

Journal of Applied Physics, 107(9), p.09D306_1 - 09D306_3, 2010/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Physics, Applied)

マンガン酸化物La$$_{0.825}$$Sr$$_{0.175}$$MnO$$_{3}$$におけるAl置換効果について電子顕微鏡観察を行った。Alは非磁性状態Al$$^{3+}$$でMnサイトに置換されるが、磁化測定から、2-3%のAl置換により強磁性転移温度及び構造相変態温度ともに下がることがわかった。電子顕微鏡観察からは、Al置換により強磁性金属相が破壊され強磁性絶縁体となることがわかった。また、置換により磁気ドメインが大幅に変わり、不均一なドメイン構造となることが見いだされた。ドメイン構造は構造相変態温度近傍で大きく変化する。この温度では磁化が下がることが見いだされており、スピングラス的な磁気状態が発現していることがわかった。これらの現象はAl置換によるランダム性の導入によるものと考えられる。

論文

Doping effect on charge ordered structure in RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$(R=Lu and Yb)

松尾 祥史*; 森 茂生*; 平田 秋彦*; 吉井 賢資; 池田 直*

Journal of Physics; Conference Series, 200, p.012128_1 - 012128_4, 2010/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:20.87

鉄電荷秩序により強誘電性を発現する鉄酸化物RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$(R=Ho-Lu, Y)の性質を明らかにするため、その鉄サイト置換物質RFeCuO$$_{4}$$(R=Yb, Lu)とともに、物性と電荷秩序構造について調べた。誘電率測定から、RFeCuO$$_{4}$$は常誘電体であることを観測した。また、この物質及び母体物質RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$に対する電子線回折実験から、鉄サイトに銅を置換することにより鉄電荷秩序が抑えられること、また、誘電性を持つドメインのサイズが小さくなることを観測した。さらに磁化測定を行い、銅置換によって磁気転移温度が大幅に下がることを観測した。これらの結果から、RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$及び鉄サイト置換系では、誘電性を持つドメインの状態(サイズや分布状態など)が物性を左右していることを議論する。

論文

Magnetic properties and ferromagnetic microstructures in Al-doped La$$_{1-x}$$Sr$$_{x}$$MnO$$_{3}$$

森 茂生*; 吉留 和弘*; 永峰 佑起*; 戸川 欣彦*; 吉井 賢資; 竹中 康司*

Journal of Physics; Conference Series, 200, p.012129_1 - 012129_4, 2010/02

 被引用回数:5 パーセンタイル:11.97

ぺロスブスカイトマンガン強磁性酸化物La$$_{1-x}$$Sr$$_{x}$$MnO$$_{3}$$のマンガンサイトにアルミニウムをドープした場合の磁性の変化について、磁化測定とローレンツ顕微鏡を使って調べた。x=0.175でアルミ置換量5%のLa$$_{0.825}$$Sr$$_{0.175}$$Mn$$_{0.95}$$Al$$_{0.05}$$O$$_{3}$$は、116Kで菱面体晶から斜方晶への転移が起こることがわかった。この転移温度以下では、強磁性磁化の微かな減少が見られた。また、ローレンツ顕微鏡観察からは、この転移に伴い、強磁性ドメインにはストライプパターンが出現することがわかった。この試料の帯磁率測定からは、65K以下で帯磁率ピークの周波数依存性が見られた。これらの実験結果などから、非磁性のアルミニウムイオンをマンガンに置換した場合の磁性に関する影響について考察する。

論文

Structural characterization and dielectric properties of hexagonal Lu(Fe,Ti)O$$_{3}$$

松尾 祥史*; 星山 卓也*; 森 茂生*; 吉井 賢資; 道上 勇一*; 神戸 高志*; 池田 直*; Brown, F.*; 君塚 昇*

Japanese Journal of Applied Physics, 48(9), p.09KB04_1 - 09KB04_3, 2009/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:93.94(Physics, Applied)

新規酸化物LuFe$$_{0.56}$$Ti$$_{0.44}$$O$$_{3}$$を空気中の固相反応法により合成した。この物質の結晶構造と実空間におけるドメイン構造を電子線を用いて調べたところ、室温における結晶構造は、六方晶$$P$$6$$_{3}$$cm構造であることがわかった。誘電率測定からは、570K付近にブロードな誘電分散が見いだされ、この物質が新規な誘電体であることが判明した。試料の実空間電子線観察から、この誘電性はナノメータ領域の誘電ドメインに由来するものであることがわかった。

論文

Oxygen-deficient effect on charge ordering in spin- and charge-frustrated ferrite YFe$$_{2}$$O$$_{4-delta}$$

堀部 陽一*; 吉井 賢資; 池田 直*; 森 茂生*

Physical Review B, 80(9), p.092104_1 - 092104_4, 2009/09

 被引用回数:14 パーセンタイル:43.51(Materials Science, Multidisciplinary)

電子強誘電体YFe$$_{2}$$O$$_{4-delta}$$について、酸素量と構造の関係を透過電子線回折によって調べた。低温から温度を上げたときの回折パターンは、強誘電相での鉄電荷秩序に由来する(1/3 1/3 1/2)反射から、約100K以上の常誘電相では(1/3 1/3 ${it l}$)型の散漫散乱へと変わり、さらに高温の数百K以上ではジグザグ型の散漫散乱へと変化した。また、酸素欠損を増やした試料での測定からは、Fe-O面間の相関は減少するが、[110]方向の超構造は残ることがわかった。これらの結果から、表記系における、2次元面内の電荷秩序の安定性とFe-O面間の相互作用の重要性について議論する。

論文

Nanometer-sized domain structures in LuFe$$M$$O$$_{4}$$ ($$M$$=Cu, Co) revealed by energy-filtered transmission electron microscopy

松尾 祥史*; 平田 秋彦*; 堀部 陽一*; 吉井 賢資; 池田 直*; 森 茂生*

Ferroelectrics, 380(1), p.56 - 62, 2009/06

 被引用回数:6 パーセンタイル:67.43(Materials Science, Multidisciplinary)

誘電体LuFe$$M$$O$$_{4}$$($$M$$=Cu, Co)につき、透過電子線回折測定によってナノ構造を観察した。この系は、われわれが発見した電荷秩序型新規強誘電体$$R$$Fe$$_{2}$$O$$_{4}$$($$R$$=Y, Ho-Lu)のFeサイト置換物質である。LuFeCuO$$_{4}$$については、1/3 1/3 0付近にジグザグ型の散漫なストリークとスポットが観測された。これは、この系の三角格子上でFe$$^{3+}$$とCu$$^{2+}$$がイオン秩序していることを示す。このイオン秩序は、$$R$$Fe$$_{2}$$O$$_{4}$$において観測されている、電気双極子を伴う鉄電荷秩序構造と類似構造である。すなわち、このイオン秩序構造が室温での100程度の誘電率の起源と考えられる。実空間観察からは、5$$sim$$10nmのナノサイズのドメインが観測された。一方、LuFeCoO$$_{4}$$については、ハニカム型の電子線回折パターンが観測された。これは、極めて小さい領域でのFe$$^{3+}$$とCo$$^{2+}$$の秩序構造と考えられ、LuFeCuO$$_{4}$$同様、この秩序構造が1000程度の誘電率の起源と推測される。また、LuFeCoO$$_{4}$$においては実空間においてドメイン構造は観測されなかった。

論文

Magnetic and dielectric properties of YbFe$$_{2-x}$$Mn$$_{x}$$O$$_{4}$$ (0$$underline{<}$$x$$underline{<}$$1)

吉井 賢資; 池田 直*; 道内 尊正*; 横田 祐輔*; 岡島 由佳; 米田 安宏; 松尾 祥史*; 堀部 陽一*; 森 茂生*

Journal of Solid State Chemistry, 182(7), p.1611 - 1618, 2009/06

 被引用回数:12 パーセンタイル:51.51(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

YbFe$$_{2-x}$$Mn$$_{x}$$O$$_{4}$$の磁性と誘電性を調べた(0$$underline{<}$$x$$underline{<}$$1)。この系は、筆者らが発見した新しいマルチフェロイック物質RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$ (R=Y, Ho-Lu)のFeサイト置換系である。粉末X線回折測定を行ったところ、xが0から1の間で混晶となっていることを観測した。放射光吸収分光からは、Mnの価数は2+であることがわかった。この結果から、xとともに低温磁化が小さくなるという、磁化測定の結果を定性的に説明した。また、磁気転移温度及び誘電率は、xを増加するとともに減少した。この結果を、Feサイトの電子移動の減少によって説明した。すなわち、筆者らのこれまでの関連系の実験結果から、RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$と同構造系の磁性と誘電性は電子移動によって支配されており、イオン変位が重要である通常の誘電体とは異なることを提言した。また、RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$でのMn置換に関する応用可能性についても簡単に言及した。

論文

Local structure modulation in the electronic ferroelectric oxide LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$

早川 弘毅*; 森本 昌規*; 池田 直*; 米田 安宏; 小原 真司*; 吉井 賢資; 松尾 祥史*; 道内 尊正*; 森 茂生*

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 34(1), p.51 - 54, 2009/05

最近われわれは、LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$が、鉄3d電子の局在化により強誘電性を示す新規なタイプの強誘電体であると報告したが、この物質の詳細な性質はいまだわかっていないことが多い。このことを鑑み、本研究では、LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$に対し高エネルギー放射光X線を用いた局所構造解析を行った。Pair-distribution functionに対するフィッティングの結果、強誘電相における局所構造は、これまで報告されている結晶構造とは異なり、ルテチウム原子が変位した構造を持っていることがわかった。このことは、この物質の結晶構造を再検討する必要性を示す。また、局所構造解析の結果を誘電率測定・磁化測定や電子線回折などから得られた結果とあわせて議論し、LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$の性質を明らかにすることを試みる。

論文

希土類-鉄酸化物RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$の示す新規な強誘電性(R=Y, Ho-Lu)

吉井 賢資; 池田 直*; 松尾 祥史*; 森 茂生*

日本結晶学会誌, 51(2), p.162 - 168, 2009/04

希土類-鉄酸化物RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$(R=Y, Ho-Lu)は、菱面体結晶構造を持ち、希土類・鉄・酸素の各々が三角格子を組み、それが互い違いに積層するという2次元性の強い系である。最近われわれは、この系が全く新しい機構で強誘電体となることを見いだした。すなわち、RFe$$_{2}$$O$$_{4}$$に同数含まれるFe$$^{2+}$$及びFe$$^{3+}$$が三角格子上で秩序配列化することで、強誘電性を発現する。本稿では、この強誘電性につき、放射光測定や誘電室測定などで見いだした結果について解説する。

論文

Stoichiometric study of the dielectric and magnetic properties in charge frustrated system LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$

道内 尊正*; 横田 祐輔*; 小松 拓磨*; 早川 弘毅*; 黒田 朋子*; 真栄田 大介*; 松尾 祥史*; 森 茂生*; 吉井 賢資; 花咲 徳亮*; et al.

Ferroelectrics, 378(1), p.175 - 180, 2009/00

 被引用回数:17 パーセンタイル:37.84(Materials Science, Multidisciplinary)

鉄イオンの電荷秩序により強誘電体となる標記物質LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$につき、合成条件を変えることにより酸素量を変えた試料に対する磁性と誘電性について報告する。試料作成はCO-CO$$_{2}$$混合ガスフロー中で行い、CO$$_{2}$$とCOの比を変えることで酸素量を変えた。CO$$_{2}$$:COのフロー比が1:5付近において、磁気転移温度が最高の240$$sim$$250K近傍となったことから、この試料が最良のものと判断される。本試料の誘電率は、室温で10000近傍であった。誘電率の虚数部分から求めた活性化エネルギー0.4$$sim$$0.5eV程度であり、これまでLuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$において報告されていた0.3eVよりも大きい傾向が見られた。今後さらに測定を行い、物性の詳細のわかっていないLuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$の性質とその起源を明らかにする予定である。

論文

Effects of oxygen annealing on dielectric properties of LuFeCuO$$_{4}$$

松尾 祥史*; 鈴木 宗泰*; 野口 祐二*; 吉村 武*; 藤村 紀文*; 吉井 賢資; 池田 直*; 森 茂生*

Japanese Journal of Applied Physics, 47(11), p.8464 - 8467, 2008/11

 被引用回数:10 パーセンタイル:60.17(Physics, Applied)

新規強誘電体LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$の鉄サイト置換体LuFeCuO$$_{4}$$を合成し、その誘電性と微細構造について調べた。室温における透過電子線回折によって観測された微細構造からは、ab面内に3倍周期を持つ、Fe$$^{3+}$$とCu$$^{2+}$$の長周期構造の存在が見いだされた。この構造は、LuFe$$_{2}$$O$$_{4}$$における鉄電荷秩序構造と類似しており、電気双極子を持つ。また、実空間像からは、5$$sim$$10nm程度の小さなドメインが観測され、電気双極子を持つドメインが形成されていることを示す。誘電率測定からは、500K近傍で誘電率にピークが見られ、ピークにおける誘電率は1000程度であり、誘電体であることを観測した。講演では、酸素アニールによる誘電特性やドメイン構造の変化についても報告する。

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