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桜井 勉*; 横山 淳
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(9), p.814 - 820, 2000/09
放射性炭素(C)の固定化に関連して、マイクロ波放電(20~100W)によるCO,CO及びHO(g)(水蒸気)の分解条件を、流通法を用いて研究した。0.4~1.3kPaのCOはガス線速度0.04~0.56m/s(プラズマの滞留時間1.13~0.08s)でその75~92%がCOに分解される。同じ条件でCOの分解率は低く、0.8kPaのCOはその5%またはそれ以下がC(炭素)に分解されるに過ぎない。0.8kPaのHO(g)は、出力50W、ガス線速度0.6m/s(プラズマ内滞留時間0.08s)でほぼ100%がHとOに分解された。HO(g)の効果的な分解には、逆反応を抑えるため、高い線速度が必要である。また、HとOが293KでもSUS及びCu金属表面で反応することを見いだした。
古牧 睦英; 石川 二郎; 高橋 昭; 横山 淳; 桜井 勉; 大貫 守; 小林 義威; 安達 武雄
日本原子力学会誌, 33(5), p.489 - 497, 1991/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)燃焼度の異なる10種類の使用済軽水炉二酸化ウラン燃料小片(2~3g、5~8年冷却)を4M硝酸に溶解し、発生する揮発性核種(ヨウ素、クリプトン、キセノンおよび気体状トリチウム)の量および同位体組成と燃焼度との関係を求めた。分析法はキセノンを除き、それぞれの放射能測定によった。キセノンはクリプトンと共にガスクロマトグラフにて定量した。分析の結果、燃焼中に放出するヨウ素、クリプトン、キセノン及び気体状トリチウムの量は、燃料の燃焼度の増大に伴い、ほぼ比例して増大した。ヨウ素の大部分は溶解中に揮発し、若干量が溶液中に残存する。Krの存在比は全燃焼度にわたって、全クリプトン中約5%を占め、キセノンは、重量比で初期ウラン量の約0.4%を占め、気体状トリチウムは生成全トリチウムの約0.5%を占めた。
横山 淳; 藤沢 銀治; 桜井 勉; 鈴木 和弥
Spectrochimica Acta, Part A, 47(5), p.567 - 575, 1991/00
He-Neレーザー振動数付近でヨウ素分子(I)からの蛍光の高分解能励起スペクトルを窒素分子(N)共存下で測定した。その結果に基づいて、レーザー誘起蛍光法によりIをモニターする場合の検出限界とヨウ素同位体選択性に対するN圧の影響について議論した。また、再処理オフガス中に数%含まれる二酸化窒素(NO)がヨウ素の検出に及ぼす影響についても調べた。さらに、He-Neレーザーを用いたレーザー誘起蛍光法により、大気圧のN中で510molecules/cmまでのIを検出出来た。
桜井 勉; 高橋 昭; 藤沢 銀治; 横山 淳
日本原子力学会誌, 24(10), p.775 - 782, 1982/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)クリプトン固定化技術として世界各国で開発が進められている、(i)イオンインプランテーション/スパッタリング法、(ii)ゼオライト包蔵法、(iii)包接化合物法、及び当研究室で開発を始めた(iv)化学的固定化法、について開発の現状を紹介した。いずれの方法も、基礎研究の段階、又はそれを終了したところであり、実用化に向けて一層の発展が期待される。
市川 まりこ*; 飯塚 友子*; 蒲生 恵美*; 小堀 恵美子*; 渋谷 美智子*; 志保沢 久子*; 千葉 悦子*; 横山 勉*; 福冨 文武*; 等々力 節子*; et al.
no journal, ,
食品照射は、殺菌・殺虫・芽止め技術としての有用性と、食品としての健全性・安全性の知見に基づき、世界各国で実用化が進められ、特にアジア地域での拡大が著しいと言われている。しかし日本では、馬鈴薯の芽止め照射を除いて法的に禁止され、諸外国で多く実用化されている香辛料の照射殺菌も禁止されたままとなっている。その理由の一つが、リスク管理やリスク評価機関,研究者,事業者,一般市民の間での、相互理解の不足と考えられる。食品照射については、実際の照射食品を見る機会がなく、照射の現場も見たことがないままに、イメージや感情に左右された議論しかできていない現状にある。そこで、食品照射に関する生活科学の視点による実験体験を通して得られた素朴な実感を率直なメッセージとして発信することにより、一般の消費者にとってわかりやすい建設的な議論を広げるための取り組みを始めた。
市川 まりこ*; 飯塚 友子*; 千葉 悦子*; 岡村 弘之*; 田部井 豊*; 森田 満樹*; 横山 勉*; 福冨 文武*; 坂上 千春*; 鵜飼 光子*; et al.
no journal, ,
日本では、食生活の変化に伴い、香辛料の消費量が増大してきているが、国内での生産は極めて少なく、大部分は熱帯,亜熱帯地方からの輸入に依存している。香辛料は熱に弱いので、加熱殺菌すると容易に色や香りや風味に影響を受けやすい。放射線照射はそのような品質劣化を回避できる優れた殺菌殺虫手段であり、EU全加盟国,米国,カナダ,豪州など、ほとんどすべての先進国で香辛料の放射線殺菌が許可され、照射されたスパイス・ハーブ類が国際的に流通している。しかし日本では、ジャガイモの芽止め以外の食品照射は法律で禁止されているため、放射線殺菌した香辛料の品質の良さを消費者が経験する機会はない。そこで、放射線処理したものと加熱処理したものに差があるのかないのか、自分の目で見て、においを嗅いで、実際にカレーを作って、体験してみようと思い立った。カレーの試食前の香りについては11名中10名が、試食中の風味については11名中9名が、照射品の方が加熱品より香りが強いと答えた。カレーの風味についての好みでは、11名中7名が照射品を用いた方が好きと答えた。試食後の感想には、「香辛料をミックスしてグツグツ煮込んだらわからなくなるのではないかと思っていたが、食べ比べると思っていたより差があり、照射品で作ったカレーの方がスパイシーな香りが強く感じられた」などがあった。今回の食べ比べの結果から、人によって程度の違いはあるが、全体としては放射線殺菌した香辛料の方が加熱殺菌したものよりも香りがよく、美味しかったと言える。
千葉 悦子*; 飯塚 友子*; 市川 まりこ*; 横山 勉*; 坂上 千春*; 鵜飼 光子*; 等々力 節子*; 菊地 正博; 小林 泰彦
no journal, ,
2009年9月に原子力機構・高崎量子応用研究所のCo-60線源を用いて線照射したにんにくを3名が自宅に持ち帰り、玄関や居間などで翌年4月まで保管し、発芽と発根の状態を観察した。各家庭での室温など条件が多少違っても「照射による発芽の抑制」は一目瞭然だった。むしろ「発根の抑制」が明確であることに驚き、照射の効果を鮮明に感じた。400Gy照射した2009年産秋田県産あきたこまち玄米を、3日後に精白、さらに2週間後に非照射対照試料とそれぞれ白飯とし、16名で簡易な官能検査をブラインドで行った。新米のせいか照射による違いは小さく、安価な給食や食堂といった場面なら十分使えそうと感じた。量が多い状態では照射すると多少黄みがかかるが、少量では違いがわからなかった。敏感な人には、照射した白飯の方が少し軟らかかった。市中で購入したいちご(群馬県産やよいひめ)をプラスチック・パックのままラップで包んで3kGy照射し、当日試食し、さらに冷蔵庫内で保存性を観察した。香りが薄い・やや軟らかい・酸味がやや弱いと感じる人もいたが、パックの照射臭を除けば十分食べられた。家庭用冷蔵庫保存では、1週間後もあまり変化せず、パックの外からでは照射の効果が確認できないうちに、両方が悪くなった。なお、いちごの品種や産地により、ついている微生物や収穫後の貯蔵・輸送条件も異なると考えられるので、今回の試食や保存の様子だけから「使えない技術」と結論を出すことはできないと考えた。