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報告書

福島の環境回復に係る包括的評価システムの整備に向けた取り組み

齊藤 宏; 野澤 隆; 武宮 博; 関 暁之; 松原 武史; 斎藤 公明; 北村 哲浩

JAEA-Review 2017-040, 34 Pages, 2018/03

JAEA-Review-2017-040.pdf:9.52MB

平成23年3月11日に福島第一原子力発電所の事故が発生し環境中へ大量の放射性物質が放出された。これらは自然の駆動力によって移動、生活圏に到達し健康等に影響を及ぼす可能性が懸念されており、事故状況の把握や影響評価や対策のため調査研究が多く行われている。原子力機構は、取得データと関係省庁等が取得した公開データを収集・整理し「環境モニタリングデータベース」として公開している。また、これらデータ及び既存または開発した計算コードを用いて「統合解析支援環境」の中で事故後の状況再現や将来予測のため解析を行っている。また、これら知見は他研究機関の成果とあわせ「環境回復知識ベース」として一般の方々が理解できるよう公開ウェブサイトにQ&A方式で公開している。これら三要素を包含し「福島の環境回復に係る包括的評価システム」と呼ぶ。これらは本来は相互に関連し一システムとして機能すべきところ、現状では独立して機能している。また、十分にオープンで理解しやすい形で外部に発信されているとは言えない。そこで、データや成果に対しより理解を深めることができ求める情報に容易にたどり着けるよう、当システム全体及び各要素の整備を行っていく。

論文

福島の環境回復に向けた取り組み,2; 事故進展と放射性物質の放出・沈着分布の特徴

斎藤 公明; 永井 晴康; 木名瀬 栄; 武宮 博

日本原子力学会誌, 59(6), p.40 - 44, 2017/06

福島の環境回復に関してまとめた連載記事の一つである。福島第一原子力発電所事故の進展と放射線物質の放出・大気拡散・沈着過程の解明が、シミュレーションおよび環境測定データの解析により進められている。大規模環境調査により福島周辺における放射線環境の経時変化等の特徴が明らかになりつつあり、この知見に基づいて空間線量率の分布状況変化モデルが開発され将来予測に活用されてきた。事故後に測定された種々の環境測定データは集約され、データベースを通して簡単な解析ツールとともに継続的に公開されている。これら一連の取り組みについて概説している。

論文

Algebraic design of multi-dimensional transfer function using transfer function synthesizer

河村 拓馬; 井戸村 泰宏; 宮村 浩子; 武宮 博

Journal of Visualization, 20(1), p.151 - 162, 2017/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:75.54(Computer Science, Interdisciplinary Applications)

本論文では多変量向けボリュームレンダリングのための新しい伝達関数設計手法を提案する。従来的な手法ではGUIベースの伝達関数設計を行っていたために扱えるデータは2変量に限られていた。より高次元の伝達関数設計を対話的かつ直感的に行うために、Transfer Function Synthesizer (TFS)を開発した。TFSでは従来的なGUIや代数式で指定した1次元伝達関数を論理演算によって合成することで多次元伝達関数を生成する。TFSは多変量向けボリュームレンダリングを可能にするだけでなく、サーフェス可視化や画像合成をもボリュームレンダリングの枠組みで可能にする手法である。TFSは遠隔可視化システムPBVRに実装され原子力分野で計算された様々なデータに適用されている。

論文

環境モニタリングデータの詳細度制御

宮村 浩子; 武宮 博; Wu, H.-Y.*; 高橋 成雄*

可視化情報学会誌, 36(143), p.152 - 156, 2016/10

福島第一原子力発電所の事故を受け、空間線量率に関する継続的な調査が実施されている。調査によって得られたモニタリングデータは、データベースに蓄えられて、広く公開されている。近年、空間線量率を空間・時間方向に詳細に計測することが可能になり、計測によって得られるデータは大規模化している。大規模データを可視化し解析するためには、表示するデータの数を削減し簡略化する必要が生じる。しかし、不用意にデータを削減すると、分布に関する重要な情報を見逃してしまうおそれがある。そこで我々は重要な特徴を保持しつつデータ数を削減し、可視化対象を簡略化する詳細度制御法を考案した。本手法では、微分トポロジー特徴解析によって分布の局所的特徴と大局的特徴を同時に抽出する。そして抽出した特徴を考慮した稜線縮退操作によって簡略化モデルを生成する。

論文

粒子ベースボリュームレンダリングによる大規模データの可視化技術

河村 拓馬; 井戸村 泰宏; 宮村 浩子; 今村 俊幸*; 武宮 博

システム制御情報学会論文誌, 28(5), p.221 - 227, 2015/05

スーパーコンピュータ上の大規模データをボリュームレンダリングで可視化することは、複雑なデータを解析し知見を得るために重要であるが、従来のクライアント/サーバ可視化システムでは可視化処理速度やデータ転送量の点問題があった。粒子ベースボリュームレンダリングを利用した遠隔可視化システムは、ボリュームデータをサイズの小さい可視化用粒子データに変換することで、対話的な可視化が可能なシステムである。粒子データの生成に、京やBX900等のスーパーコンピュータを利用することで、一億要素のデータを数秒で処理し、約1000並列までのストロングスケーリングを示した。

論文

Development of a software platform for providing environmental monitoring data for the Fukushima Daiichi nuclear accident

関 暁之; 斎藤 税; 名古 玄天*; 鈴木 健太; 冨島 一也; 斎藤 公明; 武宮 博

Radiation Protection Dosimetry, 164(1-2), p.97 - 102, 2015/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:66.76(Environmental Sciences)

東京電力福島第一原子力発電所事故によって拡散した放射性物質についての多量かつ多様なモニタリング情報の提供を支援すべく、ソフトウェア基盤を構築した。これらソフトウェア基盤を構築したことにより、モニタリング情報の公開までにかかる労力を効果的に削減することができた。今回の災害に係るモニタリング作業は、今後も数十年続くと考えられ、その作業に係る労力を削減することが課題である。これらソフトウェア基盤は、この課題を解決することが期待できる。

論文

福島周辺における空間線量率の測定と評価,4; 環境中における空間線量率測定の実際

津田 修一; 吉田 忠義; 安藤 真樹; 松田 規宏; 三上 智; 谷垣 実*; 奥村 良*; 高宮 幸一*; 佐藤 信浩*; 関 暁之; et al.

Radioisotopes, 64(4), p.275 - 289, 2015/04

環境中における空間線量率測定に関する実用面で役に立つ情報を提供する。この中で、精度の高い測定に必要とされる基本的要件について実データを例示しながら説明するとともに、信頼のおける環境測定に広く使用されている手法の特徴や測定例について紹介する。また、これまでに公的機関を中心に測定された空間線量率やこれに関連したデータを閲覧できるインターネットサイトに関する情報を提供する。

論文

Remote visualization system based on particle based volume rendering

河村 拓馬; 井戸村 泰宏; 宮村 浩子; 武宮 博; 坂本 尚久*; 小山田 耕二*

Visualization and Data Analysis 2015 (Proceedings of SPIE Vol.9397) (Internet), p.93970S_1 - 93970S_8, 2015/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:13.81

この論文は遠隔地にあるスーパーコンピュータ上の大規模データに対する対話的な可視化を目的とした、粒子ベースボリュームレンダリング(PBVR)に基づく遠隔可視化システムについて提案するものである。遠隔PBVRシステムはレンダリングに必要な粒子データを生成するサーバとボリュームレンダリングを実行するクライアントから構成され、粒子データのサイズは画像解像度により計算されるものであり元のボリュームデータよりも十分に小さくなるという特徴がある。そのためネットワークの帯域幅に従って高フレームレートを得るための柔軟な画像詳細度制御が可能である。サーバはハイブリッドなプログラミングモデルにより様々なプラットフォームの高並列環境下で最適化可能である。この手法によりサーバ上のマッピング処理速度はCPU単体と比較して二桁高速化され、約一億格子のデータを数秒で処理可能である。提案手法を商用の可視化ツールと比較し、全体性能が激的に高速化されたことを確認した。

論文

The Air dose rate around the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant; Its spatial characteristics and temporal changes until December 2012

三上 智; 前山 健司*; 星出 好史*; 坂本 隆一*; 佐藤 昭二*; 奥田 直敏*; 佐藤 哲朗*; 武宮 博; 斎藤 公明

Journal of Environmental Radioactivity, 139, p.250 - 259, 2015/01

 被引用回数:22 パーセンタイル:16.37(Environmental Sciences)

For comprehensive investigation of the effects of the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident on the land environment, three measurement campaigns covering wide area around the Fukushima site had been conducted by the end of fiscal year of 2012. The distribution maps of air dose rate have been constructed according to the measurement results implemented at approximately 6500 locations using the maximum values for the measurement period. Spatial distributions and temporal variations of air dose rate in the area were revealed by examining the resultant distribution maps. In the lower air dose rate area, the reduction rate of the air dose rate was observed to be smaller than that in the other areas and even smaller than physical attenuation rate alone, in contrast, the reduction rate was higher in areas with higher air dose rate.No significant difference among different land uses was observed in the reduction tendency of air dose rates in flat and spatially opened locations.

論文

Spatial distributions of radionuclides deposited onto ground soil around the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant and their temporal change until December 2012

三上 智; 前山 健司*; 星出 好史*; 坂本 隆一*; 佐藤 昭二*; 奥田 直敏*; Demongeot, S.*; Gurriaran, R.*; 上蓑 義朋*; 加藤 弘亮*; et al.

Journal of Environmental Radioactivity, 139, p.320 - 343, 2015/01

 被引用回数:36 パーセンタイル:6.33(Environmental Sciences)

Comprehensive investigations have been conducted on the land environment affected by the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident. Distribution maps of Cs-134, Cs-137, and Ag-110m deposition density as of March, September, and December 2012, were constructed according to monitoring results obtained at nearly a thousand locations. Little temporal change of the deposited radionuclides was observed during the nine months from March to December 2012. Weathering effects especially horizontal mobility, during this time were not noticeable. Spatial characteristics in the ratios of Cs-134/Cs-137 and Ag-110m/Cs-137 that deposited on ground were observed by investigations in the Tohoku and Kanto areas. The elaborate deposition maps of Cs-134 and Cs-137 as of September 2012, and those as of December 2012, were constructed using the relationship between the air dose rate and the deposited activity per unit area.

論文

Detailed deposition density maps constructed by large-scale soil sampling for $$gamma$$-ray emitting radioactive nuclides from the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident

斎藤 公明; 谷畑 勇夫*; 藤原 守; 齊藤 敬*; 下浦 享*; 大塚 孝治*; 恩田 裕一*; 星 正治*; 池内 嘉宏*; 高橋 史明; et al.

Journal of Environmental Radioactivity, 139, p.308 - 319, 2015/01

 被引用回数:121 パーセンタイル:0.45(Environmental Sciences)

The soil deposition density maps of $$gamma$$-ray emitting radioactive nuclides from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (NPP) accident were constructed on the basis of the results from large-scale soil sampling. The 10,915 soil samples were collected at 2,168 locations. $$gamma$$-rays emitted from the samples were measured by Ge detectors and analyzed using a reliable unified method. The determined radioactivity was corrected to that as of June 14, 2011 by taking into account the intrinsic decay constant of each nuclide. Finally the maps were created for $$^{134}$$Cs, $$^{137}$$Cs, $$^{131}$$I, $$^{129m}$$Te and $$^{110m}$$Ag. The radioactivity ratio of $$^{134}$$Cs to $$^{137}$$Cs was almost constant as 0.91 irrelevant to the soil sampling location. Effective doses for 50 years after the accident were evaluated for external and inhalation exposures due to the observed radioactive nuclides. The radiation doses from radioactive cesium were found to be much higher than those from other radioactive nuclides.

論文

Fields of view for environmental radioactivity

Malins, A.; 奥村 雅彦; 町田 昌彦; 武宮 博; 斎藤 公明

Proceedings of International Symposium on Radiological Issues for Fukushima's Revitalized Future, p.28 - 34, 2015/00

空間線量率の内の$$gamma$$線成分は、環境中の放射性核種の量と広がりの関数となっているが、それらの放射性核種は、天然由来のものと人工的な由来を持つものが混在する。このような状況下では、空間線量率や外部被曝線量は、地表や地中に分布している放射性核種の面積を表す観測視野によって決まる。本研究では、様々な環境における観測視野に関するモンテカルロ放射線輸送計算を行った。具体的には、地中に一様分布する、天然由来放射線核種である40K,トリウム系列,ウラン系列について、さらに、福島第一原子力発電所事故等によって地表に降着した放射性セシウムについて計算を行った。放射性セシウムに関しては、$$^{134}$$Csと$$^{137}$$Csの深度分布の変化を評価することによって、降着後の放射性セシウムの地面への浸透を考慮した。その結果、地中に分布する天然由来核種と地表近くに分布する放射性セシウムの観測視野は異なることが原因で、観測機器の一部の遮蔽が測定結果に影響を及ぼす可能性があることが分かった。また、観測視野によって局所的な除染の最大効率が決まることが分かった。そして、この最大効率は、放射性核種の地表面分布と空間線量率の関係を表すデータによって簡単に評価できることが示された。

論文

Multivariate volume rendering using transfer function synthesizer implemented in remote visualization system PBVR

河村 拓馬; 井戸村 泰宏; 宮村 浩子; 武宮 博

Proceedings of SIGGRAPH Asia 2015 (SA 2015) (Internet), 4 Pages, 2015/00

本論文では多変量ボリュームレンダリング向けの新しい伝達関数設計手法を提案する。この手法は従来の1次元伝達関数や変量の論理演算によって多次元伝達関数を生成するものである。この手法は解析者が変量の相関を抽出したり、多変量に対するサーフェスやボリュームの統合表示をしたりできるようにする。そしてこの手法は幾つかのスーパコンピュータ上で最適化されている遠隔可視化システムPBVRに実装されている。原子力分野における燃料溶融の多層シミュレーションから得られたデータに対して実験を行い、溶融物の複雑な挙動を抽出することで有効性を示した。

論文

4次元データにおける特徴領域探索のための2次元可視化

宮村 浩子; 河村 拓馬; 鈴木 喜雄; 井戸村 泰宏; 武宮 博

情報処理学会論文誌, 55(9), p.2216 - 2224, 2014/09

数値シミュレーションでは、ある変量軸を設定して計算し、その変量の変化に応じて結果が変化する様子を観察することが行なわれる。対象となるモデルが3次元である場合、シミュレーション結果は4次元となる。このような4次元以上の多次元データの解析は、空間軸と変量軸で構成された多次元空間内を精査して特徴領域を特定する必要がある。しかし、多次元かつ大規模な対象データから特徴領域を探し出す作業は、膨大な手間と時間を要する。さらにすべての特徴領域を見逃しなく発見することは困難である。本研究では、4次元データから特徴領域を発見するために、動画像解析技術である時空間画像を応用した2次元可視化手法を提案する。具体的には、8分木構造を用いて空間軸を作成し、その軸と垂直に変量軸を作成することで4次元データを2次元画像として可視化する。実際に提案手法を原子力施設の耐震シミュレーション結果と固有値解析シミュレーション結果に適用し、応力値が相対的に高い領域の発見や、周波数ごとに影響を受ける領域の探索を実施した。その結果、提案手法を用いることで複雑かつ大規模な4次元データから特徴領域を効率的に発見できることを確認した。

論文

粒子ベースボリュームレンダリングを利用した遠隔可視化システム

河村 拓馬; 井戸村 泰宏; 宮村 浩子; 武宮 博

日本シミュレーション学会論文誌, 6(2), p.15 - 26, 2014/09

遠隔地にあるスーパーコンピュータシステム上で計算された大規模データに対して対話的な可視化を可能にする、粒子ベースボリュームレンダリング(PBVR)を利用した遠隔可視化システムを提案する。このシステムはクライアント・サーバ型のスタイルを採用し、PBVRに必要とされる可視化用の中間処理(粒子データの生成)をスーパーコンピュータ上で実行し、クライアントマシンに可視化用データを転送することで、対話的なボリュームレンダリングを行うことが可能である。PBVRは粒子数が描画する画素数によって決まるため、大規模ボリュームデータに対してデータ転送量を大幅に削減でき、粒子データを利用することで高いフレームレートが実現できる。このシステムではサーバマシンとしてGPGPUクラスタを使用し、MPIとCUDAのハイブリッドなプログラミングモデルを用いる。粒子データの生成処理はCPUによる手法と比較して2桁高速化され、要素数約108の構造格子と非構造格子を数秒で処理できる。システムの全体性能を商用の可視化ソフトウェアと比較し、2桁以上の可視化時間の短縮を達成した。

論文

粒子ベースボリュームレンダリングによる大規模データの可視化技術

河村 拓馬; 井戸村 泰宏; 宮村 浩子; 武宮 博

第58回システム制御情報学会研究発表講演会講演論文集(CD-ROM), 6 Pages, 2014/05

スーパーコンピュータ上の大規模データをボリュームレンダリングで可視化することは、複雑なデータを解析し知見を得るために重要であるが、従来のクライアント/サーバ可視化システムでは可視化処理速度やデータ転送量の点問題があった。粒子ベースボリュームレンダリングを利用した遠隔可視化システムは、ボリュームデータをサイズの小さい可視化用粒子データに変換することで、対話的な可視化が可能なシステムである。粒子データの生成に、京やBX900等のスーパーコンピュータを利用することで、一億要素のデータを数秒で処理し、約1000並列までのストロングスケーリングを示した。

論文

Development of radionuclide distribution database and map system on the Fukushima nuclear accident

関 暁之; 武宮 博; 高橋 史明; 斎藤 公明; 田中 圭*; 高橋 悠*; 竹村 和広*; 津澤 正晴*

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 4, p.47 - 50, 2014/04

福島第一原子力発電所事故に対策すべく、その基盤となる情報を保管・提供する放射性物質の分布データベース及びマップシステムについて説明する。巨大な地震と津波により、福島第一原子力発電所は甚大な被害を受け、そこから放射性物質が福島県及び近隣県に拡散していった。このような状況の中、放射線量等の情報が迅速かつ正確に収集・解析され、広く世界に提供されることが必要である。われわれは放出された放射性物質の現状の分布状況を把握し、今後の除染活動を支援すべく、これら情報を保管・提供する分布データベース及びマップシステムを構築した。

報告書

走行サーベイシステムKURAMA-IIを用いた測定の基盤整備と実測への適用

津田 修一; 吉田 忠義; 中原 由紀夫; 佐藤 哲朗; 関 暁之; 松田 規宏; 安藤 真樹; 武宮 博; 谷垣 実*; 高宮 幸一*; et al.

JAEA-Technology 2013-037, 54 Pages, 2013/10

JAEA-Technology-2013-037.pdf:4.94MB

東京電力福島第一原子力発電所事故後における広域の詳細な空間線量率マップを作成するために、原子力機構は走行サーベイシステムKURAMA-IIを用いた測定を文部科学省の委託を受けて実施した。KURAMAは、一般乗用車に多数搭載して広範囲の空間線量率を詳細かつ短期間に把握することを目的として京都大学原子炉実験所で開発されたシステムである。KURAMAは、エネルギー補償型$$gamma$$線検出器で測定した線量率をGPSの測位データでタグ付けしながら記録する測定器、データを受け取り可視化のための処理や解析を行うサーバ、エンドユーザがデータを閲覧するためのクライアントから構成される。第2世代のKURAMA-IIでは更なる小型化、堅牢性の向上、データ送信の完全自動化等の機能が強化されたことによって、100台の同時測定が可能となり、広域の詳細な線量率マッピングをより短期間で実施することが可能になった。本報告では、KURAMA-IIによる測定データの信頼性を確保するために実施した基盤整備と、KURAMA-IIを空間線量率マッピング事業に適用した結果について述べるとともに、多数のKURAMA-IIを使用した走行サーベイの精度を保証するための効率的なKURAMA-IIの管理方法を提案した。

論文

放射性物質の分布状況に関する調査研究

武宮 博; 斎藤 公明

産業と環境, 42(4), p.39 - 43, 2013/04

東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い放出された放射性物質の状況を把握し影響評価や対策に資するため、日本原子力研究開発機構は、文部科学省からの委託に基づき、空間線量率や放射性核種の沈着量に関する調査を行っている。これまでに計3回の調査が実施され、得られた結果は放射性物質の分布状況等データベースや放射性量等分布マップ拡大サイトを通じて広く一般に公開されている。本稿では、これらの事業において得られた成果の概要について報告する。

論文

原子力施設のための3次元仮想振動台システムの研究開発への取り組み

西田 明美; 鈴木 喜雄; 山田 知典; 木野 千晶; 鵜沢 憲*; 宮村 浩子; 河村 拓馬; 武宮 博; 中島 憲宏

RIST News, (54), p.33 - 37, 2013/01

原子力施設は複雑かつ巨大な構造物であり、多数の部品から成り立っている。このような複雑・巨大構造物の挙動をシミュレーションしようとするときには、解析技術だけではなく、プリポスト処理を含めた総合的なシステムとしての視点が重要となる。そこで、システム計算科学センターでは、構造部品を部品単位で認識し、必要な解析のためのデータを組み上げていく組立構造解析アプローチを提案し、原子力施設のような複雑・巨大構造物の挙動解析のためのフレームワークを試作した。これまでに、原子力機構大洗研究開発センターにある高温工学試験研究炉の建屋や機器のデータを用いた数値実験を行い、原子力施設全体での大規模地震応答シミュレーションが可能であることを実証した。本稿では、3次元仮想振動台システムのフレームワーク、システムの核となる組立構造解析アプローチ、結果評価のための可視化技術、および、3次元仮想振動台システムの適用研究として2011年より着手した地震リスク評価への試みについて述べる。

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