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論文

Development of next-generation timing system for the Japan Proton Accelerator Research Complex

田村 文彦; 高橋 博樹; 上窪田 紀彦*; 伊藤 雄一*; 林 直樹

IEEE Transactions on Nuclear Science, 68(8), p.2043 - 2050, 2021/08

 被引用回数:0

J-PARCのような大強度陽子加速器では、高精度で安定したタイミングシステムが必要である。J-PARCの建設中に開発された既存のタイミングシステムは、2006年の運転開始から大きな問題なく稼働している。しかし、10年以上の運転期間が経過し、信号伝達の主要なコンポーネントである光素子が製造中止となり、今後の長期にわたるシステムの維持が困難となったため、次世代タイミングシステムの開発を行った。新システムは、動作原理の点で既存システムとの互換性を考慮して設計されている。本発表では、次世代タイミングシステムのシステム構成と現状について報告を行う。

論文

Commissioning of the next-generation LLRF control system for the Rapid Cycling Synchrotron of the Japan Proton Accelerator Research Complex

田村 文彦; 杉山 泰之*; 吉井 正人*; 山本 昌亘; 沖田 英史; 大森 千広*; 野村 昌弘; 島田 太平; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 999, p.165211_1 - 165211_11, 2021/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.03(Instruments & Instrumentation)

低電力高周波(LLRF)制御システムは大強度陽子ビームの加速のために重要である。J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)のLLRF制御システムは、運転開始から10年以上大きな問題なく運転されてきたが、モジュールを構成するデジタル部品の陳腐化によって今後の維持は困難となった。このため、次世代LLRF制御システムを開発した。新システムの全てのLLRF機能について動作試験を行った。この論文では、特に重要な機能であるビーム進行方向の振動を抑制するRFの位相フィードバック、複数の周波数のRF電圧を同時に制御するベクトルRF電圧フィードバックの調整について、詳細な調整手法、調整結果について報告を行う。次世代LLRF制御システムにより、設計ビーム出力である1MW相当の強度のビームを従来機より安定に加速できるようになった。

論文

1.2-MW-equivalent high-intensity beam tests in J-PARC RCS

發知 英明; 原田 寛之; 林 直樹; 金正 倫計; 岡部 晃大; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 山本 風海; 山本 昌亘; et al.

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011018_1 - 011018_6, 2021/03

J-PARC RCSは、2019年7月に、1MWの連続(10.5時間)運転に成功したところである。高出力かつ安定な利用運転を実現するためには、1.2$$sim$$1.5MW相当の更に高いビーム強度でのビームの振る舞いを精査することが必要になるため、RCSでは、2018年の10月と12月に1.2MW相当の大強度試験を実施した。当初は、1$$%$$程度の有意なビーム損失が出現したが、チューンや横方向ペイント範囲を最適化することで、そのビーム損失を10$$^{-3}$$レベルにまで低減することに成功した。また、数値シミュレーションでその実験結果を精度良く再現することにも成功している。本発表では、実験結果と計算結果の詳細比較からビーム損失の発生や低減のメカニズムを議論する。また、近い将来実施予定の1.5MW相当の大強度ビーム加速の実現に向けた取り組みも紹介する。

論文

Flexible chopper gate pulse generation for the J-PARC RCS

田村 文彦; 山本 昌亘; 吉井 正人*; 杉山 泰之*; 發知 英明; Saha, P. K.; 吉本 政弘; 原田 寛之

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011021_1 - 011021_6, 2021/03

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)ではビームのエネルギー広がりに由来するビームロスを避けるために、リニアック上流のビームチョッパーでビームの時間構造をRCSでの加速に適した幅に成形して入射している。チョッパーの動作のためのゲートパルスはRCSの加速高周波(RF)制御システムにより生成される。ディレイと幅を制御することで、RCSのRF電圧の適切な位相でビームを入射することができる。またJ-PARC独自の機能として、ビームの間引きがある。RCSではリニアックのビームをおよそ300周回連続で入射するが、連続ではなく間引いて入射することで、ビーム入射期間を変更することなく、強度を変更することができる。この機能を応用すると、1パルスだけ入射するようにパラメータを設定することで、非常に低いビーム強度で運転することもできる。この発表では、チョッパーゲートパルス生成の概要を示すとともに、自由度の高いゲートパルス生成を生かしたビーム調整結果について報告する。また、今後の機能向上についても議論する。

論文

Operation experience of Tetrode vacuum tubes in J-PARC Ring RF system

山本 昌亘; 古澤 将司*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 野村 昌弘; 大森 千広*; 島田 太平; 杉山 泰之*; 田村 文彦; 吉井 正人*

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011022_1 - 011022_6, 2021/03

J-PARCリング高周波システムではThales社製四極真空管TH589を使用し、2007年の運転開始以来長いものでは5万時間を超える運用を実現している。特に3GeVシンクロトロンにおいては、初期不良を除いてこれまで寿命を迎えた真空管は無い。TH589はトリウムタングステンを使用したフィラメントを用いており、トリウムの蒸発を抑えるために製作時に炭化を実施している。真空管の運用とともに脱炭化が進むため、フィラメントの抵抗値を測定すると徐々に下がっていくのが観測される。真空管メーカーからは、脱炭化を抑えるために定格電圧よりも低い値($$sim$$10%)で運用することが推奨されている。しかし12年に及ぶ運用の経験で、電圧を低い値に固定していても抵抗値が下がるに従って電流値が増え、フィラメントの発熱が増えて脱炭化が促進されている様子が観測された。これはフィラメントの電圧だけに着目するのではなく、発熱を一定にする運用をすることが寿命を伸ばすためには必要であることを示唆しており、3GeVシンクロトロンにおいては定期的に電流値を下げる運用手法を確立した。

論文

畳み込みニューラルネットワークによる画像認識技術のマウンテンプロット画像への適用

野村 昌弘; 田村 文彦; 島田 太平; 山本 昌亘; 古澤 将司*; 杉山 泰之*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 吉井 正人*

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.64 - 67, 2020/09

畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network:CNN)よる画像認識は、幅広い分野で用いられ、優れた結果を残している。この画像認識の技術を上手く利用すれば、人が画像から得る情報と同等かそれ以上の情報を画像から得ることができるはずである。J-PARCではマウンテンプロットと呼ばれる画像から、専門知識を持った研究者が機器の調整に必要な情報を得ている。本研究では、CNNによる画像認識の技術をこのマウンテンプロットに適用し、調整等に必要なビームに関する情報を求めてみた。その結果、画像認識技術を活用することにより、より多くの情報が得られることが分かった。今後は、実際に画像認識により求めた情報を元に機器の調整を行い、その有効性を確かめていく予定である。

論文

加速器におけるMTCA普及に向けて

田村 文彦; 吉井 正人*; 上窪田 紀彦*; 高橋 博樹

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.68 - 72, 2020/09

MTCA(マイクロTCA)は加速器における高度な制御の次世代プラットフォームとして期待されている。現在広く用いられているVMEよりも高速、大容量のデータ転送が可能なバックプレーンや、用途に応じた各種モジュールがホットスワップ可能であることによる高い保守性を誇る点などが、MTCAの利点として挙げられる。高エネルギー加速器研究機構の加速器において低電力高周波(ローレベルRF)制御への適用がなされたのちに、世界の多くの加速器においてMTCAは採用されるようになった。日本国内の加速器でのMTCAの広がりには時間を要しているのが実情であるが、最近になりJ-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)のローレベルRF制御などの大規模な採用事例も増えてきた。本発表では、J-PARC RCSでのローレベルRFでの適用を中心としたMTCAの採用事例を報告し、また、今後のMTCA普及のための取り組みについて報告を行う。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロン1MW運転状況

山本 風海; 山本 昌亘; 山崎 良雄; 野村 昌弘; 菅沼 和明; 藤来 洸裕; 神谷 潤一郎; 畠山 衆一郎; 發知 英明; 吉本 政弘; et al.

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.209 - 213, 2020/09

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は物質生命科学実験施設および主リングに最大1MW相当のビームを供給する目的で建設された。J-PARCでは運転開始よりビーム調整と機器の改良を進めており、供用運転として段階的にビーム出力を増加しながら、設計最大出力である1MWの連続運転試験を断続的に行ってきた。これまで実施してきた1MW連続運転試験の結果から、RCSはビームを精度よくコントロールしており、ビーム損失は連続運転の妨げとならないことが確認できた。しかし一方で、ビームを加速する高周波空胴に余裕が無いため、引き続き増強を進める必要があることが判明した。また、2020年6月以降の気温と湿度が高い条件下では、冷却水の供給温度が上がり、機器の冷却が十分にできず運転できないことも判明した。今後は、これらの問題点の改善を進める。

論文

縦方向計算コードBLonDのJ-PARC RCSへの適用に向けたベンチマーク

沖田 英史; 田村 文彦; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 吉井 正人*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; et al.

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.674 - 678, 2020/09

近年、CERNが開発を進めている縦方向シミュレーションコードBLonD (Beam Longitudinal Dynamics)は世界の加速器で利用が進んできている。BLonDは主な部分がPythonで書かれているため可読性,汎用性が高いコードで、空胴に発生するウェーク電圧や縦方向の空間電荷力を考慮したシミュレーションが可能である。現在、J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)の更なる加速技術、運転安定性の向上について検討するツールとして、BLonDの導入とベンチマークを進めている。BLonDを用いて現行の1MW運転パラメータを反映した縦方向シミュレーションを行い、縦方向のビームの電荷分布を表すバンチングファクターを計算した結果は測定値をよく再現しており、RCSの縦方向ビームシミュレーションにBLonDが有効であることを確認した。本発表ではその詳細について報告する。

論文

First measurement and online monitoring of the stripper foil thinning and pinhole formation to achieve a longer foil lifetime in high-intensity accelerators

Saha, P. K.; 吉本 政弘; 畠山 衆一郎; 發知 英明; 原田 寛之; 田村 文彦; 山本 風海; 山崎 良雄; 金正 倫計; 入江 吉郎*

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 23(8), p.082801_1 - 082801_13, 2020/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:38.19(Physics, Nuclear)

We have established and implemented a nondestructive online monitoring system for the first time for measuring stripper foil thinning and pinhole formation, which are believed to the foil breaking signals caused by high-intensity beam irradiation. A longer foil lifetime is desired, while a foil failure during operation not only reduces the accelerator availability but also has serious issues for regular accelerator maintenances. The present research has been carried out at the RCS of J-PARC, where we aimed to ensure proper uses of foil and to achieve a longer foil lifetime without any failure. We have precisely measured a foil thinning and pinhole outbreak information to obtain a detail of foil degradation to determine a realistic foil lifetime by achieving a record of nearly 2 years of operation with a single foil and without any failures.

論文

J-PARC 3-GeV RCS; 1-MW beam operation and beyond

發知 英明; 原田 寛之; 林 直樹; 金正 倫計; 岡部 晃大; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 山本 風海; 山本 昌亘; et al.

Journal of Instrumentation (Internet), 15(7), p.P07022_1 - P07022_16, 2020/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:30(Instruments & Instrumentation)

RCSのような大強度陽子加速器では、ビーム損失により生じる機器の放射化がビーム出力を制限する最大の要因となる。RCSでは、高精度の計算モデルを構築し、数値シミュレーションと実験を組み合わせたアプローチでビーム損失の低減に取り組んできた。数値シミュレーションと実験の一致は良好で、計算機上で再現したビーム損失を詳細に解析することで実際の加速器で起こっている現象を十分な確度で理解することが可能になっただけでなく、それを低減するためのビーム補正手法を確立するのに数値シミュレーションが重要な役割を果たした。ハードウェアの改良と共に、こうした一連のビーム力学的研究により、1MW設計運転時のビーム損失を10$$^{-3}$$レベルにまで低減することに成功している。本発表では、1MW調整時に直面したビーム損失について、発生メカニズムや解決手法をレビューすると共に、最近行った1.2MW試験の実験結果を報告する。また、最後に、数値シミュレーションを用いてRCSの限界ビーム強度を議論する。

論文

Simulations of beam loading compensation in a wideband accelerating cavity using a circuit simulator including a LLRF feedback control

田村 文彦; 山本 昌亘; 杉山 泰之*; 吉井 正人*; 大森 千広*; 島田 太平; 野村 昌弘; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 古澤 将司*

Journal of Physics; Conference Series, 1350(1), p.012189_1 - 012189_7, 2019/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.07

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では高加速電圧の発生のために金属磁性体空胴が採用されている。真空管アンプで駆動される空胴は広帯域であるため、周回周波数の整数倍の周波数成分の電圧がビームによって誘起される。その影響を相殺(ビームローディング補償)するために、真空管は複数の周波数成分を持つ電圧を発生させ、誘起電圧を打ち消す必要がある。真空管の動作およびビームローディング補償を解析するために、回路の解析に広く使われているLTspiceを用いた回路モデルを構築した。モデルは空胴, アンプ, ビーム電流, 低電力高周波(LLRF)電圧制御を含む。電圧制御はさまざまなデジタル回路を含んでおり、この発表ではLTspiceでのデジタルLLRF電圧制御の回路モデル実装の詳細について述べるとともに、ビーム試験での電圧波形との比較を行っている。シミュレーション結果は比較的よく実際の電圧波形を再現した。

論文

Multiharmonic vector rf voltage control for wideband cavities driven by vacuum tube amplifiers in a rapid cycling synchrotron

田村 文彦; 杉山 泰之*; 吉井 正人*; 山本 昌亘; 大森 千広*; 野村 昌弘; 島田 太平; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; 古澤 将司*

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 22(9), p.092001_1 - 092001_22, 2019/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:40.26(Physics, Nuclear)

ビーム誘起電流による影響の低減(ビームローディング補償)はJ-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)における大強度ビーム加速に最も重要な課題の一つである。RCSでは広帯域金属磁性体空胴が用いられており、ビームの誘起する電圧は周回周波数の整数倍の成分を含むことから、それら複数の周波数成分(マルチハーモニック)の誘起電圧を抑制するビームローディング補償が必要である。これまではビーム電流の測定から補償信号を生成するRFフィードフォワード法による補償が行われており、マルチハーモニックフィードフォワードシステムは1MWまでのビーム試験においてその役割を果たしてきた。しかしながら、大強度になるにつれて補償性能の低下が確認されていた。そこで、低電力高周波(LLRF)制御システムの更新にあたり、マルチハーモニックベクトル電圧制御によるフィードバック制御を採用することとした。フィードバック制御はゲインの変動についても安定性の範囲内で性能を発揮することが期待される。本論文では、システムの構成、調整方法、大強度ビーム試験の結果について報告する。設計パワーである1MW相当のビーム加速において、ビームローディングはよく補償されている。

論文

Development of next-generation LLRF control system for J-PARC rapid cycling synchrotron

田村 文彦; 杉山 泰之*; 吉井 正人*; 漁師 雅次*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 66(7), p.1242 - 1248, 2019/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:58.77(Engineering, Electrical & Electronic)

J-PARC RCSのLLRF制御システムは2007年に運転を開始した。システムの重要な機能として、デュアルハーモニック運転とマルチハーモニックRFフィードフォワードによるビームローディング補償が挙げられる。これまでLLRF制御システムは大きな問題もなくその性能を発揮してきたが、使用されているFPGAが古くなり、最新の開発環境でサポートされないなど今後の維持は困難になることが予想されている。このため、MTCA.4ベースにした新しいシステムにより、既存のVMEシステムを置き換えることを検討中である。この発表では、次世代LLRFシステムの構成、これまでに実装されている機能、テスト結果について報告する。

論文

J-PARC RCSにおけるビーム力学的研究とビーム損失の低減

發知 英明; 原田 寛之; 岡部 晃大; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 吉本 政弘

加速器, 16(2), p.109 - 118, 2019/07

RCSのようなMW級の大強度陽子加速器では、ビーム損失により生じる機器の放射化がビーム出力を制限する最大の要因となる。RCSでは、ビーム損失の原因となる様々な効果(空間電荷効果,非線形磁場,フォイル散乱等)を取り込んだ高精度の計算モデルを構築し、数値シミュレーションと実験を組み合わせたアプローチでビーム損失の低減に取り組んできた。計算と実験の一致は良好で、計算機上で、実際に発生したビーム損失を十分な精度で再現できたことは画期的なことと言える。数値シミュレーションで再現したビーム損失を詳細に解析することで、実際の加速器で起こっている現象を十分な確度で理解することが可能になっただけでなく、それを低減するためのビーム補正手法を確立するのに数値シミュレーションが重要な役割を果たした。ハードウェアの改良と共に、こうした一連のビーム力学的研究により、1MW設計運転時のビーム損失を10$$^{-3}$$という極限レベルにまで低減することに成功している。本稿では、ビーム増強過程で問題になったビーム損失について、その発生機構や解決方法を報告すると共に、その際に数値シミュレーションが果たした役割について具体例を挙げて紹介する。

論文

ニューラルネットワークを用いたJ-PARC使用電力量に気象が与える影響の調査

野村 昌弘; 田村 文彦; 島田 太平; 山本 昌亘; 古澤 将司*; 杉山 泰之*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 吉井 正人*

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.258 - 261, 2019/07

加速器の運転における使用電力量は、気温の上昇等により夏場は常に増加傾向にある。近年、夏場の気温はより高まる傾向を示していることから、気象情報から夏場の使用電力量を把握することは、契約電力の観点や節電対策を行う上でも重要になってきている。使用電力量と気象との関係は、加速器施設では多くの冷却設備を有していることから、気温や湿度が高くなれば各機器を冷却するために使用電力量が増加することは想像できるが、具体的にどのような依存性があるかは調べられていないと思われる。そこで、ニューラルネットワークをある種のフィッティング関数あるいは計算のモデルと考えて、夏場の気象が使用電力量に与える影響についての調査を行なった。具体的には、気温と湿度の情報を入力データ、加速器の使用電力量を教師データとしてニューラルネットワークに学習させ、その学習済みニューラルネットワークを用いて気象が使用電力量に与える影響について調べた。その結果、加速器の使用電力量は湿度にはほとんど影響を受けず、気温に大きく依存し、水戸の気温が10$$^{circ}$$C上昇するとLinacとRCSの使用電力は約1MW増えることが判明した。

論文

J-PARC次世代タイミングシステム

田村 文彦; 高橋 博樹; 上窪田 紀彦*; 伊藤 雄一; 林 直樹

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.149 - 152, 2019/07

J-PARCタイミングシステムは2006年のリニアックのビーム運転開始から現在に至るまで安定に動作しており、供給される正確なタイミング信号は大強度ビームの加速,供給に不可欠なものとなっている。一方、運用開始から10年以上が経過し、タイミング信号の伝送に使用されている光素子の生産中止など、現状のままでのタイミングシステムの維持は困難である。このため次世代タイミングシステムへの更新を検討している。現システムでは機器を動作させるためのタイミング信号を各装置に3本のケーブルで分配する必要があるが、次世代システムではこれらを高速シリアル通信技術を用いて1本の光ケーブルで伝送する。また、送信モジュールから受信モジュールに至るまで電気ケーブル配線を用いないことで、ノイズ環境の悪い電源室等での動作の一層の安定化が期待される。本発表では、J-PARC次世代タイミングシステムの詳細、開発および移行の方針について報告する。

論文

J-PARC RCSビームコミッショニングの進捗報告; 1MW以上のビーム出力の実現に向けた取り組み

發知 英明; 原田 寛之; 林 直樹; 金正 倫計; 岡部 晃大; Saha, P. K.; 菖蒲田 義博; 田村 文彦; 山本 風海; 山本 昌亘; et al.

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.574 - 578, 2019/07

J-PARC RCSは、2018年の7月に、設計出力1MWの試験運転に成功したところである。高出力かつ安定な利用運転を実現するためには、さらに高いビーム強度でのビームの振る舞いを調査することが必要となるため、RCSでは、2018年10月と12月に、1.2MW相当の大強度試験を実施した。当初、1$$%$$程度の有意なビーム損失が出現したが、ベアチューンや横方向ペイント範囲を最適化することで、そのビーム損失を10$$^{-3}$$レベルにまで低減することに成功した。本発表では、上述の大強度試験結果、特に、その際に出現したビーム損失の発生メカニズムやその低減のために行った一連の取り組みに焦点を当てて報告する。

論文

Dynamic variation of chromaticity for beam instability mitigation in the 3-GeV RCS of J-PARC

Saha, P. K.; 發知 英明; 菖蒲田 義博; 原田 寛之; 田村 文彦; 渡辺 泰広; 高柳 智弘

Proceedings of 10th International Particle Accelerator Conference (IPAC '19) (Internet), p.171 - 173, 2019/06

In order to mitigate beam instability in the RCS caused by the impedances of the extraction kicker magnets, an application of dynamic variation of the chromaticity has been studied. The beam instability, especially for a high intensity beam delivered to the MR is one of the main issues in the RCS because of maintaining a smaller beam emittance as compared to that for the MLF beam. In this research, such a beam instability has been successfully mitigated by introducing dynamic variation of the chromaticity by using bipolar Sextupole magnetic fields. The method includes a partial chromaticity correction at lower beam energy to reduce the chromatic tune spread required to minimize the beam loss and the beam emittance, while introducing an excess of chromaticity at higher beam energy to utilize larger chromatic tune spread to enhance the Landau damping for beam instability mitigation. The method has been established based on detail numerical simulations by using ORBIT code and the corresponding experimental studies. The method has already been successfully implemented for the RCS beam operation to the MR.

論文

Vacuum tube operation analysis for 1.2 MW beam acceleration in J-PARC RCS

山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 古澤 将司*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 吉井 正人*

Proceedings of 10th International Particle Accelerator Conference (IPAC '19) (Internet), p.2017 - 2019, 2019/06

J-PARC RCSは1MWビーム加速を達成し、さらなる高度化を目指して次の設定値としては1.2MW加速を検討している。1.2MW加速を実現するにあたっての課題の一つは、RFシステムである。現状の陽極電源は既に出力電流の限界に達しており、真空管はマルチハーモニック励振とプッシュプル動作から生じるアンバランスに対処しなければならない。これらの課題を解決するためには、加速空胴と真空管増幅器の系からなる回路網について、適切な値を選ばなければならない。本報告では、1.2MWビーム加速における真空管動作解析の結果を示し、現状の回路網の値を最適化することで1.2MW加速を達成可能であることを示す。

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