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論文

Water leakage due to the welding defect and improvement to reach 1-MW beam operation in the mercury target of J-PARC

粉川 広行; 涌井 隆; 直江 崇; 羽賀 勝洋; 高田 弘; 二川 正敏

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(5), p.487 - 494, 2020/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の中性子源では、世界記録のパルスあたりの中性子束を達成した。J-PARCでは、水銀標的システムが破砕中性子源として使われている。標的容器は、水銀容器とそれを内包する二重壁構造の水冷却保護容器から構成され、万一水銀容器から水銀が漏えいしても標的容器の外部への漏えいを防止する多重壁防護システムとなっている。しかし、多重壁構造は、多くの溶接線を必要とする複雑な構造であった。運転中に、水銀容器と保護容器の間の中間層への水が漏えいし、計画外のシャットダウンに直面することとなった。このため、漏えいの原因に関する調査を行い、漏えい経路は、複雑な多重壁構造に起因する溶接欠陥から、水銀標的で発生する圧力波による繰り返し応力によってき裂が進展して作られたと推論した。調査結果に基づき、容器の構造を、複雑な構造上の溶接線を無くし、J-PARC中性子源の最終的な設計値である陽子ビーム出力1MWで安定した運転を実現できるように改良した。

論文

Mitigation of cavitation damage in J-PARC mercury target vessel

直江 崇; 木下 秀孝; 粉川 広行; 涌井 隆; 若井 栄一; 羽賀 勝洋; 高田 弘

JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.081004_1 - 081004_6, 2020/02

J-PARC核破砕中性子源の水銀ターゲット容器(SUS316L製)は、陽子線入射によって生じる水銀中の圧力波が引き起こすキャビテーションにより、ビームが入射する先端部厚さ3mmの壁が損傷する。キャビテーションによる損傷は、ビーム出力と共に増加するため、ターゲット容器の寿命を制限する因子となっている。J-PARCの目標である1MWにおける長期安定運転を実現するために、損傷低減化策として、圧力波抑制のための気泡注入に加えて、先端部に主流の4倍の流速を発生できる幅2mmの狭隘流路を有する先端部二重壁構造の容器を採用した。運転終了後に損傷低減化策の効果を確認するために、容器内壁を切り出して観察した。これまでの経験を踏まえ、確実に切出しを実施するためにコールド試験を通じて切出し条件を最適化して、2017年にターゲット2号機(損傷低減化策無し)、及び2018年に8号機(損傷低減化策有り)の切り出しを実施した。ワークショップでは、切出した試料の損傷観察結果を紹介すると共に、損傷低減化策の効果について報告する。

論文

Recent status of the pulsed spallation neutron source at J-PARC

高田 弘; 羽賀 勝洋

JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.081003_1 - 081003_7, 2020/02

大強度陽子加速器施設J-PARCの核破砕中性子源では、設計を見直した水銀ターゲット容器を使用して2017年10月から2018年7月までの間、500kWの陽子ビームで運転を行うとともに、1MW相当のビーム強度で1時間の運転も行った。このターゲット容器では、ビームが入射する尖頭部でのキャビテーション損傷を抑制する対策として微小気泡注入器を装備するとともに、尖頭部では流路幅2mmの狭隘流路に水銀流れを形成する形状を採用した。運転終了後の観察の結果、厚さ3mmの容器尖頭部の損傷は17.5$$mu$$mより浅い程度に抑制できたことがわかった。

論文

New design and fabrication technology applied in mercury target vessel #8 of J-PARC

涌井 隆; 若井 栄一; 粉川 広行; 直江 崇; 花野 耕平; 羽賀 勝洋; 高田 弘; 島田 翼*; 鹿又 研一*

JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.081002_1 - 081002_6, 2020/02

J-PARCの水銀ターゲット容器は、水銀容器と二重容器構造の保護容器(内側及び外側容器)からなる三重容器構造である。2015年の500kWビーム運転時、水銀ターゲット容器の保護容器からの微小な水漏れが2回発生した。この容器破損から得られた知見を基に、設計, 製作及び試験検査過程の改善を行った。ワイヤ放電加工を用いて、1つのステンレスブロックから切り出した一体化構造を採用することにより、水銀ターゲット容器前方の溶接線の長さは約55%まで大幅に減らすことができた。放射線透過試験や超音波探傷試験による徹底的な溶接検査を実施した。2017年の9月に水銀ターゲット容器8号機が完成し、8号機を使用したビーム運転が開始された。500kWの安定的なビーム運転が実現でき、ビーム試験時には、1MWの最大ビーム強度を経験することができた。

論文

Optimum temperature for HIP bonding invar alloy and stainless steel

涌井 隆; 石井 秀亮*; 直江 崇; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 若井 栄一; 高田 弘; 二川 正敏

Materials Transactions, 60(6), p.1026 - 1033, 2019/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Materials Science, Multidisciplinary)

J-PARCの核破砕中性子源で使用する水銀ターゲット容器は、1.3$$times$$1.3$$times$$2.5m$$^{3}$$と大きいため、使用済み容器の廃棄量を低減する観点で、損傷量の大きい前半部を分割できる構造を検討している。分割部のフランジには、高いシール性能(1$$times$$10$$^{-6}$$Pa・m$$^{3}$$/s以下)が必要である。このフランジの材料として、ビーム運転時の熱変形を低減するために低熱膨張材であるインバー合金は有望であるが、弾性係数が低いためボルト締結時の変形が大きくなる。実用上はステンレス鋼で補強するが、HIP接合により広い面積を全面にわたって確実に接合する条件を見出すことが課題であった。そこで、接合温度が異なる試験片(973, 1173, 1373及び1473K)について、引張試験及び数値解析による残留応力評価を行った。973Kで接合した試験片は、拡散層厚さが殆どなく接合界面で破断した。引張強度は、接合温度の上昇とともに減少し、1473Kの場合、約10%低下した。接合面近傍の残留応力は最大50%増加した。これらの結果から、1173Kが最適な接合温度であることを結論付けた。

論文

Effect of welding on gigacycle fatigue strength of austenitic stainless steels

直江 崇; 涌井 隆; 粉川 広行; 若井 栄一; 羽賀 勝洋; 高田 弘

Advanced Experimental Mechanics, 3, p.123 - 128, 2018/08

核破砕中性子源水銀ターゲット容器は、SUS316L製であり、TIG溶接により製作される。運転中には、陽子線励起圧力はによって、約50s$$^{-1}$$の高ひずみ速度で約10$$^9$$回の繰返し負荷を受ける。本研究では、SUS316L及びその溶接材のギガサイクル領域における疲労強度を超音波疲労試験により調査した。その結果、母材では10$$^9$$回までに明確な疲労限度は観測されなかった。一方、浸透探傷検査により欠陥が観測されなかった溶接材では、応力集中部である試験片中央部に溶接部を配置した試験片において、溶接ビード及び裏波を除去した場合は、母材よりも疲労強度が高くなる傾向が見られた。一方、溶接ビード及び裏波を除去しない場合は、溶接止端部への応力集中により、母材と比較して著しい疲労強度の低下が観測された。

論文

Cavitation damage in double-walled mercury target vessel

直江 崇; 涌井 隆; 木下 秀孝; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 原田 正英; 高田 弘; 二川 正敏

Journal of Nuclear Materials, 506, p.35 - 42, 2018/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:67.8(Materials Science, Multidisciplinary)

J-APRCの核破砕中性子源の水銀ターゲット容器(SUS316L製)は、ビーム窓と呼ばれる厚さ3mmの先端部分が、陽子線励起圧力波よるキャビテーションにより壊食損傷する。この損傷は容器の構造健全性を低下させ、容器の寿命の決定因子となっている。我々は、2014年からキャビテーション損傷及びそれを誘発する圧力波を低減するために、気泡注入に加えて狭隘流路を設置することで、ビーム窓の水銀流速を速める2重壁構造を採用し、300$$sim$$500kWの強度で運転を行った。使用済みの容器を切断し、内壁を観察した結果、狭隘流路の内側で最大深さ約25$$mu$$mの帯状の損傷が観測された。この原因を調べるために、負圧の持続時間に着目した圧力波伝ぱ解析を実施した結果、ビーム入射直後から1msまでに生じる負圧の持続する時間をマッピングした結果と、形成された損傷の分布がよく対応しており、比較的短時間の負圧によって生じるキャビテーションが損傷形成に寄与していることを示唆した。

論文

Off-gas processing system operations for mercury target vessel replacement at J-PARC

甲斐 哲也; 内田 敏嗣; 木下 秀孝; 関 正和; 大井 元貴; 涌井 隆; 羽賀 勝洋; 春日井 好己; 高田 弘

Journal of Physics; Conference Series, 1021(1), p.012042_1 - 012042_4, 2018/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:100

At J-PARC an Off-gas processing system has been utilized to a purging process before the target vessel replacement and an air-flow control procedure to minimize radioactivity release during the replacement. In 2011 the first replacement was carried out after a 500 MWh operation, and the tritium release was measured. It was suggested that the tritium release must be less than that measured at the replacement in 2011 even at the nominal operation of 5,000 MWh. Some procedures of an air-flow control and a rubber plug insertion have been introduced from the replacements in 2013, resulting that the amount of tritium release could be reduced to less than that released in 2011 at the nominal operation.

論文

Technical investigation on small water leakage incident occurrence in mercury target of J-PARC

羽賀 勝洋; 粉川 広行; 涌井 隆; 直江 崇; 高田 弘

Journal of Nuclear Science and Technology, 55(2), p.160 - 168, 2018/02

 被引用回数:4 パーセンタイル:19.51(Nuclear Science & Technology)

J-PARCの核破砕中性子源で稼働中の水銀ターゲット容器は、水冷却流路を有する保護容器で水銀容器を覆う薄肉の多重容器構造であり、ステンレス316L鋼を材料に用いている。2015年、陽子ビーム出力500kWで運転中に保護容器から冷却水が滲出する事象が発生したため、原因究明の調査を行った。目視検査、模擬体による試験や解析評価の結果から、製作過程において水銀容器と保護容器を締結するボルト頭部の溶接で生じた大きな熱応力により隣接する拡散接合に欠陥が生じ、更にビーム運転中のビームトリップ毎に付加される繰り返し熱応力による熱疲労で、シール溶接部に欠陥が生じたことが原因と考えられた。このことから、製作過程における溶接部の初期欠陥を排除し、溶接構造部の堅牢性と信頼性を確保する重要性が改めて認識された。次の水銀ターゲット容器は、ワイヤー放電加工による一体構造の部品を多用し、溶接個所を低減するとともに、初期欠陥を排除すべく試験検査を強化するなど大幅な改良を施し製作された。この水銀ターゲット容器のビーム運転は2017年10月から開始される予定である。

論文

大型加速器を用いた核破砕中性子源

羽賀 勝洋

波紋, 27(4), p.155 - 158, 2017/11

高出力加速器を用いたパルス核破砕中性子源は、物質科学や生命科学の分野において最先端の研究を行うために適した高強度で幅の狭い良質な中性子を供給できる有用な装置である。このシステムでは、高出力加速器で作り出すkWからMWオーダーの陽子ビームを重金属の標的に入射し、標的原子核との核破砕反応により大量の中性子を生成し、この中性子を減速材や反射体で熱・冷中性子に減速し、先端的な中性子実験装置群に供給する。本稿では主にJ-PARCのパルス核破砕中性子源を例に、中性子ビームを生成するしくみと中性子源の構造の概要、水銀標的等の標的の工学的設計手法、パルス陽子ビームの入射により水銀中で発生する最大40MPaにも達する圧力波による標的容器の損傷を低減する方法などの技術課題について、水銀標的システムを例に取りながら解説する。

論文

Materials and Life Science Experimental Facility at the Japan Proton Accelerator Research Complex, 1; Pulsed spallation neutron source

高田 弘; 羽賀 勝洋; 勅使河原 誠; 麻生 智一; 明午 伸一郎; 粉川 広行; 直江 崇; 涌井 隆; 大井 元貴; 原田 正英; et al.

Quantum Beam Science (Internet), 1(2), p.8_1 - 8_26, 2017/09

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設では、パルス核破砕中性子源から高強度かつ狭いバルス幅の中性子を供給し、多様な中性子科学研究の推進に役立てている。この核破砕中性子源の構成機器は、エネルギー3GeV、繰り返し25Hz、強度1MWという世界最高クラスの強度の陽子ビームで駆動されルことを前提に設計されており、水銀ターゲットと3種類の液体パラ水素モデレータがその中枢の機器である。目標とする1MWの陽子ビームによる運転に向けて、まだ途上段階にあるが、本報告では、この核破砕中性子源のターゲット・モデレータ・反射体システムの特色ある性能について解説する。

論文

Mitigation technologies for damage induced by pressure waves in high-power mercury spallation neutron sources, 4; Measurement of pressure wave response and microbubble effect on mitigation in mercury target at J-PARC

粉川 広行; 直江 崇; 二川 正敏; 羽賀 勝洋; 涌井 隆; 原田 正英; 高田 弘

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(7), p.733 - 741, 2017/07

 被引用回数:5 パーセンタイル:33.51(Nuclear Science & Technology)

J-PARCの核破砕中性子源では、中性性ビームを生成するために水銀ターゲットシステムを運転している。水銀ターゲットでは、大強度のパルス陽子ビームが入射することによって水銀の急激な発熱により圧力波が発生する。圧力波によって、水銀を内包するターゲット容器に繰返し応力だけでなくキャビテーション損傷を引き起す。圧力波を低減することは、ターゲット容器の寿命を保つ上で非常に重要な課題である。我々は、微小気泡を水銀中に注入し、圧力波を低減する技術の開発を行っており、今回、微小気泡発生器を水銀ターゲット容器に実装し、圧力波により励起されるターゲット容器の変位速度をその場診断装置で測定し、陽子ビーム条件や微小気泡の効果を調査した。その結果、ターゲット容器の変位速度は微小気泡により減少し、変位速度のピーク値は、気泡の注入量が0.4%, 0.1%の場合、気泡を注入しない場合に比べて各々1/3, 2/3に低減することを明らかにした。

論文

In-situ structural integrity evaluation for high-power pulsed spallation neutron source by using a laser Doppler method

Wan, T.; 直江 崇; 涌井 隆; 羽賀 勝洋; 粉川 広行; 二川 正敏

JAEA-Conf 2015-002, p.76 - 87, 2016/02

J-PARCの水銀ターゲットでは、陽子線入射励起圧力波によるターゲット容器のキャビテーション損傷を低減するために先端部に狭隘流路構造を有する2重壁構造の容器を設置する計画である。本研究では、陽子線入射時に発生するターゲット容器外側の振動をレーザードップラー振動計により非接触で計測することによって、激しい損傷が形成される2重壁の内壁の損傷を診断するための検討を実施した。まず、内壁側に損傷を模擬した貫通穴を形成した場合の容器の振動速度について、数値解析及び水銀中への圧力波負荷実験により調べた。振動波形の差異を定量化するために、ウェーブレット解析を用いた比較法(WDA)を考案し、穴径に応じてわずかに振動波形が変化することを明らかにした。しかしながら、実験では、振動波形にノイズが多く重畳し、差が明瞭でなかった。そこで、ノイズを低減するために、分散分析及び共分散分析を適用した結果、穴径の増加とともに穴がない場合の振動波形との差が大きくなることを確認した。さらに、実機ターゲット容器で計測した振動波形に対して、同様の分析を実施し、流動条件のわずかな差による振動波形の変化を定量的に評価できることを示唆した。

論文

Cavitation damage prediction for the JSNS mercury target vessel

直江 崇; 粉川 広行; 涌井 隆; 羽賀 勝洋; 勅使河原 誠; 木下 秀孝; 高田 弘; 二川 正敏

Journal of Nuclear Materials, 468, p.313 - 320, 2016/01

BB2014-2665.pdf:3.4MB

 被引用回数:4 パーセンタイル:52.88(Materials Science, Multidisciplinary)

J-PARCの核破砕中性子源(JSNS)水銀ターゲット容器は、陽子線入射励起圧力波により励起されるキャビテーションによる損傷を受ける。キャビテーションによる損傷は、容器の構造健全性を低下させるため現在のところ容器の交換寿命を決める支配因子となっている。圧力波及びキャビテーションによる損傷を低減するためには、水銀中にガスマイクロバブルを注入することが効果的な手法である。JSNSでは、ガスマイクロバブルを注入するためのシステムを2012年10月に設置し、レーザードップラー振動計を用いて容器の振動をモニタリングすることによって水銀中へのバブル注入の効果をした。その結果、振動速度は気泡注入量の増加に伴って減少することを確認した。また長期間の運転では、気泡注入によって平均でバブル注入無しの1/4程度の振動速度を維持した。

論文

Progress of target system operation at the pulsed spallation neutron source in J-PARC

高田 弘; 直江 崇; 甲斐 哲也; 粉川 広行; 羽賀 勝洋

Proceedings of 12th International Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerators (AccApp '15), p.297 - 304, 2016/00

J-PARCでは、パルス核破砕中性子源の水銀ターゲットを1MWの設計ビーム強度で運転するために継続的に様々な努力を行ってきた。1つの技術的な進歩は、3GeVの陽子ビームが25Hzの繰り返しで入射される際にターゲット容器の尖頭部に誘起されるキャビテーション損傷の低減である。水銀ターゲットへの微小気泡注入の性能を向上させた結果、300kWの陽子ビームで2050MWhの運転を行った後で、ターゲット容器の内側表面に顕著なキャビテーション損傷がないことを観測した。これとは別に、ターゲット容器を交換する際に放出される気体状の放射性物質、特にトリチウムの量を抑制においても進展があった。ターゲット容器交換の際、ターゲットシステムが開放されるときに、その内部の空気を気体廃棄物処理設備に引き込む手順を加えることによって、スタックからのトリチウム放出を抑制した。例えば、2050MWhの運転後の場合、放出されたトリチウム量は12.5GBqであり、これば予測値の5.4%に留まった。このような進展に基づき、2015年4月から核破砕中性子源の運転ビーム強度は500kWに増強された。

論文

Development of microbubble generator for suppression of pressure waves in mercury target of spallation source

粉川 広行; 直江 崇; 京藤 敏達*; 羽賀 勝洋; 木下 秀孝; 二川 正敏

Journal of Nuclear Science and Technology, 52(12), p.1461 - 1469, 2015/12

 被引用回数:7 パーセンタイル:35.56(Nuclear Science & Technology)特願 2010-015204   公報

MW級核破砕中性子源の水銀ターゲットでは、大強度のパルス陽子ビーム入射により圧力波が発生する。圧力波の伝ぱはターゲット容器壁に沿って負圧の発生を引き起こし、キャビテーション損傷により容器が損傷する。ヘリウムガスの微小気泡を水銀中に注入することは圧力波及びキャビテーション損傷を抑制する効果的な技術の一つである。生成する気泡の大きさとJSNSの水銀ターゲットシステムへの設置のしやすさを考慮した場合、液体の旋回流を用いた気泡生成器(旋回流型気泡生成器)が気泡生成器として適していることが分かった。しかし、一つの旋回流型気泡発生器を流動する水銀中に用いた場合、生成器の下流に水銀の旋回流が残り、残留する旋回流は気泡の合体を引き起こし、結果として圧力波の抑制効果は十分でなくなる。この課題を解決するために、複数の旋回流気泡発生器を水銀の流動方向に垂直な面に並べた複数旋回流型気泡生成器を開発した。JSNSの運転条件で試験を行い、圧力波を抑制することが期待できる半径65$$mu$$mの気泡を生成できることを確認した。

論文

Cavitation erosion induced by proton beam bombarding mercury target for high-power spallation neutron sources

二川 正敏; 直江 崇; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 沖田 浩平*

Experimental Thermal and Fluid Science, 57, p.365 - 370, 2014/09

AA2014-0181.pdf:1.48MB

 被引用回数:8 パーセンタイル:49.33(Thermodynamics)

J-PARCの水銀ターゲットでは、陽子線入射時に発生する圧力波が水銀を包含する容器へと伝ぱする際に、水銀と容器の界面には負圧によってキャビテーションが発生する。流動水銀中にマイクロバブルを注入することで、圧力波に励起されるキャビテーションの発生を低減するために、注入する気泡の条件を理論及び実験的に検討した。本報告では、特に、圧力波の伝ぱをミリ秒オーダーのマクロな時間スケールとマイクロ秒オーダーのミクロな時間スケールの現象に分けて検討した。前者は、ターゲット容器の振動と水銀の相互作用が支配的な現象であり、後者は、水銀中の圧力波伝ぱプロセスに不可欠な現象である。その結果、マクロな時間スケールでは、水銀中にキャビテーションを発生させる負圧の振幅が注入した気泡によって減少するため、マイクロバブルの注入がキャビテーションの発生を抑えるのに効果的であることを示した。一方、ミクロな時間スケールでは、注入した気泡は負圧の持続時間を減少させキャビテーション気泡の膨張を抑えることで、キャビテーションの攻撃性を低減させるが、その効果は十分ではなく、現状ではキャビテーション気泡が膨張する可能性があることを示唆した。

論文

Damage inspection of the first mercury target vessel of JSNS

直江 崇; 勅使河原 誠; 涌井 隆; 木下 秀孝; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 二川 正敏

Journal of Nuclear Materials, 450(1-3), p.123 - 129, 2014/07

 被引用回数:6 パーセンタイル:42.58(Materials Science, Multidisciplinary)

J-PARCの核破砕中性子源施設では水銀ターゲットシステムを採用している。SUS316L製の水銀ターゲット容器は高強度の陽子及び中性子に曝される。特に、水銀と接する容器内壁は、圧力波によって励起されるキャビテーションによる損傷を受ける。2011年3月の東日本大震災の影響により、水銀ターゲット容器の一部が故障したため、2011年11月にこれを新しい容器に交換した。このとき、使用済みのターゲット容器先端部をホールソーを用いて切り出し、内部に形成されているキャビテーション損傷及び水銀流動によるエロージョンを観察した。その結果、構造健全性に影響を与えるような流動によるエロージョンは観測されなかった。また、ターゲット容器内壁中心部及び15mm程度離れた位置に、キャビテーションによる損傷が集中している箇所が見られた。詳細な分析の結果、中心部では、深さ約250$$mu$$mの損傷が形成されていることが明らかとなった。

論文

Recent progress of pulsed spallation neutron source in J-PARC

高田 弘; 羽賀 勝洋; 明午 伸一郎; 達本 衡輝; 春日井 好己; 二川 正敏

Proceedings of 11th International Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerators (AccApp '13), p.154 - 158, 2014/05

J-PARCのパルス核破砕中性子源施設では顕著な進捗が得られている。1つは、水銀ターゲットに生成され、入射による熱付与によって水銀ターゲット内に発生し、容器内壁に大きな損傷を与える要因となる圧力波を、水銀に微小気泡を注入することによって低減した。これは、新しいその場診断システムであるレーザードップラー振動計を用いて、微小気泡の注入によって圧力波が確実に低減されたことを確認した。また、超臨界の低温水素システムでは、ヘリウム循環系に残留する不純物を除去するための外部精製器を導入し、その結果、95日の運転後でも熱交換器における圧力損失を数kPa程度に抑制することができた。さらに、低温水素システムにサンプリングラインを設け、水素ガスを抽出できるようにした。ラマン分光分析を行った結果、運転中にパラ水素が100%の割合を占めることを確認し、これによってモデレータで発生させた中性子は、その強度やパルス波形が長期の運転中も変わらないこと示した。

論文

高出力水銀ターゲットの開発; マイクロバブルによる圧力波の抑制

羽賀 勝洋

四季, 19, P. 4, 2013/06

J-PARCの中性子源施設では、世界最高強度の中性子性能を目指すうえで、大強度陽子線が水銀標的に入射したときに発生する圧力波に対する構造健全性をいかに保つかが最重要課題である。これまでの研究により、水銀標的で半径数十$$sim$$数百ミクロンの微小気泡を水銀にわずかに混合させることにより、水銀中の衝撃波をクッションのように受け止め、圧力波の衝撃力を低減できることがわかっている。そこで、新たに気泡生成器の研究・開発を進めた結果、これまで困難と考えられていた水銀中での微小気泡生成を可能とするスワール型気泡生成器の開発に成功し、これを内蔵した水銀ターゲットを製作した。また、最先端マイクロ加工技術を駆使し、光が入射方向に反射する再帰性ミラーを製作して水銀標的に設置し、レーザー光によるその場衝撃応答計測を可能とした。これらの成果により、実機水銀標的の運転状態において、世界で初めて微小気泡注入による圧力波の低減効果を実証するとともに、300kWの高出力運転と世界最大強度の中性子発生を達成した。

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