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中島 邦久; 西岡 俊一郎*; 鈴木 恵理子; 逢坂 正彦
Mechanical Engineering Journal (Internet), 7(3), p.19-00564_1 - 19-00564_14, 2020/06
軽水炉シビアアクシデント時、ステンレス鋼(SS304)に化学吸着したセシウム量を推定するために、セシウム化学吸着モデルが構築されている。しかし、既存の化学吸着モデルは、実験結果をうまく再現することができていない。そのため、本研究では、化学反応を伴う気液系の物質移動理論(浸透説)や気相固相界面における水酸化セシウム(CsOH)の分解反応に対する質量作用の法則を組合せることで、SS304中のケイ素濃度や気相中の水酸化セシウム濃度の影響を考慮したモデルを構築した。その結果、既存モデルを用いた場合よりも、本研究で得られた修正モデルの方が、実験データをより正確に再現できることが分かった。
三輪 周平; 中島 邦久; 宮原 直哉; 西岡 俊一郎; 鈴木 恵理子; 堀口 直樹; Liu, J.; Miradji, F.; 井元 純平; Afiqa, B. M.; et al.
Mechanical Engineering Journal (Internet), 7(3), p.19-00537_1 - 19-00537_11, 2020/06
軽水炉シビアアクシデントのための核分裂生成物(FP)化学挙動データベースECUMEを構築した。現状のECUMEには、セシウム(Cs)-ヨウ素(I)-ホウ素(B)-モリブデン(Mo)-酸素(O)-水素(H)系の気相化学反応計算のための化学反応とその速度定数のデータセット、炉内構造材であるステンレス鋼とCs蒸気種との高温化学反応モデル、これらの化学反応で重要となるCsBO、Cs
Si
O
及びCsFeSiO
の熱力学データが収納されている。これらのECUMEを用いることにより、特に福島第一原子力発電所事故におけるCs分布で重要となるBWR制御材Bやステンレス鋼の化学的な影響を実態に即した条件により評価でき、炉内のCs分布の予測が可能となる。
三輪 周平; 高瀬 学; 井元 純平; 西岡 俊一郎; 宮原 直哉; 逢坂 正彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(3), p.291 - 300, 2020/03
被引用回数:10 パーセンタイル:66.26(Nuclear Science & Technology)BWR重大事故における制御材ホウ素の移行挙動を、セシウム及びヨウ素に与える化学的影響の観点から評価するため、高温領域を移行するホウ素の化学挙動を実験的に調べた。核分裂生成物放出移行再現実験装置を用いて水蒸気雰囲気にて酸化ホウ素試料の加熱実験を実施した。放出した酸化ホウ素蒸気は1,000K以上においてステンレス鋼への凝集により多量に沈着した。さらに、この酸化ホウ素の沈着物、もしくはホウ素蒸気種とステンレス鋼が1,000K以上において反応することで、安定な鉄-ホウ素の複合酸化物(FeO)BO
化合物を形成することが分かった。この結果は、重大事故時において、破損したBWR制御ブレードから放出されるホウ素は圧力容器内等の高温領域に保持されることを示している。このことから、セシウム蒸気がホウ素の沈着物と反応することで低揮発性のホウ酸セシウム化合物を形成し、圧力容器から低温領域に移行するセシウム蒸気が減少することなどが可能性として考えられる。
西岡 俊一郎; 中島 邦久; 鈴木 恵理子; 逢坂 正彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(11), p.988 - 995, 2019/11
被引用回数:14 パーセンタイル:77.49(Nuclear Science & Technology)シビアアクシデント(SA)解析コードで用いられているCs化学吸着モデルの改良に資する知見取得のため、セシウムの鋼材への化学吸着挙動に影響を与える化学的要因(温度・雰囲気・関係する元素のの濃度など)を実験的に評価した。その結果、既存のCs化学吸着モデルで使用されている表面反応速度定数が、既に知られている温度依存性だけでなく、雰囲気,気相中の水酸化セシウム(CsOH)濃度、SUS304中に含まれるケイ素(Si)濃度にも影響を受け、Cs化学吸着モデルの改良においてはこれらの化学的要因を考慮すべきであることがわかった。加えて、873K程度の比較的低温での化学吸着においてはCs-Fe-O化合物が主な化合物として生成し、Cs-Si-Fe-Oが主に生成する1073K以上の化学吸着とは挙動が異なることがわかった。
中島 邦久; 西岡 俊一郎; 鈴木 恵理子; 逢坂 正彦
Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 8 Pages, 2019/05
軽水炉シビアアクシデント時、ステンレス鋼(SS304)に化学吸着したセシウム量を推定するために、セシウム化学吸着モデルが構築されている。しかし、既存の化学吸着モデルは、実験結果をうまく再現することができていない。本研究では、化学反応を伴う気液系の物質移動理論(浸透説)を用いて既存モデルを修正することで、気相中の水酸化セシウム濃度やSS304中のケイ素濃度の影響を考慮したモデルを構築した。その結果、既存モデルを用いた場合よりも、本研究で得られた修正モデルの方が、実験データをより正確に再現できることが分かった。
三輪 周平; 宮原 直哉; 中島 邦久; 西岡 俊一郎; 鈴木 恵理子; 堀口 直樹; Liu, J.; Miradji, F.; 井元 純平; Afiqa, B. M.; et al.
Proceedings of 27th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-27) (Internet), 8 Pages, 2019/05
軽水炉シビアアクシデントのための核分裂生成物(FP)化学挙動データベースECUMEの初版を構築した。ECUMEの初版には、セシウム(Cs)-ヨウ素(I)-ホウ素(B)-モリブデン(Mo)-酸素(O)-水素(H)系の気相化学反応計算のための化学反応とその速度定数のデータセット、ステンレス鋼とCs蒸気種との高温化学反応モデル、CsBO、Cs
Si
O
及びCsFeSiO
の熱力学データが収納されている。これらのECUMEを用いることにより、特に福島第一原子力発電所事故におけるCs分布で重要となるBWR制御材Bやステンレス鋼の化学的な影響を評価でき、炉内のCs分布をより正確に予測することが可能となる。
鈴木 恵理子; 高瀨 学; 中島 邦久; 西岡 俊一郎; 橋本 直幸*; 磯部 繁人*; 逢坂 正彦
Proceedings of International Topical Workshop on Fukushima Decommissioning Research (FDR 2019) (Internet), 4 Pages, 2019/05
比較的低温域におけるCs化学吸着挙動に係る知見取得のため、873及び973Kにおけるステンレス鋼へのCs化学吸着試験を行い、Cs化学吸着生成物及び反応速度定数等を調査した。その結果、873Kではセシウムフェレートが、973Kではセシウムフェレート及びセシウムシリケートが生成した。また、873973Kにおける反応速度定数は、比較的高温域における反応速度定数とは異なる温度依存性を示すことが分かった。これらの結果から、低温域におけるCs化学吸着モデルを新たに構築する必要があることが示された。
Miradji, F.; 鈴木 知史; 西岡 俊一郎; 鈴木 恵理子; 中島 邦久; 逢坂 正彦; Barrachin, M.*; Do, T. M. D.*; 村上 健太*; 鈴木 雅秀*
Proceedings of 9th Conference on Severe Accident Research (ERMSAR 2019) (Internet), 21 Pages, 2019/03
Under the scope of analyses of Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F) Severe Accident (SA), estimation of Cs distribution, especially localization in the upper part of the core, has large uncertainties partly caused by the current implemented Cs-chemisorption models in SA analysis codes. This is in part due to the scarce knowledge related to Cs chemisorption mechanisms onto structure surfaces. The objective of this work is, therefore, to improve Cs chemisorption models by consolidation and extension of knowledge in the chemical process of Cs chemisorption. In this study, we will present in the first part experimental tests for grasping the phenomenology of Cs chemisorption onto stainless steel (SS) surfaces under reproductive conditions of 1F SA. The chemical factors involving in the Cs chemisorption process were investigated and implemented in an improved Cs chemisorption model based on a mass transfer theory. The second part of the study will discuss further improvement of built Cs chemisorption model to take into account revaporizaton process of Cs chemisorbed species. For such improvement, the thermodynamic properties of all possible Cs-(Fe)-Si-O chemisorbed species were provided using first-principles calculations. In the last part of the study, chemical equilibrium calculations were conducted to evaluate the relative stability of possible Cs-(Fe)-Si-O chemisorbed species in SA conditions.
西岡 俊一郎; 中島 邦久; Miradji, F.; 鈴木 恵理子; 逢坂 正彦
no journal, ,
実験により得られたステンレス鋼へのCsの吸着速度の温度・雰囲気依存性について、物質移動モデルを用いた解析を行い、気相中のCs濃度等が吸着速度に影響を与えることを明らかにした。
鈴木 晶大*; 伊東 賢一*; 西岡 俊一郎; 逢坂 正彦
no journal, ,
高温で蒸発させたCsとSiを、高温水蒸気気相中で反応・凝固させることにより、Cs, Siを含む数ミクロンの球形粒子が生成することがわかった。これにより、環境で確認された不溶性セシウム粒子(タイプA球状粒子)が高温気相中の反応・凝固プロセスによって生成する可能性を検証した。
西岡 俊一郎; 中島 邦久; 鈴木 恵理子; 井元 純平; 逢坂 正彦
no journal, ,
シビアアクシデント(SA)時に鋼材などの構造材に付着したCsの経年変化挙動評価に資するため、各種Cs化合物の吸湿による変性挙動に関する基礎データを取得した。吸湿性はCsの化学形によって大きく異なることが分かった。
Afiqa, B. M.; 中島 邦久; 西岡 俊一郎; 三輪 周平; 逢坂 正彦
no journal, ,
福島第一原子力発電所の事故においては、Srは揮発性SrClを生成し、燃料からの放出が促進され、またSrとジルカロイ等の炉内構造材が化学反応を生じた可能性がある。そこで、このような化学挙動を解明するため、生成した可能性のあるSr化合物とジルカロイとの化学的相互作用を調査した。この結果、SrCl
は1273Kではジルカロイと直接反応しないことがわかった。
鈴木 恵理子; 高瀨 学; 中島 邦久; 西岡 俊一郎; 逢坂 正彦
no journal, ,
軽水炉シビアアクシデント(SA)時の炉内のCs分布・性状評価において重要なステンレス鋼へのCs化学吸着挙動について、これまでの調査よりも比較的低温である600C付近の挙動の実験的研究を行った。その結果、Cs化学吸着によりCs-Fe-O化合物が生成し、Cs-Si-(Fe)-O化合物が生成する800
C以上の高温域とは異なる化学反応が生じる可能性が示唆された。
Do, Thi-Mai-Dung*; Nhut, V. L.*; 村上 健太*; 末松 久幸*; 中島 邦久; 西岡 俊一郎; 鈴木 恵理子; Miradji, F.; 逢坂 正彦
no journal, ,
Arガス雰囲気中600150
CにおけるCs
MoO
とコンクリートの相互作用について調査した。この温度範囲においてCs
MoO
エアロゾルとコンクリートとの反応は見られなかったが、Cs
MoO
が吸湿特性により液体になり、コンクリート内部に拡散する挙動がみられた。
中島 邦久; 西岡 俊一郎; 鈴木 恵理子; Miradji, F.; 逢坂 正彦
no journal, ,
原子炉圧力容器(RPV)の上部に局在した放射性セシウム(Cs)の放射線は、特に、燃料デブリの取出しをRPVの上部からアクセスする方法で行う場合、大きな懸念材料の一つになっている。RPV内のCs分布を推定するためにCs化学吸着モデルが開発され現行のシビアアクシデント解析コードに組み込まれているが、この化学吸着モデルでは正確に実験結果を再現することができていない。本研究では、Cs化学吸着挙動に影響を与える主要な因子を明らかにし、これらの因子を考慮したCs化学吸着モデルを構築した。その結果、本モデルでは、我々の実験結果だけでなく既存の化学吸着モデルを構築する際に用いた実験結果もうまく再現できることが分かった。
鈴木 恵理子; 中島 邦久; 西岡 俊一郎*; 三輪 周平; 堀口 直樹; 井元 純平; Liu, J.; 唐澤 英年; 逢坂 正彦
no journal, ,
核分裂生成物化学挙動データベースECUMEEの要素モデルセットには、シビアアクシデント解析コードへ組み込み可能なモデルを収納しており、多様な化学条件を考慮できることに特徴を有する。改良したステンレス鋼へのセシウム化学吸着モデルでは、気相中セシウム濃度やステンレス鋼中ケイ素濃度の影響を考慮でき、セシウムの炉内高温領域分布のより正確な評価に資する。
井元 純平; 西岡 俊一郎*; 中島 邦久; 鈴木 恵理子; 逢坂 正彦
no journal, ,
福島第一原子力発電所において水蒸気の壁面凝縮等により圧力容器上部構造材へ化学吸着したCsが溶出される場合、この溶出したCsは水相を介した長期的なソースタームの1つとなる可能性がある。そこで、この溶出挙動を明らかにするため、ステンレス鋼に化学吸着させたCsの室温における水への最長50日間の溶出試験を実施した。その結果、ステンレス鋼に化学吸着したCsは長期間においても水に微量に溶出し続けることが分かり、長期的なソースタームの1つになり得ることが示唆された。
中島 邦久; 鈴木 恵理子; 西岡 俊一郎*; 三輪 周平; 堀口 直樹; 井元 純平; Liu, J.; 唐澤 英年; 逢坂 正彦
no journal, ,
核分裂生成物化学挙動データベースECUMEの熱力学データセットには、実験等により新たに検出されたセシウムとホウ素やケイ素との化合物等の熱力学データを収納している。これにより、炉内高温領域におけるセシウム化合物の化学形態や割合、鋼材に化学吸着したセシウムの再蒸発挙動をより正確に評価することが可能となる。ECUMEをシビアアクシデント解析コード等へ適用することにより、核分裂生成物の放出移行挙動に影響を及ぼす化学挙動を考慮できるようになり、ソースターム高度化への貢献が期待される。
西岡 俊一郎; 中島 邦久; 鈴木 恵理子; 逢坂 正彦
no journal, ,
シビアアクシデント解析コードによるセシウム分布の評価精度向上に寄与するため、セシウムの鋼材への吸着モデルを構築することを目的として、セシウムの鋼材への化学吸着量に影響する要因を実験的に検討した。その結果、吸着量へ与える主な要因は温度、雰囲気および鋼材中のシリコンの濃度であることがわかった。また、化学吸着による生成化合物の再蒸発の影響も示唆されたことから、モデル化においては、生成化合物の化学特性を考慮する必要があることがわかった。
中島 邦久; 鈴木 恵理子; 西岡 俊一郎; 逢坂 正彦
no journal, ,
福島第一原子力発電所(1F)廃炉に際して重要となる炉内のCs分布評価へ資するため、Csと鋼材との化学反応や反応生成物の化学特性を考慮した化学吸着モデルの構築を目的として、化学吸着挙動の実験的評価や反応生成物の化学特性の評価を進めている。最初のステップとして、現状のSAMPSON等のシビアアクシデント(SA)解析コードに組み込まれているモデルの再現試験による検証を行った。その結果、反応速度定数は、Ar-H還元雰囲気では既存モデルのように温度と共に単調増加せず、800
Cよりも1000
Cで吸着量が低下した。一方、水蒸気を含んだAr-H
-H
O雰囲気下では1Fで想定される高い気相中のCs濃度の条件下では低下傾向を示したことから、雰囲気や気相中のCs濃度の影響も考慮できる化学吸着モデルが必要であることが分かった。