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阿蘇 星侑*; 松尾 拓紀*; 米田 安宏; 森川 大輔*; 津田 健治*; 大山 研司*; 石垣 徹*; 野口 祐二*
Physical Review B, 111(17), p.174114_1 - 174114_12, 2025/05
高分解能放射光X線・中性子回折、収束電子線回折、密度汎関数理論(DFT)計算を組合せた解析により、Ca修飾NaNbOと非ドープNaNbO
の結晶構造、phase転移、相安定性を調べた。その結果、Ca修飾によって反強誘電体(AFE)-
相が200Kから800Kの広い温度範囲で安定化されること、NaNbO
は格子膨張を伴う温度誘起等方圧によって安定化されるのに対し、Ca修飾NaNbO
は格子収縮を伴う組成誘起化学圧力によって安定化されることが示された。
米田 安宏; 小林 徹; 辻 卓也; 松村 大樹; 斎藤 祐児; 野口 祐二*
Japanese Journal of Applied Physics, 63(9), p.09SP12_1 - 09SP12_10, 2024/09
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)NaNbO、AgNbO
、KNbO
のABO
型ペロブスカイト系は良好な強誘電特性を持つことが知られている。我々は局所構造解析により各原子のラットリング空間を直接決定した。この解析により、大きな揺らぎを持つ結合サイトがイオンサイズの変化によって変化することを明らかにした。軟X線吸収分光法を含む実験から、Aサイトイオンは酸素と混成していることがわかった。
米田 安宏; 小林 徹; 辻 卓也; 松村 大樹; 斎藤 祐児; 野口 祐二*
Japanese Journal of Applied Physics, 62(SM), p.SM1006_1 - SM1006_8, 2023/11
被引用回数:4 パーセンタイル:50.15(Physics, Applied)BiNa
TiO
BaTiO
(BNT
BT)固溶体は良い圧電特性を示すため多くの研究が行われてきた。また、BT組成に応じてバラエティーに富んだ相が観測される。BNT
BT固溶体の軟X線吸収分光実験と高エネルギーX線回折実験を放射光を利用して行った。得られたBNT
BT固溶体の電子構造と局所構造から、BTの置換効果は主にBaの置換サイトであるAサイトで起こっていることがわかった。BT組成の変化に対してTiO
八面体の菱面体晶ひずみは変化しておらず、O-K吸収端で生じた電子構造の変化は混成状態の変化であると考えられる。
米田 安宏; 野口 祐二*
Japanese Journal of Applied Physics, 60(SF), p.SFFA08_1 - SFFA08_10, 2021/11
被引用回数:5 パーセンタイル:30.79(Physics, Applied)BiNa
TiO
(略称、BNT)は)は非鉛材料でありながら比較的大きな圧電特性を示すため、多くの研究が行われてきた。我々は化学量論的に正しい組成を持つ高品位BNTを用いて局所構造解析を行い、Bi/Naの局所的なオーダー構造を見出した。BNTは400
Cで常誘電体相へと相転移するが、高温相において、新たなdisorder構造が高温相で出現すると考えた。そこで、高温相において、放射光高エネルギーX線を用いた2体相関分布関数(PDF)解析を行った。その結果、BNTは200
CからBiがシフトし、このシフト量が相転移のオーダーパラメーターとなってることを見出した。
米田 安宏; 谷口 博基*; 野口 祐二*
Journal of Physics; Condensed Matter, 33(3), p.035401_1 - 035401_8, 2021/01
被引用回数:4 パーセンタイル:22.53(Physics, Condensed Matter)放射光高エネルギーX線回折実験を用いて、リラクサーPb(MgNb
)O
(PMN)のナノスケール構造解析を行った。PMNはよく知られたリラクサー強誘電体であるが、平均構造が立方晶構造であることから、強誘電性のミクロ構造を説明するために種々のモデルが提案されてきた。我々は2体相関分布関数法(pair distribution function, PDF)を使って20nmまでの広いレンジの局所構造解析を行った。
米田 安宏; 野口 祐二*
Japanese Journal of Applied Physics, 59(SP), p.SPPA01_1 - SPPA01_7, 2020/11
被引用回数:23 パーセンタイル:73.77(Physics, Applied)放射光全散乱を利用してBiNa
TiO
(BNT)のナノスケール構造解析を行った。BNTは脱分極温度が低いという問題があるものの、非鉛で優れた圧電特性を持つ物質として期待されている。脱分極はリラクサー同様の散漫的な振る舞いであるため、局所構造解析が必要である。局所構造解析によって化学量論的不均一性と構造不均一性の両方を明らかにした。特に局所構造領域においてはTiのランダムネスが構造の平均化を強く促進していることがわかった。
米田 安宏; 谷口 博基*; 北中 佑樹*; 野口 祐二*
Ferroelectrics, 538(1), p.57 - 62, 2019/05
被引用回数:5 パーセンタイル:22.69(Materials Science, Multidisciplinary)チタン酸鉛の高エネルギーX線回折実験を行った。回折データから2体相関分布関数(PDF)を用いて局所構造解析を行った。高温相の立方晶相では平均構造からのズレが確認された。平均構造から逸脱した鉛原子は周囲の鉛で独自のPb-O-Pbネットワーク構造を形成していることを示した。
米田 安宏; 小原 真司*; 野口 祐二*; 宮山 勝*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 40(1), p.29 - 32, 2015/03
積層型セラミッックコンデンサとして広く用いられている強誘電体材料のチタン酸バリウム(BaTiO)は特性向上のための添加物ドーピングが研究されている。特にマンガン(Mn)はBaTiO
の特性を大きく向上させる添加物として重要である。しかしながらMnは酸素欠損などの周囲の状況によって、その働きが大きく異なるため、Mn添加効果を正しく評価することは困難であった。しかしながら近年、酸素空孔がコントロール可能な作成法が実現し、Mnの添加効果を正確に評価できるサンプルが入手できるようになった。そこで、BaTiO
にドープされたMnの価数をX-ray absorption fine structure (XAFS)を用いて決定し、添加物効果がもたらす構造変化を2体相関分布関数法を用いて検討した。その結果、MnはTiと同じ4価でドープされMn添加は局所構造に大きな影響を与えていることがわかった。
松浦 直人*; 飯田 裕之*; 廣田 和馬*; 大和田 謙二; 野口 祐二*; 宮山 勝*
Physical Review B, 87(6), p.064109_1 - 064109_10, 2013/02
被引用回数:30 パーセンタイル:73.50(Materials Science, Multidisciplinary)(BiNa
)TiO
においては600K付近を最大とする誘電率の緩やかな温度変化の他、それに伴う圧電効果の減少が脱分極温度460K-480Kより上で観測される。その起源を中性子散乱を用いて調べた。その結果、
点近傍で強く過減衰したwater-fall的ソフトフォノンが脱分極温度付近で観測されたほか、M点においては誘電率の温度依存性に対応する温度依存性を持つ超格子反射が観測された。これらは、正方晶/菱面体晶相が共存するなかでの強誘電クラスターのダイナミックな性質、これらは脱分極やwater-fallを与える、が重要であることを示している。
米田 安宏; 北中 佑樹*; 野口 祐二*; 宮山 勝*
Physical Review B, 86(18), p.184112_1 - 184112_11, 2012/11
被引用回数:67 パーセンタイル:89.61(Materials Science, Multidisciplinary)今日の強誘電体材料においてマンガン添加はなくてはならない物質改善の手法である。しかし、その個々の物質の機能向上の機構は未だ十分にはわかっていない。そこで近年マルチフェロイック材料としても注目されているビスマスファライトを用いてマンガン添加による強誘電性機能向上のメカニズムを電子構造と局所構造の両面から調べた。特に添加したマンガンの価数がどうなっているかは、重要な問題で有りこれまで直接測定されたことはなかった。今回、われわれの測定によって強誘電性の向上が認められたビスマスフェライトに添加されたマンガンの価数は2価になっていることがわかった。これは予想を覆す結果であり、添加されたマンガンが2価となるためにはビスマスサイトからの電荷移動を考慮する必要がある。強誘電体であるビスマスフェライトに強相関的な振る舞いを見いだすことができた。
松尾 祥史*; 鈴木 宗泰*; 野口 祐二*; 吉村 武*; 藤村 紀文*; 吉井 賢資; 池田 直*; 森 茂生*
Japanese Journal of Applied Physics, 47(11), p.8464 - 8467, 2008/11
被引用回数:11 パーセンタイル:41.22(Physics, Applied)新規強誘電体LuFeO
の鉄サイト置換体LuFeCuO
を合成し、その誘電性と微細構造について調べた。室温における透過電子線回折によって観測された微細構造からは、ab面内に3倍周期を持つ、Fe
とCu
の長周期構造の存在が見いだされた。この構造は、LuFe
O
における鉄電荷秩序構造と類似しており、電気双極子を持つ。また、実空間像からは、5
10nm程度の小さなドメインが観測され、電気双極子を持つドメインが形成されていることを示す。誘電率測定からは、500K近傍で誘電率にピークが見られ、ピークにおける誘電率は1000程度であり、誘電体であることを観測した。講演では、酸素アニールによる誘電特性やドメイン構造の変化についても報告する。
喜多川 修二*; 堀部 陽一*; 吉井 賢資; 鈴木 宗泰*; 野口 祐二*; 西原 禎文*; 細越 裕子*; 森 茂生*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(1), p.27 - 30, 2008/03
BiFeO-BaTiO
混晶系の強誘電ドメイン構造について、透過電子顕微鏡測定及び磁化・誘電率測定によって調べた。BiFeO
においては大きな強誘電ドメインが観測されるが、25%BaTiO
を混ぜた0.75BiFeO
-0.25BaTiO
においては、ドメインサイズが20
30nm程度に小さくなることがわかった。さらにBaTiO
を増やした0.66BiFeO
-0.33BaTiO
では、局所的な歪場に起因するツイード的なパターンが観測された。さらに、広い領域の電子顕微鏡実空間像の観測から、強誘電ドメインの分布とその分極方向について議論した。
斎藤 光太郎*; 米田 安宏; 松尾 拓紀*; 野口 祐二*
no journal, ,
フェリ誘電相では優れた圧電性や誘電性に加え、電場誘起相転移に由来する巨大な電場誘起歪みが観測されている。(BiK
)TiO
-(Bi
Li
)TiO
(BKT-BLT)固溶体セラミックスを対象に、結晶構造解析による組成相境界の探索と分極特性の組成依存性の評価を行い、フェリ誘電相の有無とその物性について調査した。本研究により、BKT-BLT固溶体系において、
=8%近傍にフェリ誘電相が存在すること、この組成おいて特異的に高い比誘電率が得られることが明らかになった。
米田 安宏; 谷口 博基*; 北中 佑樹*; 野口 祐二*
no journal, ,
チタン酸鉛(PbTiO)は室温において大きなc/a比を持つ正方晶構造である。490
Cで常誘電体相へと相転移し、構造は立方晶へと変化する。しかしながら、常誘電体相への転移点直上では、中性子非弾性散乱によって依然として強誘電体のフォノンモードが観測されている。そこで、自発分極が反転可能な高品位の試料を用いて、高エネルギーX線回折実験を行い、室温から800
Cまで広い温度領域で構造解析を行った。短距離秩序構造解析を原子2対分布関数(atomic pair-distribution function: PDF)を用いて行った。PbTiO
の800
Cで観察された局所構造とリラクサーPb(Mg
Nb
)O
(PMN)の室温における局所構造を比較したところ、リラクサーPMNと同様のネットワーク構造がPbTiO
の高温相でも存在していると考えられる。
米田 安宏; 野口 祐二*
no journal, ,
チタン酸ビスマスナトリウム(BiNa
TiO
, BNT)は比較的大きな圧電特性を示すことから非鉛圧電体材料としての多くの研究が行われてきた。揮発性の高いビスマスやナトリウムを含む物質であることから焼成時に生成されるこれらの欠損によって化学両論的に正しいBNTを得ることが困難であった。近年の合成法の改良によって化学両論的な組成のBNTが得られるようになったため、改めて高品位のBNTを用いて構造解析を行った。局所構造解析の結果、高温領域ではビスマスが平均構造位置からシフトすることによって構造相転移を引き起こしていることがわかった。(論文アクセプト済)散漫成分はBragg反射に比べると微弱な散乱強度であるが、解析レベルのデータが得られているか評価する手法を考案したため、これについても報告する予定である。
野口 鈴之介*; 米田 安宏; 松尾 拓紀*; 野口 祐二*
no journal, ,
非鉛系ペロブスカイト型強誘電体であるBiNa
TiO
(BNT, 空間群: R3c)とBaTiO
(BT, 空間群: P4mm)の固溶体Bi
Na
Ba
TiO
(BNT-BT)は、モルフォトロピック相境界(MPB)を形成し、MPBにおいて優れた圧電性を示すことから注目されている。本研究では厳密組成制御を行ったBNT-BTセラミックスの作製と物性評価を行い、電場誘起相転移の制御及び電場印加前後の二次元相図の完成を目的とする。BNT-BT固溶体のセラミックスにおいて、MPB近傍かつAサイト空孔量が大きい組成でフェリ誘電P4bm相が安定化することがわかった。
福島 憲斗*; 米田 安宏; 松尾 拓紀*; 野口 祐二*
no journal, ,
非鉛系ペロブスカイト型強誘電体である(Bi,Na)TiO(菱面体晶R3c)は、正方晶P4mmの強誘電体[BaTiO
, (Bi,K)TiO
]とモルフォトロピック相境界(MPB)を形成し、MPBにおいて優れた圧電性を示すことから注目されている。MPB近傍でフェリ誘電性を示すP4bm相が存在することを明らかにしている。本研究では厳密組成制御を行った(Bi,Na)TiO
系固溶体セラミックスを作製し、その組成相図を明らかにして、分極特性の全貌を解明することを目的とする。BNT-BKTにおいてMPB組成近傍でフェリ誘電P4bm相が存在する。R3cとP4bmおよびP4bmとP4mmの相境界を特定した。
尾崎 友厚*; 西原 禎文*; 細越 裕子*; 徳永 将史*; 野口 祐二*; 宮山 勝*; 吉井 賢資; 森 茂生*
no journal, ,
マルチフェロイック酸化物BiFeOの特性向上を狙い、標記の混晶系を作成し、その構造と物性について調べた。電子線回折による観察からは、x=0.35付近の試料においては、磁気ナノドメインと強誘電ナノドメインが共存することがわかった。55Tまでの磁場下誘電率測定からは、明瞭な電気磁気効果は見られなかったため、磁性と誘電性の相関は強くないことがわかった。また、磁化測定からは、非対称な磁化-外部磁場曲線が得られた。これはミクト磁性と呼ばれる磁性のクラスター的な応答によるものであり、混結領域では磁性ナノドメインが存在していることを示唆している。その他の試料のデータも合わせ、この系の構造と物性の詳細について議論する。
阿蘇 星侑*; 米田 安宏; 松尾 拓紀*; 野口 祐二*
no journal, ,
反強誘電体は、高エネルギー貯蔵密度をもつ誘電体キャパシタへの応用が検討されている。NaNbOは、反強誘電性の分極秩序を持つことから、非鉛系反強誘電体として期待されている。NaNbO
のNa
を小さなCa
で置換することで正の化学圧力を導入することを試みた。電場印加前後で共に反強誘電P相に由来する超格子反射が現われ、可逆な電場誘起相転移が達成されていることが裏付けられた。
米田 安宏; 小林 徹; 辻 卓也; 斎藤 祐児; 松村 大樹; 阿蘇 星侑*; 野口 祐二*
no journal, ,
NaNbOとBi
Na
TiO
をベースとするペロブスカイト型強誘電体の放射光を用いた分光実験を行った。X線の侵入長の違いを利用して最表面、ナススケール領域、バルク領域の金属イオンの化学結合状態を得た。焼結体の最表面は蒸気圧の低いAサイトイオンが脱離しやすく、特にイオンサイズの大きいイオン種の脱離が顕著である。表面層における欠陥は焼結セラミックスのグレイン成長モードに寄与していると考えられる。