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論文

Benchmark study of DFT with Eu and Np M$"o$ssbauer isomer shifts using second-order Douglas-Kroll-Hess Hamiltonian

金子 政志; 渡邉 雅之; 宮下 直*; 中島 覚*

Hyperfine Interactions, 239(1), p.20_1 - 20_10, 2018/12

 パーセンタイル:100

fブロック化合物に対する密度汎関数計算の精度向上を目指し、$$^{151}$$Eu, $$^{237}$$Npメスバウアー異性体シフトを指標として、二次Douglas-Kroll-Hess(DKH2)ハミルトニアンを用いて相対論密度汎関数法のベンチマーク研究を行った。純粋な密度汎関数法による電子交換相互作用とHartree-Fockによる厳密な電子交換相互作用の混合パラメータを変えて、メスバウアー異性体シフトの実験値に対する平均二乗誤差を比較した。その結果、$$^{151}$$Eu, $$^{237}$$Npメスバウアー異性体シフトに対して、厳密な交換相互作用の割合が、それぞれ30, 60%のときに、平均二乗誤差が最小になることが明らかになった。

論文

On/off spin-crossover phenomenon and control of the transition temperature in assembled Iron(II) complexes

中島 覚*; 金子 政志; 吉浪 啓介*; 岩井 咲樹*; 土手 遥*

Hyperfine Interactions, 239(1), p.39_1 - 39_15, 2018/12

 パーセンタイル:100

本研究は、鉄二価集積型錯体のスピンクロスオーバー(SCO)のオン・オフ現象と転移挙動の制御について議論する。ビスピリジル型配位子で架橋した鉄二価集積型錯体のSCO現象が起こるか否かは、鉄原子周りの局所構造によって決定する。つまり、鉄原子を通して向き合っているピリジンがプロペラ型で配位しているときにSCO現象は起きるが、平行型または歪んだプロペラ型の場合起きない。これは、プロペラ型の場合、高スピン状態から低スピン状態への構造変化において立体障害がより小さく、鉄とピリジンがお互いに近づくことができることに起因する。さらに、局所構造を制御し、転移温度を変化するための試みとして、ビルディングブロックにメチル基や$$pi$$システムを導入した配位子の設計や、アニオン配位子の希釈効果についても議論する。

論文

Theoretical elucidation of Am(III)/Cm(III) separation mechanism with diamide-type ligands using relativistic density functional theory calculation

金子 政志; 鈴木 英哉; 松村 達郎

Inorganic Chemistry, 57(23), p.14513 - 14523, 2018/12

 パーセンタイル:100(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

マイナーアクチノイドの分離変換技術開発の一環として、アメリシウム(Am)とキュリウム(Cm)の分離が課題となっている。本研究では、AmとCmの分離メカニズム解明を目的として、異なる二つのジアミド型配位子であるジグリコールアミド(DGA)とアルキルジアミドアミン(ADAAM)によるAm/Cm選択性の違いを、密度汎関数計算を用いて解析した。モデル錯体として[M(DGA)$$_{3}$$]$$^{3+}$$と[M(ADAAM)(NO$$_{3}$$)$$_{3}$$(H$$_{2}$$O)]の分子構造探索、錯生成反応ギブズエネルギー計算を行った結果、DGA配位子のCm選択性とADAAM配位子のAm選択性を再現することに成功した。さらに、Am/CmとDGA/ADAAM配位子の化学結合解析を行った結果、結合解離エネルギーの差がAm/Cm選択性の違いに影響を及ぼしており、f軌道電子の共有結合性の違いがAmとCmの分離メカニズムの一因であることが示唆された。

論文

Computational chemical analysis of Eu(III) and Am(III) complexes with pnictogen-donor ligands using DFT calculations

木村 太己*; 金子 政志; 渡邉 雅之; 宮下 直*; 中島 覚*

Dalton Transactions, 47(42), p.14924 - 14931, 2018/11

 パーセンタイル:100(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

マイナーアクチノイド(MA)と希土類の分離メカニズム解明を目的として、密度汎関数計算を用いたEu(III)もしくはAm(III)とニクトゲンドナー(X)配位子(CH$$_{3}$$)$$_{2}$$X-CH$$_{2}$$-CH$$_{2}$$-X(CH$$_{3}$$)$$_{2}$$ (X=窒素,リン,ヒ素,アンチモン)との錯体に対する計算化学解析を試みた。配位子との錯体生成ギブズエネルギーを解析した結果、リンドナー配位子がEu(III)と比較してAm(III)と安定に錯体を生成することが示唆された。金属(Eu(III)もしくはAm(III))とニクトゲンドナーとの化学結合を解析した結果、Am(III)とリンとの共有結合性が他のニクトゲンに比べて高く、リンドナー配位子が高いAm(III)選択性を有することが示唆された。

論文

Variation of half-life and internal-conversion electron energy spectrum between $$^{235m}$$U oxide and fluoride

重河 優大*; 笠松 良崇*; 安田 勇輝*; 金子 政志; 渡邉 雅之; 篠原 厚*

Physical Review C, 98(1), p.014306_1 - 014306_5, 2018/07

 パーセンタイル:100(Physics, Nuclear)

$$^{235m}$$Uの半減期は化学的環境に依存して変化することが報告されており、本研究では、初めて$$^{235m}$$Uの半減期と内部転換電子エネルギー分光を同一化学的環境下で測定することに成功した。$$^{235m}$$Uの酸化物とフッ化物の試料について測定を行った結果、酸化物に比べフッ化物の半減期は短くなることが観測された。密度汎関数法を用いて内部転換電子エネルギースペクトルのピークを帰属した結果、価電子の化学結合特性の違いが半減期の変化に影響を与えていることが示唆された。

論文

Correlation between Am(III)/Eu(III) selectivity and covalency in metal-chalcogen bonds using density functional calculations

金子 政志; 渡邉 雅之

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 316(3), p.1129 - 1137, 2018/06

 被引用回数:4 パーセンタイル:4.12(Chemistry, Analytical)

マイナーアクチノイドとランタノイドの分離メカニズムを理解することを目的として、カルコゲンをドナーとして持つ配位子N(EPMe$$_{2}$$)$$_{2}$$$$^{-}$$ (E = O, S, Se, Te)によるAm(III)イオンとEu(III)イオンの選択性を密度汎関数法によって予測した。単結晶構造に基づいて錯体をモデル化し、錯生成による金属イオンの安定化エネルギーを見積もった。その結果、OドナーはAm(III)イオンよりもEu(III)イオンと選択的に錯生成し、S, Se, TeドナーはEu(III)イオンよりもAm(III)イオンと選択的に錯生成する結果となった。この傾向は、HSAB則におけるソフト酸の分類と一致した。金属とカルコゲンの化学結合解析の結果、Am(III)イオンのf軌道との共有結合性が高いドナーほど、Am(III)イオンに対する選択性が高くなることを示唆した。

論文

Estimation of $$Delta$$${it R}$/${it R}$ values by benchmark study of the M$"o$ssbauer Isomer shifts for Ru, Os complexes using relativistic DFT calculations

金子 政志; 安原 大樹*; 宮下 直*; 中島 覚*

Hyperfine Interactions, 238(1), p.36_1 - 36_9, 2017/11

 パーセンタイル:100

Ru, Os錯体の結合状態に対する密度汎関数計算の妥当性を評価することを目的として、$$^{99}$$Ru, $$^{189}$$Osのメスバウアー異性体シフト実験値を用いて理論計算手法のベンチマークを行った。結果、Ru錯体およびOs錯体の原子核位置での電子密度の計算値はメスバウアー異性体シフト実験値とよく相関した。

論文

Bonding study on trivalent europium complexes by combining M$"o$ssbauer isomer shifts with density functional calculations

金子 政志; 渡邉 雅之; 宮下 直*; 中島 覚*

Radioisotopes, 66(8), p.289 - 300, 2017/08

Eu錯体の配位結合におけるf電子の役割を理解することを目的として、相対論密度汎関数計算をEu(III)錯体に適用した。既報の$$^{151}$$Euメスバウアー異性体シフト実験値とEu原子核位置での電子密度計算値の線形性を比較することによって、B2PLYP理論がメスバウアー異性体シフトを最もよく再現することが分かった。また、分子軌道に基づく電子密度の解析によって、d及びf電子が配位結合に大きく関与していることを明らかにした。

論文

メスバウアー分光パラメータと密度汎関数法を用いたd,fブロック錯体の結合状態研究

金子 政志

放射化学, (35), p.36 - 39, 2017/03

2016年日本放射化学会賞・奨励賞受賞者の受賞対象研究を紹介した解説記事である。メスバウアー分光パラメータと密度汎関数計算を用いて、鉄錯体のスピン相転移現象やランタノイド・アクチノイドの分離メカニズムを明らかにした研究成果について解説を行った。

論文

Roles of d- and f-orbital electrons in the complexation of Eu(III) and Am(III) ions with alkyldithiophosphinic acid and alkylphosphinic acid using scalar-relativistic DFT calculations

金子 政志; 渡邉 雅之; 宮下 直*; 中島 覚*

Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences (Internet), 17, p.9 - 15, 2017/03

金属イオンの原子価軌道の結合特性の観点から、密度汎関数計算をOドナーであるホスフィン酸とSドナーであるジチオホスフィン酸によるEu(III), Am(III)イオンの錯形成反応に適用した。Sドナー錯体として二つ、Oドナー錯体として四つの幾何異性体の構造最適化を行い、[M(H$$_{2}$$O)$$_{9}$$]$$^{3+}$$に対する錯形成による安定化エネルギーを見積もった。その結果、Oドナー配位子はEu(III)イオンに選択的に配位し、Sドナー配位子はAm(III)イオンに選択的に配位し、実験のAm/Eu選択性を再現した。d,f軌道電子の結合性に着目すると、d軌道電子の結合性に対する寄与はEu, Am錯体のどちらにおいても結合的な特性を持ち、同じ寄与を示した。一方、f軌道電子の寄与は、Eu, Am錯体間で異なり、Sドナー錯体の場合、Euの4f電子は非結合的、Amの5f電子は結合的に振舞うのに対し、Oドナー錯体では、Euの4f電子は結合的、Amの5f電子は反結合的に振舞うことが分かった。この結果から、d軌道電子の結合性は、Eu, Am錯体構造の類似性に、また、f軌道電子の結合性は、Eu, Amイオンの選択性の相違性に起因することが示唆された。

論文

A Spin-crossover phenomenon depending on the environment around an iron atom for the assembled coordination polymers

中島 覚*; 金子 政志

Advances in Chemistry Research, Vol.36, p.171 - 195, 2017/01

集積型配位高分子のスピンクロスオーバー(SCO)現象について紹介する。1,2-ビス(4-ピリジル)エタンや1,3-ビス(4-ピリジル)プロパンのように構造異性体を有する架橋配位子を用いた場合、多様な集積構造が得られる。SCO現象は、集積型錯体のゲスト吸脱着に依存することを明らかにした。その原因を明らかにするため、密度汎関数法を適用し、SCOが起こるか否かが鉄イオン周りの局所構造に依存することを見出した。

論文

原子の手の長さを測る

金子 政志

現代化学, (549), P. 11, 2016/12

本稿は、原子サイズを計算化学的手法を用いて測量した論文(R. Hoffmannほか、Chem. Eur. J., 22, doi: 10.1002/chem.201602949)を学部生向けに解説したものである。原子サイズの見積もりは、相対論密度汎関数法によって行われており、希ガス元素やdブロック元素の原子半径に対する議論を扱った。

論文

The Separation mechanism of Am(III) from Eu(III) by diglycolamide and nitrilotriacetamide extraction reagents using DFT calculations

金子 政志; 渡邉 雅之; 松村 達郎

Dalton Transactions, 45(43), p.17530 - 17537, 2016/11

AA2016-0311.pdf:1.49MB

 被引用回数:13 パーセンタイル:13.47(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

マイナーアクチノイドとランタノイドのドナーの違いによる分離メカニズムの違いを理解することを目的として、相対論密度汎関数計算をジグリコールアミド(DGA)およびニトリロトリアセトアミド(NTA)を用いたAm(III)/Eu(III)分離挙動研究に適用した。先行研究に基づいて錯生成反応をモデル化し、錯生成による金属イオンの安定化に基づく熱力学エネルギーを計算した。その結果、DGA試薬はAm(III)イオンよりもEu(III)イオンと好んで錯生成するのに対し、NTA試薬はEu(III)イオンよりもAm(III)イオンと選択的に錯生成することを示唆し、Am(III)/Eu(III)選択性を再現した。Mulliken密度解析により、Amのf軌道電子と供与原子との結合特性の寄与の差異が、Eu, Am錯体の相対的な安定性を決定づけることを示唆した。

口頭

超アクチノイド元素シーボーギウム(Sg)の還元にむけた同族元素MoとWの電解還元

豊嶋 厚史; 宮下 直*; 大江 一弘*; 北山 雄太*; Lerum, H. V.*; 後藤 尚哉*; 金谷 佑亮; 小森 有希子*; 水飼 秋菜*; Vascon, A.; et al.

no journal, , 

超重元素研究グループでは、超アクチノイド元素シーボーギウム(Sg)の還元実験に向けた準備実験を進めている。本研究では、Sgの同族元素である$$^{93m}$$Moならびに$$^{176}$$Wを用い、これらを電解還元した後、溶媒抽出分離が可能な溶液条件を探索した。原子力機構タンデム加速器施設において$$^{93m}$$Moならびに$$^{176}$$Wを生成した。これらをHe/KClガスジェット法により化学室まで搬送し、3分間捕集した後、数百$$mu$$Lの硫酸水溶液あるいは硫酸と過塩素酸の混合水溶液に溶解した。これを0.4Vから-1.4Vまでの電圧(vs. Ag/AgCl参照電極)を印加したフロー電解カラムに導入した後、溶出液を収集した。さらにこの溶出液をトリイソオクチルアミン(TOA)-トルエン溶液と混合して1分間振とうした後、30秒間遠心分離した。その後、両相から同量分取して$$gamma$$線を測定し、分配比Dを評価した。硫酸/過塩素酸水溶液で電解還元し、0.2M TOAへ抽出した場合、MoのD値は-0.4 V以下で急激な減少を示す一方、WのD値は変化しなかった。このような変化は他の分離条件においても観測されており、WがMoに比べて還元され難いことを示している。討論会では、他の電解条件や抽出条件についても報告する。

口頭

Developments towards aqueous phase chemistry of transactinide elements

豊嶋 厚史; 大江 一弘*; 浅井 雅人; Attallah, M. F.*; 後藤 尚哉*; Gupta, N. S.*; 羽場 宏光*; 金子 政志*; 金谷 佑亮; 笠松 良崇*; et al.

no journal, , 

シーボーギウム(Sg)より重い超アクチノイド元素は重イオン核反応で生成されるが、半減期が十秒以下であり、さらに生成率が低いため一時間に一原子しか生成できない。そのため、これらの元素の溶液化学的研究には迅速な化学分離を連続的に行うことができる分析装置が必要となる。本研究ではSgの化学研究に向け、ガスジェット搬送物を溶液に迅速溶解するために新たに開発したメンブレンデガッサー、酸化還元反応を制御するためのフロー電解カラム、そして連続溶媒抽出装置(SISAK)を連結して用い、Sgの軽同族元素であるMoならびにWの模擬実験を行った。学会ではこれらの開発状況について発表する。

口頭

Bonding investigation on some Europium(III) complexes by combining DFT calculation with $$^{151}$$Eu M$"o$ssbauer isomer shifts

金子 政志; 渡邉 雅之; 宮下 直*; 中島 覚*

no journal, , 

Eu錯体中のf軌道電子が共有結合性にどう関与するかを明らかにすることを目的としている。密度汎関数計算と$$^{151}$$Euメスバウアー異性体シフトを組み合わせることによって、計算によって得られた電子密度がEu錯体中の結合状態をよく再現することを示した。発表では、分子軌道に基づく結合重なり密度解析を用いて、Eu錯体中のf軌道の結合特性について議論する。

口頭

DGAおよびNTA抽出試薬のAm/Eu分離メカニズムに対する計算化学研究

金子 政志; 渡邉 雅之; 松村 達郎

no journal, , 

日本原子力研究開発機構では、分離変換技術の主要分離プロセスの開発の一環で、マイナーアクチノイド(MA)とランタノイド(Ln)の一括分離および相互分離試薬の開発を行ってきた。我々は、様々な抽出試薬によるMA/Ln分離メカニズムを分子レベルで明らかにすることにより、新規抽出試薬の分子設計を目指している。本研究では、ジグリコールアミド(DGA),ニトリロトリアセトアミド(NTA)のAm/Eu分離挙動を量子化学的手法である密度汎関数法を用いて分離メカニズムの解明にアプローチする。計算に用いた錯体モデルは、単結晶構造を参照し、DGAにおいて[M(DGA)$$_{3}$$]$$^{3+}$$、NTAにおいて[M(NTA)(H$$_{2}$$O)$$_{5}$$]$$^{3+}$$とした。水溶液中におけるDGA, NTAによる錯形成反応をM = Eu, Amで比較した。その結果、DGAではEuと安定に錯体を形成し、NTAでは逆にAmを選択する結果が得られ、実験によるAm/Eu分離挙動を再現した。

口頭

メスバウアー分光パラメータと密度汎関数法を用いたd,fブロック錯体の結合状態研究

金子 政志

no journal, , 

本発表は、"日本放射化学会・2016年奨励賞"受賞講演である。メスバウアー分光パラメータであるメスバウアー異性体シフトを用いて、密度汎関数法による金属錯体の結合状態に対する評価を最適化し、その手法をdブロック錯体およびfブロック錯体に適用した。dブロック錯体においては、鉄二価集積型錯体のスピンクロスオーバー・スイッチング挙動の妥当性を確認し、鉄周りの局所的な環境の変化がスピンクロスオーバー現象の起きるか否かを示唆した。fブロック錯体において、$$^{151}$$Eu, $$^{237}$$Npメスバウアー異性体シフトを用いて計算手法を最適化し、Am(III)/Eu(III)の錯形成挙動を調べた。その結果、f軌道電子の結合への寄与がAm(III)/Eu(III)で異なることを見出した。

口頭

f軌道電子の結合特性とマイナーアクチノイド分離挙動の相関

金子 政志; 渡邉 雅之; 宮下 直*; 中島 覚*

no journal, , 

マイナーアクチノイド(MA)とランタノイド(Ln)の分離メカニズムを理解することは、高レベル放射性廃棄物の分離変換プロセスの構築のために重要である。我々は、抽出剤とMA/Lnとの結合状態をMA/Lnの分離挙動と相関づけることによって、MA分離メカニズムを明らかにすることを目的としている。本研究では、密度汎関数法を用いた計算化学研究によって、MA/Ln分離挙動を分子レベルでモデル化する。用いる基底関数や理論による分離挙動の違いを検討し、f軌道などの原子価軌道の結合特性がMA/Lnの選択性にどのように寄与するか議論する。

口頭

同一の配位幾何学を示すカルコゲンドナーを有するEu, Am錯体の結合状態

金子 政志; 渡邉 雅之; 宮下 直*; 中島 覚*

no journal, , 

本研究では、OドナーとSドナーで同じ配位幾何学を示すイミドジホスフィン酸配位子を用いて、Eu, Am錯体の安定性および結合状態について議論した。相対論DFT計算を適用し、単結晶構造を初期構造として構造最適化を行い、水和錯イオンに対する熱力学エネルギーを算出した。その結果、Eu, Am錯体は、O, Sドナーともに同じ配位構造となり、単結晶構造の結合距離をよく再現した。熱力学エネルギーを見積もった結果、OドナーはAmよりもEuと選択的に錯生成し、SドナーはEuよりもAmと選択的に錯生成することが示唆された。

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