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長尾 辰哉*; 五十嵐 潤一
Physica B; Condensed Matter, 345(1-4), p.70 - 73, 2004/03
被引用回数:1 パーセンタイル:7.09(Physics, Condensed Matter)DyBCの共鳴X線散乱に及ぼす格子歪みの効果を調べるため、低エネルギー準位を記述する結晶場ハミルトニアンを研究した。4重に縮退した基底状態を用いて、絶対零度での協力的ヤーンテラー効果を解析した。ボロンと炭素原子から構成されるシートがある種のバックリングした状態がエネルギー的に有利な状態であることを見いだした。この事実から、斜めに四重極モーメントが向いた秩序相が自然に導かれる。この格子歪みは5dバンドに変調をあたえ、Dy L吸収端での大きなRXSスペクトル強度を生じさせる。
長尾 辰哉*; 五十嵐 潤一
Journal of the Physical Society of Japan, 72(9), p.2381 - 2384, 2003/09
被引用回数:10 パーセンタイル:54.91(Physics, Multidisciplinary)CeBの反強四重極秩序相におけるL吸収端近傍の共鳴散乱とトムソン散乱の両方の過程を考慮してX線回折の機構を理論的に研究した。格子歪み無しで、4f状態の反強四重極秩序相での電荷の異方性から実験に対応するトムソン散乱強度を計算で得る事ができた。この大きさはL吸収端近傍で共鳴散乱強度と同程度になり、二つの項は干渉を示すことを見いだした。これは、実験事実とよく対応する。これらの結果から、共鳴散乱及びトムソン散乱の両方とも反強四重極秩序の直接の反映であると結論される。
五十嵐 潤一; 長尾 辰哉*
Journal of the Physical Society of Japan, 72(5), p.1279 - 1286, 2003/05
被引用回数:13 パーセンタイル:61.04(Physics, Multidisciplinary)DyBCにおける四重極秩序相におけるDyのL吸収端における共鳴X線散乱スペクトルを研究した。BとC原子の層の ゆがみを解析して、副格子ごとに違う主軸をもつ結晶場の有効モデルを構成した。5d状態はバンドとして扱い、4f状態は局在状態として扱い、双極子近似の範囲でスペクトルを計算した。格子歪が直接5d状態を変調する機構と格子歪により変調を受けた4f状態がクーロン相互佐用を通して5d状態を変調するとの機構の両方を調べて、前者の機構が圧倒的に大きいことを見いだした。
長尾 辰哉*; 五十嵐 潤一
Physica B; Condensed Matter, 329-333(Part2), p.628 - 630, 2003/05
被引用回数:5 パーセンタイル:31.36(Physics, Condensed Matter)共鳴X線散乱と軌道秩序の関係を明らかにするために、DyBCの反強四重極秩序相において、Dy L吸収端近傍でのスペクトルを計算した。Dyの4f軌道は原子的に、5d軌道はバンドを構成するとした微視的モデルに基づいた計算を行い、格子変形を仮定せずに、最近の実験とよく一致するスペクトルを得ることができた。このことは、この物質では、共鳴X線散乱スペクトルは5d-4fクーロン相互作用の異方的部分により5d軌道が分極することにより生じていることを強く示している。
五十嵐 潤一; 長尾 辰哉*
Journal of the Physical Society of Japan, 71(7), p.1771 - 1779, 2002/07
被引用回数:15 パーセンタイル:63.70(Physics, Multidisciplinary)CeBにおけるL吸収端近傍における共鳴X線散乱スペクトルを計算した。Ceの4f状態は原子内局在軌道として、また、5d状態はバンド状態として記述するモデルに基づいて計算した。初期状態は斯波らによって導かれた有効なハミルトニアンに基づき取り扱った。四重極秩序に対応する超格子点散乱強度の実験結果をよく再現する結果をえた。この計算は、格子歪を仮定しない計算であり、スペクトル強度は、中間状態の5d状態が4f状態と原子内相互作用を通して変調をうけるところから生じることが明らかになった。磁気秩序に対応する超格子点散乱強度の計算も同様のモデルに基づき行い、種々の予言を行った。