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小林 恵太*; 奥村 雅彦; 山田 進; 町田 昌彦; 青木 秀夫*
Physical Review B, 94(21), p.214501_1 - 214501_7, 2016/12
被引用回数:65 パーセンタイル:89.62(Materials Science, Multidisciplinary)平坦バンドが超伝導性を示す可能性を探るために、平坦バンドを形成する最も単純な準一次元系の一つであるダイアモンド鎖上の斥力相互作用するフェルミオン系について調べた。厳密対角化法と密度行列繰り込み群法を用いて調べた結果、フェルミエネルギーに近い空の平坦バンドと相互作用する分散バンドが満たされる1/3フィリングよりも少しだけ小さなフィリングで、長い相関距離を持つクーパー対が有意な束縛エネルギーを持つことがわかった。さらに、この対相関関数は、ダイアモンド鎖の外側のサイトに存在するフェルミオン対によるものであることを明らかにした。また、厳密に1/3フィリングの時、系は絶縁体になり、ダイアモンド鎖の外側のサイトに存在するフェルミオンがトポロジカルに区別可能なエンタングル状態を形成していることがわかった。
奥村 雅彦; 山田 進; 町田 昌彦; 青木 秀夫*
素粒子論研究, 119(4C), p.F99 - F101, 2012/02
原子力研究開発では、さまざまな機能性材料が利用されており、磁性体もその一つである。中でも、電流が流れる強磁性体(金属強磁性)は、日常生活においてさえも、とてもなじみ深いものである。しかし、その金属強磁性の発現機構については、実は未だにわからないことも多い。特に、個体中の電子を記述する(単一バンド)ハバード模型については、幾つかの金属強磁性発現機構が数学的に厳密に証明され、提案されているが、未だに実験で観測にかかったことはない。その理由として、厳密に証明可能な場合というのは極限状態が多く、実際の実験でその極限状態を実現するのが難しいからである。そこでわれわれは、提案されている発現機構が要求する条件を実現しやすい、光格子系において、金属強磁性状態を作り出す方法を提案した。特に、実際の実験に則して、金属強磁性状態が最も観測しやすい現実的な条件を、シミュレーション技術開発室で開発した並列化密度行列繰り込み群法を用いて明らかにした点が本研究の特徴である。
濱田 一弥; 中嶋 秀夫; 奥野 清; 遠藤 壮*; 菊地 賢一*; 久保 芳生*; 青木 伸夫*; 山田 雄一*; 大崎 治*; 佐々木 崇*; et al.
JAERI-Tech 2002-027, 23 Pages, 2002/03
国際熱核融合実験炉(ITER)の建設判断に必要な技術を実証することを目的として、1992年から工学設計活動 (EDA) が日本,欧州連合(EU),ロシア,米国の国際協力によって進められた。このEDAでは、各種の先端的機器の製作技術開発が行われ、ITERで必要とされる製作技術の実証と技術目標の達成に成功し、2001年7月に終了した。そして、現在、ITER計画は建設に向けた新たな局面へと進んでいる。ITERの超伝導コイル・システムは、トロイダル磁場(TF)コイル,中心ソレノイド(CS)コイル,ポロイダル磁場(PF)コイル,及び不整磁場補正コイルの4種類からなる。これらのコイルの内、CSコイル及びTFコイルは、これまで経験したことのない大型かつ高性能なコイルであるため、EDAにおいて、それぞれCSモデル・コイル計画及びTFモデル・コイル計画を実施し、製作技術開発及び超伝導特性の実証試験を行った。CSモデル・コイルの製作には、高性能超伝導素線製造技術,大型撚線技術,コイル化技術,熱処理技術,超伝導導体接続技術及び高耐電圧絶縁技術の開発が不可欠である。本報では日本が中心となって開発に成功したCSモデル・コイルについて、以上の製作技術を中心に紹介する。
奥村 雅彦; 山田 進; 町田 昌彦; 青木 秀夫*
no journal, ,
近年、中性原子気体系における光学格子実験が急速に発達している。この実験では、固体中の電子の振る舞いを記述する基礎模型であるハバード模型が実現していることがわかっている。現在、この光学格子系でハバード模型のさまざまな性質を探ることにより、固体中の電子の振る舞いを知ろうとする研究が進んでいる。その中で、長年の問題である「ハバード模型は強磁性(磁石)を記述できるか」という問いに答えるべく、われわれは、光学格子系における強磁性発現条件を並列化密度行列繰り込み群法を用いて解析した。その結果、原子間相互作用がとても大きい場合に、磁化がない領域,少し磁化がある領域,強磁性を示す領域に相分離した基底状態を発見した。さらに、上向きスピンを持つ原子と下向きスピンを持つ原子の数を変えることによって、光学格子実験でよく用いられるin situ imaging法でその強磁性領域を観測することができることを発見した。
太田 幸宏; 町田 昌彦; 小山 富男*; 青木 秀夫*
no journal, ,
鉄砒素系超伝導体の発見及び複数原子種からなる冷却原子系の実現可能性より、多バンド超伝導や多バンド超流動の研究、特にそのバンド数が2以上であるような場合に関して、重要性が増している。われわれは、バンドBCS理論に基づき多バンド超流動/超伝導を調べた。鉄砒素系超伝導体のように、
の場合は、複数個のバンド間ジョセフソン電流が存在する。このため、集団励起モードにも複数のダイナミックスが発生する。これはバンド間ジョセフソン電流のパリティで分類できる。このように、多バンド超流動/超伝導を特徴付けるのに"dynamical class"の概念が重要であり、バンド間のギャップ関数の相対位相がconventionではなく本質的に効くことを提案する。
太田 幸宏; 町田 昌彦; 小山 富男*; 青木 秀夫*
no journal, ,
鉄砒素系超伝導体の発見及び複数原子種からなる冷却原子系の実現可能性より多バンド超伝導や多バンド超流動の研究、特にそのバンド数が3以上であるような場合に関して、重要性が増している。われわれはバンドBCS理論に基づき多バンド超流動-超伝導を調べた。鉄砒素系超伝導体のように、
の場合は複数個のバンド間ジョセフソン電流が存在する。このため集団励起モードにも複数のダイナミックスが発生する。これはバンド間ジョセフソン電流のパリティで分類できる。このように多バンド超流動-超伝導を特徴付けるのに"dynamical class"の概念が重要であり、バンド間のギャップ関数の相対位相が本質的に効くことを提案する。
永井 佑紀; 黒木 和彦*; 町田 昌彦; 青木 秀夫*
no journal, ,
鉄系超伝導体は鉄のd軌道が複雑に絡まったバンド分散を持つ多軌道系超伝導体である。そこでわれわれは、多軌道系超伝導体の転移温度の不純物に対する耐性が何によって決められているかを同定するため、1軌道, 2軌道, 5軌道のさまざまなtoy modelを用いて不純物効果を調べた。計算には、Onari-Kontaniらと同じ自己無撞着T行列とEliashberg方程式を用いた。そして、多軌道系にあって単一軌道系にはない効果の有無について特に着目しながら調べた。その結果、転移温度の不純物効果への耐性には、バンド分散やフェルミ面のほかに、軌道表示のハミルトニアンを対角化するユニタリー行列が、非常に重要な役割を果たしていることがわかった。この結果は、多軌道系の超伝導は単一軌道系の超伝導にはみられない非自明な不純物効果を起こす可能性があることを示唆している。
太田 幸宏; 町田 昌彦; 小山 富男*; 青木 秀夫*
no journal, ,
鉄系超伝導体の発見を契機に多バンド超伝導体に関する研究が活発に行われている。Leggettモードは、2個の超流動体間の相対位相ゆらぎに起因する集団励起モードであり、鉄系超伝導体の特徴づけにとって重要と考えられている。しかし、鉄系超伝導体に対する最小モデルの2バンドモデルでは、その振動数がバンド間相互作用の絶対値のみに依存するため、鉄系超伝導体特有のs波対称性との関連が明瞭とならない。そこで、われわれはLeggettの議論を2バンド以上の多バンド超伝導体に拡張し、その性質を調べた。実際の鉄系超伝導の解析では5バンドモデルといった2バンド以上のモデルの必要性が指摘されているため、このような拡張は鉄系超伝導を議論するうえにおいて重要かつ自然な試みである。われわれは、まず3バンドモデルに着目し、Leggettモードを導出した。その結果、
s波対称性のもとで、2種類の異なるLeggettモードが存在することを明らかにした。この差異は複数あるバンド間ジョセフソン電流の、重ね合わせが起こるか、それとも相殺が起こるか、により特徴づけられる。われわれは、さらにさまざまなバンド間相互作用の値に応じてどちらの相が出現するかについても調べた。
太田 幸宏; 町田 昌彦; 小山 富男*; 青木 秀夫*
no journal, ,
鉄砒素系超伝導体の発見により、多バンド超伝導や多バンド超流動の研究の重要性が増している。われわれは、バンドBCS理論に基づき多バンド超流動/超伝導を調べた。
の場合、Leggettモードの起源となるバンド間ジョセフソン電流は1個しか存在しない。一方、鉄砒素系超伝導体のように、
の場合は、複数個のバンド間ジョセフソン電流が存在する。このため、集団励起モードにも複数のダイナミックスが発生する。これはバンド間ジョセフソン電流のパリティで分類でき、パリティの違いに応じてLeggettモードの質量に劇的な影響を受ける。このように、多バンド超流動/超伝導を特徴付けるのに"dynamical class"の概念が重要であり、バンド間のギャップ関数の相対位相がconventionではなく本質的に効くことを提案する。
小林 恵太; 奥村 雅彦; 山田 進; 町田 昌彦; 青木 秀夫*
no journal, ,
光学光子中の冷却原子気体は固体中の電子状態と同様の状態を作り出すことができることから、量子物性のシミュレーターとして注目されている。近年では平坦バンドをもつ光学光子の生成が可能となってきている。このような平坦バンドを持つ系において超伝導が発現しうるか否かは興味深い問題である。本研究では平坦バンドを持つダイアモンド鎖模型に対し、密度行列繰り込み群と厳密対角化を用いた解析を行った。厳密対角化の結果、粒子間の束縛エネルギーが負になる領域があることが確かめられた。また、その領域では超伝導相関関数の発達が確認できた。これらの結果は平坦バンドを持つ系における超伝導状態の存在を示唆している。