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坂下 哲哉; 鈴木 芳代; 深本 花菜; 舟山 知夫; 和田 成一*; 小林 泰彦; 堀川 大樹*; Bolige, A.*
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 110, 2008/03
線虫のfood-NaCl連合学習(化学走性学習)に対する照射効果について報告する。線虫には、本来、NaClに誘引される性質(化学走性)があるが、食物(大腸菌)がなくNaClを含んだ寒天培地上に線虫を数時間置くと化学走性が低下するように変化する。この食物とNaClとの間で成立する化学走性学習について、学習のさまざまな過程における線被ばく後の化学走性の変化、及び他の誘引物質であるベンズアルデヒドに対する化学走性について調べた。その結果、学習前後においては何ら照射の影響は認められないのに対して、学習中に被ばくをした場合には、照射直後の化学走性の低下及びその後の複雑な応答が生じることが明らかとなった。また、同時にベンズアルデヒドの化学走性について調べたが、何ら有意な変化は認められなかった。
Bolige, A.*; 坂下 哲哉; 柿崎 竹彦*; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 和田 成一*; 小林 泰彦; 後藤 健*
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 117, 2008/03
本研究では、 Zにおける線耐性と重イオンビーム(以降Cイオン)耐性の概日リズムを明らかにした。恒暗恒温の下で両耐性とも概日リズムを示したが、最強位相は主観的真昼より2-4時間前であった。このリズムはどの線量を用いても認められたが、振幅は半数致死線量付近で最高となり、線で45%、Cイオンで20%ほどであった。また、照射時の温度にかかわらず生存率は不変であった。UV耐性の場合と同じく放射線耐性も酵素的防御反応には依存しない。これに対し、照射後の温度は生存率を大きく左右し、温度依存的な生命活動が死を促進する可能性が示された。線耐性やCイオン耐性を増強する抗酸化剤は微妙に異なるが、還元型グルタチオン+システイン+カロテンが最適な組合せである点で互いに共通し、UVB耐性ともUVC耐性とも異なる抗酸化機作を示唆した。ただし、低線量の場合は非酵素的な抗酸化能だけで説明できるが、高線量照射の場合には抗酸化能以外の要因も関係している。また、Cイオン照射の場合には、FITCデキストランの取り込みが認められたため、致死に対して生体膜損傷が関与している可能性が示唆された。