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論文

Identification of deformed intruder states in semi-magic $$^{70}$$Ni

Chiara, C. J.*; Weisshaar, D.*; Janssens, R. V. F.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; Harker, J. L.*; Walters, W. B.*; Recchia, F.*; Albers, M.*; Alcorta, M.*; et al.

Physical Review C, 91(4), p.044309_1 - 044309_10, 2015/04

 被引用回数:39 パーセンタイル:91.21(Physics, Nuclear)

アルゴンヌ国立研究所にて中性子過剰核$$^{70}$$Niを$$^{70}$$Znの多核子移行反応によって生成し、$$gamma$$線検出器GRETINAを用いて$$gamma$$線分光を行った。その結果、$$2^+_2$$, $$4^+_2$$準位を初めて観測した。これらの準位は小さな模型空間を採用した殻模型計算では再現されないため、陽子の$$f_{7/2}$$軌道からの励起を伴った大きな変形状態であると考えられる。本論文の理論グループが2014年に発表した大規模殻模型計算によって$$^{70}$$Niの励起状態を解析した結果、これらの状態は大きなプロレート変形を持つ状態とよく対応することがわかった。この結果は、中性子過剰ニッケル同位体における変形共存が$$^{68}$$Ni以外にも存在することを実証するとともに、中性子過剰核における大規模殻模型計算の予言能力を確かめるものである。

論文

Event structure and double helicity asymmetry in jet production from polarized $$p + p$$ collisions at $$sqrt{s}$$ = 200 GeV

Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; Akiba, Y.*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; Aoki, K.*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.

Physical Review D, 84(1), p.012006_1 - 012006_18, 2011/07

 被引用回数:31 パーセンタイル:73.56(Astronomy & Astrophysics)

重心エネルギー200GeVでの縦偏極陽子陽子衝突からのジェット生成のイベント構造と二重非対称($$A_{LL}$$)について報告する。光子と荷電粒子がPHENIX実験で測定され、イベント構造がPHYTIAイベント生成コードの結果と比較された。再構成されたジェットの生成率は2次までの摂動QCDの計算で十分再現される。測定された$$A_{LL}$$は、一番低い横運動量で-0.0014$$pm$$0.0037、一番高い横運動量で-0.0181$$pm$$0.0282であった。この$$A_{LL}$$の結果を幾つかの$$Delta G(x)$$の分布を仮定した理論予想と比較する。

論文

Identified charged hadron production in $$p + p$$ collisions at $$sqrt{s}$$ = 200 and 62.4 GeV

Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.

Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06

 被引用回数:189 パーセンタイル:99.42(Physics, Nuclear)

200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からの$$pi, K, p$$の横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。また$$m_T$$$$x_T$$スケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。

論文

In-beam $$gamma$$-ray spectroscopy of $$^{35}$$Mg and $$^{33}$$Na

Gade, A.*; Basin, D.*; Brown, B. A.*; Campbell, C. M.*; Cook, J. M.*; Ettenauer, S.*; Glasmacher, T.*; Kemper, K. W.*; McDaniel, S.*; Obertelli, A.*; et al.

Physical Review C, 83(4), p.044305_1 - 044305_5, 2011/04

 被引用回数:21 パーセンタイル:75.09(Physics, Nuclear)

ミシガン州立大学超伝導サイクロトロン研究所にて、$$^{38}$$Si核のフラグメンテーション反応から生成された中性子過剰核$$^{35}$$Mgと$$^{33}$$Naの励起状態を$$gamma$$線分光によって観測した。$$^{35}$$Mgに関しては、670keVまでの3本の$$gamma$$線を観測し、中性子分離エネルギーが少なくとも670keV以上あることがわかった。また、$$^{33}$$Naについては、429keVと688keVの2本の$$gamma$$線から、429keVと1117keVに励起状態があることがわかった。$$^{33}$$Naの励起状態をモンテカルロ殻模型によって調べた結果、実験で見つかったエネルギー準位は、それぞれ5/2$$^+$$及び7/2$$^+$$に対応すると考えられる。モンテカルロ殻模型によると、$$^{33}$$Na核は非常に大きく変形した、いわゆる「逆転の島」に属する核であり、5/2$$^+$$、7/2$$^+$$は基底状態から始まる回転バンドであると解釈される。これらの準位に対する実験値と理論値の良い一致から、その描像が成り立つことが示された。

論文

Azimuthal correlations of electrons from heavy-flavor decay with hadrons in $$p+p$$ and Au+Au collisions at $$sqrt{s_{NN}}$$ = 200 GeV

Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.

Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04

 被引用回数:9 パーセンタイル:52.33(Physics, Nuclear)

重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。

論文

Measurement of neutral mesons in $$p$$ + $$p$$ collisions at $$sqrt{s}$$ = 200 GeV and scaling properties of hadron production

Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; Akiba, Y.*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; Aoki, K.*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.

Physical Review D, 83(5), p.052004_1 - 052004_26, 2011/03

 被引用回数:180 パーセンタイル:98.41(Astronomy & Astrophysics)

RHIC-PHENIX実験で重心エネルギー200GeVの陽子陽子衝突からの$$K^0_s$$, $$omega$$, $$eta'$$$$phi$$中間子生成の微分断面積を測定した。これらハドロンの横運動量分布のスペクトルの形はたった二つのパラメーター、$$n, T$$、のTsallis分布関数でよく記述できる。これらのパラメーターはそれぞれ高い横運動量と低い横運動量の領域のスペクトルを決めている。これらの分布をフィットして得られた積分された不変断面積はこれまで測定されたデータ及び統計モデルの予言と一致している。

論文

Two-proton knockout from $$^{32}$$Mg; Intruder amplitudes in $$^{30}$$Ne and implications for the binding of $$^{29,31}$$F

Fallon, P.*; Rodriguez-Vieitez, E.*; Macchiavelli, A. O.*; Gade, A.*; Tostevin, J. A.*; Adrich, P.*; Bazin, D.*; Bowen, M.*; Campbell, C. M.*; Clark, R. M.*; et al.

Physical Review C, 81(4), p.041302_1 - 041302_5, 2010/04

 被引用回数:41 パーセンタイル:88.25(Physics, Nuclear)

ミシガン州立大学の超伝導サイクロトロン研究所にて、不安定核$$^{32}$$MgビームをBe標的に当てることによって$$^{30}$$Neが生成される断面積を測定し、その脱励起$$gamma$$線を測定した。$$^{30}$$Neの4$$^+$$と見られる状態を初めて観測するとともに、その断面積から、$$^{30}$$Neの核構造の情報を引き出した。この領域で標準的な核構造計算である、SDPF-M相互作用を用いたモンテカルロ殻模型計算による分光学的因子をグラウバー模型に代入して包括的断面積を計算したところ、実験値を過大評価した。核構造の観点からその原因について考察したところ、$$^{30}$$Ne核では従来考えられてきたよりも4粒子4空孔励起の侵入者配位が多く、それによって$$^{30}$$Neと$$^{32}$$Mgの中性子部分の波動関数との重なりが小さいためであると結論づけた。この増大した4粒子4空孔励起のアイデアは、フッ素同位体において中性子ドリップ線が著しく延びる現象も説明することができる。

論文

Progress on the heating and current drive systems for ITER

Jacquinot, J.*; Albajar, F.*; Beaumont, B.*; Becoulet, A.*; Bonicelli, T.*; Bora, D.*; Campbell, D.*; Chakraborty, A.*; Darbos, C.*; Decamps, H.*; et al.

Fusion Engineering and Design, 84(2-6), p.125 - 130, 2009/06

 被引用回数:24 パーセンタイル:81.69(Nuclear Science & Technology)

ITER用電子サイクロトロン波(EC),イオンサイクロトロン波(IC),中性ビーム(NB)、そして低域混成波(LH)について、その物理と工学の両面の進展を2007/2008年にレビューした。全体仕様の変更はないものの、以下のような設計変更があった。第一に、DTフェーズの前に全パワーである73MW入射をルーティンに入射可能となるように調整すべきこと。第二に、NBを水素フェーズにもフルパワー入射が可能となるように対向壁を用意する、IC用によりロバスト名アンテナ2式を用意する、またECには2MW容量の伝送系を用意して、増力を容易にする。さらにRF源と計測及び加熱用ポートプラグの試験施設となる付属建屋を用意する。第三に、LHのようにITERの長パルス運転時に適した電流駆動システムを開発するための計画の必要性が認識された。

論文

Intermediate-energy Coulomb excitation of $$^{30}$$Na

Ettenauer, S.*; Zwahlen, H.*; Adrich, P.*; Bazin, D.*; Campbell, C. M.*; Cook, J. M.*; Davies, A. D.*; Dinca, D.-C.*; Gade, A.*; Glasmacher, T.*; et al.

Physical Review C, 78(1), p.017302_1 - 017302_4, 2008/07

 被引用回数:14 パーセンタイル:62.70(Physics, Nuclear)

ミシガン州立大学国立超伝導サイクロトロン研究所にて、中性子過剰核$$^{30}$$Naの中間エネルギークーロン励起実験が行われ、基底状態からのB(E2)が初めて測定された。この実験で$$gamma$$線が1本観測され、$$B(E2;2^+_{gs} to 3^+_1)=147(21)$$ $$e^2$$fm$$^4$$が得られた。この原子核は、以前発表者らの殻模型計算によって中性子数20の魔法数が消滅する核であるとされており、大きなB(E2)値が予言されていた。この実験で大きなB(E2)値が得られたことから、発表者らの描像が妥当であることが確かめられた。一方、殻模型計算では基底状態から$$4^+$$へ励起するB(E2)値も大きく、この実験で見えることが期待されたが、見つからなかった。その原因については今後の実験及び理論の研究が待たれている。

論文

Spectroscopy of $$^{36}$$Mg; Interplay of normal and intruder configurations at the neutron-rich boundary of the "Island of Inversion"

Gade, A.*; Adrich, P.*; Bazin, D.*; Bowen, M. D.*; Brown, B. A.*; Campbell, C. M.*; Cook, J. M.*; Ettenauer, S.*; Glasmacher, T.*; Kemper, K. W.*; et al.

Physical Review Letters, 99(7), p.072502_1 - 072502_4, 2007/08

 被引用回数:78 パーセンタイル:90.37(Physics, Multidisciplinary)

中性子数20付近の中性子過剰核では魔法数が消滅することが知られており、その領域の大きさは15年ほど前に「逆転の島」として予言された。「逆転の島」が生じるメカニズムについては諸説あったが、われわれの提唱する、殻進化による殻ギャップの狭まりという概念が有力な候補の一つである。そのメカニズムの是非を分ける一つの実験的手段として、もともと提唱された逆転の島領域を超え、より中性子過剰核でも魔法数が消滅するかどうかを調べるのが有力な方法である。この論文は、ミシガン州立大学国立超伝導サイクロトロン研究所で、$$^{38}$$Siからの2陽子ノックアウト反応により、$$^{36}$$Mgの励起状態を初めて観測した結果を報告したものである。$$gamma$$線分光のデータから、この核の第一励起状態は660keVであることが初めてわかり、機構で計算されたモンテカルロ殻模型計算の予言値に近いことがわかった。また、反応断面積の解析から、魔法数が消滅する配位が基底状態の約半分を占めることがわかり、これも計算の予言と一致した。この計算だけが正しく実験値を予言したものであり、中性子過剰核における殻進化という概念を支持することとなった。

論文

Progress in physics basis and its impact on ITER

嶋田 道也; Campbell, D.*; Stambaugh, R.*; Polevoi, A. R.*; Mukhovatov, V.*; 朝倉 伸幸; Costley, A. E.*; Donn$'e$, A. J. H.*; Doyle, E. J.*; Federici, G.*; et al.

Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11

この論文では、物理基盤の最近の進展によって、ITERの性能予測がどのように影響されるかを要約する。これまで懸案であった課題についての進展、及びハイブリッド及び定常運転シナリオが新たに開発されたことによってITERの目標達成はより確実となった。安全係数が4付近において電流分布を調整することにより、標準のHモードよりも閉じ込めを改善し、壁無し条件でのベータ限界にまでベータを上昇させることが可能であることが実験で明らかになった。この結果をITERに適用すると、12MA程度の低いプラズマ電流で、ELMが小さく、Qが10以上で1000秒以上の長パルス運転が可能である。電流減衰時間及びハロー電流に関する指針を実験データベースから導出してディスラプションの解析を行った。保守的な仮定を用いても真空容器内機器の電磁力は設計目標を下回り、ITERの設計がディスラプションに伴う力に対して十分な耐性を持つことを明らかにした。

論文

Analysis of single-ion multiple-bit upset in high-density DRAMs

槇原 亜紀子*; 進藤 浩之*; 根本 規生*; 久保山 智司*; 松田 純夫*; 大島 武; 平尾 敏雄; 伊藤 久義; Buchner, S.*; Campbell, A. B.*

IEEE Transactions on Nuclear Science, 47(6), p.2400 - 2404, 2000/12

 被引用回数:33 パーセンタイル:87.01(Engineering, Electrical & Electronic)

宇宙環境に使用される高密度なメモリ素子(DRAM)に高エネルギーイオンが入射するとシングルイベントアップセットが生じることは良く知られている。特に、高集積度メモリ素子において、たった一個のイオンを入射することにより、複数のメモリセル内容が反転するシングルイベントマルチプルアップセット(MBU)が近年大きな問題となっている。そこで本実験では、MBUの発生とビーム入射位置との関係を調べるために、16及び64Mbit DRAMに対し、ニッケル,ボロン、鉄イオンを入射角度を0度と60度で照射した。その結果、MBUの発生が、イオントラックの廻りに生じた電荷の拡散により引き起こされることが明らかになった。また、メモリ内のセンサ部分にイオンが当たったときにも大規模なMBUが発生することが判明した。

論文

Analysis of single-ion multiple-bit upset in high-density DRAMs

槇原 亜紀子*; 新藤 浩之*; 根本 規生*; 久保山 智司*; 松田 純夫*; 大島 武; 平尾 敏雄; 伊藤 久義; Buchner, S.*; Campbell, A. B.*

Proceedings of 4th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application, p.103 - 107, 2000/00

半導体デバイスに高エネルギーを持った荷電粒子が入射すると、シングルイベント現象を引き起こすことはよく知られている。本会議では、16Mbit及び64MbitDRAMを用いてマルチビットアップセットの実験結果と解析結果について述べる。試験は、重イオンを試料に対して入射角度を変化させ、その時に発生したエラーマッピングからマルチビットアップセット(MBU)を計測した。その結果、報告内容としては、DRAMにより発生する充電型及び放電型MBUにはそれぞけ独立したエラーの発生するメカニズムが存在することが判明したこと、さらに今後のDRAMではリフレッシュサイクル時間が短くなるため、MBUとして充電型のエラー発生回数が多くなると考えられる。したがってこれらメカニズムの解明が重要であることなどを紹介し、議論を行う。

論文

ITER; Analysis of the H-mode confinement and threshold databases

Kardaun, O.*; Ryter, F.*; Stroth, U.*; Kus, A.*; Deboo, J. C.*; Schissel, D. P.*; Bramson, G.*; Carlstrom, T. N.*; Thomsen, K.*; Campbell, D. J.*; et al.

Plasma Physics and Controlled Nuclear Fusion Research 1992, Vol.3, p.251 - 270, 1993/00

最近まで行った、H-モードデータベースの更新およびデータの追加作業によりできあがったITERH.DB2の解析結果について発表する。このデータからのスケーリング則は、ELMなしのデータに対して、$$tau$$$$_{E}$$=CI$$_{p0.90}$$・B$$_{t0.35}$$・P$$_{L-0.55}$$(A/Z)$$^{0.50}$$R$$^{1.85}$$K$$^{0.7}$$(a/R)-0$$eta$$$$^{0.1}$$であり$$tau$$$$_{Eth}$$=C$$_{th}$$I$$_{p0.95}$$B$$_{t0.30}$$P$$_{L-0.70}$$(A/Z)$$^{0.30}$$R$$^{222}$$K$$^{0.55}$$(a/R)$$^{0n0.35}$$である。

口頭

Physics assessment of the NBI capability in ITER plasmas

及川 聡洋; Polevoi, A. R.*; Mukhovatov, V.*; 坂本 宜照; 鎌田 裕; 嶋田 道也*; Campbell, D. J.*; Chuyanov, V.*; Schunke, B.*; Tanga, A.*; et al.

no journal, , 

現在行われているITERの設計評価では、MHD不安定性抑制に必要なプラズマ回転を増やすためにNBIのエネルギーを下げる提案がされている。そこでさまざまな設計の可能性に対してNB入射によるプラズマ性能を評価した。外部加熱電力によってHモードを得られる運転領域を評価したところ、重水素-三重水素運転ではHモード遷移境界を十分に超え良い閉じ込めが得られる領域に到達できる。軽水素運転ではNBIの突抜のためエネルギーを500keV以下にする必要がある。しかしながらビームエネルギーを500keVまで下げるとITERのミッション達成に必要な$$10^{20}/m^3$$程度の高密度で中心加熱ができないことから、DT運転ではより高いビームエネルギーが必要である。ビームエネルギーを750keVにすると回転は13%増えるが電流駆動は20%効率が落ち、定常運転シナリオを描くことが困難になる。したがってDT運転では1MeVのNBが必要である。ITERでは放電中にビームエネルギーの変化を通してNB入射パワーを変化させることができ、NBIを使ってプラズマ圧力をMHD安定性限界を超えないように実時間制御することが可能である。

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