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論文

Effect of ionizing radiation upon dehydrated Pv11 cultured cells originated from the sleeping chironomid

渡辺 和代*; 秋月 岳*; 志村 幸子*; Gusev, O.*; Cornette, R.*; 黄川田 隆洋*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 奥田 隆*

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 87, 2015/03

ネムリユスリカは極めて高い乾燥耐性と放射線耐性を示す。我々は、ネムリユスリカ由来の培養細胞Pv11を確立し、培養細胞においても乾燥耐性を示すことを明らかにした。本報告では、このネムリユスリカ由来の培養細胞Pv11を用いてイオンビーム照射の影響を明らかにすることを目的とする。高崎量子応用研究所TIARAでのヘリウムイオン照射実験の結果、480Gyのヘリウムイオン照射後も、再水和後の培養細胞に増殖能力が残されていることを確認した。

論文

Anhydrobiosis-associated nuclear DNA damage and repair in the Sleeping Chironomid; Linkage with radioresistance

Gusev, O.*; 中原 雄一*; Vanyagina, V.*; Malutina, L.*; Cornette, R.*; 坂下 哲哉; 浜田 信行*; 黄川田 隆洋*; 小林 泰彦; 奥田 隆*

PLoS ONE (Internet), 5(11), p.e14008_1 - e14008_9, 2010/11

 被引用回数:57 パーセンタイル:77.62(Multidisciplinary Sciences)

これまでに、クリプトビオシス状態(体内の水分をほぼ完全に失っても生命を維持できる状態)のネムリユスリカは放射線耐性が上昇していることを明らかにしてきた。その原因として考えられてきたトレハロースによる生体分子保護機構に加えて、今回、高いDNA修復能力と活性酸素除去機構を発見した。コメットアッセイを用いて、クリプトビオシス状態でも70GyのHeイオンを浴びた幼虫と同程度の損傷(DNA切断)を負っていること、蘇生後約4日間でほぼ完全にこの損傷が修復できることがわかった。また、遺伝子発現解析により、クリプトビオシス誘導時には、DNA修復や活性酸素除去,シャペロンにかかわる遺伝子の発現が上昇することが明らかとなった。

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