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Papadopoulos, A.*; Kyriakou, I.*; 松谷 悠佑; Incerti, S.*; Daglis, I. A.*; Emfietzoglou, D.*
Applied Sciences (Internet), 12(18), p.8950_1 - 8950_20, 2022/09
被引用回数:2 パーセンタイル:43.43(Chemistry, Multidisciplinary)線質係数(Q)は、放射線により発生する確率的影響(発がんリスク)を評価する際に使用される指標である。一般的に、Q値は線エネルギー付与(LET)により決定できるが、より精巧なアプローチでは、分析モデルまたはモンテカルロシミュレーションによって計算される微視的線量付与(y分布)に基づき算出される。本研究では、線輸送とエネルギー損失効果の両方を考慮した様々な従来分析モデルを用いてy分布を計算し、1-250MeVの陽子線エネルギーに対するQ値を評価した。ICRP report 60において推奨されるLETに基づく決定法とy分布に基づく精巧な決定法を比較した結果、推奨法は約100MeV未満の陽子線のQ値を過小評価することがわかった。また、y分布を算出する手法として、従来の分析モデルが、モンテカルロシミュレーションの実用的な代替手段となる可能性を示唆した。今後、様々な最新の物理モデルを考慮したシミュレーションコード(Geant4-DNAやPHITS)によるy分布を比較し、高精度なリスク評価を目指してQ値に関する更なる解析を進める予定である。