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大倉 毅史; Feistenauer, P.*; Meisenberg, O.*; 篠永 妙子*; Tschiersch, J.*
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故後に、原子力科学研究所で行われた大気中放射性物質モニタリングの結果について再評価を行った。事故直後の汚染環境下での測定におけるバックグラウンド(BG)評価について、Helmholtz Zentrum Mnchen (ドイツ)での再測定結果との比較により検証した。被ばく評価に重要なレベルの濃度の試料では、不確かさの範囲内で一致し、BGの評価方法として適切であったことが確認できた。一部の相対的低濃度の試料で差異がみられた。大気中濃度が大きく変化するときに、より適切なBG評価が困難であり、差異を生じさせていると考えられる。塵埃捕集用ろ紙(HE-40TA)の後段に配置された活性炭カートリッジ(CHC-50)から、放射性セシウムが検出されたことの原因を、放射性セシウムの粒度分布とHE-40TAの特性に着目し検証した。放射性セシウムの粒度分布は、捕集された塵埃をHE-40TAから分離し、カスケードインパクターに捕集することにより実験的に求められた。放射性セシウムの粒度分布とHE-40TAの特性から、約1%から5%程度の放射性セシウムがHE-40TAを透過していると見積もった。
大倉 毅史; Meisenberg, O.*; Feistenauer, P.*; 篠永 妙子*; Tschiersch, J.*
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故時に原子力科学研究所で行われた大気中放射性物質モニタリングにより塵埃捕集用ろ紙(HE-40TA)に捕集された放射性セシウム塵埃の粒度分布の測定を行った。本実験では、HE-40TA上に捕集された放射性塵埃を蒸留水中に離脱させ、ネビュライザーを用いて溶液中の放射性塵埃を抽出し、カスケードインパクターに捕集した。放射性セシウム塵埃の粒度分布測定は、採取地点(3地点)、採取時期の違いに着目して行った。田畑に囲まれた環境での放射性セシウム塵埃の粒度分布は、事故直後には、0.3m付近にピークを持つ単峰型分布が見られ、時間が経過するにつれて、0.3m付近のほか1-2m付近にもピークを持つ二峰型分布が見られた。一方、樹木に囲まれた環境での分布は、事故直後も、事故からの時間が経過してからも0.3m付近にピークを持つ単峰型分布であった。オートラジオグラフィによる放射性塵埃の分布の様子、参考文献による大気塵埃の粒度分布の特性などを踏まえ、1- 2m付近のピークは、再浮遊による放射性塵埃と推定した。