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Hannan, A.*; 岡山 泰*; 長壁 豊隆; 桑原 慶太郎*; 神木 正史*
Journal of the Physical Society of Japan, 76(5), p.054706_1 - 054706_6, 2007/05
被引用回数:1 パーセンタイル:10.86(Physics, Multidisciplinary)少数キャリアー物質CeSbの2GPa以上の圧力下での電気抵抗に見られる異常の起原を明らかにするため、高圧下でX線回折と電気抵抗の同時測定を行った。また、高圧力下の中性子回折を行い、磁気構造、及び磁気転移温度の圧力依存性を調べた。その結果、反強磁性転移温度直下で、電気抵抗の異常な増大と格子収縮が同時に生じることが明らかになった。このことから、圧力下で、イオン半径の小さい状態の反強磁性秩序が、常磁性状態の中に部分的に出現すると考えると、電気抵抗異常の起原が理解できる。
長壁 豊隆; 神木 正史*; 川名 大地*; Hannan, A.*; 曽山 和彦; 北澤 英明*
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 272-276, p.2157 - 2158, 2004/05
被引用回数:3 パーセンタイル:19.92(Materials Science, Multidisciplinary)3dや4f, 5f電子の磁性において、低温,10GPa程度の加圧により超伝導や金属-絶縁体転移などの非常に興味深い現象が現れる。したがって、低温,10GPa程度までの圧力下での中性子散乱実験は、磁性研究に極めて重要な貢献をする。ところが、これまでの中性子散乱実験ではピストンシリンダー型圧力セルを使用した最高3GPaまでの実験に留まっていた。われわれはこれを克服するために、サファイアやモアサナイトを対向アンビルとした高圧発生装置の開発を行った。これまでに最適な加圧条件を模索しながら、オフベンチで約6GPa圧力を発生させた。また実際の実験では4.6GPaまでの実験に成功し、Ceモノプンクタイドの圧力-温度磁気相図と磁気構造を明らかにした。さらにわれわれは、高圧実験で不可避な微小試料からの弱いシグナルを補う目的で、中性子スーパーミラーを用いた集光デバイスの開発を行った。
長壁 豊隆; Hannan, A.*; 川名 大地*; 神木 政史*; 北澤 英明*
Acta Physica Polonica B, 34(2), p.1469 - 1472, 2003/02
CeSbとCeBiについて、最近開発したアンビル式の高圧セルを用いて高圧低温下の中性子回折実験を行い、圧力-温度磁気相図を明らかにした。これらの相図で特徴的なことは、CeSbの約2GPa以上の相図がCeBiの常圧以上の相図と類似しているということである。これは、Ce-モノプニクタイド,CeX(X=P, As, Sb, Bi)の磁性が1つの共通の物理パラメータでスケールできる証拠であり、このパラメータとはキャリアー濃度であると考えられる。また、これ以外に電気抵抗に非常に大きな変化が生じる温度と、高温側のAF-I磁気相と低温側のAF-IA磁気相の発達に深い関連があること、高温側のAF-I磁気相のみが圧力によって非常に安定化されることなどを見いだした。
Hannan, A.*; 長壁 豊隆; 神木 正史*; 岩佐 和晃*
Applied Physics A, 74(Suppl.1), p.S565 - S567, 2002/12
被引用回数:6 パーセンタイル:28.33(Materials Science, Multidisciplinary)CePはこれまでの研究により、1.7GPa以下で加圧に対する磁気構造の系統的変化(磁気相図)が明らかにされていた。一方、磁性中金属相が約6GPa以上で非磁性金属相になることが知られている。本研究ではCePの1.7GPa以上の磁気相図を明らかにし、どのような過程を経て非磁性金属相へ移り変わるかを調べることを目的とした。新開発したサファイアアンビル高圧セルを使用した中性子回折実験の結果、加圧とともに、4構造(oooo),2構造(oo),3構造(oo)という中間相を経て、2.5GPa以上で単純な強磁性相へと変化することが明らかになった。これらの構造は常圧のCeSbの構造と同一または類似の構造であり、Ceモノプニクタイド系の磁性がキャリアー数(価電子帯Pホール数)を1つの基本的な物理パラメータとするモデルで統一的に理解されるという考えを支持する結果となった。
長壁 豊隆; Hannan, A.*; 舘 紀秀*; 神木 正史*; 北澤 英明*
Applied Physics A, 74(Suppl.1), p.S799 - S801, 2002/12
被引用回数:6 パーセンタイル:28.33(Materials Science, Multidisciplinary)CeSbについては、フランスのグループによる中性子回折により2GPa以下の詳細な磁気相図が報告されていた。一方、東大物性研グループにより、約2GPa以上で、60K以下の温度で電気抵抗の巨大な増強が報告されていた。本研究は、この圧力誘起の巨大電気抵抗が生じる領域での磁気秩序の有無を調べること、また、フランスのグループの中性子回折実験と東大物性研グループの電気抵抗との間で、2GPa付近にある磁気相図のギャップを解決することを主な目的とした。新開発したサファイアアンビル高圧セルを使用した中性子回折実験の結果、電気抵抗の増大とともにAF-I反強磁性相が発達し、電気抵抗の急激な減少と一致して、AF-IA反強磁性相が発達することが明らかになった。またわれわれの結果は、電気抵抗の相図と良く一致し、フランスグループの結果に間違いがある可能性を示すものであった。