Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
鈴木 裕士; Holden, T. M.*
Journal of Strain Analysis for Engineering Design, 41(8), p.575 - 582, 2006/11
被引用回数:11 パーセンタイル:74.41(Engineering, Mechanical)日本原子力研究開発機構の研究用原子炉JRR-3に設置された残留応力解析装置RESAを用いて、SUS304鋼X開先突合せ溶接材の残留応力分布を測定した。残留応力測定には{111}, {002}, {220}の3回折を用いた。溶接試料からクーポン試料を切り出し、化学組成及び微視組織の変化や第二種ひずみによる影響を把握した。{002}回折から求めた残留応力は第二種ひずみの影響を受けやすい。そのため、溶接材の応力解析において第二種ひずみの影響を無視した場合、{002}回折から求めた残留応力分布は他の回折から求めた残留応力分布とは異なっていた。しかし、クーポン測定で得られた第二種ひずみを差し引いて格子ひずみ分布を補正すれば、それぞれの回折から求めた残留応力分布は35MPaの精度で一致した。このように、第二種ひずみの影響を考慮すれば、溶接材の中性子応力測定の精度は向上する。
Holden, T. M.*; 鈴木 裕士; Carr, D. G.*
ISIJ International, 46(7), p.959 - 965, 2006/07
被引用回数:11 パーセンタイル:37.25(Metallurgy & Metallurgical Engineering)ここ10年の間に、中性子回折法により測定した格子ひずみから巨視応力を計算する方法について研究開発が行われてきた。ある回折について測定した格子ひずみには、巨視応力場に一致する応力成分だけでなく、第二種あるいは粒内応力に一致する応力成分が含まれている。後者は不均一塑性変形に起因して発生し、方位の異なる結晶粒ごとに異なる格子ひずみを示す。この第二種応力成分を把握する手段には、測定試料の応力分布場よりも小さい領域からクーポン試料を切り出す方法がある。クーポン試料を切り出すことにより巨視応力場は除去されるが、結晶粒スケール程度の粒内応力場や組織変化状態は変化しない。したがって、クーポンを切り出す前の試料とクーポン試料の格子面間隔を比較することで、巨視応力に関連した格子ひずみを求めることが可能となる。粒内ひずみ(応力)及び巨視ひずみ(応力)が重畳した例として、曲げ蒸気発生配管や変形圧力配管について解説した。溶接試料においても、冷却過程において塑性変形が発生することがある。さらに、溶融に伴い、微視構造や組成が変化することもある。そのため、溶接部近傍では、測定位置ごとにクーポン試料を作製して標準格子定数を明らかにする必要がある。ここでは、オーステナイト系ステンレス鋼やZr合金溶接試料を例に挙げて解説した。
鈴木 裕士; Holden, T. M.*; 盛合 敦; 皆川 宣明*; 森井 幸生
材料, 54(7), p.685 - 691, 2005/07
本研究では、高張力鋼の一つであるNi-Cr鋼を用いて製作したX開先突合せ溶接試験片の残留応力分布を中性子回折法により測定し、残留応力発生メカニズムを検討した。始めに、無ひずみ状態における格子定数を測定するために、溶接試験片から幾つかの小片試料を切り出した。小片試料を用いて格子定数を測定した結果、溶接過程において生じたマルテンサイト変態などの相変態が影響して、溶接部近傍で格子定数の増加が認められた。次に、Fe110, Fe200, Fe211の三種類の回折により溶接試験片の残留応力分布を測定した。塑性ひずみの影響が無いために、それぞれの回折により評価した残留応力分布はほとんど同様な傾向を示していた。また、溶接部近傍における残留応力はNi-Cr鋼の降伏強さの半分程度の引張残留応力であった。高張力鋼では軟鋼と比べて相変態による膨張量が大きいこと、また、引張残留応力がかなり低い温度となってから発生し始めるために、残留応力が降伏応力に至らなかったと考えられる。したがって、高張力鋼の中性子応力評価では、塑性ひずみの発生を考慮する必要の無いことを確認した。
鈴木 裕士; Holden, T. M.*; Clausen, B.*; 塩田 佳徳*; 友田 陽*
no journal, ,
本研究では、0%, 25%及び75%冷間圧延されたSUS316オーステナイト系ステンレス鋼板の集合組織を中性子回折法により測定した。その結果、冷間圧延における典型的な集合組織の発達を観察することができた。一方、25%冷間圧延試料のそれぞれの回折について第二種ひずみを測定した結果、200回折において明確な分布が見られた。また、111, 200, 220回折の3つの回折間の第二種ひずみの関係は、これまでに報告されている単純な単軸変形のそれとよく似ていることを確認した。