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岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 吉田 誠*; 岩元 大樹; 明午 伸一郎; 米原 克也*; Spina, T.*; Hurh, P.*
no journal, ,
高エネルギー陽子照射下の構造材の欠陥生成の解明において、核反応生成物による材料中の損傷エネルギースペクトルが重要となる。しかし、広い陽子エネルギー範囲にわたって、損傷エネルギースペクトルは明らかになっていない。本研究では、粒子・重イオン輸送計算コードPHITSを用いて、10MeVから120GeVの陽子照射によるタングステン中の全核反応生成物による損傷エネルギースペクトルを計算した。その結果、核反応生成物のタングステンによる損傷エネルギースペクトルは核的弾性及び非弾性散乱の二つの成分からなり、平均損傷エネルギーは30-80keVであった。一方、その他の核反応生成物によるスペクトルは非弾性散乱成分からなり、平均損傷エネルギーは550-900keVであった。全ての核反応生成物の損傷エネルギーと生成数を考慮した結果、陽子エネルギー400MeV-1GeVにおいて、はじき出し断面積は陽子エネルギーが増えるにつれて増加するが、1GeV以上では概ね同じであり、実験値と同じ傾向を示すことがわかった。他に、これまでの成果を踏まえた計画中のプロジェクトとして、フェルミ国立加速器研究所における120GeV陽子を用いたはじき出し断面積の測定を紹介する。