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論文

Development of DynamicMC for PHITS Monte Carlo package

渡部 浩司*; 佐藤 達彦; Yu, K. N.*; Zivkovic, M.*; Krstic, D.*; Nikezic, D.*; Kim, K. M.*; 山谷 泰賀*; 河地 有木*; 田中 浩基*; et al.

Radiation Protection Dosimetry, 200(2), p.130 - 142, 2024/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:41.04(Environmental Sciences)

DynamicMCは、人体ファントムが単色線源に照射されたときの3次元線量分布を簡単に計算可能なGUIソフトウェアである。従来は、米国産放射線挙動解析コードMCNPと接続して使うよう設計されていた。本研究では、DynamicMCをPHITSと接続して使うように改良し、いくつかの新機能を付加した。具体的な改良点は以下の通りである。(1)単色のみならず放射性同位元素の崩壊により生じる様々なエネルギースペクトルを持つ線源に対応可能とした、(2)臓器吸収線量を計算可能とした、(3)複数の条件に対する平均線量を計算可能とした、(4)遮蔽物の影響を考慮可能とした。本改良により、DynamicMCは放射線防護の研究や教育など様々な目的で利用可能となった。

論文

Arsenic removal from contaminated water utilizing novel green composite ${it Chlorella vulgaris}$ and nano zero-valent iron

Islam, M. S.*; Maamoun, I.; Falyouna, O.*; Eljamal, O.*; Saha, B. B.*

Journal of Molecular Liquids, 370, p.121005_1 - 121005_11, 2023/01

 被引用回数:34 パーセンタイル:98.21(Chemistry, Physical)

Arsenic waste must be carefully managed because of the adverse effects of arsenic in wastewater on the ecosystem. In the present study, an environmentally friendly novel composite of ${it Chlorella vulgaris}$ microalgae and nano-zero valent iron (NZVI) was employed as an adsorbent to eliminate arsenic from the aqueous environment. Fourier Transform Infrared spectroscopy, X-ray diffraction, and scanning electron microscope images were used to characterize and analyze the CV/NZVI composites. Batch tests using initial arsenic concentrations ranging from 5 to 100 mg/L were conducted to evaluate removal efficiencies. According to kinetic analysis, the best model for fitting the experimental data was the pseudo first-order model, which had the lowest Akaike information criterion (AIC), and Bayesian information criterion (BIC) values of -23.878 and -7.902, respectively. Results alluded that physisorption is the primary mechanism influenced by As-removal by CV/NZVI composite. Due to the negative sign of the enthalpy and Gibbs free energy, the thermodynamic investigation revealed that the adsorption reaction was exothermic and spontaneous. The thermodynamic analysis also affirmed that the arsenic removal process involved primarily physisorption and slight chemisorption phenomena. Meanwhile, 1.5 g/L CV/NZVI dosage achieved 99% As(V) removal efficiency in synthetic groundwater systems, confirming the high potential of the composite in complex aqueous systems.

論文

Auger electron spectroscopic analysis of corrosion products formed on A3003 aluminum alloy in model fresh water with different Zn$$^{2+}$$ concentration

大谷 恭平; Islam, M. S.*; 坂入 正敏*; 兼子 彬*

Surface and Interface Analysis, 51(12), p.1207 - 1213, 2019/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:1.78(Chemistry, Physical)

異なる亜鉛イオン濃度の模擬淡水中でA3003アルミニウム合金に形成した腐食生成物の形態および組成をオージェ電子分光分析装置(AES)により明らかにした。試料断面の観察より、浸漬した模擬淡水の亜鉛イオン濃度が増加するほどA3003に形成した腐食生成物の厚さは減少することがわかった。試料断面の分析より、溶液中の亜鉛イオン濃度が0.1mMを超えると腐食生成物は多層構造になり、内側の亜鉛の豊富な層は高耐食性を有することが示唆された。

論文

Role of metal cations on corrosion of coated steel substrate in model aqueous layer

Islam, M. S.*; 大谷 恭平; 坂入 正敏*

ISIJ International, 58(9), p.1616 - 1622, 2018/09

 被引用回数:7 パーセンタイル:34.08(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

亜鉛めっき鋼板の腐食挙動には溶出した亜鉛イオンが寄与していると考えられるため、炭素鋼の腐食に及ぼす亜鉛イオンの影響および他の金属カチオンの影響を浸漬腐食試験および電気化学的手法を用いて調査した。浸漬腐食試験で得られた外観写真や質量変化から実験に用いたNa$$^{+}$$, Mg$$^{2+}$$, Zn$$^{2+}$$, Al$$^{3+}$$のなかで亜鉛は最も炭素鋼の防食に寄与することがわかった。XPS測定より亜鉛イオンは鋼の表面に結合していることが分かり、更に電気化学インピーダンス測定から亜鉛イオンが溶液に存在していると炭素鋼の腐食抵抗が大きくなるため耐食性の高い表面状態になっていることがわかった。実験結果より、亜鉛イオンは炭素鋼表面に亜鉛の金属カチオン層を形成して塩化物イオンによる攻撃を防いでいたと推察できる。すなわち、亜鉛めっき鋼板の防食作用は犠牲防食だけでなく溶出した亜鉛イオンによる防食作用も大きく寄与していると考えられる。

論文

Corrosion inhibition effects of metal cations on SUS304 in 0.5 M Cl$$^{-}$$ aqueous solution

Islam, M. S.*; 大谷 恭平; 坂入 正敏*

Corrosion Science, 140, p.8 - 17, 2018/08

 被引用回数:16 パーセンタイル:60.32(Materials Science, Multidisciplinary)

異なる金属カチオンを含む0.5M Cl$$^{-}$$の溶液に暴露したSUS304の腐食挙動を表面分析を伴う浸漬試験および電気化学測定により調査した。金属カチオンにより異なる腐食メカニズムはXPS分析および硬い柔らかい酸塩基理論(HSAB理論)により解明した。研究結果より、硬い金属カチオンは化学結合によって不動態皮膜上に保護層を形成して塩化物イオンによる攻撃を防ぐことにより、SUS304の腐食反応を抑制する効果を持つと考えられる。

論文

Characterization and distribution of IS${it 8301}$ in the radioresistant bacterium ${it Deinococcus radiodurans}$

Islam, M. S.*; Hua, Y.*; 大庭 寛史; 佐藤 勝也; 菊地 正博; 柳沢 忠*; 鳴海 一成

Genes and Genetic Systems, 78(5), p.319 - 327, 2003/10

 被引用回数:16 パーセンタイル:30.85(Biochemistry & Molecular Biology)

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスKD8301株から単離された挿入配列IS${it 8301}$を解析した。IS${it 8301}$は、IS${it 605}$/IS${it 200}$グループに属する新規挿入配列であり、長さが1,736塩基対であった。Inverse PCR法での解析により、IS${it 8301}$の挿入標的部位は"TTGAT"であることがわかった。IS${it 8301}$ラジオデュランスの野生株R$$_{1}$$, MR$$_{1}$$, KR$$_{1}$$でのIS${it 8301}$のゲノム内分布を調べたところ、R$$_{1}$$株の公開ゲノム配列情報と矛盾しており、今回調べたR$$_{1}$$株ではIS${it 8301}$が1コピーしか存在しなかった。IS${it 8301}$は挿入部位に存在する遺伝子を破壊しており、ゲノムに変異を起こす原因となりうるが、大規模のゲノム再構成を引き起こしてはいなかった。

報告書

Analytical study of narrow channel flow for a spallation target system design

Islam, M. S.*; 寺田 敦彦*; 木下 秀孝; 日野 竜太郎; 門出 政則*

JAERI-Tech 2001-044, 49 Pages, 2001/07

JAERI-Tech-2001-044.pdf:2.49MB

十分に発達した乱流域での水の熱伝達と圧力損失特性について高さ1.2mmの狭隘矩形流路内で2次元的に解析を行った。流路形状や流動条件は核破砕ターゲットシステムにおける陽子ビーム窓や固体ターゲット模擬した。解析は高レイノルズ数モデルの標準$$k-varepsilon$$モデルとRNG$$k-varepsilon$$モデルを用い、壁関数を利用してレイノルズ数(Re)が7,000~22,000の範囲で行った。熱伝達特性に関しては標準$$k-varepsilon$$モデルで得られたヌセルト数がDittus-Boelterの式とよく一致した。しかし、摩擦係数に関してはリブのついた管における値を再現しなかった。また、二つの乱流モデルで計算される摩擦係数に大きな違いはなく、ブラジウスの式の値とよく一致した。

口頭

Role of zinc ion on corrosion of metals in aqueous solution

坂入 正敏*; 大谷 恭平; Islam, M. S.*

no journal, , 

以前の研究で溶液環境中の亜鉛イオンは金属の腐食を抑制する役割があることが明らかになった。しかし、亜鉛イオンの金属の腐食抑制に及ぼす役割は完全には明らかになっていない。本研究では、亜鉛イオンのおよぼす鋼およびアルミニウム合金の腐食への影響を明らかにした。電気化学インピーダンス分析および表面の化学状態分析より、亜鉛イオンは鋼表面に電気化学反応を抑制するのに効果的な保護皮膜を形成し、その結果として腐食速度を減少させる役割を持つことがわかった。

口頭

Effects of zinc ion concentration on the surface film structure of mild steel in aqueous solution with chloride ion

Islam, M. S.*; 大谷 恭平; 坂入 正敏*

no journal, , 

これまでの研究で淡水中に含まれる亜鉛イオンは炭素鋼の腐食を抑制する効果があるという報告がされているが、亜鉛イオン濃度の影響は不明だった。そこで、亜鉛イオン濃度を0.1mMから1mMまで変化させた溶液を用いて腐食試験を実施し、亜鉛イオン濃度が炭素鋼の腐食に及ぼす影響を調査した。腐食試験後の鋼の質量減少量は淡水の亜鉛イオン濃度と線形に比例して減少していた。腐食試験後の鋼材表面のSEM観察結果から亜鉛イオン濃度の増大に伴って鋼表面の孔の数は減少していることがわかった。XPSおよびAESによる表面分析より、亜鉛イオンは鋼表面に金属カチオンの層を形成し、亜鉛イオン濃度が高いほど金属カチオン層は鋼の被覆率が高いことがわかった。

口頭

重粒子線照射による早期老化の誘導

大上 厚志*; 清水 宣明*; 田中 淳*; 大槻 貴博*; 品川 雅彦*; 森 隆久*; Saha, M. N.*; Ariful, H. S.*; Islam, S.*; 中村 孝子*; et al.

no journal, , 

ヒトグリオーマ由来NP-2細胞に重粒子線を照射すると、巨大化・扁平化した細胞の出現や細胞質内の顕著な顆粒蓄積が見られた。このような形態変化は、老化細胞の特徴として知られている。そこで、さらに幾つかの老化マーカーを調べると、すべてに陽性の結果が得られた。また、5-bromodeoxyuridineの取り込み試験を行うと、ほとんどのSA-$$beta$$-Gal陽性細胞は、DNA複製を停止していた。これらの結果は、重粒子線を照射したNP-2細胞に増殖停止を伴う老化様形質が誘導されてきたことを強く示唆している。一般的に、細胞老化にはテロメア短縮を伴うreplicative senesecenceと、伴わないstress-induced premature senescence(SIPS)に分類されている。本実験においてSouthern blotting解析により、SA-$$beta$$-Gal陽性細胞における平均テロメア長に変化が認められなかったことから、後者のタイプ(SIPS)の細胞老化であることが示唆された。これまでに、老化細胞は、酸化ストレスの高い状態にあることが報告されているが、本実験の老化様形質を示す細胞も高い酸化ストレスの状態にあることが明らかとなった。また、細胞老化における増殖停止にp53が重要な働きをしていることが知られている。しかし、本実験に用いたグリオーマ由来細胞株は、変異型のp53を持っているために、p53非依存性メカニズムにより、老化様形質が誘導されたものと推測された。

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