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松岡 萌*; Kagawa, Eiichi*; 天野 香菜*; 中村 智樹*; 巽 瑛理*; 大澤 崇人; 他51名*
Communications Earth & Environment (Internet), 4, p.335_1 - 335_12, 2023/09
被引用回数:3 パーセンタイル:85.82(Environmental Sciences)Cb型小惑星(162173)リュウグウからのリターンサンプルの可視近赤外(Vis-NIR)スペクトルは、非常に低い反射率値と吸収を示し、はやぶさ2のONC-TとNIRS3による観測と概ね一致した。注目すべき違いは、実験室サンプルのスペクトルでは、2.72mの金属OH吸収がリュウグウ表面のものと比べて2倍以上深くなっていることである。物性値や宇宙風化作用によるスペクトル変化の範囲を調べた室内実験から、リターンサンプルと小惑星表面のスペクトルの違いは、(1)多孔性、(2)粒子径、(3)宇宙風化作用の度合いの組み合わせで最もよく説明できると結論づけた。これらの効果は、Cb型小惑星間のスペクトル変動を説明することができ、これらの小惑星は同じCIコンドライト物質で構成されているが、異なる物理的性質と風化の度合いからなることが示唆される。リュウグウ表面全体のVis-NIRスペクトルが極めて均一であることと、地球近傍のS型小惑星(25143)イトカワの不均一なスペクトルを比較すると、S型小惑星と比較してCb型小惑星の方が宇宙風化が急速に進行していることを示している。Cb型小惑星の主成分は、無水珪酸塩に比べて融点が低く、物質強度も低い多孔質の含水珪酸塩であるため、惑星間塵の衝突による表面変質を受けやすいと考えられる。