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Kofler, C.*; Domal, S.*; 佐藤 大樹; Dewji, S.*; Eckerman, K.*; Bolch, W. E.*
Radiation and Environmental Biophysics, 58(4), p.477 - 492, 2019/11
被引用回数:5 パーセンタイル:39.63(Biology)現行の放射線防護における線量評価では、国際放射線防護委員会(ICRP)が定義する実効線量等を用いる。この実効線量は、ICRPが定義する各年齢の標準体型を模擬する人体模型により計算される臓器吸収線量から導出される。一方、標準体型から逸脱した個人を考慮した線量推定において、標準体型に基づく実効線量の適用の妥当性が議論されてきた。本研究では、標準体型以外の人体模型により、臓器線量を基本として実効線量と同様の手法で導出される損害加重線量を解析した。ここでは、土壌に沈着した放射性核種からの外部被ばく条件に対し、米国立健康統計学センターが報告する身長及び体重を網羅した351体の人体数値模型を適用した。また、ICRPが与える核種崩壊データベースから、33種類の核種を評価対象とした。その結果、環境での外部被ばくで問題となるSr, Sr, Cs及びIに対して、1歳児の実効線量と損害加重線量は5%以内で一致した。一方、年齢とともに、標準体型からの逸脱による実効線量と損害加重線量の差は大きくなり、成人では+15%から-40%の偏差を持つことが明らかになった。本データは、個人の体格特性に着目する線量再構築や疫学調査における線量推定の精度を向上させるものである。