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陶山 忠宏; Ganter, C.*; Kunze, S.*; 舘 幸男; Ochs, M.*
JAEA-Data/Code 2010-026, 72 Pages, 2011/02
放射性廃棄物の地層処分安全評価において、人工バリアであるベントナイトや天然バリアである岩石中での核種の収着現象は、核種の移行遅延を支配する重要な現象である。日本原子力研究開発機構(JAEA)では、バッチ法収着試験によって得られた収着分配係数を公開文献から抽出・整理して、収着データベース(JAEA-SDB)として整備を進めてきた。将来の性能評価におけるニーズへの対応を念頭に、データベースに含まれるKdデータの信頼度評価、実際の地質環境に対するKd設定におけるデータベース適用に着目して、データベースの改良・更新を継続的に実施してきている。本報告書では、JAEA-SDBに含まれる重要核種(Th, Np, Am, Se, Cs)のKdデータのうち、地質環境に広く存在する凝灰岩系岩石を対象として、これまで報告してきた信頼度評価手法に従って評価を実施した。その結果として、560のKdデータに対して、新たな信頼度情報が付与された。この信頼度評価手法は、収着データベースから利用可能な関連データ群を速やかに抽出し、Kdデータ設定の際に参照すべきデータを適切に選定するうえで、有効な手法となると考えられる。
Ochs, M.*; 陶山 忠宏; Kunze, S.*; 舘 幸男; 油井 三和
JAEA-Data/Code 2009-021, 144 Pages, 2010/02
放射性廃棄物の地層処分安全評価において、人工バリアであるベントナイトや天然バリアである岩石中での核種の収着現象は、核種の移行遅延を支配する重要な現象である。JAEAでは、バッチ法収着試験によって得られた収着分配係数を、公開文献から抽出・整理した収着データベース(JAEA-SDB)の整備を進めてきた。本報告書では、JAEA-SDBに含まれるKdデータのうち、深地層研究施設との関連から花崗岩系に着目するとともに、地質環境に広く存在する鉄やアルミニウムの酸化物/水酸化物系を対象として、これまでに報告してきた手法に従って信頼度評価を実施した。その結果として1,373のKdデータに対して、新たな信頼度情報が付与された。この信頼度評価手法は、収着データベースから利用可能な関連データ群を速やかに抽出し、Kdデータ設定の際に参照すべきデータを適切に選定するうえで、有効な手法となると考えられる。
齋藤 好彦; Ochs, M.*; Kunze, S.*; 北村 暁; 舘 幸男; 油井 三和
JAEA-Technology 2008-018, 116 Pages, 2008/03
本報告書においては、JNC-SDBに含まれるKdデータのうち、特に幌延岩石を対象にしたKd設定検討への活用を念頭に、泥岩系のKdデータを主な対象(1,056データ)として、前報告書にて設定した手法に従って信頼性評価を行った。この信頼度評価の手法は、Kdデータ設定において、利用可能な関連データ集を速やかに抽出し、参照すべきデータを適切に選定するうえで、有効な手法である。
Ochs, M.*; Kunze, S.*; 齋藤 好彦; 北村 暁; 舘 幸男; 油井 三和
JAEA-Research 2008-017, 89 Pages, 2008/03
本報告書では、JNC-SDBを適用して、幌延岩石に対するTh, Np, Cs及びSeのK設定を試み、その適用性に関する検討を行った。JNC-SDBから関連するKデータの抽出を行い、このKデータ取得された実験条件と適用条件の違いを、半定量的なスケーリングファクターとして変換することでKが導出された。このスケーリングファクターによる設定手法と関連する不確実性が、K設定に及ぼす影響を評価するため、評価対象となる岩石の鉱物組成,表面特性,核種の溶存化学種等の条件を考慮したスケーリングファクターを段階的に導出し、K設定に及ぼす影響を詳細に評価した。このK設定手法は、実際の地質環境条件でのKの大きさを予測する手法として有効であるが、評価対象条件への関連付けが可能な実験データの存在に依存するなど、その適用範囲はある程度限定される。また、今回のK設定への適用を通じて、JNC-SDB及びその信頼度評価が、利用可能な関連データ集を速やかに抽出し、参照すべきデータを適切に選定するうえで、有効な手法であることが確認された。
Ochs, M.*; Kunze, S.*; 油井 三和; 笹本 広
no journal, ,
原子力機構はジェネリックなタイプの地下研究施設を用い、一般的な(他の場所にも適用可能な)特性評価手法の開発を進めている。物質移行解析のための実効的手法を開発するためには、実際の地質環境における手法の適用性評価が重要である。Kdは、物質移行解析における重要なパラメータの一つであり、今回の研究では、収着データベースを用い、幌延地下研究施設の条件における幾つかの重要な核種のKdを導出するための実効的手法について検討する。本研究では、第一段階として、以下の検討を行った。(1)幌延地下研究施設で実施する試験計画の検討、(2)既存のデータベースの有効性検討及びデータベースに含まれる重要な課題の認識。収着データベースは、地下研究施設で想定される条件下でのCs, Np, Th及びSeの収着を予察的に推測するために用いられた。Kdの導出は、モデルによる推定手法に基づき行った。その結果、想定される原位置条件での収着の程度を評価することができ、またデータベースに含まれるデータと現象論的理解の間にギャップがあることが認識された。
陶山 忠宏; 舘 幸男; 油井 三和; Ochs, M.*; Kunze, S.*; Dahinden, M.*
no journal, ,
ベントナイトへの核種の収着現象を評価するために、スメクタイトの層間でのイオン交換反応及びエッジでの表面錯体反応を考慮した収着モデルを適用し、地層処分安全評価上の重要核種を対象に、既存の収着データから反応定数の導出を行った。Np(V)についてのモデリング結果はpH依存性並びに炭酸影響をよく再現でき、塩濃度変化に伴う低pH領域でのKd変化をおおむね表現できている。ただし、高pH領域での塩濃度依存性については実測と計算が逆の傾向を示しているが、この領域はKdの誤差が大きい点や低塩濃度でのスメクタイトの可溶性塩等の影響,高塩濃度での活量補正等の問題を検討する必要がある。
Ochs, M.*; Kunze, S.*; Dahinden, M.*; 舘 幸男; 油井 三和
no journal, ,
放射性廃棄物処分におけるベントナイト人工バリア中の放射性核種の遅延を評価するための熱力学的収着モデルを、モンモリロナイト及びベントナイトへの重要核種Ni(II), Am(III), Th(IV), Np(V), U(VI), Se(IV)の収着現象を対象として、幅広い環境条件への対応も念頭に開発した。モデル開発の主眼は、できるだけ単純なモデルの選定と、モデル概念と基本パラメータの一貫性のある取り扱いであり、1サイトの表面錯体/拡散層モデルと1サイトのイオン交換モデルを組合せたモデルを選定した。このモデルの基本パラメータは、0.01/0.1/0.5MのNaCl溶液系で取得された酸塩基滴定データに基づき評価した。さらに、既報文献中の収着データを用いて、核種の収着反応の基本定数を導出した。収着モデルとパラメータは、独立したデータセットを用いて検証を行うとともに、さまざまな放射性核種及び環境条件でのデータへの適用性が評価された。