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渡部 浩司*; 佐藤 達彦; Yu, K. N.*; Zivkovic, M.*; Krstic, D.*; Nikezic, D.*; Kim, K. M.*; 山谷 泰賀*; 河地 有木*; 田中 浩基*; et al.
Radiation Protection Dosimetry, 13 Pages, 2023/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)DynamicMCは、人体ファントムが単色線源に照射されたときの3次元線量分布を簡単に計算可能なGUIソフトウェアである。従来は、米国産放射線挙動解析コードMCNPと接続して使うよう設計されていた。本研究では、DynamicMCをPHITSと接続して使うように改良し、いくつかの新機能を付加した。具体的な改良点は以下の通りである。(1)単色のみならず放射性同位元素の崩壊により生じる様々なエネルギースペクトルを持つ線源に対応可能とした、(2)臓器吸収線量を計算可能とした、(3)複数の条件に対する平均線量を計算可能とした、(4)遮蔽物の影響を考慮可能とした。本改良により、DynamicMCは放射線防護の研究や教育など様々な目的で利用可能となった。
Wach, R.; 杉本 雅樹; Lam, N. D.; 吉川 正人
Proceedings of 8th SPSJ International Polymer Conference (IPC 2005) (CD-ROM), 60 Pages, 2005/07
ケイ素高分子から合成されるSiCセラミックスは、耐熱・耐蝕性に優れた材料である。本研究では、SiCセラミックスの出発物質であるケイ素系高分子として、ポリカルボシラン(PCS)及び、PCSとポリビニルシラン(PVS)のポリマーブレンドをアルミナ基板上に塗布してから、電子線により酸化架橋した後、不活性ガス中で焼成してセラミックに転換することでSiCコーティングの合成に成功した。また、PVSを10wt%ブレンドしたポリマーブレンドが高いセラミック化収率を示し、セラミック転換時の収縮による欠陥生成を抑制することに効果的であることを見いだした。得られたSiCコーティングについて高温で水素を透過することができれば、高温水素分離フィルターとしての応用が期待できる。
Lan, K. N.*; Lam, N. D.*; 長澤 尚胤; 吉井 文男; 久米 民和
Chitin and Chitosan; Chitin and Chitosan in Life Science, p.289 - 290, 2001/00
照射キトサンを用いてコーティングすることにより、果実の保蔵期間の延長を試みた。本技術は、照射キトサンの抗カビ活性及び膜のガス透過性の変化を利用するものである。キトサンは粉末状態で25kGy照射することにより、フザリウム,ペニシリウム,アスペルギルスなどの糸状菌を抑制する活性が増大した。照射キトサンを用いて、マンゴー及びバナナの表面コーティングを行い、貯蔵試験を行った。いずれの果実においても、照射キトサンを用いたコーティングを行うことにより、糸状菌の発生抑制、ブラック・スポット発現の防止、良好な熟成による好ましい色と香りなどの食味、水分損失の抑制効果が認められた。これらの結果から、照射によって低粘度化したキトサンは、果実保蔵に適しコーティング剤として利用できるものと考えられた。
Lam, N. D.*; 長澤 尚胤*; 久米 民和
Radiation Physics and Chemistry, 59(4), p.393 - 398, 2000/10
被引用回数:15 パーセンタイル:68.65(Chemistry, Physical)リグノセルロース物質の高線量照射及び糸状菌処理を行い、植物の生育に対する効果を検討した。これらの処理により、リグノセルロースの化学組成は著しく変化した。照射処理では、溶解度の上昇や繊維成分の減少などの変化が認められた。また分解産物は、植物の生長に関与するオーキシン誘導活性を増大させるなどの生物活性が認められた。これら分解処理による生物活性の増大は、オリゴ糖、特にガラクチュロン酸の作用によると考えられた。
Lan, K. N.*; Lam, N. D.*; 吉井 文男; 久米 民和
食品照射, 35(1-2), p.40 - 43, 2000/09
ベトナムでは、マンゴーなどの熱帯果実が大量に腐敗し廃棄されている。そこで、マンゴーの保存性改良のため、照射キトサンによるコーティング効果について予備的検討を行ったので、その結果を報告する。キトサンは照射により著しく粘度が低下し、また抗菌活性が増大する。未処理、非照射キトサンコーティング、照射コーティングについて検討した結果、未処理のマンゴーは貯蔵7日で腐敗が始まった。非照射キトサンコーティングでは、15日間ほとんどカビの発生はなかったが、熟成が進まず青いままであった。照射キトサンコーティングでは、15日間の貯蔵期間中カビの発生は完全に抑制され、熟成も進んで食用に適した状態であった。これは、照射キトサンが抗菌性を有していることと、適度なガス透過性(果実の呼吸が可能)によるものと考えられる。
Lam, N. D.*; Diep, T. B.*; 久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.120 - 130, 2000/03
植物の環境ストレス下での生育に対する照射キトサンの効果を調べた。キトサンは50ppm濃度で植物の生育に悪影響を及ぼすが、100kGy以上の照射で生育阻害効果は減少した。植物に対して毒性を示す重金属バナジウム(V)は、照射キトサンを添加することにより毒性を抑制することができた。ほかの重金属Znや塩によるイネの生育阻害に対しては、照射キトサンの抑制効果は認められなかった。とたがって、キトサンの重金属阻害抑制効果があることから、作用メカニズムとしてキトサンのキレート能以外の作用を考慮する必要性が示唆された。
Lan, K. N.*; Lam, N. D.*; 久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.101 - 106, 2000/03
照射キトサンの植物への利用として、果実保蔵への応用を検討した。マンゴーのコーティング剤としての効果を検討した結果、予備試験の段階ではあるが興味ある効果が明らかとなった。非照射キトサンのコーティングでは腐敗が認められたが、照射キトサンでは15日間腐敗もなく、熟成の進んだ品質の良いマンゴーが得られた。一方、非照射キトサンに抗カビ剤を混ぜたところ、腐敗を防止することができた。しかし、熟成が進まずマンゴーの品質は悪かった。照射キトサンには抗カビ作用が誘導されることから、この抗カビ作用とガス透過性(CO及びO)が照射により改善されたため、果実のコーティング剤としての性能が向上したものと考えられる。
久米 民和; 長澤 尚胤*; 吉井 文男; Tham, L. X.*; Hien, N. Q.*; Ha, P. T. L.*; Lam, N. D.*
Conference Proceeding RadTech Asia'99, p.475 - 480, 1999/00
キトサン、アルギン酸、カラギーナン、セルロース、ペクチンなどの多糖類は、放射線により容易に分解する。これらの放射線分解産物の植物への効果を検討した。キトサンの放射線分解産物は、抗菌活性、植物生育促進、植物の重金属障害の抑制、ファイトアレキシン(抗菌物質)の誘導など、種々の生物活性が発現した。ペクチンの放射線分解産物も、ダイズにおけるグリセオリンやエンドウにおけるピサチンなどのファイトアレキシンを誘導したが、その活性はキトサンの方が高かった。植物の生育促進効果に関しては、アルギン酸、キトサン、リグノセルロース抽出物などに強い活性が認められた。これらの結果から、放射線分解多糖類は種々の生物活性を発現し、農業や医学への利用の可能性が示された。