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Lee, K. K.*; Laube, M.*; 大島 武; 伊藤 久義; Pensl, G.*
Materials Science Forum, 556-557, p.791 - 794, 2007/00
炭化ケイ素(SiC)金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のチャンネル移動度と界面準位の関係をホール効果及びアドミッタンス測定を用いて調べた。水素燃焼酸化によりゲート酸化膜を作製した(Pyro)nチャンネル6H-SiC MOSFETと乾燥酸素での酸化に加え800Cでの水蒸気処理によりゲート酸化膜を作製した(Annealed)MOSFETを作製した。MOSFETの電流-電圧(I-V)測定より求めた有効チャンネル移動度は、それぞれ30及び75cm/Vsであった。一方、ホール効果によりチャンネルに流れるキャリアの移動度を調べたところ両者とも85cm/Vsであり、Annealed MOSFETでは良い一致を示したがPyro MOSFETは値が異なった。さらに、アドミッタンス測定を行った結果、Annealed MOSFETに比べPyro MOSFETは、伝導帯付近の界面準位濃度が二倍以上高いことが見いだされた。以上から、Pyro MOSFETは界面準位によりキャリアが捕獲されるために、実際にチャンネルに流れるキャリア濃度がI-V特性から有効チャンネル移動度を導出する際に用いる理想的なキャリア濃度より低くなっており、その結果、I-V特性から導出されるチャンネル移動度が低く見積もられたと結論できる。
Laube, M.*; Pensl, G.*; Lee, K. K.; 大島 武
Materials Science Forum, 457-460, p.1381 - 1384, 2004/10
六方晶炭化ケイ素(6H-SiC)上に作製した金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のチャンネル内の電気特性とゲート酸化膜作製方法の関係をHall測定により調べた。その結果、水蒸気酸化により作製したMOSFETに比べ、乾燥酸素及び酸化後アルゴン中アニール処理したMOSFETの方がトランジスタ特性から見積もったキャリア移動度が高いにもかかわらず、Hall測定より見積もったキャリアの移動度は両者ともに60cm/Vsと同程度であることが明らかとなった。さらに、しきい値電圧の温度依存性から界面準位の発生量を見積もったところ、水蒸気酸化したMOSFETの方が2倍多く発生していることが見いだされた。このことより、チャンネルに流れるキャリアの真の移動度は酸化膜作製方法によらず同じであるが、界面準位の発生によりキャリアがトラップされるためにトランジスタ特性により求めたキャリア移動度が小さく見積もられることが明らかとなった。