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相原 永史*; 福村 信男*; 角谷 浩享*; 小山 智造; M.J.Hai*
PNC TN9410 87-072, 25 Pages, 1987/05
日米共同臨界実験の中の一項目として、有機溶液及び軽水減速材とMCX燃料ピンの格子からなる炉心の臨界実験が行なわれた。この実験結果に対してベンチマーク解析を実施し、精度評価を行った。 解析コードはATRの解析を通じて高精度の実績を得ているWIMS-CITATION結合システムを用いた。解析手法はエネルギー6群、3次元形状モデルを用い、減速材中の水素の散乱核を計算するために、有機溶液及び軽水共通にネルキンモデルを用いた。 解析の結果、軽水減速炉心はKeff=1に対して、0.2%K以内の解析精度で良い一致を示したが、これに比べて有機溶液減速材炉心は、格子ピッチが大きくなるに従い、僅かな過小評価を示すことが分った。これは、格子ピッチが大きくなると減速材の占める割合が増大することに伴って、有機溶液と軽水の化学結合モデルの違いによる影響が現れてくるものと考えられる。 今後、有機溶液減速材特有の中性子散乱核モデルを作成して、軽水減速材の場合と同様の解析精度を確立させる必要がある。
相原 永史; 福村 信男; M.J.Haire*
Proceedings of American Nuclear Society 1987 Annual Meeting, ,
再処理工程で扱われる有機燃料溶液を模擬して,有機溶液減速材とMOX燃料ピンの格子からなる炉心の臨界実験が,日米共同臨界実験の中の一項目として行われた。本報告は,この実験結果に対してベンチマーク解析を実施するとともに,過去に減速材として軽水を用いて行われた臨界実のベンチマーク解析と比較し,両減速材炉心の解析精度評価について述べる。解析の結果,軽水減速材炉心はKeffに対して0.2%K以内の解析精度で良い一致を示したが,これに比べて有機溶液減速材炉心は,格子ピッチが大きくなるに従い,僅かな過小評価を示すことが分かった。これは格子ピッチが大きくなると減速材の占める割合が増加することにより,有機溶液特有の化学結合効果によって中性子の散乱の度合が軽水に比べて弱まるためと考えられる。今後,有機溶液減速材の中性子散乱核モデルを作成して,軽水減速材と同等に解析精度を確立させる。