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Dopieralski, P.*; Anjukandi, P.*; Rckert, M.*; 志賀 基之; Ribas-Arino, J.*; Marx, D.*
Journal of Materials Chemistry, 21(23), p.8309 - 8316, 2011/06
本論文は、前中期計画で開発した原子力構造材の応力破壊の分子シミュレーション手法を化学反応制御の問題に応用した研究である。ベンゾシクロブテン誘導体のメカノケミカル開環反応において、外部から加えられた張力がポリエチレン型重合体を通してどのように伝わるかを、密度汎関数計算で調べた。その結果、同旋的・逆旋的開環反応経路における活性化エネルギーは、張力の大きさや重合体の長さに著しく依存することがわかった。これは、重合体を適切に選ぶことにより化学反応制御ができる可能性を示唆している。また、注目すべきことに、同旋的開環反応における遷移状態近傍のポテンシャル曲面のトポロジーは、外部張力に大きな影響を受けて、逆旋的開環反応に至ることがある。
Dopieralski, P.*; Anjukandi, P.*; Rckert, M.*; 志賀 基之; Ribas-Arino, J.*; Marx, D.*
Journal of Materials Chemistry, 21(23), p.8309 - 8316, 2011/06
被引用回数:49 パーセンタイル:79(Chemistry, Physical)本発表は、科学研究費補助金研究課題「量子ゆらぎと熱揺らぎを考慮した高次系生体分子クラスターの分子論的解明」に基づく成果である。まず、外力の影響を受けて開環反応を起こすメカノフォアであるベンゾシクロブテンについて、脂肪族炭化水素鎖がどのような役割を果たすかを計算で調べた。得られた計算結果は、シス1,2置換されたベンゾシクロブテンの順旋的や逆旋的な開環反応過程それぞれにおいて、炭化水素鎖の長さは活性化エネルギーの外力依存性に影響があることを示している。したがって、メカノフォア自身を代えるだけでなく、メカノフォアに付加されている鎖を代えることで、その化学的性質を調節することが可能であることがわかる。本成果は、量子及び熱揺らぎ等を高い精度で考慮する分子動力学手法開発に資する成果であり、今後の原子力材料研究への発展が期待できる。
Ribas-Arino, J.*; 志賀 基之; Marx, D.*
Journal of the American Chemical Society, 132(30), p.10609 - 10614, 2010/08
被引用回数:82 パーセンタイル:85.26(Chemistry, Multidisciplinary)本研究では、メカノフォアへの外力変換において、脂肪族ポリマー鎖がどんな役割を果たすかについて理論的に研究した。その結果、安定性理論に基づいた厳密な方法を用いることで、シス1,2置換されたベンゾシクロブテンの破壊強度が著しく鎖の長さに依存することなどの実証に成功した。この結果は、メカノケミカル反応をモデル化する際に、ポリマー鎖をあらわに考慮する必要があることを示しているほか、さらに、鎖状の分子を変えることで、ポリマーの機械的性質をコントロールできる可能性をも示している。
Ivanov, S. D.*; Witt, A.*; 志賀 基之; Marx, D.*
Journal of Chemical Physics, 132(3), p.031101_1 - 031101_4, 2010/01
被引用回数:60 パーセンタイル:89.51(Chemistry, Physical)セントロイド分子動力学法は経路積分理論から近似的に量子動力学を得る方法の一つである。この論文では、凝集系、特に液体の水において、セントロイド分分子動力学法を用いると、高振動のOHバンドの赤方偏移を過大評価してしまうことを示す。このセントロイド分分子動力学法に特有な振る舞いは、簡単な「調和曲率補正」を用いることで改良することができる。
Ribas-Arino, J.*; 志賀 基之; Marx, D.*
Chemistry; A European Journal, 15(48), p.13331 - 13335, 2009/11
被引用回数:40 パーセンタイル:71.52(Chemistry, Multidisciplinary)ベンゾシクロブテンのシス及びトランス置換体について、外力により変形されたポテンシャルエネルギー曲面を調べることにより、外力誘起の開環反応のメカニズムを明らかにする。シス体から, 体へ至る同旋的開環反応は弱い外力下でしか起こらない。一方、より強い外力下ではシス体から, 体へ至る逆旋的開環反応が起こり、これは協奏的過程であることがわかった。
Witt, A.*; Ivanov, S. D.*; 志賀 基之; Forbert, H.*; Marx, D.*
Journal of Chemical Physics, 130(19), p.194510_1 - 194510_15, 2009/05
被引用回数:179 パーセンタイル:98.88(Chemistry, Physical)セントロイド分子動力学法やリングポリマー分子動力学法は、経路積分分子動力学法を拡張し、複雑な分子系の量子動力学を近似的に解くことのできる手法である。両方法ともに振動分光学に関連した準古典的な時間相関関数、特に赤外スペクトルに関係した双極子自己相関関数などを算出することができる。これらの方法を使い、振動スペクトルの温度依存性や同位体依存性について、簡単な分子を例として系統的に調べる。
Ribas-Arino, J.*; 志賀 基之; Marx, D.*
Angewandte Chemie; International Edition, 48(23), p.4190 - 4193, 2009/04
被引用回数:185 パーセンタイル:95.88(Chemistry, Multidisciplinary)化学結合の解離を機械的に制御することは「メカノケミストリー」と呼ばれ、新しい分野として成長しつつあるが、その背景となる理論はまだ確立されていない。ここでは、外力により変形された断熱ポテンシャル面上での分子運動について福井の固有反応座標のコンセプトを取り入れるという、新しい方法を提案する。また、これをもとに最近超音波実験で得られている禁制のペリ環状反応の仕組みについて説明する。
Kaczmarek, A.*; 志賀 基之; Marx, D.*
Journal of Physical Chemistry A, 113(10), p.1985 - 1994, 2009/03
被引用回数:49 パーセンタイル:86.25(Chemistry, Physical)真空中でプロッピーであるヒドラジン分子NHの構造及びスペクトルについて、第一原理分子動力学法,第一原理経路積分分子動力学法,第一原理リングポリマー分子動力学法を用いて計算を行った。本研究で用いた電子状態計算・分子動力学法・経路積分法を併用した一連の第一原理計算は、フロッピーで柔らかい分子の構造を求めることができるばかりではなく、その電子スペクトルや振動スペクトルの情報をうるうえでも有用であることが実証された。