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志賀 基之; Masia, M.*
Journal of Chemical Physics, 139(14), p.144103_1 - 144103_14, 2013/10
被引用回数:8 パーセンタイル:28.46(Chemistry, Physical)交換対称性理論に基づくマルチスケールシミュレーションの境界条件を利用して、一連のアルカリイオン水溶液のハイブリッドQM/MMシミュレーションを行った。本発表では、QM/MMシミュレーションにおける統計サンプリングの問題を、多重時間スケールアルゴリズムによって克服する方法を述べ、本方法を第一原理QM/MM経路積分分子動力学法に拡張することで、注目する部分系についてすべて量子的に扱った計算を実行した結果について言及する。特に、イオン-水間の動径分布関数やイオン周囲の水の配位角度など、水和構造を再現するのに、電子相関効果を適切に考慮した計算が必要であるという知見を得たことを指摘する。
志賀 基之; Masia, M.*
Journal of Chemical Physics, 139(4), p.044120_1 - 044120_8, 2013/07
被引用回数:27 パーセンタイル:70.49(Chemistry, Physical)本論文では、拡散系に対応した新しい多階層分子シミュレーション法を提案する。この手法では、溶液のように、階層間移動のある拡散粒子系において、その移動を妨げる緩やかな拘束力をかけて、粒子の混合を抑制する。このとき、粒子の交換対称性に則った拘束力を与えることで、その影響が系の熱力学的性質に全く及ばないようにすることができることを示す。簡単なモデルでこれを理論的に証明するとともに、応用として、セシウムイオン水溶液の多階層分子シミュレーションを、古典力場モデルの範囲で試験的に行うことで提案手法の検証を行った。
志賀 基之; Masia, M.*
no journal, ,
粒子が境界を往来する拡散系において、多階層分子シミュレーションを実行する新しい手法を提案する。提案方法では、内部と外部の粒子を分離するのに緩やかな束縛を課す。その理由は、束縛ポテンシャルを粒子の交換対称性を考慮したものにすることで、正しい統計分布が保持されることを示すことができるからである。簡単な例として、非対称な井戸におかれた相互作用のない粒子系を取り上げ、この理論が厳密に成り立っていることを実証する。
志賀 基之; Masia, M.*
no journal, ,
本発表では、溶液系などのハイブリッドQM/MMシミュレーションを実行するのに必要な境界条件について提案する。提案する方法では、QMとMM粒子の分離を維持するため、緩やかな束縛を課す。このときQMとMM粒子の交換対称性を考慮した束縛ポテンシャルをうまく設定すると、QMとMM粒子が等しくなる極限において正しい統計分布を保つことが保障される。これをセシウムイオン水溶液のQM/MMシミュレーションに応用し、方法の有用性を実証する。
志賀 基之; Masia, M.*
no journal, ,
本研究では、QM/MM分子動力学法で拡散系のシミュレーションを可能にする新たな方法(QUasi-boundary based on Exchange Symmetry Theory: QUEST法)を提案する。2013年に、同様の目的でQM粒子とMM粒子を分離させるバイアスポテンシャルをかける方法(Boundary based on Exchange Symmetry Theory: BEST法)を発表したが、QUEST法はその発展型にあたる。BEST法では、熱力学量のみ計算でき、動的な量を計算できない欠点があったが、QUEST法ではこれを克服している。ただし、QM粒子とMM粒子の交換した配置でエネルギーと力を要するため、BEST法よりも計算量が増えるという面もある。本講演では、QUEST法の基礎理論を述べ、簡単なモデル系の計算例を紹介する。
志賀 基之; Masia, M.*
no journal, ,
溶液, 界面など、開放的な拡散系を扱うためのQM/MM分子動力学シミュレーションに関する新しい方法を提案する。この方法では、主領域と副領域における粒子の分離を保つ滑らかなバイアスポテンシャルを導入する。このバイアスポテンシャルは、粒子間の交換対称性を考慮することによって、QMとMMポテンシャルが等しい極限において、統計的分布が厳密に保持されるように設計されている。本報告では、このQM/MMの"理想的極限"において、バイアスポテンシャルがある場合に計算した熱力学量は、バイアスポテンシャルがない場合に計算したものと、完全に等しいことを示す。