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Dimitriou, P.*; Dillmann, I.*; Singh, B.*; Piksaikin, V.*; Rykaczewski, K. P.*; Tain, J. L.*; Algora, A.*; Banerjee, K.*; Borzov, I. N.*; Cano-Ott, D.*; et al.
Nuclear Data Sheets, 173, p.144 - 238, 2021/03
被引用回数:27 パーセンタイル:95.10(Physics, Nuclear)核分裂の発見以降、核分裂片から放出される遅発中性子の存在には、数多くの関心が集められてきた。原子力発電では、遅発中性子は原子炉動特性の計算や炉の安全運転において非常に重要な役割を演じている。それに加え、遅発中性子は、核構造や天体核、特に新世代のRIビーム施設の中心課題である安定線から離れた原子核でも、大きなインパクトをもっている。現在、ベータ崩壊半減期と遅発中性子分岐比に関するいくつかの文献が利用可能であるが、測定と評価によって実施されるべき十分な考証は、それらの文献ではしばしば抜けている。この欠落部に注目し、遅発中性子の核データ評価とそれに関する新しい文献作成の作業が、国際原子力機関(IAEA)の援助の基に着手され、「ベータ遅発中性子用データベースの開発」に関するCoordinated Research Project (CRP)が結成された。本論文では、CRPで行われたこれまでの結果について報告をする。
Dimitriou, P.*; Basunia, S*; Bernstein, L.*; Chen, J.*; Elekes, Z.*; Huang, X.*; Hurst, A.*; 飯村 秀紀; Jain, A. K.*; Kelley, J.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 239, p.15004_1 - 15004_4, 2020/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)評価済み核構造データファイル(Evaluated Nuclear Structure Data File: ENSDF)は、原子核構造と崩壊に関する様々な実験データを全ての核種について集めて、それらの実験データの評価値を与えてある世界唯一のデータファイルである。ENSDFは定期的に更新されており、そのための評価作業は各国の評価者で分担している。評価作業を速やかに行うために、IAEAの援助の下に評価者の国際的なネットワークが組織されている。この発表では、ネットワークの最近の活動のうち、ENSDFの処理コードの開発、測定が必要とされているデータのリストの作成、インターネット版核図表の利用の拡充などについて報告する。また、核構造・崩壊データの需要が増大しているにもかかわらず、評価者が減っている問題についても述べる。
Singh, B.*; Basunia, M. S.*; Martin, M.*; McCutchan, E. A.*; Bara, I.*; Caballero-Folch, R.*; Canavan, R.*; Chakrabarti, R.*; Chekhovska, A.*; Grinder, M. M.*; et al.
Nuclear Data Sheets, 160, p.405 - 471, 2019/09
被引用回数:12 パーセンタイル:68.16(Physics, Nuclear)The evaluated data are presented for 11 known A=218 nulcides (Pb, Bi, Po, At, Rn, Fr, Ra, Ac, Th, Pa and U). For Pb, Bi, At and Pa, data are available only for the ground states. For U, only the g.s. and a high-spin isomer are known, with no data on -ray transitions available. For Po, ten excited states are known from Bi decay, with no knowledge on the multipolarities of gamma-ray transitions. For Th, five excited states in the g.s. band are known from an in-beam -ray study. Data on level half-lives, multipolarities and mixing ratios of gamma transitions is generally lacking for A=218 nuclei. The static magnetic dipole moment has been measured for only an isomer in Fr. This evaluation was carried out as part of a joint IAEA-ICTP workshop for Nuclear Structure and Decay Data, organized and hosted by the IAEA, Vienna, and ICTP, Trieste, October 15-26, 2018.
Lopez-Martens, A.*; Henning, G.*; Khoo, T. L.*; Seweryniak, D.*; Alcorta, M.*; 浅井 雅人; Back, B. B.*; Bertone, P. F.*; Boilley, D.*; Carpenter, M. P.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 131, p.03001_1 - 03001_6, 2016/12
被引用回数:1 パーセンタイル:42.91(Chemistry, Inorganic & Nuclear)原子番号が100を超える原子核の核分裂障壁の高さとその角運動量依存性を初めて測定した。核分裂による崩壊が優勢となり始める励起エネルギーを決定できる初期分布法という方法をNoの測定に適用した。Noの核分裂障壁はスピンゼロにおいて6.6MeVと決定された。このことは、Noが原子核の殻効果によって強く安定化されていることを示している。
Hota, S.*; Tandel, S.*; Chowdhury, P.*; Ahmad, I.*; Carpenter, M. P.*; Chiara, C. J.*; Greene, J. P.*; Hoffman, C. R.*; Jackson, E. G.*; Janssens, R. V. F.*; et al.
Physical Review C, 94(2), p.021303_1 - 021303_5, 2016/08
被引用回数:7 パーセンタイル:47.76(Physics, Nuclear)Puにおける = 8アイソマーからの崩壊と集団的バンド構造がTiとPbのビームによる深部非弾性散乱実験によって調べられた。バンド内の正確な分岐比の測定によって、偶, =150アイソトーンにおける = 8二準中性子アイソマーが9/2[734]7/2[624]の配位であることを確かめた。=152における変形シェルギャップ近傍のこれらのアイソマーは、超重核の一粒子エネルギーの理論的な予言において重要なベンチマークとなる。
Henning, G.*; Khoo, T. L.*; Lopez-Martens, A.*; Seweryniak, D.*; Alcorta, M.*; 浅井 雅人; Back, B. B.*; Bertone, P. F.*; Boilley, D.*; Carpenter, M. P.*; et al.
Physical Review Letters, 113(26), p.262505_1 - 262505_6, 2014/12
被引用回数:34 パーセンタイル:82.42(Physics, Multidisciplinary)殻効果によって安定に存在する超重核であるNoの核分裂障壁の高さを実験的に決定した。核反応で生成したNoからの脱励起線の本数と全エネルギーを測定することで崩壊の開始点の励起エネルギーとスピン値を導出し、その分布から核分裂障壁の高さをスピンの関数として19まで決定した。Noの核分裂障壁の高さは、スピン15において6.0MeV、スピン0における外挿値として6.6MeVと決定された。この結果は、殻効果が、このような重い原子核の核分裂障壁を高くしていることを明確に示し、またその高さが高スピン状態まで保持されていることを証明するものである。
Henning, G.*; Lopez-Martens, A.*; Khoo, T. L.*; Seweryniak, D.*; Alcorta, M.*; 浅井 雅人; Back, B. B.*; Bertone, P. F.*; Boilley, D.*; Carpenter, M. P.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 66, p.02046_1 - 02046_8, 2014/03
被引用回数:3 パーセンタイル:68.90(Physics, Nuclear)初期状態分布法によりNoの核分裂障壁の高さを決定した。初期状態分布とは、核融合-粒子蒸発反応によって励起された原子核が線放出による脱励起を開始する励起エネルギーとスピンの状態を二次元で表示したものであり、線多重度と全線エネルギーの測定から求めることができる。本論文では、初期状態分布法の詳細を詳しく記述し、Noの核分裂障壁の高さを初めて決定した実験結果について報告する。なお、Noは核分裂障壁が測定された最も重い原子核である。
藤 暢輔; Chiara, C. J.*; McCutchan, E. A.*; Walters, W. B.*; Janssens, R. V. F.*; Carpenter, M. P.*; Zhu, S.*; Broda, R.*; Fornal, B.*; Kay, B. P.*; et al.
Physical Review C, 87(4), p.041304_1 - 041304_5, 2013/04
被引用回数:86 パーセンタイル:97.11(Physics, Nuclear)530MeVのGeビームとUターゲットによる深部非弾性散乱実験を行い、Geの励起準位をアルゴンヌ国立研究所に設置されているスフィアによって調べた。その結果、バンドをこれまで知られていた(2022keV)から (4547keV)まで大幅に拡張するとともに、新たなバンドも同定した。バンドの準位間隔のパターンは近傍の原子核と逆フェイズを示していた。集団模型と殻模型による理論計算と実験で得られた準位間隔パターンや換算遷移確率の比などを比較することにより、Geが低励起準位において3軸非対称変形を持つ可能性を示唆した。
Bender, P. C.*; Tabor, S. L.*; Tripathi, V.*; Hoffman, C. R.*; Hamilton, L.*; Volya, A.*; Clark, R. M.*; Fallon, P.*; Macchiavelli, A. O.*; Paschalis, S.*; et al.
Physical Review C, 85(4), p.044305_1 - 044305_10, 2012/04
被引用回数:12 パーセンタイル:55.45(Physics, Nuclear)24MeVのOビームとOターゲットの反応で生じるプロトンと同時計数をとった崩壊の解析によってPの励起準位は大幅に拡張された。軽い荷電粒子はMicroballによって検出され、同時に放出される多重線はGammasphereで検出された。多くの新しい線遷移が同定され、励起準位が構築された。加えて、線角度分布からスピンが特定され、パリティはドップラー幅拡がりの解析によって決定された寿命から推定された。観測されたほとんどの準位は0か1軌道に粒子を持つWBP-aとSDPF-NR相互作用を使ったシェルモデル計算によって理解された。2つの計算は約200keVの範囲でよく一致した。しかし、高エネルギー準位の2つはstretched 準位であるかもしれないが、計算はそれらのエネルギーを2から3MeVオーバーしている。さらに新しく観測された長寿命7919-keVは今のところ説明ができない。
Chadwick, M. B.*; Herman, M.*; Obloinsk, P.*; Dunn, M. E.*; Danon, Y.*; Kahler, A. C.*; Smith, D. L.*; Pritychenko, B.*; Arbanas, G.*; Arcilla, R.*; et al.
Nuclear Data Sheets, 112(12), p.2887 - 2996, 2011/12
被引用回数:2158 パーセンタイル:99.99(Physics, Nuclear)原子力科学・技術の利用分野ための評価済み核データライブラリーENDF/B-VII.1を公開した。米国核データ評価委員会が中心となって評価・整備したこの最新ライブラリーは、前バージョン(ENDF/B-VII.0)公開以後に得られた原子核理論や実験に関する知見を反映した中性子断面積,共分散,核分裂収率や崩壊データ等を格納している。ライブラリーの主な更新内容は、核種数の拡大、共分散データの拡充、R行列理論に基づく軽核の共鳴パラメータ評価、中重核やアクチノイドデータの改訂等である。核外輸送コードMCNPによるベンチマーク解析を行った結果、臨界予測性能等のパフォーマンスが向上した。
Robinson, A. P.*; Khoo, T. L.*; Seweryniak, D.*; Ahmad, I.*; 浅井 雅人; Back, B. B.*; Carpenter, M. P.*; Chowdhury, P.*; Davids, C. N.*; Greene, J.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064311_1 - 064311_7, 2011/06
被引用回数:33 パーセンタイル:84.89(Physics, Nuclear)104番元素Rfの励起状態に半減期17秒の核異性体があることを実験的に明らかにした。実験はアルゴンヌ国立研究所の反跳核分離装置を用いて行い、検出器に打ち込まれたRfと同時計数する内部転換電子を測定することで同定した。核異性体の生成率から、この核異性体は中性子数152の原子核で通常観測される2準粒子状態の核異性体ではなく、4準粒子状態の核異性体であると考えられる。2準粒子状態の核異性体が観測されなかった理由は、その核異性体が核分裂によって崩壊し、その半減期がRfの基底状態の半減期に近いと考えれば説明できる。あるいは、原子核の4重極変形度が104番元素から突然小さくなり、2準粒子状態の核異性体がまったく存在しない、という可能性も考えられる。
Seweryniak, D.*; Khoo, T. L.*; Ahmad, I.*; Kondev, F. G.*; Robinson, A.*; Tandel, S. K.*; 浅井 雅人; Back, B. B.*; Carpenter, M. P.*; Chowdhury, P.*; et al.
Nuclear Physics A, 834(1-4), p.357c - 361c, 2010/03
被引用回数:7 パーセンタイル:47.25(Physics, Nuclear)陽子数100,中性子数152近傍の原子核における一粒子軌道エネルギーの実験値は、超重核領域の殻構造を予測する理論計算の検証に重要な役割を果たす。われわれはNo及びNoに2準粒子状態の高K核異性体を観測し、それらのエネルギーから陽子数100近傍における陽子の一粒子軌道エネルギーを評価することに成功した。またRfに3準粒子状態の高K核異性体を発見し、Rfの崩壊の実験データから中性子の一粒子軌道エネルギーも評価した。得られた実験値をさまざまな理論計算の予測値と比較した結果、Woods-Saxonポテンシャルを用いた計算が最もよく実験値を再現することを見いだした。