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Meleshenkovskii, I.*; Van den Brandt, K.*; 小川 達彦; Datema, C.*; Mauerhofer, E.*
European Physical Journal Plus (Internet), 139, p.565_1 - 565_9, 2024/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Multidisciplinary)速中性子散乱による非破壊分析は物質の成分分析手法として有用であるが、分析に用いられる中性子ビームや測定器には様々なパラメータがあり、実際の応用のためにはモンテカルロ放射線輸送計算コードによるシミュレーションなどで最適化する必要がある。しかし、モンテカルロ放射線輸送計算コードは核データや反応モデルによって散乱反応の観測量を計算していることから、既存コードが速中性子散乱を正確に描像できるかどうか、またコード間で観測量にどれほどの差異が生じるかは、信頼性の高いシミュレーションのために必要となる。そこで本研究では、世界的に広く用いられているモンテカルロ放射線輸送計算コードとしてPHITSとGeant4を例にとり、速中性子散乱における観測量を計算して相互に比較した。標的としてはホウ素、鉄、ネオジム、ディスプロシウムを用い、これらが2.5MeVの中性子に照射された際に、標的から出射する中性子のエネルギースペクトルを計算した。また、中性子照射された標的から生じるガンマ線を検出することを想定し、100keVから9000keVのガンマ線を、CeBrガンマ線検出器で検知した場合の波高スペクトルを計算した。これらの計算の結果、標的からの出射中性子スペクトルはホウ素ターゲットの場合に弾性散乱ピークと非弾性散乱成分の間に両コードで異なる傾向が見えるほかは、よく合致することが分かった。この傾向についても、弾性散乱の計算アルゴリズムの違いが原因であることが示唆されている。
Meleshenkovskii, I.*; 小川 達彦; Sari, A.*; Carrel, F.*; Boudergui, K.*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 483, p.5 - 14, 2020/11
被引用回数:10 パーセンタイル:69.08(Instruments & Instrumentation)核分裂性物質の検知を目的として、制動放射線を検知対象に照射して光核分裂反応を発生させ、放出される中性子線を観測する技術が注目されている。この技術で制動放射線を発生させるための電子加速器は、同等の性能を発揮する中性子源と比べて放射化や即発線量が低く、装置の小型化が容易という利点がある。一方、光核分裂反応は中性子誘導核分裂反応より断面積が低いため、電子線ターゲットや制動放射線の取り出し口、照射野などを最適化することが検知効率の向上に必要となる。本研究では、汎用モンテカルロ放射線輸送計算コードMCNPとPHITSを用いて、最適化に必要な要素を明らかにした。その結果、ターゲットでの制動放射線の生成は原子番号の高い元素の方が有利であるが、発生した光子がターゲット周辺で(,n)二次反応を起こし、中性子を生成するため、光子によって起こる早い光核分裂反応と、中性子による遅い核分裂が混在し、最終的な検出対象である核分裂の発生時間が広がる問題が明らかとなった。また、中性子を生じる二次反応は電子線ターゲットだけではなく、ターゲット周辺の遮蔽材でも発生するため、中性子放出スレッショルドが高い元素を遮蔽材として選択するなどの工夫が必要であることが明らかになった。
Meleshenkovskii, I.*; 小川 達彦; Pauly, N.*; Labeau, P.-E.*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 467, p.108 - 113, 2020/03
被引用回数:2 パーセンタイル:20.59(Instruments & Instrumentation)CdZnTe(CZT)半導体検出器は室温で動作する特徴を有する一方、正孔の移動道が低く、負極で完全に収集されないため、負極から遠い位置で電離が生じた場合の検出信号が弱くなる。ガンマ線の検出において、電離の発生場所はランダムである。そのため、波高スペクトルは全吸収ピークから低エネルギー側に尾を引き、測定ごとに異なる形状となる。一方、Melechenkovskiらが提案した関数形により、CZT検出器の波高分布スペクトルを再現できることが示唆されていた。そこで、本研究ではPHITSのエネルギー付与スペクトルの計算機能を関数計の活用により拡張し、波高分布を付与エネルギーの関数として確率的に計算することを可能とした。計算結果は、Amの59keVから
Coの1332keVまで、実験で取得した500mm
のCZT検出器の波高分布データと比較した。その結果、ピーク付近のガウス関数型形状から、低エネルギー側の指数関数的減衰に至る過程を再現できることを確認した。この研究で開発、検証した機能は、検出器の現実的な動作を考慮した実験計画の立案や、検出器システムのデザインなどに有効となる。