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Quach, N. M.*; Ngo, M. C.*; Yang, Y.*; Nguyen, T. B.*; Nguyen, V. T.*; 藤田 善貴; Do, T. M. D.*; 中山 忠親*; 鈴木 達也*; 末松 久幸*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 332(10), p.4057 - 4064, 2023/10
被引用回数:2 パーセンタイル:57.39(Chemistry, Analytical)テクネチウム-99m(Tc)は世界で最も広く使用されている医療用ラジオアイソトープであり、モリブデン-99(
Mo)から生成される。核不拡散の観点から中性子放射化法による
Mo生成は核分裂由来の
Moの代替法として注目を集めているが、
Mo比放射能が極めて低いという欠点が存在する。本研究では、
Mo抽出による比放射能向上を目的に、照射ターゲットとしてポーラス
-MoO
ワイヤーを準備した。ポーラス
-MoO
ワイヤーは、2段階の加熱手順によって金属Moワイヤーから調製する。中性子照射後のポーラス
-MoO
ワイヤーおよび抽出に用いた水の放射能測定と同位体測定から
Moのホットアトム効果を確認した。また、ポーラス
-MoO
ワイヤーと市販の
-MoO
粉末での
Mo抽出率を比較した結果、同等の抽出率が得られた。
Ngo, M. C.*; 藤田 善貴; 鈴木 達也*; Do, T. M. D.*; 関 美沙紀; 中山 忠親*; 新原 晧一*; 末松 久幸*
Inorganic Chemistry, 62(32), p.13140 - 13147, 2023/08
被引用回数:3 パーセンタイル:53.03(Chemistry, Inorganic & Nuclear)テクネチウム-99m(Tc)は放射性医薬品として最も用いられるラジオアイソトープである。
Tcは
Moの娘核種であり、
Mo/
Tcの生成には核分裂(n, f)法と中性子捕獲(n,
)法が存在する。この内、(n, f)法は世界の生産量の約90%で使用されているが、高濃縮ウランの使用、高放射性廃棄物の発生、核不拡散の観点からも問題となっている。そこで、(n,
)法は、(n, f)法の代替法として開発が進められている。本研究では、熱蒸着法で作製した
-MoO
ウィスカーと
-MoO
粒子を中性子照射して
Mo/
Tcを生成し、水に分散させることで
Mo/
Tcを抽出した。その結果、
-MoO
と比較して、
-MoO
ウィスカーでは高い
Mo抽出率が得られた。また、水に溶解した
Mo濃度を比較した結果、サンプルから
Moが水に移動するホットアトム効果を
-MoO
ウィスカーではより顕著に示した。本研究は、中性子捕捉法の照射ターゲットとして
-MoO
の使用を初めて実証したものであり、
-MoO
は、中性子捕捉によって
Mo/
Tcを生成し、水による放射性同位体抽出するための有望な照射ターゲットになると期待される。
藤田 善貴; 関 美沙紀; Ngo, M. C.*; Do, T. M. D.*; Hu, X.*; Yang, Y.*; 武内 伴照; 中野 寛子; 藤原 靖幸*; 吉永 尚生*; et al.
KURNS Progress Report 2021, P. 118, 2022/07
核セキュリティ等の観点から放射化法((n,)法)による
Mo製造の研究開発が進められている。この方法を
Mo/
Tcジェネレータに適応するためには、Mo吸着材として用いられるアルミナ(Al
O
)の特性改善が不可欠である。これまで、開発したAl
O
試料から得られる
Tc溶液の品質を評価してきたが、溶液中への
Mo脱離が課題だった。本研究では、市販のジェネレータを模した形状のカラムにAl
O
試料を充填し、
Mo脱離低減のためのいくつかの措置を施して
Tc溶液の品質を評価した。以前実施した、Al
O
試料をMo溶液に浸漬させる静的吸着の条件と比較した結果、Mo溶液をAl
O
カラムに流す動的吸着の適用、Mo溶液の高濃度化、Mo添加量の低減により
Mo脱離量が大幅に改善された。したがって、吸着方法および吸着条件の最適化による品質向上の可能性が示唆された。今後、本結果に基づきカラム形状およびMo吸着条件の最適化を図る。
Burr, T.*; 鈴木 美寿; Howell, J.*; Jongo, C. E.*; Hamada, M. S.*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 640(1), p.200 - 212, 2011/06
被引用回数:9 パーセンタイル:55.71(Instruments & Instrumentation)保障措置におけるプロセスモニタリング(PM)は、計量管理(NMA)に基づく物質収支を補完するものとしてますます重要になってきている。特に、PMはNMAよりも高頻度に実施できるが品質管理能力としては劣るものと言われている。NMAは特殊核燃料物質(SNM)の物質収支と精度を見積もるものであるのに対し、PMはSNMの動きを定性的に追跡すること、又は溶液モニタリングの時に溶液の質量と体積を追跡することができる。自動変化点検知法は、保障措置の複数のPMシステムに使われている。本論文では、さまざまな変化点検知法を、実データ及び模擬データに適用し、その性能を比較した。結論として、初めに円滑化手法を適用し、次に、線形回帰法を適用する二段階方法が最適であることがわかった。
Kanungo, R.*; Nociforo, C.*; Prochazka, A.*; 宇都野 穣; Aumann, T.*; Boutin, D.*; Cortina-Gil, D.*; Davids, B.*; Diakaki, M.*; Farinon, F.*; et al.
Physics Letters B, 685(4-5), p.253 - 257, 2010/05
被引用回数:35 パーセンタイル:85.90(Astronomy & Astrophysics)ドイツ重イオン研究所(GSI)にて、Mg核の最外殻の中性子軌道についての情報を得ることを目的として、898A MeVの中性子過剰核
Mgビームを炭素標的に当てて1中性子を分離する反応の縦運動量分布を測定した。得られた運動量分布の幅が狭いことから、最外殻の中性子軌道は単純な殻模型的な軌道である、
軌道でなく、
軌道が多く混入していることがわかった。この領域をよく記述できるSDPF-M相互作用を用いたモンテカルロ殻模型計算によって束縛状態の分光学的因子を計算し、それをグラウバー模型に代入して運動量分布を計算した。その結果、これまでよく使われてきた有効相互作用による核構造計算では
成分が多すぎたが、
の1粒子エネルギーを下げることによって実験値を再現することに成功した。
Kanungo, R.*; Nociforo, C.*; Prochazka, A.*; Aumann, T.*; Boutin, D.*; Cortina-Gil, D.*; Davids, B.*; Diakaki, M.*; Farinon, F.*; Geissel, H.*; et al.
Physical Review Letters, 102(15), p.152501_1 - 152501_4, 2009/04
被引用回数:178 パーセンタイル:96.87(Physics, Multidisciplinary)中性子過剰核Oの一中性子ノックアウト反応によって得られた
Oの運動量分布をドイツ重イオン研究所(GSI)にて測定した。得られた幅の狭い運動量分布から、
Oは
波が支配的であることがわかり、
Oの基底状態は1/2
であることがわかった。さらに、得られた運動量分布をグラウバー模型による理論値でフィッティングすることにより、
Oからの一中性子ノックアウト反応に対する分光学的因子が
が得られた。この値は、独立粒子模型極限の2に近いことから、
Oのフェルミ面にいる中性子がほぼ
状態のみに存在することが明らかとなった。この結果は、殻模型計算の値1.769と非常に近く、殻模型により予言されている新魔法数16の存在を明らかにした。
Mazzocco, M.*; Signorini, C.*; Romoli, M.*; De Francesco, A.*; Di Pietro, M.*; Vardaci, E.*; 吉田 光一*; 吉田 敦*; Bonetti, R.*; De Rosa, A.*; et al.
European Physical Journal A, 28(3), p.295 - 299, 2006/06
被引用回数:46 パーセンタイル:89.72(Physics, Nuclear)弱く束縛されたハロー核 Beの
Bによる散乱を40MeVで測定した。低強度・低エミッタンスの放射性ビームによる実験であったが、8個のSiテレスコープからなる大立体角(
2
sr)かつコンパクトな検出器により測定が可能となった。
Beの散乱角度分布と相対的な核反応断面積は、似たような振る舞いであることがわかった。このことは、クーロン障壁近傍におけるハロー構造あるいは弱く束縛された系の反応機構に与える影響は余り大きくないことを示唆するものである。
Broughton, D.*; 鈴木 梨沙; 長谷 竹晃; 岡田 豊史; Henzlova, D.*; Longo, J.*; Mendez, J.*; Rael, C.*; Swinhoe, M. T.*
no journal, ,
プルトニウム燃料技術開発センターでは、プルトニウムを含有する核燃料物質の国内計量管理のために、非破壊測定装置(ENMC)を使用している。近年プルトニウム燃料技術開発センターでは、施設の廃止措置に伴い発生するスクラップ等の影響により、高いアルファ値を持つ核燃料物質が増加しており、非破壊測定が困難になっている。本発表では、プルトニウム燃料技術開発センターで実施したENMCによる核燃料物質測定試験の結果をもとに、様々な評価方法により非破壊測定の精度向上を検討した。
末松 久幸*; Ngo, M. C.*; Quach, N. M.*; 藤田 善貴; Do, T. M. D.*; 中山 忠親*; 鈴木 達也*; Nguyen, V. T.*; 新原 晧一*
no journal, ,
放射性医薬品はさまざまな医療診断/治療に使用されており、その市場は15年間で10倍に成長している。その中でガンマ線診断に広く使用されるTcの原料である
Moは、現在高濃縮ウランを原子炉で照射することで核分裂生成物として生成されている。しかし、核不拡散の観点からウランの低濃縮化が世界的に進んでおり、
Mo(n,
)
Mo反応による
Mo製造が注目されている。本研究では、中性子照射ターゲットとしてMoO
の低温相である
-MoO
が、ホットアトム効果によりターゲットから水への
Moの拡散を促進することを明らかにした。この現象を利用することで、
Moおよび
Tcの安定供給に貢献できる。本成果では、ベトナム原子力研究所のダラット原子炉において
-MoO
粉末ターゲットを用いた初の核反応中・水分散実験を実施し、ホットアトム効果を確認した後、ベトナムの学生と職員が新たに
-MoO
ウィスカーターゲットを用いることで水への拡散効率を飛躍的に向上させた。本研究における彼らの貢献についてプレゼンテーションで説明する。