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伊藤 集通; 荒巻 能史*; 乙坂 重嘉; 鈴木 崇史; 外川 織彦; 小林 卓也; 川村 英之; 天野 光; 千手 智晴*; Chaykovskaya, E. L.*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 42(1), p.90 - 100, 2005/01
被引用回数:14 パーセンタイル:67.84(Nuclear Science & Technology)1996-2002年の期間、日露の研究機関の協力で人工放射性核種の広域調査プロジェクトが日露の両排他的経済水域にまたがった日本海で実施された。本プロジェクトの目的は、Sr, Cs, Pu等の核種の海洋中での移行を明らかにすることである。2001-2002年には4回の調査航海が実施された。これら調査で得られた放射性核種の濃度とその分布はこれまでに得られた知見の範囲内であったことから、現在日本海に対する新たな放射性核種源となるような事故,投棄あるいは過去の廃棄物からの漏洩等が発生していないことが確認された。また、海水中におけるインベントリは、グローバルフォールアウトで同緯度帯の海洋にもたらされた量の約2倍であり、日本海におけるそれら核種の蓄積が示された。さらに、亜表層におけるSr及びCs濃度が日本海の広い範囲で時間変動していることが明らかとなり、溶存酸素データとの比較解析により、この時間変動は日本海の上部の水塊移動と関連付けられた。