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八巻 徹也; 澤田 真一; 浅野 雅春; 前川 康成; 吉田 勝*; Gubler, L.*; Alkan Grsel, S.*; Scherer, G. G.*
ECS Transactions, 25(1), p.1439 - 1450, 2009/10
被引用回数:4 パーセンタイル:83.36(Electrochemistry)本発表では、これまでに蓄積した燃料電池試験の結果をもとに、独自の放射線プロセスで高分子主鎖と側鎖の両方に橋架け構造を導入した"多重架橋"イオン交換膜の発電性能と耐久性に関する基礎的知見を報告する。発表で強調すべき興味深い結果は、95Cという高温下において耐久性加速試験(開回路電圧保持試験)により性能を強制的に大きく低下させても、セルのオーム抵抗に全く変化がなかったばかりか、試験後のイオン交換膜に何の化学分解も認められなかったことである。この結果は、本試験のような過酷な作動条件においても膜自体が極めて安定であり、その劣化が性能に影響を与えるほど大きくないことを示している。インピーダンス測定の結果から、電極との接触性低下に由来した分極抵抗の増大が性能低下の主原因であると考えられ、この推測に基づいた電極との接合体の設計指針についても発表では提案したい。
Ben youcef, H.*; Gubler, L.*; 八巻 徹也; 澤田 真一; Alkan Grsel, S.*; Wokaun, A.*; Scherer, G. G.*
Journal of the Electrochemical Society, 156(4), p.B532 - B539, 2009/02
被引用回数:16 パーセンタイル:50.89(Electrochemistry)本研究では、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)基材の放射線グラフトプロトン伝導膜における化学安定性に対し架橋剤量の効果を検討した。過酸化水素水溶液を用いた加速試験では、(1)架橋剤の導入により安定性が向上するが、過剰な導入は化学的,機械的特性が低下させること,(2)ETFE基材のプロトン伝導膜はテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)基材の場合よりも安定性に優れていること、の2点が明らかになった。グラフト率を25%に制御して作製したプロトン伝導膜を用い2180時間に渡るH/O燃料電池の作動試験を80Cで行ったところ、水素透過量の増加に伴いセル電圧が平均で13V/h(電流密度500mA/cm)の速度で劣化した。作動運転後に、膜のモルフォロジー変化を解析した結果、O導入口付近などにおいて局所的に大きな劣化分解が確認された。
八巻 徹也; 澤田 真一; 浅野 雅春; 前川 康成; 吉田 勝; Gubler, L.*; Guersel, S. A.*; Scherer, G.*
no journal, ,
最近われわれは、高温での放射線照射で得られる架橋ポリテトラフルオロエチレン(cPTFE)を基材とし、スチレンとビス(ビニルフェニル)エタン(BVPE)をグラフト共重合することにより新規の多重架橋型電解質膜を作製した。BVPEは膜全体のグラフト側鎖を均一かつ高密度に架橋することが可能であるため、従来のDVB架橋を凌駕する耐酸化性だけでなく、優れた寸法安定性,機械的特性(強度と柔軟性)をもたらすことを明らかにしている。そこで今回は、cPTFE主鎖とBVPE架橋グラフト鎖とからなる本電解質膜のPEFC特性を放射線架橋,化学架橋による効果に着目して調べた。放射線分解型高分子のPTFEではグラフト重合のためのわずかな照射でも膜性能に大きな影響を及ぼすことが示唆され、PTFE主鎖の架橋により放射線耐性を向上させることが電解質膜としての特性維持に不可欠であると考えられた。一方、BVPEによるグラフト側鎖の架橋は、電極との間の接触性だけでなく耐久性向上にも効果的であることがわかった。多重架橋型電解質膜は、80C, 95Cの開回路電圧保持による劣化加速試験において非常に安定であり、劣化は性能に影響を与えるほど大きくないことが明らかになった。
八巻 徹也; 澤田 真一; 浅野 雅春; 前川 康成; 吉田 勝; Gubler, L.*; Alkan Grsel, S.*; Scherer, G.*
no journal, ,
放射線架橋したポリテトラフルオロエチレン(cPTFE)を基材とし、スチレンとビス(ビニルフェニル)エタン(BVPE)をグラフト共重合することにより新規の多重架橋型電解質膜を得たので、そのPEFC特性について報告する。多重架橋型電解質膜の性能についてはNafion112膜と同程度であり、この性能は500時間以降も変化せず安定した出力が確認された。PTFE主鎖,グラフト側鎖のいずれかに架橋がない場合には性能低下とセル抵抗の増大が見られたことから、多重架橋型の構造は電解質膜の耐久性向上に有効であることがわかった。耐久性加速試験として開回路電圧保持を施したところ、性能は大きく低下したが、このときセル抵抗にまったく変化がなかった。この結果は、本試験条件において電解質膜の劣化は性能に影響を与えるほど大きくないことを示している。インピーダンス測定の結果によれば、電極との接触性低下に由来した分極抵抗の増大が性能低下の主な原因であると考えられる。