Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Tham, L. X.*; 長澤 尚胤*; 松橋 信平; 石岡 典子; 伊藤 岳人*; 久米 民和
Radiation Physics and Chemistry, 61(2), p.171 - 175, 2001/05
重金属バナジウム(V)による植物の障害と照射キトサンによる障害抑制効果について検討した。コムギやオオムギはコメやダイズに比べ、Vに対する感受性が高かった。これらの植物は、2.5g/gのVですべて障害を受けた。放射線分解キトサンを加えることにより、このVによる障害は軽減された。V障害の抑制には、70~200kGy(1%水溶液中)照射したキトサンの10~100g/g添加が効果的であることがわかった。また、VのBASによる移行計測の結果、キトサンの添加によりVの根から葉への移行が抑制されることが明らかとなった。これらの結果から、穀物生産のために100kGy程度の照射を行ったキトサンが有効である(生育促進及び重金属障害抑制)と考えられた。
Hien, N. Q.*; 長澤 尚胤*; Tham, L. X.*; 吉井 文男; Dang, V. H.*; 三友 宏志*; 幕内 恵三; 久米 民和
Radiation Physics and Chemistry, 59(1), p.97 - 101, 2000/07
被引用回数:105 パーセンタイル:98.47(Chemistry, Physical)海藻から得られる多糖類であるアルギン酸について、放射線分解効果と植物生育促進効果について検討した。アルギン酸は水溶液中、乾燥粉末ともに照射によって著しい分子量低下が認められた。4%水溶液を100kGy照射した時に、イネに対する著しい生育促進効果が認められた。この時のアルギン酸の分子量は約7000であった。また、ピーナッツに対しても顕著な生育促進効果が認められ、最適アルギン酸濃度は、イネで約50ppm、ピーナッツで約100ppmであった。以上の結果、アルギン酸の放射線分解産物は、植物の成長促進剤として有効に利用できることが明らかとなった。
久米 民和; 長澤 尚胤*; 吉井 文男; Tham, L. X.*; Hien, N. Q.*; Ha, P. T. L.*; Lam, N. D.*
Conference Proceeding RadTech Asia'99, p.475 - 480, 1999/00
キトサン、アルギン酸、カラギーナン、セルロース、ペクチンなどの多糖類は、放射線により容易に分解する。これらの放射線分解産物の植物への効果を検討した。キトサンの放射線分解産物は、抗菌活性、植物生育促進、植物の重金属障害の抑制、ファイトアレキシン(抗菌物質)の誘導など、種々の生物活性が発現した。ペクチンの放射線分解産物も、ダイズにおけるグリセオリンやエンドウにおけるピサチンなどのファイトアレキシンを誘導したが、その活性はキトサンの方が高かった。植物の生育促進効果に関しては、アルギン酸、キトサン、リグノセルロース抽出物などに強い活性が認められた。これらの結果から、放射線分解多糖類は種々の生物活性を発現し、農業や医学への利用の可能性が示された。
Tham, L. X.*; 松橋 信平; 久米 民和
Mycoscience, 40, p.209 - 213, 1999/00
マンネンタケ(G.lucidum)の生育に対する重金属の影響について、Cu,Mn,Zn,Cd,Hg,Pb,Uの7種類について検討した。これらの重金属の栽培培地及びキノコ中の含量は、Cd及びHgが0.01~0.1g/g、Pb1~5g/g、Mn,Cu及びZnが10~45g/gであった。10~3000g/mlの濃度でこれらの重金属を培地に添加すると、HgCdCuUPbMn~Znの順に生育阻害が認められた。Znを用いて、基質(10g/g)からのZnの移行を調べた結果、子実体には100g/g以上、胞子には80g/g以上が蓄積することが認められた。
Tham, L. X.*; 松橋 信平; 久米 民和
Mycoscience, 40(1), p.87 - 92, 1999/00
ベトナム(ダラト市)及び日本(高崎市)で分離したマンネンタケを用いて、Se,V,Geの影響を調べた。Seは100ppm以上で生育阻害を示し、LGは約200ppmであった。VはSeより多少毒性が強く、LGは180ppm以下であった。これに対し、Geは1120ppmまでの濃度では毒性を示さなかった。次に子実体形成へのVの影響を検討した。100ppmのVCl(Vとして33ppm)を培地に添加した場合、23~25日後に子実体原基が形成され、65~75日後に子実体を収穫できた。本実験で用いたV濃度では、子実体に何らの障害も認められなかった。子実体内のV含有は現在計測中である。なお、日本種に比べ、ベトナム種は生育が早く、10日程早く子実体を収穫できることがわかった。今後Vを用いて、培地から菌糸への吸収・移行、子実体への蓄積について検討する予定である。
Tham, L. X.*; 長沢 尚胤*; 松橋 信平; 石岡 典子; 久米 民和
Proc. of the 3rd Asia-Pacific Chitin and Chitosan Symp., p.463 - 468, 1998/09
植物(ダイズ、コメ、コムギ、オオムギ)に対するバナジウム(V)の障害作用と放射線分解キトサンによる障害抑制効果について検討した。これらの植物の根は5ppmのVで障害を受けた。コメの地上部では10ppmのVで障害が認められ、50ppmで枯れた。これらの障害は、1%水溶液で100~200kGy照射したキトサンを25~100ppm添加することにより抑制された。非照射及び50kGy以下のキトサン添加では、植物体にクロロシスなどの障害が生じた。これら照射キトサンはVやFeのキレート剤として作用し、最適線量照射したキトサンでは、適度な強さのキレート効果と植物の生育促進効果が発現すると考えられた。また、ポジトロンイメージング装置を用いて、VやF-水の移行に対する照射キトサンの影響についても述べる。
Tham, L. X.*; 松橋 信平; 久米 民和; 長沢 尚胤*
食品照射, 33(1-2), p.33 - 36, 1998/00
化石燃料の排煙中に多量に含まれているZnやVなどの重金属は、植物の生育阻害を引きおこすことが知られているが、一部の元素を除いて植物に対する影響についての知見は乏しい。本研究では、Vによる植物の生育阻害及び照射キトサンによる障害抑制効果について検討した。水耕液にVを添加すると、コメ、コムギ、オオムギ、ダイズなどの植物に著しい生育阻害が認められた。そこで、金属のキレート剤として知られているキトサンを用いて、Vによる障害の抑制効果を調べた。しかし、水耕液にキサトンを添加すると、植物の生育阻害とくにクロロシスが生じることが認められた。照射キトサンではクロロシスの発生が抑えられ、水溶液中100kGy照射キトサンで生育が最も良くなった。照射キトサンを添加して栽培した植物体では、Fe含量の低下を防いでV含有を著しく低下させ、Vストレス下での植物の栽培に有効であることを明らかにした。