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小嵐 淳; Hockaday, W.*; Masiello, C.*; Trumbore, S.*
Journal of Geophysical Research; Biogeosciences, 117, p.G03033_1 - G03033_13, 2012/09
被引用回数:48 パーセンタイル:77.33(Environmental Sciences)深層土壌は、地球上の全土壌炭素の半分以上を貯蔵しているが、その炭素の動態は解明されていない。われわれは、シエラネバダ山の森林及び草地土壌から50年間に渡って採取した土壌試料への核実験起源の混入を追跡することで、深層土壌において数十年程度で循環する炭素の量と動態を調査した。その結果、深層土壌炭素の約半分が数十年程度で循環し、この炭素が生態系炭素バランスにおいて重要な役割を果たしていること、深層で鉱物と結合した有機炭素であってもその28-73%が数十年程度で分解されること、炭素が植物によって固定されてから深層で鉱物と結合されるまでに20年以上のタイムラグがあることを明らかにした。われわれの結果は、深層土壌に大量に貯留する炭素は、環境変化に対して数十年以上の時間差を持って応答し、地球炭素循環に大きな影響を及ぼしうることを示している。
Trumbore, S.*; Schrumpf, M.*; Khomo, L.*; 小嵐 淳
no journal, ,
炭素は、土壌中において、その含有量は深さとともに減少し、一方で年代は増大する。これらのパターンは、深さに依存するさまざまなプロセスの働きによるものであると考えられる。われわれは、土壌の母材や鉱物特性、植生や気候などが異なる地点で採取した土壌の炭素量や放射性炭素(C-14)同位体比の深さ分布を比較した。その結果、土壌鉱物と相互作用していない炭素の深さ分布は、根の深さ分布に類似しており、そのC-14年代は深さに依存せずに若いことを見いだした。対照的に、土壌鉱物と相互作用している炭素のC-14年代は、多くの土壌で、深さとともにほぼ直線的に増大することを見いだした。このC-14年代と深さの間の直線的な関係は、土壌中での炭素の長期安定化メカニズムを区別して理解するための有用なメトリックとなりうる可能性がある。
小嵐 淳; Trumbore, S. E.*
no journal, ,
土壌は、陸域生態圏における最大の炭素貯蔵庫として、地球炭素循環の重要な役割を担っている。これまでの多くの研究は、炭素密度が高く、土壌微生物の活性が高い表層土壌の炭素動態やその気候変化に対する応答に焦点を当てている。そのため、地表面下の土壌は、表層土壌よりも多くの炭素を貯留できるにもかかわらず、深層土壌に貯留された炭素の分解性や動態は明らかになっていない。本研究では、シエラネバダ山脈の標高に沿う年平均気温や土壌特性の異なる数地点で1992年と2005年に採取した土壌試料に対して密度分画を行い、得られた画分の炭素量,14C同位体比を測定した。その結果、気温ではなく、土壌鉱物や土壌有機物の化学性が、深層土壌に存在する炭素の量と質を規定していることが示唆された。1992年と2005年の間に、深層土壌炭素のC同位体比の増加が認められた。この結果は、深層土壌において速く循環する炭素の存在を示しており、表層土壌のみを対象としたこれまでの研究で想定されているよりも多くの土壌炭素が、炭素のやり取りを活発に行っていることを示唆する。