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W.M.Shu*; 林 安徳*; 奥野 健二
Journal of Applied Physics, 75(11), p.7531 - 7537, 1994/06
被引用回数:8 パーセンタイル:50.67(Physics, Applied)プラズマ対向材料の入射側と裏側における水素の再結合係数についてのモデルを提出した。入射側においては、ノーマルな表面サイトのほか、照射によって生成した欠陥サイトも考慮して、その水素の再結合係数を導出した。また、不純物の効果については、不純物の原子(O,Cなど)が欠陥サイトへ吸着することにより、活動的な再結合サイトが減少するということで考慮した。一方、裏側においては、酸化膜が付いているため、酸化物の表面サイトが水素の再結合サイトとなるということで考慮し、その有効再結合係数を導出した。従来のモデルはノーマルな表面サイトだけを考慮したため、実験結果に一致しなかった。この新しいモデルにより、再結合律速の実験結果をうまく解釈することができるようになった。
W.M.Shu*; 林 安徳*; 奥野 健二
Journal of Alloys and Compounds, 196, p.213 - 218, 1993/00
被引用回数:1 パーセンタイル:27.03(Chemistry, Physical)D-T核融合炉では、プラズマからの中性粒子・イオンと材料との相互作用、特にトリチウム透過漏洩は核融合炉の安全性の上で大きな問題の一つである。そこで、本研究では、材料として、Fe-Ti合金を用い低エネルギーイオン注入による重水素透過挙動を調べた。重水素の透過量は入射フラックスに比例している。温度の上昇とともにFe-Ti合金での透過量がやや増加し、純鉄での透過量が急に増加した。未照射または焼鈍した試料の一回目の透過曲線には、透過スパイクが見られた。また、透過量は、入射エネルギーに依存するだけでなく、前照射にも依存する。入射エネルギーが小さいほど透過しやすい傾向を示した。低いエネルギーで照射したのち、以降の照射における透過量が減少したが、一方、高いエネルギーで照射したのち、以降の照射における透過量が増加した。これは異なった表面欠陥が形成されたためと考えられた。
W.M.Shu*; 奥野 健二; 林 安徳*; 成瀬 雄二
Journal of Nuclear Materials, 203, p.50 - 55, 1993/00
被引用回数:3 パーセンタイル:38.1(Materials Science, Multidisciplinary)トリチウム透過挙動は、核融合炉の安全性を評価する上で重要な課題である。本研究では、材料として純鉄を用い、イオン注入による重水素透過挙動を調べた。未照射あるいは焼鈍した純鉄の一回目の透過曲線には、透過スパイクが見られた。これは、照射により表面欠陥が形成され、表側の再結合係数の増加によるためと考えられる。重水素の透過量は、入射フラックスに比例して、温度の上昇とともに増加する。このことは、純鉄での水素の拡散係数が大きいので、重水素の透過が表側と裏側の再結合律速(RR regime)に支配されているためと考えられる。また、一定の入射フラックスのもとで、入射エネルギーの依存性を調べたが、入射エネルギーが小さいほど透過しやすい傾向を示した。一方、高いエネルギー(2.0keV)で照射したのち、低いエネルギー(1.0keV,300eV)で照射を行うと、透過量が増加した。
W.M.Shu*; 奥野 健二; 林 安徳*
Journal of Physical Chemistry, 97(17), p.4497 - 4499, 1993/00
被引用回数:11 パーセンタイル:43.9(Chemistry, Physical)Doyleらは一つのパラメータ(w=r√k/D)を導入し、安定状態でのイオン注入による透過過程の律速を識別しようとした。しかし、そのパラメータがはっきりした物理的な意味をもっていないので、Doyleらの計算結果は実験結果とよく一致していない。一方、Waelbrockらは、はっきりした物理的意味を持ったパラメータ(w=L√k/D)を導入し、プラズマ駆動水素透過についてのモデルを提出したが、そのモデルでは、入射飛程が考慮されなかった。そこで、本研究では、新しいパラメータU,V(またはu,v,w)を導入し、イオン注入による水素透過についての一般的なモデルを提出した。これらのパラメータは、はっきりした物理的意味を持ち、入射飛程も含んでいる。このモデルにより、透過過程の律速は、入射フラックスに依存するだけでなく、入射側のパラメータ(r,K,D)と裏側のパラメータ(L,K,D)にも依存することがわかった。