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大久保 忠恒*; 佃由 晃*; 上村 勝一郎*; 村井 健志*; 後藤 健*; 土井 荘一*; 千田 康英*; 高阪 裕二*; 木戸 俊哉*; 村田 保*; et al.
日本原子力学会誌, 43(9), p.906 - 915, 2001/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)我が国の原子力発電では、ウラン資源の有効活用及び稼働率向上を目的として、高燃焼度化が進められており、その一環として通商産業省の支援のもと高燃焼度燃料等確証試験が実施されている。PWRにおいては、高燃焼変化が2段階のステップを踏んで進められており、ステップI燃料(~48GWd/t)は平成元年から使用が開始されている。本報告では、関電(株)高浜3号機で照射されたステップI燃料について照射後試験を行い、その照射挙動について解析・評価を行った。その結果、ペレット,燃料要素,被覆管及び燃料集合体の照射挙動は従来燃料の挙動データから予測される範囲であり、特異な挙動は見られないことが確認され、ステップI燃料の健全性・信頼性を確証することができた。
森平 正之; 矢野 総一郎; 古村 誠太郎*; 檜山 敏明; 羽成 章*; 林 賢一*; 上村 勝一郎
PNC TN8410 98-111, 102 Pages, 1998/05
プルトニウム燃料開発室においては新型燃料技術評価作業の一環としてウラン・プルトニウム混合窒化物燃料の開発を行っており、平成7年から8年にかけて試験設備の性能確認とプルトニウム試験の予備試験を兼ねたUNペレットの製造試験を実施した。そして、還元炉・焼結炉を中心としたハード的な課題を解決し、最終的に焼結密度93.0%TDの単相UNペレットが得られた。これらの結果を受けて、平成8年12月より(U,Pu)Nペレット製造試験を開始した。本報は、この間の試験経過についてまとめたものである。なお、UN試験で最終的に得られた試料の化学分析は、工程上の問題とアスファルト固化施設における爆発事故の影響によるプルトニウム燃料第一開発室の運転停止のために確認することができなかった。しかし、UN試験後に実施した(U,Pu)N試験では、製造条件は異なるものの、窒素量5.51%、酸素不純物量0. 11%というデータが得られていることから、UN試験においても同程度の純度の試料が得られているものと推定される。
檜山 敏明; 檜山 敏明; 高橋 俊夫; 上村 勝一郎
Analytica Chimica Acta, 345(1), p.131 - 137, 1997/06
被引用回数:12 パーセンタイル:44.06(Chemistry, Analytical)MOX燃料中の迅速窒素分析法を開発した。この方法は、簡単、高精度であり、従来のケルダール法と比較し、発生する廃棄物は極めて少ない。試料と助燃剤を黒鉛るつぼに採取し、ヘリウム雰囲気中で約2500加熱する。融解された試料から発生する一酸化炭素は、プレカットシステムにより除去される。試料から放出された窒素は、プレカットシステムにより分離され、熱伝導度検出器により測定される。相対標準偏差は5%以内である、分析に要する時間は約10分/件である。本法は、MOX燃料ばかりでなくUOへの適用が可能である。
加藤 正人; 豊島 光男; 飯村 直人; 上村 勝一郎
PNC TN8410 97-065, 147 Pages, 1997/03
水炉用MOX燃料の高燃焼度化を達成する方策として有効な,ガドリニア添加MOX燃料の照射挙動及び健全性評価を目的に、ノルウェーのハルデン炉で行う照射試験用燃料として中空ペレットスタックの中空部にガドリニア棒を挿入したDuprexタイプ燃料を含む24本の燃料要素を製造した。本報告書では、照射試験燃料製造の過程で得られた種々の知見について、ガドリニア棒の開発、燃料ペレットの製造及び燃料要素の加工の各段階に分けてまとめた。1. ガドリニア棒の開発バーナブルポイズン量を同一に保ちながら、セラミック棒の強度を保持するためGd2O3棒以外に、希釈材を添加した太径の棒も開発することにした。そのため、希釈材としてZrO2を採用した。Gd0.405Zr0.595Oy、Gd0.5Zr0.5Oyの試料を製作し、融点、熱安定性等の測定を行った。融点はそれぞれ、2510及び2360を得、Gd0.405Zr0.595Oyは蛍石型構造が安定で、1700まで形状変化がなく、Gd0.5Zr0.5Oyはパイロクロア構造が現れることを確認した。また、照射材料としてGd0.405Zr0.595Oy及びGd2O3の細径長尺棒を押し出し成形で製作し、1700まで形状が変化しないことを確認し、照射材料として十分に供与できることを確認した。2. 燃料ペレットの製造(1) 使用する原料粉末の焼結特性を把握し、対策を施す(本試験においては、使用するPuO2粉末を粉砕することにより焼結性を向上させ、一方の天然UO2粉末は、800で熱処理することにより焼結性を抑制し両者の焼結時の収縮特性を合わせた。)ことによりペレット密度約95%TDを得ることが出来た。(2) ウイズドロアル式プレス機での成形時の上下圧バランスの状態を、上パンチ停止後にダイ停止させることにより、焼結後のペレット形状が台形になるのを防ぐのに適切な条件であることを見い出した。3. 燃料要素の加工ガドリニア棒入り燃料要素の製造は、半自動で行ったことから特に問題は発生しなかった。しかし、今後、大量生産を可能にするためには、自動化は不可欠である。そのため、設計段階での工夫が必要である。特に、ガドリニア棒径と中空ペレットの内径の差は、自動化レベルとの兼ね合いで最適化を図る必要がある。
関 正之; 西山 元邦; 石橋 藤雄; 本木 和彦*; 上村 勝一郎; 豊島 光男; 平子 一仁*
PNC TN8410 97-055, 19 Pages, 1997/03
溶接部超音波検査法は、PMW(パルス磁気溶接)法やPRW(抵抗溶接)法といった固相接合法により発生する溶接欠損の探傷法開発を目的に、装置開発、標準試験片開発等として行ってきた。そしてそれらの中で固相接合法だけでなく、従来の融接法(TIG溶接法)による端栓と被覆管の突き合わせ溶接部についても探傷試験を行い、X線検査法との比較も試みた。(PNCPN841094-010、PN841093-074、PN841096-050にて報告。)これらの試験からPRW法やTIG溶接法の溶接部に発生する欠陥において、端栓と被覆管の境界面及びその溶接部の近傍に発生する欠陥は、内部状態(PRW法=内バリ、TIG法=アンダーカット等)による超音波反射エコーが複雑になり、本来目的とする欠陥エコーの分離、判定が難しい。という問題が生じた。また、PRW法の場合、溶接欠損の有無だけでなく、接合面に生ずるミクロ的な材料変化が、溶接部の強度に大きな影響を及ぼすことが、SEM及びTEM等による観察からわかってきた。本報告書は、これら混在する超音波エコーの分離と材料変化を非破壊検査により定性・定量化するための基礎データの収集を行うために、今年度制作したAスコープメモリー装置の開発、据付及び性能試験についてまとめたものであり、今後の開発課題について検討を加えたものである。
成田 大祐; 大代 操; 吉田 真之*; 小幡 真一; 関 正之; 檜山 敏明; 上村 勝一郎
PNC TN8410 97-045, 21 Pages, 1997/03
本試験は、予備焼成雰囲気としてAr-5%H2、N2及びCO2ガスを用い、ステアリン酸亜鉛及びアビセルを添加したPu富化度30wt.%混合酸化物燃料ペレットの予備焼成時の脱炭効果、またそれが焼結挙動に及ぼす影響を調べたものである。実施した試験の結果から、以下のことが結論として言える。(1)Ar-5%H2、N2及びCO2ガス雰囲気中における予備焼成時の炭素の脱離はペレットから分離・放出された酸素及び雰囲気中の不純物酸素との間で生じるC+1/202=CO反応が主として寄与するものと考えられる。従って、脱炭効果はペレットのO/Mが高く、雰囲気の酸素ポテンシャルが高いほど大きくなると推定される。(2)ステアリン酸亜鉛及びアビセルを添加した場合の焼結密度は、CO2ガスの方が炭素の脱離が十分進むため相対的に高くなるが、Ar-5%H2ガス予備焼結ペレットでは残存炭素の影響により低くなる。(3)ステアリン酸亜鉛のみ添加し、CO2ガス雰囲気で予備焼成したペレットの焼結密度は、原料粉末粒子の凝集強度及び粒子形状に起因し、低くなる場合と高くなる場合がある。(4)予備焼成雰囲気としてCO2ガスを使用する場合は、試料皿(Mo)との間でMo+2CO2=MoO2+2CO反応によるMo皿の酸化が起こるため、それに留意する必要がある。
上村 勝一郎; 河野 秀作; 矢野 総一郎; 加藤 正人; 森平 正之; 森本 恭一; 菊池 圭一
PNC TN8410 97-038, 447 Pages, 1997/03
ハルデン炉において、ATR実証炉燃料の負荷追従照射試験(IFA-554/555)を実施した。照射後試験のうち、すでに非破壊試験については全7本を、破壊試験については2本(IFA-554ロッド5及びIFA-555ロッド1)について結果を取りまとめた(既報第46報)。本報告では、残る5本(IFA-554ロッド1,2,3,4,6)の破壊試験結果について解析・評価するとともに、全7本の照射後試験結果について最終報告書として取りまとめた。得られた結果は、以下の5点である。(1)被覆管の軸方向の微小塑性変形の蓄積による燃料棒伸び量の増加及び燃料温度の周期的変化によるFPガス放出率の顕著な増加が見られなかった点から、負荷追従運転は定常運転に比して燃料挙動に顕著な影響を与えなかったと考えられる。(2)破損した燃料棒のうち2本の燃料棒(IFA-554-1及びIFA-555-1)は、使用した被覆管が腐食感受性が高いこと及び他の燃料棒に比べて高い線出力を経験していることから、異常な酸化により燃料破損したと推察した。(3)破損した燃料棒のうちIFA-554-5については、燃料初期に温度計装が断線した際、シール部からの水分混入による水素化、あるいは、製造時に被覆管内に残留した水素あるいは水分による被覆管内面からの水素化により破損したものと推察した。(4)上部クラスターのIFA-554-4,5,6の下部Zry-2ディスク充填部で被覆管に膨れ変形が生じたが、上記(3)と同様の原因によりZry-2ディスクが水素化したためと推察した。(5)被覆管内部の水素化の原因として、加圧溶接部の溶け込み深さの検査基準が明確でなかったことから、この部分から水分が混入したとも考えられたが、断面金相試験からリークのなかったことを確認した。
上村 勝一郎; 矢野 総一郎; 河野 秀作; 加藤 正人; 森本 恭一; 森平 正之; 菊池 圭一
PNC TN8410 97-067, 452 Pages, 1997/02
ハルデン炉において、「軽水炉用」プルトニウム富化燃料(Puf富化度4.6w/o)の高燃焼度照射試験(IFA-565)を実施した。IFA-565は、IFA-514照射試験として照射した6本の燃料棒のうち、3本について同一リグにて継続照射したものである。IFA-514については既報にまとめられており、本報告では、継続照射した照射データ及び照射後試験結果について解析・評価を行った。得られた結果は、以下の5点である。(1)ペレットピーク燃焼度で61GWd/tMOXの高燃焼度まで健全に燃焼すること確認した。(2)FPガス放出挙動はBWRUO2及びATR用のMOX燃料の挙動と類似しており、FPガス放出率に差は認められない。また、中空ペレットのFPガス放出率(13.0%)は中実ペレット(17.3%)より低い。(3)金相観察結果及びペレット長の変形量からいずれの燃料棒にも大きなPCMIは生じておらず、ペレット形状(中実と中空)がPCMI挙動に与える影響に明確な差は認められない。しかし、中空ペレットの方が中実ペレットに比べて燃料棒外径変化率がやや小さく、外径変化の抑制に効果がある。(4)燃料棒の伸びはBWRUO燃料棒及びATR用MOX燃料棒に比べてやや小さく、約0.15%である。(5)製造時に存在したペレットの造粒界が照射中に消失することにより、ペレットスウェリングの緩和に効果のあったことが推察される。
上村 勝一郎; 矢野 総一郎
PNC TN8410 97-066, 300 Pages, 1997/02
新型転換炉(ATR)実証炉燃料の開発の一環として、実証炉用MOX燃料の標準燃料及び改良型燃料(Zrライナー付き被覆管)について破損限界及び出力過渡変化時の照射挙動を調べることを目的として、ハルデン炉においてATR実証炉仕様燃料の出力急昇試験(IFA-591)を実施した。この出力急昇試験後の燃料について、非破壊の照射後試験を実施し、その結果を解析・評価した。得られた結果は、以下の5点である。(1)外観観察からは、異常な傷、クラック、変形等は認められず、被覆管が健全であることを確認した。なお、出力急昇試験を通じて一部の被覆管表面の酸化が進行した。(2)プロフィロメトリの結果、燃料ロッドには特に異常は観察されなかった。なお、各燃料ロッドに平均で0.10.4%の外径増加があった。(3)渦電流探傷の結果、被覆管には異常な信号変化は認められず、健全であることを確認した。確認された信号の乱れや変化は、スペーサー部の酸化膜、端栓等の構成部材によるものであることを確認し、特にペレット高さに対応した周期的な変動は、ペレットリッジ部でのPCMIによるものと推定した。(4)スキャニングの結果、特異な事象は観察されなかった。軸方向の燃焼度分布について、ほぼ一定であるか、軸方向上部に向かって低下することを確認した。また、Csがランプ試験を通じて、ペレットから放出され、ペレット界面へ移動したことが観察された。(5)中性子ラジオグラフィの結果、11本中8本の燃料ロッドについて、最上段ペレットの上面にペレットの破砕が観察されたが、これ以外には燃料スタック及び被覆管とも異常は観察されなかった。また、これらの結果をもとに引き続き予定されている破壊試験について、サンプルの設定根拠をまとめた。
加藤 正人; 菅田 博正*; 高橋 邦明; 上村 勝一郎
PNC TN8410 97-018, 38 Pages, 1997/01
プルトニウム酸化物燃料に関する物性研究は、広範囲のPu富化度のMOX燃料について行われている。さらに、NpまたはGdを含有した燃料についても実施する計画があり、研究対象となる物質の系は複雑となっている。このようなプルトニウム酸化物燃料の物性研究を進める上で、試料のO/Mをコントロールすることは、得られた物性データの信頼性を高め、物性を正しく理解する上で重要である。本試験は、高温X線回折の測定及び酸素ポテンシャルをコントロールする技術を習得することを目的とし、30%Pu富化度のMOXを用いて酸素ポテンシャルをコントロールし、高温X線回折による格子定数の測定を行った。また、高温X線回折装置による熱膨張率測定、変態速度の測定をも試みた。さらに、今回の試験により得られたデータをもとに、O/Mをコントロールするアニーリングの手法についての検討を行うとともに、既知の状態図の検討を行った。本試験により酸素ポテンシャルをコントロールした雰囲気下で高温X線回折測定を行うための実験手順について確立するとともに、Pu0.28U0.72O2xについて以下のことがわかった。(1)800以下の酸素ポテンシャルと相状態の関係について明らかにすることができ、雰囲気の酸素ポテンシャルをコントロールすることによって、MO2、MO2+x、MO2+x+M4O9、M4O9相の各相を得ることができるようになった。また、O/Mを2.00にコントロールするためのアニーリング方法を確立した。(2)MO2とM4O9相の熱膨張率を求め、それぞれ熱膨張係数を9.510-6/及び10.810-6/を得た。(3)MO2からM4O9相へ酸化するときの活性化エネルギを求め、78KJ/molを得た。(4)ハイパーストイキオメトリーの領域においてMO2+xとM4O9相の2相領域が従来報告されている状態図に比べ広い範囲である可能性を示唆した。
関 正之; 上村 勝一郎
原子力工業, 42(9), p.30 - 33, 1996/09
高速炉燃料の高燃焼度化の達成のために、耐スエリング性の向上を主目的とした、新被覆管材料の開発を進めている。中でも酸化物分散強化型フェライト鋼は、スエリング特性とともの高温クリープ強度に優れた材料である。しかし、TIG溶接法等の融接法で溶接すると、母材内に均一に分散している酸化イットリューム等が凝集するとともに、溶接部に多くの空孔を形成し、溶接強度は著しく低下する。このため、TIG溶接法に代わる溶接技術を開発する必要が生じ、パルス磁気溶接法および加圧抵抗溶接法の開発を行っている。また、これらの溶接技術開発と平行して溶接欠陥を識別する方法として、X線透過法よりも高い分解能が得られる超音波探傷技術の開発も行っている。
加藤 正人; 上村 勝一郎; 高橋 邦明
PNC TN8410 96-247, 97 Pages, 1996/08
先進燃料の一つに、マイナーアクチナイドを消滅する燃料としてターゲット燃料が考えられている。ターゲット燃料は、それ自身の発熱による発電を目的としていないことから、燃料にマイナーアクチナイド以外の核分裂性物質を含む必要はなく、酸化物、窒化物、金属など様々なタイプの燃料が考えられる。本研究は、ターゲット燃料及びその不活性母材としての材料科学の基礎研究のひとつとして、代表的な化合物をサーベイし、不活性母材及びターゲット候補材の選定、及び試作材のキャラクタリゼーションを行った。不活性母材の試験を行うにあたり、各特性の調査を行った。調査は、(1)Puを含む酸化物、窒化物及び金属燃料、(2)Amを含む複合金属酸化物、(3)酸化物及び窒化物の熱特性、(4)全元素の高速中性子断面積について行った。調査結果をもとにスクリーニングを行い、不活性母材として酸化物及び窒化物、模擬ターゲット燃料として分散型、固溶型及び化合物型について選定した。また、Amの代わりの模擬材として、電子状態、イオン半径が似た元素であり、同じ結晶構造の酸化物を形成するNd2O3及びCeO2を選んだ。不活性母材として、Al2O3、MgO、MgAl2O4、ZrN、TiN、AlNを、模擬ターゲットとしてAl2O3-Nd2O3、MgO-Nd2O3、MgAl2O4-Nd2O3、Al2O3-CeO2、MgO-CeO2、MgAl2O4-CeO2、ZrO2-Nd2O3、Y2O3-Nd2O3、V2O3-Nd2O3を選定した。これら15種類の物質について実際に試作し、外観観察、密度測定、光学顕微鏡観察、EPMA分析、X線回折測定、熱伝導率測定、3点曲げ試験、硝酸中溶解試験、Na反応試験を実施し、各燃料形態について評価検討を行い、各燃料形態の特徴を整理し、Pu燃焼燃料についても評価した。Amターゲット燃料の形態を考えると、窒化物が熱特性の点から優れた材料であると言える。酸 化物系は、分散型は照射挙動上の問題と不活性母材選択の導率の低下とAm含有率を低くする必要があること、そして、化合物型は物質探索の必要があるなどの問題があり、いずれもターゲット燃料としては充分な材料を得ることはできなかった。Pu燃焼の燃料形態は、現在の湿式再処理をすることを考えるのであれば、PuO2が不溶解であることから、分散型の酸化物燃料はその適用が難しいと思われる
野上 嘉能; 小幡 真一; 上村 勝一郎
PNC TN8410 96-218, 216 Pages, 1996/07
(目的と概要)FBR燃料用中空ペレット製造技術開発課題の一つに中空コアロッド材料の長寿命化がある。本報告書は、成形時における中空コアロッドの摩耗形態を模擬した試験機(ピンオンディスク式摩耗試験機)を用いて、試験片の加圧力、MOX圧粉体模擬材の硬さを因子として、中空コアロッド候補材料の耐摩耗性の比較と実用上の性能基準との比較評価を行った結果に関するものである。(結果)(1)中空コアロッド候補材料の寸法減量から見た耐摩耗性の優劣は、次の通り。(劣)SKH51GH880RAF1≒GA30(優)なお期待値を満足するのは、GA30-溶融シリカ-30kgf/cm2の条件のみであった。(2)中空コアロッド候補材料の表面粗さから見た耐摩 耗性の優劣は、次の通り。(劣)GH880RSKH51GA30≒1(優)なお全ての条件で期待値を満足した。(3)面圧が高いほど、またディスクが固い方が、ピンの寸法減量(換算値)が多い。(4)もんじゅ取替燃料製造実績から、金型寿命は20ロット程度(成形回数42万回、摺動距離8,400mに相当)であれば十分であると思われるこの条件を満足するのは、AF1-溶融シリカ-70kgf/cm2及び30kgf/cm2、AF1-カーボンセラミックス-110kgf/cm2、GA30-溶融シリカ-30kgf/cm2、GA30-カーボンセラミックス-110kgf/cm2、GH880R-溶融シリカ-30kgf/cm2であった。本報告書は、動力炉・核燃料開発事業団が住友金属テクノロジー株式会社に委託して実施した研究の成果を元に、本試験に至る経緯、試験の評価基準、動力炉・核燃料開発事業団としての考察、まとめ及び今後の課題について加筆したものである。
野上 嘉能; 飯村 直人; 宮本 寛; 小幡 真一; 上村 勝一郎
PNC TN8410 96-214, 36 Pages, 1996/07
FBR用中空ペレットは、FBRの炉心性能の高度化を目指して開発されている。動燃では、照射試験燃料としての中空ペレット製造経験を有しているものの、ドライバー燃料規模の量産経験が無い。中実ペレット製造法と異なるのは、成形時に中空コアロッドが必要となる点であり、この点を中心とした製造技術開発が求められている。プル開室においては、関係各部との調整の上、全体計画に沿った基礎技術開発基本計画(平成5年10月PNCZN841093-216)を策定し、今日までこれに沿った中空ペレット製造基礎技術開発を推進してきた。平成7年10月の「報告と講演の会」で燃料の太径化及び高線出力化による原子炉の「経済性と信頼性」向上を図る旨の報告がなされたことを契機として、MOX燃料高度化計画全体の中での中空ペレット製造技術開発計画の策定の動きが活発になってきている。プル開室においてもPu規格外品の再確定作業以降の計画立案上、現在の到達点を明らかにしておく必要があると判断した。これらの理由から、これまでプル開室で実施してきた中空ペレット製造技術開発の経過、実績及び得られた知見について整理し報告するものである。現在のところ、成形設備に用いられる中空コアロッドの開発はほぼ終了し実規模量産試験に供するところまで来たが、製造技術及び物性評価についてはUO2での造粒試験を実施した所までである。中空ペレット量産化のために、今後プル工場において実規模UO2、MOX中空ペレット量産試験を実施していくが、これと残された基礎試験(中空ペレットを製造する上で最適な造粒、成形、焼結条件の把握及び、粉末流動性評価手法の最適化など)を実施していく必要がある。
上村 勝一郎; 小幡 真一; 加藤 正人; 平子 一仁*; 河野 秀作; 矢野 総一郎; 藤田 伸一*
PNC TN8100 96-006, , 1996/06
本資料は、東海事業所プルトニウム燃料開発室で現在実施している各種研究開発の内容と成果の概要及び計画をまとめたものである。なお、各研究開発項目については、平成7年度プルトニウム燃料開発室年報あるいは個別の社内技術資料として詳細に報告がなされており、本資料集はそれらをダイジェスト版的にまとめたものである。
上村 勝一郎; 河野 秀作; 矢野 総一郎; 加藤 正人; 大代 操; 森平 正之; 森本 恭一
PNC TN8410 96-051, 107 Pages, 1996/03
OECDハルデンプロジェクトとしてATR実証炉燃料の負荷追従試験(IFA-554/555)を実施している。IFA-555ロッド1の照射後試験項目のうち、前報ですでに金相試験、SEM試験、及び/オートラジオグラフィの結果について報告している。本報では、断面ガンマスキャニング等ペレット分析に係る試験及び被覆管の強度試験について結果を報告するとともに、IFA-555ロッド1の照射後試験結果についてまとめる。得られた結果は、以下の5点である。(1)日負荷追従照射試験は、照射中のリークなしに、計画通り第23サイクルまで照射された。(2)燃料棒伸び、FPガス放出率の観点から、日負荷追従照射による顕著な影響は認められなかった。(3)パンクチャ試験でFPガスが測定されなかったが、これは炉内照射中に、腐食の進んでいた被覆管に照射終了後、PIEまでの期間にリークが生じたものと考えられる。この原因として、IFA-554ロッド5同様、腐食感受性の高いZrライナー管を使用していることがあげられる。照射後試験では、燃料要素上部の被覆管表面の荒れと著しい酸化膜形成及び剥離、並びに水素化物の被覆管肉厚部への浸透が観察されている。(4)燃料要素上部ペレットの一部に破砕が認められ、その直下で中心空孔と柱状晶の形成が観察された。この原因の1つとして、照射中に経験した線出力が、試験計画値49.2kW/mを越え燃料要素中最高の55.8kW/mに達したことがあげられる。(5)被覆管リング引張試験及び水素分析試験結果から、燃料要素上部のサンプルに、水素含有量が低いにもかかわらずリング引張強度が著しく低下する傾向が見られた。
影山 十三男; 檜山 敏明; 山本 純太; 上村 勝一郎
動燃技報, (97), p.126 - 131, 1996/03
定電位電量分析法によるFeを含むPu-U混合酸化物(MOX)燃料中のPuの分析法を開発した。溶解したMOX試料中に共存するFeは、FeとPuの酸化還元電位が近接していることから、定電位電量分析法によるPuの分析の妨害となる。本法は、試料溶液中に共存するFeが、o-フェナントロリンと錯形成することにより、Feの酸化還元電位がアノード側に約100mV(vs SCE)シフトすることを利用し、Feの妨害を除去した。添加したo-フェナントロリンはFeの20倍量以上である。Uは重量比でPuの10倍まで影響を及ぼさなかった。本法の相対標準偏差は0.3%以下(n=7)であった。
関 正之; 平子 一仁*; 西山 元邦; 豊島 光男; 石橋 藤雄; 井坂 和彦*; 上村 勝一郎
PNC TN8410 96-050, 59 Pages, 1996/02
溶接部超音波検査法は、平成元年度よりPMW(パルス磁気溶接)法による固相接合法溶接部欠陥探傷および固相接合長さの測定を目的に検査法の確立と検査装置の開発を行ってきた。そしてこれら開発試験の中から装置のノイズと対策と探傷駆動条件の安定の2つを今後の課題とした。(PNC PN8410 94-010、PN841093-074にて報告。)現在、新たに開発を進めているPRW(抵抗溶接)法の溶接部に発生する溶接欠陥は微細であり、クラック形状となるため、PMW法以上に現行のX線検査による検査が困難となる。そこでPMWと同様に超音波による溶接部検査法の開発を行うこととした。しかし、PRW溶接部の形状は、PMWのそれと異なっており、溶接部に発生する欠陥形状も異なることから溶接部超音波検査装置の改造を行い、新たな検査方法の開発に着手するとともに問題となっていた装置のノイズ対策と探傷駆動条件の安定性の確保についても解決を図った。また、今後、PMW、PRWの品質保障体制を確立する上で参考とするためTIG法溶接部の欠陥探傷についても試験を行い検討を加えた。
西山 元邦; 関 正之; 石橋 藤雄; 塚田 竜也*; 上村 勝一郎
PNC TN8410 96-037, 56 Pages, 1996/01
抵抗溶接法は、TIG溶接法等にくらべ溶接時の入熱量が非常に少なく、母材に極力影響をあたえずに接合できるため、酸化物分散強化型鋼(以下「ODS鋼」と言う)の溶接手法として有望と考え、溶接装置を開発した。しかし、本溶接法を用いてODS鋼の基本特性把握試験を行った結果、高温(650度C)引張試験において、接合部からの破断となり、また、引張強さも母材より低下するといった現象が生じた。そこで、今回は、接合部の強度を低下させる要因を究明するために、溶接条件にパラメータを取り試験片を製作し、各種強度試験と破面の観察およびTEMを用いて接合部の観察を行った。本試験、観察から得られた主な知見は、以下の通りである。1.主に接触抵抗を利用した場合の溶接試験(1段溶接)(1)接合部の硬さは母材よりも150Hv程度軟化し、これまでの結果と比べ改善は認められなかった。また、180kg程度の低い加圧力の場合においては、溶接の再現性が得られなかった。2.主に体積抵抗を利用した場合の溶接試験(2段溶接)(1)溶接電流および溶接時間は、硬さの変化にあまり影響をあたえず、加圧力を600kgfと大きくすると、硬さ低下は50Hv程度と非常に小さくなることが分かった。(2)金相上良好な接合部の得られる条件は、予熱電流7KA2cycle、溶接電流1314KA0.60.9cycle、加圧力180600kgfの範囲であった。(3)常温から650度Cの引張試験、650度Cの単軸クリープ試験では、加圧力の高い方が強度は強くなった。引張試験においては、加圧力の高い600kgfの場合は被覆管母材部からの破断となったが、単軸クリープ試験においては、どの条件の場合も接合部からの破断となってしまい、長時間側になるほど母材との強度差が大きくなった。(4)接合部のTEM観察においては、Y、Ti等の酸化物の粗大化が生じ、加圧力の増加に伴いその領域は狭くなった。分散材の粗大化が生じたのは接合部の温度が融点付近まで上昇したことが考えられる。なお、接合部の組織は、どの溶接条件においても再結晶組織になっていた。強度低下が生じるのは、接合部の粒界滑りおよび分散材の凝集、粗大化が原因であり、酸化物の凝集領域が狭いほど接合部の高温強度は強くなり、凝集領域の幅は接合部に加わる加圧力と相関のあることが分かった。(5)SEM観察による破断面の形状
檜山 敏明; 菅谷 伸一; 影山 十三男; 上村 勝一郎
Analytical Sciences, 12(3), p.427 - 430, 1996/00
被引用回数:4 パーセンタイル:20.05(Chemistry, Analytical)二次微分スペクトル法によるプルトニウム及びウラン共存下における硝酸溶液中のマイクログラム量のAm(III)分析法を開発した。定量には5035nmにおけるアメリシウムの二次微分吸光度を用いた。プルトニウム及びウランは、Pu/Amで90倍、U/Amで620倍まで影響を与えない。1-11g/mlの範囲におけるAm(III)の測定において良好な分析精度を示した。MOX中のアメリシウムの測定における相対標準偏差は2.2%以下であった。本法はプルトニウム及びウランの分離を必要としない。