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馬場 恒孝; 三田村 久吉; 蔵本 賢一; 稲垣 八穂広*; 上薗 裕史
JAERI-Review 98-002, 23 Pages, 1998/02
処分条件下でのガラス固化体の長期性能評価を目的として、その浸出挙動を変質層の役割、地下水による影響及び酸化還元雰囲気の影響の観点から研究を進めた。その結果、次のことが明らかになった。(1)浸出の過程で表面に形成した変質層内での結晶成長のような反応は、固化体からの元素の浸出がほとんど止まっても進行する。(2)水和したケイ酸変質層は、脱イオン水中よりも還元性の合成地下水中の方でFeを伴って溶解し易い傾向がある。(3)酸化還元両条件ともにPuxHO(am)の形成がPuの浸出を支配し、還元条件下での主な可溶性化学種はPu(OH)である。セラミック固化体に関する研究では、シンロックの構成鉱物の一つであるペロブスカイトの崩壊損傷を調べ、910/gの蓄積線量で1.3%の密度減少を観察した。また、ペロブスカイトの浸出率は蓄積線量の増加で増える傾向のあることが分かった。さらに、ジルコニア及びアルミナを主成分とするセラミックの結晶学的安定性、化学的耐久性等をCe及びNdを用いて調べた結果、イットリア安定化ジルコニアが目的とする固化体として優れた特性を有することが明らかとなった。
上薗 裕史; 橋本 昌亮*; 田村 行人; 佐川 民雄; 松本 征一郎
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.353, 0, p.71 - 78, 1995/00
地層処分後数百年経過しても、ガラス固化体はCs等によるガンマ線のため、周辺の地下水の液性に影響を及ぼす。この時期にガラス固化体が直接地下水と接触すると、ガラス固化体の浸出挙動はガンマ線による影響を受ける可能性がある。本研究では、玄武岩質合成地下水中で、多数の板状模擬ガラス固化体に、10R/hのガンマ線を照射し、実環境に近い条件での浸出挙動について解析を進めた。その結果、1000ml/yの流量では、酸化還元電位(Eh(V))は、Eh=0.78-0.069pHのように変化し、pHとの相関が認められた。これは非照射の場合と比較すると、同一pHの値では約0.12Vの還元側シフトであった。この状態での多イオン価元素(Fe,Ce等)の浸出液中濃度は0.05ppm以内の変動であり、非照射の場合と比較して有意の差は認められないことが分った。
早川 一精*; 上薗 裕史
Journal of Nuclear Science and Technology, 30(7), p.673 - 679, 1993/07
被引用回数:5 パーセンタイル:50.63(Nuclear Science & Technology)Nd,Cc,Srのような高レベル廃棄物の模擬成分を含むLaAlO(LA),CaAlO(MP)の浸出挙動が、90°,150C,pH=1の酸溶液および純水下で調べられた。90C、酸溶液中では、これらはAlの両性のためcongruentに溶融し10g・m・d以上の高い浸出率を示した。一方純水中では、これらはincongruentに溶解し、AlとNdは、10g・m・d以下の低い浸出率を示した。LAはMPに比べて、酸溶液中では高い浸出率を示すが、純水中では同等の低い浸出率を示し、しかも3価、4価のアクチノイド元素を固溶可能なため、pHが7以上の液性下ではアクチノイドの固化材料として使用可能なことを明らかにした。純水中では、浸出温度が90°から150Cに上昇すると、Al,Ca,Srの浸出率は増加するが、Nd,Ccの浸出率は逆に減少した。この浸出率の減少は、アルカリ成分(Ca,Sr)の溶解に基づくpHの上昇によって説明された。
早川 一精*; 上薗 裕史
J. Mater. Sci., 28, p.513 - 517, 1993/00
被引用回数:20 パーセンタイル:68.63(Materials Science, Multidisciplinary)アクチノイド、ランタノイド、アルカリ土類金属元素の模擬成分として、Ce,Nd,Srを含むLaZrO固化体の浸出挙動を検討した。固化体構成成分の浸出率評価に際し、試料となる粉末性状に適した評価法を検討し、適用した。浸出時間、温度、浸出液のpHが固化体構成成分の浸出率に及ぼす影響を吟味した。いずれの成分も初期浸積時間によらず浸出率が浸出時間と共に一定値に近づくことがわかった。La,Nd,Ce,Srの浸出率は、温度の上昇と共に増加する傾向を示したがZrは、逆の傾向を示した。この現象は、温度上昇と共に減少するCOイオンとの錯体形成が減少することによって説明された。Zr,La,Nd,Ceの浸出率は、純水およびpH:10のアルカリ溶液中で10g/m・dと小さく(90C)、またpH:1の酸溶液中でも10g/m・dであり、広いpH領域で優れた耐久性を有することが明らかとなった。
早川 一精*; 上薗 裕史
Journal of Nuclear Materials, 202, p.163 - 168, 1993/00
被引用回数:52 パーセンタイル:96.36(Materials Science, Multidisciplinary)模擬高レベル廃棄物元素(Nd,Ce,Sr)のLaZrOへの固溶が、Na,Ce,Srおよびマトリックス構成元素であるLa,Zrの浸出挙動に及ぼす影響について、pH=1の酸溶液、純水、pH=10のアルカリ溶液中で調べられた。酸溶液中では、La,Nd,Ceの浸出率は、Nd,Ceの固溶量の増加と共に減少し、固溶量と浸出率の間に明瞭な関係が認められた。またLaの浸出率は、NaCeCe+Sr(1:1)の固溶の順序で減少した。これらの現象は、Nd,CeがLaのサイトに置換固溶することによりLa-O結合距離が減小し結合エネルギーが増加することで説明できることを示した。しかしながら純水およびアルカリ溶液中では、酸溶液中でみられたような固溶量と浸出率の間の明瞭な関係は認められなかった。この原因として、固化体表面での不溶性の水酸化物または炭酸塩の生成が考えられた。
早川 一精*; 上薗 裕史
JAERI-M 92-091, 21 Pages, 1992/07
高レベル廃棄物中の主としてアクチノイド元素の固化に適した固化体材料を見出すため、(1)結晶質マトリックス中にアクチノイド元素を固溶または化合物化する(2)耐食性化合物中にアクチノイド元素をカプセル化するの2点から検討を行った。(1)に関しては、固化体材料の主成分が耐食性化合物から成ることが考えられ、耐食性データなどによりZrO,TiO,AlO,SiO,PO基を選択し、またアクチノイド元素が固溶できる成分としてCa,La,Zrを選択して、これらの組合わせにより状態図から11種の酸化物化合物を抽出した。(2)に関しては、好ましいカプセル化の材料、形態、方法などを検討し、カプセル化の材料としてSiC、グラッシーカーボン、ZrO,Ti-Si-C-O系セラミックスが、またそれらの出発原料として低温度で緻密化できる可能性のあるポリマーまたは微粉末が望ましいと考えられた。
馬場 恒孝; 上薗 裕史; 三田村 久吉
JAERI-M 92-008, 16 Pages, 1992/02
原研における高レベル放射性廃棄物固化体に関する最近の研究は、次の3つに大別できる。(1)ガラス固化体からの長期にわたる放射性核種漏洩量を予測するために必要な浸出挙動を、固化体表面に形成される変質層及び浸出液の化学組成の役割に注目して明らかにする研究。(2)ガラス固化体の長期安定性に関係する照射による物性への影響(特に、崩壊による影響)に関する研究。(3)キュリウム添加試料を使用したシンロック固化体の放射線損傷に関する研究。本報告書では、それぞれに関係する最近の研究成果を報告する。
上薗 裕史; 村岡 進
Mater. Res. Soc. Symp. Proc., Vol. 257, p.191 - 197, 1992/00
ステンレスキャニスターに充填したガラス固化体からのCsとRuの揮発について検討した。ガラス固化体を600Cの一定温度に加熱し、キャニスター中空気を一定期間毎にサンプリングすることにより、CsとRuのキャニスター中濃度の時間変化を測定した。キャニスター中での揮発に関与するメカニズムとして、前方向へはガラス中の拡散と表面近傍での反応を考え、逆方向へは析出、微粉化、内壁との反応を考えた。これらメカニズムを考慮した簡単な微分方程式を用いて、実測したCsとRuの濃度の時間変化を解析した。この解析方法は、通常運転時及び事故時のガラス固化体貯蔵施設の空気汚染の予測に役立つ。
早川 一精*; 上薗 裕史
Mater. Res. Soc. Symp. Proc., Vol. 257, p.257 - 263, 1992/00
パイロクロール構造を有するLaZrOは、低浸出性を有することが明らかとなっている。LaZrOのLaサイトは、イオン半径の観点からアクチノイド、ランタノイド、アルカリ土類金属元素で置換可能と考えられる。これら元素の固溶限を明らかにするため、模擬成分として、Ce,Nd,SrをLaZrOに添加し、1400C、空気中で焼成して生成するパイロクロール結晶の格子定数より固溶度限を検討した。LaZrOのLaサイトにNdは完全固溶し、Ceは27mol%固溶した。SrとCeを同割合で添加することにより、Ceの固溶量が増加すること、Srの固溶量が5mol%以下であることが明らかとなった。またCeは、LaZrOよりもNdZrOの方により多く固溶することがわかった。これらの固溶現象を、イオン半径、結晶構造の観点から考察した。本結果よりLaZrO(パイロクロール)は、アクチノイド、ランタノイド元素を固化するためのマトリックス材料として、有用なことが示された。
上薗 裕史
Journal of the American Ceramic Society, 74(9), p.2234 - 2241, 1991/09
被引用回数:5 パーセンタイル:42.63(Materials Science, Ceramics)天然の地下水中でのガラス固化体の耐久性について、著者らの研究を総括した。坑道中での原位置試験では、ガラス固化体サンプルを天然地下水中に浸して、最長1年7ヵ月保持した後、回収して観察した。一方実験室では、原位置試験の結果をより明確に解釈するため、流速と地下水成分とをコントロールして実験を補足した。これらの結果に基づき、地下水中のガラス固化体の耐久性について考察を加えた。
蔵本 賢一; 上薗 裕史; 早川 一精*; 村岡 進; 柳 忠*
JAERI-M 91-097, 31 Pages, 1991/06
現在、HLWの固化に関して最も実用化に近いのはガラス固化体である。しかしPurex法においてソルトフリープロセスが採用され、かつ群分離技術がさらに進展すれば、危険核種、特にTRUの固化には熱的安定性さらに耐水性に富むセラミック固化が有利と考えられる。本研究は、模擬TRU(Ce,Nd)を含有したYO安定化ZrOセラミックスに関する基礎研究である。市販のZrO-YO粉体にCe,Nd硝酸水溶液を加え仮焼後ペレットにし、1400C-16時間で焼結した試料を密度測定した後、XRDとSEMを用いて分析した結果、次のことが明らかとなった。(1)相対密度の最高値は96.8%であった。(2)各元素は均一に分散しており、結晶相は立方晶のみを確認した。また150Cでの硝酸または蒸留水中浸出試験より、ガラス固化体に比して、耐水性は10以上優れていることが分かった。
上薗 裕史; 早川 一精*; 村岡 進
Journal of the American Ceramic Society, 74(4), p.863 - 864, 1991/04
被引用回数:26 パーセンタイル:77.1(Materials Science, Ceramics)ジルコニウムを含有する3種のセラミックス固化体の耐浸出性について検討した。10mol%-YO安定化ZrO(A)、パイロクロール型LaZrO(B)、ペロブスカイト型CaZrO(C)の3種の母材に、Ce、Nd及びSrを廃棄物元素として添加し、90Cと150Cで、塩酸又は脱イオン水中にて浸出させた。その結果、A及びBの母材を使用した場合に、固化体中の廃棄物元素の浸出率が低くなることがわかった。例えば、Bの母材を使用した固化体中の各元素の150C、脱イオン水中での浸出率は、試験開始後30日で10g・m・day以下に低下した。
上薗 裕史; 早川 一精*; 村岡 進
Journal of Materials Science Letters, 10, p.423 - 425, 1991/00
被引用回数:3 パーセンタイル:23.45(Materials Science, Multidisciplinary)FeO、PbO、GeOを各々ガラス固化体に添加し、70Cの脱イオン水中での固化体の耐久性に及ぼす効果について検討した。FeOの添加は固化体の浸出量を減少させるが、逆にGeOの添加は固化体の浸出量を増加させた。PbOを添加した場合は、CaやBaなどの一部の元素の浸出量が増加した。FeとGeについてはその水酸化物の溶解性が固化体の浸出量に強く影響したものと考えられる。Pbについてはその炭酸塩が優先的に析出して炭酸カルシウム等の析出を防げたため、Ca等の溶解性を逆に高めたと考えられる。
上薗 裕史
High Level Radioactive Waste Management, Vol. 2, p.1115 - 1118, 1990/00
ガラス固化体の貯蔵時の安全性試験の一環として、ステンレスキャニスターに充填したガラス固化体からのCs、Ru等の揮発について検討した。ガラス固化体を1000Cまでの各温度に加熱し、キャニスター中の空気をサンプリングすることにより各核種のプレナム中の平衡濃度を測定した。その結果、セシウムの活性化エネルギーは約140KJ/molを示し、ルテニウムについても同程度の値となることがわかった。しかし、1000Cではルテニウムの平衡濃度は検出限界以下になり、ステンレスキャニスターとの反応により空気中の濃度が低下したものと考えられた。さらに1000Cで加熱した後のキャニスター中の空気汚染についても検討し、一度揮発したセシウム等は酸化したステンレスのダストと共に空中に浮遊しやすい状態になっていることを明らかにした。以上の結果は、通常運転時及び事故時のガラス固化体貯蔵施設の空気汚染の評価に有用である。
上薗 裕史
Journal of Materials Science Letters, 9, p.841 - 844, 1990/00
被引用回数:1 パーセンタイル:11.89(Materials Science, Multidisciplinary)玄武岩質輝緑凝灰岩と共存する天然地下水の組成を模擬した合成地下水を調整し、その中でのガラス固化体の浸出挙動について検討した。浸出実験は70Cで49日間、また20Cでは1年間継続した。エネルギー分散型元素分析装置付きの走査型電子顕微鏡(SEM=EDX)で浸出後のガラス固化体表面を観察し、表面に付着した微粒子の成分を詳細に調べた。その結果、ガラス固化体中の希土類元素(La、Ca、Nd等)は、Caとともに炭酸塩として析出することがわかった。またガラス固化体中のBaは浸出液中の硫酸イオンとともに析出する傾向のあることがわかった。これらは、ガラス固化体の浸出挙動に対して地下水中の陰イオンが影響することを示している。実際の地層処分場でもこのような析出反応を考慮する必要がある。
上薗 裕史
Journal of Nuclear Materials, 172, p.319 - 324, 1990/00
被引用回数:4 パーセンタイル:47.14(Materials Science, Multidisciplinary)日本の天然地下水の組成の一例を参考にして合成地下水を調整し、その中でのガラス固化体の浸出挙動について検討した。浸出実験は70Cで49日間、20Cでは1年間継続した。その結果、ガラス固化体の浸出挙動は、合成地下水中では同時溶解的(congruent)になり各元素の浸出率が互いに近い値になる傾向にあることがわかった。比較のため行なった脱イオン水中での浸出試験では、非同時溶解的(in-congruent)であった。合成地下水の化学的性質が同時溶解的浸出を促進したものと判断した。実際の深地下の処分場でも同時溶解的な浸出が起こりやすいと推察した。
馬場 恒孝; 上薗 裕史; 中山 真一; 田代 晋吾
JAERI-M 89-110, 18 Pages, 1989/08
原研における高レベル廃棄物ガラス固化体に関する最近の研究は、次の3つに大別できる。(1)貯蔵時の安全性を評価する上で重要な固化体からの放射性核種の揮発挙動に関する研究。(2)固化体の長期的安全性に影響する放射線耐久性、特に線耐久性に関する研究。(3)処分後の放射性核種漏洩量と予測するために必要な長半減期核種の浸出挙動及び処分条件下での浸出挙動に関する研究。ここでは、それぞれに関係する最近の研究成果を報告する。
上薗 裕史; 佐川 民雄; 田代 晋吾
Journal of Nuclear Science and Technology, 26(8), p.811 - 813, 1989/08
高レベル廃棄物ガラス固化体の低流速浸出試験では、ガラス固化体の表面積を高めるために、1つの浸出容器に約50枚の板状試料を並べて設置する場合がある。そのような浸出容器の中でも浸出液の均一性が保たれているか実験的に検討した。約10g/cmの濃度のモリブデン溶液をあらかじめ浸出容器の中に注入し、その中に徐々に脱イオン水を送り込んで、排出されるモリブデン溶液の濃度低下の時間変化を観察した。その結果、モリブデン溶液の濃度低下は、浸出容器内で均一な混合が起こっていると仮定した理論式で説明できることを確認した。さらに、均一な混合を達成する一条件として、浸出液中の元素の拡散速度が重要な役割りを持つことを指摘した。
上薗 裕史; 吉川 静雄; 冨樫 喜博; 田代 晋吾
Journal of the American Ceramic Society, 72(8), p.1438 - 1441, 1989/08
被引用回数:10 パーセンタイル:38.24(Materials Science, Ceramics)ピューレックス再処理工程から排出された実高レベル廃棄物を含有するガラス固化体の揮発挙動について検討した。ガラス固化体はステンレス製キャニスター中に注入し、閉鎖系でCs-137とRu-106の揮発量を測定した。Cs-137の揮発量の測定結果は、Cs-134をトレーサーとして使用した予備試験の結果とよく一致した。Ru-106の揮発量は、Cs-137の約1/5となった。これらの結果は、ガラス固化体の貯蔵施設の安全性を評価するのに有用である。
上薗 裕史; D.E.Clark*; A.R.Lodding*
Journal of Nuclear Science and Technology, 26(4), p.441 - 448, 1989/04
ガラス固化体の浸出挙動を実験室で短期間に試験するためには、浸出挙動を加速して観察することが必要である。本研究では、浸出温度は最高90Cとし、SA/V比は最高0.85cmまで高めて、浸出挙動を観察した。