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論文

Coherent eddies transporting passive scalars through the plant canopy revealed by Large-Eddy simulations using the lattice Boltzmann method

渡辺 力*; 高木 毬衣*; 下山 宏*; 川島 正行*; 小野寺 直幸; 稲垣 厚至*

Boundary-Layer Meteorology, 181(1), p.39 - 71, 2021/10

 被引用回数:6 パーセンタイル:47.35(Meteorology & Atmospheric Sciences)

速度場とスカラー場に対する二つの分布関数を用いた格子ボルツマン法を用いて、植生キャノピー内およびその上部における、パッシブスカラを含む流れのラージエディ・シミュレーションを実施した。植物キャノピーが分散型シンクとして機能するトップダウンスカラーの場合、キャノピー上面のスカラー流束は、はるか上方から発生するキャノピーへ侵入する流れ(スイープ)により決定される。一方で、キャノピーからスカラーが放出される現象は、キャノピー上部で発生する渦により引き起こされる。本論文では、この様な渦の発生は、キャノピー上方からの大規模なスイープと、キャノピー内部の幅広い範囲での放出現象が接近することで引き起こされることを明らかとした。

論文

セラミック抵抗器の電気抵抗の測定

菅沼 和明; 下山 暢善*; 米久 直幸*; 滝 幸奈*; 金正 倫計

Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.686 - 688, 2015/09

本報告は、J-PARC 3GeV Rapid Cycling Synchrotron(RCS)の出射キッカーシステムに使用のセラミック抵抗器の電気抵抗測定に関するものである。キッカー電源に使用するセラミック抵抗器は、使用環境および高い印加電圧によって電気抵抗の値に変化を生じることが散見される。本抵抗器は、その使用方法により油中で使用されている。この抵抗値変化の原因として、抵抗器表面に塗布している耐油性膜に亀裂が発生し、油がセラミック抵抗器に浸入することが考えられる。そこで筆者らは、あえて塗装膜の無い抵抗器を油中に浸し、セラミック抵抗器の油中環境下での電気抵抗の計測を行った。油に浸した抵抗器は抵抗値が増加するが、一定時間を経過すると安定した抵抗値が得られる。この抵抗器をJ-PARCのキッカー電源の励磁エネルギーの終端抵抗として使用することを想定している。

論文

Electron-spin relaxation times of irradiated fructose measured with pulsed ESR

菊地 正博; 亀谷 宏美*; 下山 雄平; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦

JAEA-Review 2013-059, JAEA Takasaki Annual Report 2012, P. 85, 2014/03

In this study, the relaxation times of radiation-induced radicals in fructose crystals were directly measured using pulsed ESR to reveal the strength of interaction with the neighboring dipoles. ESR spectra of the irradiated fructose by CW ESR were essentially same at tested dose levels. While, ESR spectra by pulsed ESR were drastically different according to dose levels. Furthermore, relative heights of side peaks increased as the increasing of dose levels. It is suggested that CW ESR can measure all of the unpaired electrons, while pulsed ESR can detect the interactions based upon neighboring unpaired electrons as the electron-spin echo swept in magnetic field. The relationship between the dose level and the relaxation times showed T$$_{2}$$ of the side peaks were longer than those of the main peaks in fructose, indicating that radicals of the side peaks interact less with neighboring dipoles than do those of the main peak.

論文

Rapid ESR measurement of irradiated fresh papaya

菊地 正博; 下山 雄平; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦

JAEA-Review 2012-046, JAEA Takasaki Annual Report 2011, P. 78, 2013/01

照射食品検知法として利用される電子スピン共鳴(ESR)で生鮮果実の迅速判定を試みた。3kGy照射後に生鮮パパイア果肉中のラジカルのESRスペクトルを77Kで測定すると、1本線のメインピーク及び2本のサイドピークが観察された。しかし、0kGyでは果肉検体はほとんどESRサイレントであった。$$gamma$$線照射後のメインピークとサイドピーク強度は線量依存性を示した。果肉の凍結乾燥検体から測定されたESRスペクトルのメインピークは、照射・非照射の検体で観察され、線量依存性はなかった。しかしサイドピークは線量依存性を示した。この結果から、照射された生鮮パパイア検知のためのスキームを提案した。最初に、生鮮パパイア果肉は、照射処理検査のため液体窒素温度の下でESR測定に供され、ここでメイン・サイドピーク領域にピークがなければ、パパイアは照射されていないと考えることができる。逆に、両方のピークが生鮮果肉において観測できる場合、パパイアが照射されたと結論できる。パパイアのESRスペクトルが77Kで曖昧な場合、パパイアの凍結乾燥検体を用いて、追加のESR測定が必要だろう。迅速なESR測定法は生鮮果実の照射・非照射の識別に有効である。

論文

Electron-spin relaxation phenomena in irradiated saccharides detected by pulsed electron paramagnetic resonance spectroscopy

菊地 正博; 亀谷 宏美*; 下山 雄平; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦

Radiation Physics and Chemistry, 81(10), p.1639 - 1645, 2012/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.14(Chemistry, Physical)

本研究ではX-バンドEPR分光法を用いて$$gamma$$線照射された糖類におけるラジカル緩和時間を測定した。パルスEPR装置を用いて1kGyから100kGy照射した果糖の磁場掃引信号を測定すると、線量によって3から4個のピークが得られた。一方、非照射検体ではパルスエコー信号が観測できなかった。それぞれの照射検体からのサイドピークの緩和時間($$T$$$$_{1}$$$$T$$$$_{2}$$)は、メインピークで測定された緩和時間より長かった。このことはサイドピークを示すラジカルが周辺環境と相互作用が少ないことを示している。数種の照射糖類の緩和時間測定から、緩和時間$$T$$$$_{2}$$は線量増加につれて減少するが、緩和時間$$T$$$$_{1}$$は照射に影響されないと考えられた。CW-EPRではメインピークに比べてサイドピークが小さいが、パルスEPRで測定すると、1kGyの試料でもサイドピークは明確に測定され、100kGyではメインピークと同じ程度の信号強度として測定された。このことは、$$gamma$$線照射によって誘起されたラジカルペアが極近傍に優先的に残存していることを示唆しており、ラジカル生成過程と関係があると考えられる。したがって、パルスEPRは照射誘起ラジカルの選択的な測定に優位性があるかも知れない。

論文

照射処理により食品に誘導されるラジカルの解析

岸田 敬吾*; 貝森 良彦*; 川村 翔栄*; 坂本 侑輝*; 中村 秀夫*; 菊地 正博; 下山 雄平; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*

食品照射, 47(1), p.1 - 5, 2012/09

$$gamma$$線照射した食品(黒胡椒,コーヒー生豆,朝鮮人参)のフリーラジカルを電子スピン共鳴法を用いて調べた。$$gamma$$線照射した食品のESRスペクトルはg=2.0を中心とした6本線とそれに重なる1本線とg=4.0の1本線から成っていた。有機フリーラジカル由来と考えられるg=2.0の1本線のピーク強度は線量依存性を示した。照射食品のラジカルの減衰挙動を経時的に解析すると、シグナル強度は照射3時間後まで早く減少し、それ以降はゆっくり減少した。反応速度論に基づくシミュレーション法を用いて減衰過程を解析すると、少なくとも2種類のラジカルが食品保存中に誘導されると考えられた。そこで、ラジカルの安定性や周辺環境を示す指標である緩和時間を用いてラジカル種の違いを検討した。長期保管中におけるラジカル緩和時間の変化を調べると、50kGy照射した黒胡椒でT$$_{1}$$は増加傾向、T$$_{2}$$は減少傾向があり、このことからもラジカル種の違いが示唆された。

論文

Pulse-ESRとCW-ESRによる照射黒コショウ中のラジカルの緩和時間解析

亀谷 宏美*; 菊地 正博; 等々力 節子*; 古田 雅一*; 小林 泰彦; 原 英之*; 下山 雄平; 鵜飼 光子*

食品照射, 47(1), p.6 - 10, 2012/09

本研究では、パルスESRと連続波(CW)ESRを用いて照射黒コショウ中のフリーラジカルを測定し相互比較を行った。まず、照射黒コショウを検体としてパルスESRでの測定条件を検討し、初めてエコー観測に成功した。そこで、黒コショウ中のラジカルの緩和時間(T$$_{1}$$, T$$_{2}$$)をパルスESRで測定すると、T$$_{1}$$は線量依存性を示さなかったが、T$$_{2}$$は照射につれて増加した。一方、CW-ESRで測定したシグナル飽和挙動の理論解析からもT$$_{1}$$とT$$_{2}$$を計算した。その結果、パルスESRとCW-ESRで求めたT$$_{1}$$とT$$_{2}$$の値に一致は見られなかったが、線量増加したときの数値の変化の傾向は同じであった。パルスESRで測定されるT$$_{2}$$の値は線量依存性が非常に強かった。今後、実用線量で照射された試料で検討を行うことで、新たな照射検知に応用できる可能性がある。

論文

Relaxation behaviors of free radicals from $$gamma$$-irradiated black pepper using pulsed EPR spectroscopy

亀谷 宏美*; 菊地 正博; 原 英之*; 古田 雅一*; 等々力 節子*; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*; 下山 雄平

Applied Magnetic Resonance, 42(2), p.153 - 159, 2012/03

 被引用回数:5 パーセンタイル:30.75(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)

EPR分光法を用いて$$gamma$$線照射された黒コショウ中のフリーラジカルの緩和挙動を解析した。$$gamma$$線照射によって典型的な2本線のピークが検出された。緩和時間($$T$$$$_{1}$$$$T$$$$_{2}$$)はパルスEPRで観察された。われわれは$$T$$$$_{1}$$$$T$$$$_{2}$$$$gamma$$線照射線量レベルによって変化し、これらの値は$$gamma$$線照射処理の線量に依存性を示すことを見いだした。具体的には、$$T$$$$_{1}$$は30$$mu$$s(1kGy)から36$$mu$$s(100kGy)に増加し、$$T$$$$_{2}$$は277ns(1kGy)から437ns(100kGy)に増加した。これはラジカル間の相互作用が化学結合の切断により減少したためであると考えている。われわれは、パルスEPR法でセルロースラジカルを含む$$gamma$$線照射誘導ラジカルを初めて測定した。

論文

Relaxation behaviors of electron spin in irradiated fresh papayas

菊地 正博; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 鵜飼 光子*; 下山 雄平; 小林 泰彦

JAEA-Review 2011-043, JAEA Takasaki Annual Report 2010, P. 81, 2012/01

安定性の指標となるラジカル寿命は、不対電子がどこに存在するかに関係するので、その電子の相互作用をLundの計算式で調べた。生マンゴーの実験から、近傍にある2つのラジカルが$$gamma$$線照射の結果、分子コンフォメーションの変化によって電子間距離が離れていることが示唆された。今回、この仮説を支持する現象が生パパイヤでも観察されたので報告する。パパイヤ果肉で得られたESRのメインピーク飽和挙動から計算すると、緩和時間T$$_{2}$$は線量依存性があった。一方、緩和時間T$$_{1}$$は線量に関係なく一定であった。この結果は、生マンゴーで得られた結果と類似しており、線量応答曲線の傾きは異なったが、y切片はほぼ等しかった。線量応答は、水分量やラジカルスカベンジャー濃度など、ラジカルの周辺環境によって影響されるだろう。緩和時間T$$_{2}$$は、物理的には相互作用できる程近傍に存在する不対電子間のエネルギー移動に関係すると考えられる。水の放射線分解では、生成したヒドロキシラジカルや水和電子がランダムに生体高分子に損傷を与える。したがって、T$$_{2}$$にかかわる近傍の電子同士の局在メカニズムは、放射線の間接作用とは異なる経路であるかも知れない。

論文

Orientation of one-dimensional silicon polymer films studied by X-ray absorption spectroscopy

Mannan, M. A.*; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 永野 正光*; 野口 英行*

Journal of Nanomaterials, 2012, p.528256_1 - 528256_9, 2012/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Nanoscience & Nanotechnology)

シリコンポリマーは炭素ポリマーに比べてシグマ軌道間のエネルギー準位の差(バンドギャップ)が小さいため、理想的な一次元電導体として分子デバイスにおける電子配線としても注目されている。一次元ポリマー薄膜の電気伝導特性や光学特性などの電子物性は、固体表面におけるポリマーの配向に大きく依存する。そこで、真空蒸着法で作成した一次元状シリコンポリマー薄膜の配向を、直線偏光した放射光を用いたX線吸収微細構造法(XAFS)により調べた。高配向性熱分解グラファイト(HOPG)表面に蒸着したポリジメチルシラン(PDMS)のSi K-吸収端XAFSスペクトルに認められる2つのピークの強度は放射光の入射角により変化した。この入射角依存性を解析した結果、PDMS分子は、HOPG表面に平行に"寝ている"ことがわかった。これは、金属銅やインジウムスズ酸化物(ITO)表面においてPDMS分子は垂直に"立っている"というわれわれが依然報告した結果と全く反対であった。HOPG表面でのみポリマーが"寝る"という現象は、ポリマー中のCH結合とHOPG表面のパイ軌道との強い静電相互作用によると結論した。

論文

Orientation of one-dimensional silicon polymer films studied by polarization-dependent NEXAFS

Mannan, M. A.*; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 永野 正光*; 野口 英行*

Photon Factory Activity Report 2011, Part B, P. 159, 2012/00

直線偏光した放射光軟X線を用いたX線吸収微細構造法(NEXAFS)により、固体表面に蒸着した一次元状シリコンポリマーの配向を調べた。高配向性熱分解グラファイト(HOPG)表面に蒸着したポリジメチルシラン(PDMS)のSi K-吸収端NEXAFSスペクトルには明瞭な偏光依存性が観測された。この偏光依存性を解析した結果、PDMSはHOPG表面に平行に「寝ている」ことがわかった。これは金属銅やインジウムスズ酸化物(ITO)表面においてPDMS分子は垂直に「立っている」というわれわれが以前報告した結果と全く反対であった。このような表面による配向の違いを、表面の平坦性や基板-分子相互作用の大きさから議論した。

論文

Analysis of bonding structure of ultrathin films of oligothiophene molecules grown on passivated silicon surfaces

豊島 弘明*; 平賀 健太*; 大野 真也*; 田中 正俊*; 小澤 健一*; 間瀬 一彦*; 平尾 法恵; 関口 哲弘; 下山 巖; 馬場 祐治

Photon Factory Activity Report 2011, Part B, P. 102, 2012/00

有機分子と半導体表面との界面状態はこれまで構築されてきた無機半導体技術に有機半導体を融合していくうえで重要となる。本研究ではさまざまな分子で前処理を行ったシリコン(Si)基板表面上における$$alpha$$-チオフェンオリゴマー6量体($$alpha$$-6T)の薄膜形成過程をPES、角度分解NEXAFS(X線吸収端微細構造)、及びSDRS, RDS法により調べた。水分子を先に単分子吸着させたSi表面上に$$alpha$$-6T分子を吸着させた場合は、角度分解NEXAFS法により$$alpha$$-6T分子は基板表面上で分子主軸を直立させて配向することがわかった。また、垂直配向度は吸着厚みに依存した。0.6nmに比べ3nm以上の多分子層において配向性はより顕著であった。さらに、$$alpha$$-6T分子の配向性は前処理した分子の種類に依存した。エチレンを曝したSi表面上において、$$alpha$$-6T分子の配向はそれほど顕著でないことが見いだされた。前処理により分子配向を制御できる可能性を示す結果である。

論文

照射食品に誘導されるラジカルの減衰挙動

貝森 良彦; 坂本 侑輝*; 菊地 正博; 亀谷 宏美*; 中村 秀夫*; 下山 雄平; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*

食品照射, 46(1), p.13 - 18, 2011/09

In order to determine radical decay behaviors of $$gamma$$-irradiated food, we analyzed radicals in the food using ESR. We detected the ESR signal of specimens just several minutes after irradiation. The singlet signal intensity at $$g$$ = 2.0, originated from organic free radicals was increased as followed by the increasing radiation dose. Singlet signal intensity that increased by $$gamma$$-irradiation was decreased with time. The phenomena of decay of the ESR singlet signal showed two phase that are rapid decay and slow decay. It was suggested that those two phase decay is due to at least the two radical species. Also we concluded that after three hours of radiation treatment long life radical as ESR signal intensity was detected in irradiated specimens; black pepper, green coffee bean and ginseng, showed the same decay phenomena. But the signal intensity of irradiated black pepper was three times larger than that of irradiated green coffee bean and irradiated ginseng.

論文

ESR detection procedure of irradiated papaya containing high water content

菊地 正博; 下山 雄平; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦

Radiation Physics and Chemistry, 80(5), p.664 - 667, 2011/05

 被引用回数:9 パーセンタイル:57.01(Chemistry, Physical)

ESR signals were recorded from irradiated papaya at liquid nitrogen temperature (77 K), and freeze-dried irradiated papaya at room temperature (295 K). Two side peaks from the flesh at the liquid nitrogen temperature indicated a linear dose response for 3-14 days after the $$gamma$$-irradiation. The line shapes recorded from the freeze-dry specimens were sharper than those at liquid nitrogen temperature.

論文

照射された生鮮果実パパイヤの迅速ESR検知法

菊地 正博; 下山 雄平; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦

Radioisotopes, 60(4), p.163 - 171, 2011/04

電子スピン共鳴法を用いて、照射により生パパイヤに誘起されたラジカルの直接的検出を行った。本法は、生鮮果実のラジカル測定で凍結乾燥処理を要しないため、これまでより迅速に検出できる。フィリピン産の生パパイヤを$$gamma$$線照射し、その果肉と果皮を液体窒素温度でESR測定した。測定条件の最適化により、生のパパイヤから1本線のメインピークと一対のサイドピークを検出することができた。さらに、果肉の凍結乾燥検体のサイドピークは、照射2週間後でも照射・非照射の識別が可能であった。したがって、照射された生鮮果実を対象としたESR法では、最初に、果肉を用いて液体窒素温度で測定して簡易判別を行い、次の段階では、凍結乾燥検体を用いて常温で判別する検知スキームが有効であると考えられる。

論文

Dose-dependency of electron spin relaxations in irradiated fresh mangoes

菊地 正博; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 鵜飼 光子*; 下山 雄平; 小林 泰彦

JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 85, 2011/01

Recently, we have found that the radiation-induced radicals remain in irradiated fresh mangoes 9 days after the irradiation. Since lifetime of radicals is related to where unpaired electrons are in the surroundings, interactions of the unpaired electrons are investigated for rough water-rich environments. In fresh mangoes, no difference between irradiated and non-irradiated samples for T$$_{1}$$ values indicates the existence of the energy transfer pathways through chemical bonds. While, dose-dependency of T$$_{2}$$ in flesh and skin was observed. This interaction might be related to the inter-electron distance. Finding of stable radicals in fresh fruits enables one to know $$gamma$$-induced radicals with novel methodology of T$$_{2}$$ dose-dependency.

論文

Orientation of B-C-N hybrid films deposited on Ni (111) and polycrystalline Ti substrates explored by X-ray absorption spectroscopy

Mannan, M. A.; 馬場 祐治; 木田 徹也*; 永野 正光*; 下山 巖; 平尾 法恵; 野口 英行*

Thin Solid Films, 519(6), p.1780 - 1786, 2011/01

 被引用回数:19 パーセンタイル:61.3(Materials Science, Multidisciplinary)

ホウ素,炭素,窒素を含む有機分子を原料物質に用い、高周波プラズマ加熱法により、ニッケル単結晶及びチタン表面にホウ素-炭素-窒素から成るハイブリッド薄膜を合成し、その配向について種々の分光学的手法により調べた。X線回折の結果、合成した薄膜は$$sp$$$$^{2}$$軌道を持つことがわかった。ラマン分光測定の結果も、$$sp$$$$^{2}$$軌道を持つB-C-N結合の生成を支持するものであった。放射光を用いたX線吸収端微細構造の測定結果から、ホウ素原子は3つの窒素原子と配位したBN$$_{3}$$構造をとり、BCN薄膜はニッケル単結晶表面に平行に配向することがわかった。一方、多結晶のチタン表面においては、BCN薄膜はランダムに配向することから、表面の化学的活性度が表面の配向に影響することがわかった。

論文

照射マンゴー中に誘導されるラジカルの緩和挙動と線量依存性

亀谷 宏美*; 垣田 大介*; 貝森 良彦*; 菊地 正博; 小林 泰彦; 鵜飼 光子*; 下山 雄平

Radioisotopes, 59(10), p.607 - 614, 2010/10

日本では温湯浸漬処理されたマンゴーが輸入されている。近年、照射輸入マンゴーはアメリカでは広く利用されている。本研究は照射マンゴーに誘導されるラジカルのESR法による分析について報告する。$$gamma$$線照射されたマンゴーの果肉及び果皮には$$g$$=2.004に強い1本線の信号が観測された。これは有機フリーラジカル由来と考えられた。果肉及び果皮において12kGy以上の照射処理によりセルロース由来の照射誘導ラジカルが現れた。一本線信号の緩和時間(T$$_{1}$$とT$$_{2}$$)を計算した。T$$_{1}$$はほぼ一定であったが、T$$_{2}$$は線量の増加とともに変化した。T$$_{1}$$及びT$$_{2}$$の相乗平均を検討したところ、線量依存性が確認された。

論文

照射された生鮮果実パパイヤにおけるラジカル緩和現象

菊地 正博; 垣田 大介*; 下山 雄平; 鵜飼 光子*; 小林 泰彦

食品照射, 45(1-2), p.34 - 38, 2010/09

Electron spin resonance spectrometry of the $$gamma$$-irradiated fresh papayas followed by freeze-drying and powderization was performed. We found a strong single peak in the flesh was observed at ${it g}$ = 2.004 and attributed to organic free radicals. Using the method of Lund ${it et al.}$, relaxation times of the peak from 0 to 14 days-stored samples after $$gamma$$-irradiation were calculated. T$$_{2}$$ showed a dose response, while T$$_{1}$$ kept almost constant by the increment of doses. The $$gamma$$-radiation-induced radicals showing progressive saturation behaviors can be caused through a different pathway from indirect effects by the low LET radiations.

論文

Self-ordering of silicon polymer thin film grown on indium tin oxide surface investigated by X-ray absorption spectroscopy

Mannan, M. A.*; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 平尾 法恵; 成田 あゆみ; 永野 正光*; 野口 英行*

Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 181(2-3), p.242 - 248, 2010/08

 被引用回数:5 パーセンタイル:31.14(Spectroscopy)

有機分子やポリマーなど異方性分子の薄膜の電気的,光学的特性は、結晶構造や電子構造だけでなく、分子の配向にも大きく依存する。そこで放射光を用いて、導電性透明基板として用いられているインジウム・スズ酸化物(ITO)表面に蒸着したシリコンポリマーの分子配向を調べた。試料は、最も簡単なシリコンポリマーであるポリジメチルシラン(PDMS)を用いた。PDMSを電子衝撃加熱法によりITO表面に1層ずつ精密に蒸着し、直線偏光した放射光を用いてSi K-吸収端のX線吸収スペクトルを測定した。その結果、スペクトルの吸収ピーク強度に顕著な偏光依存性が認められた。これを解析した結果、ポリマーのSi-Si分子軸は表面に対して40度傾いていることがわかった。この角度は、表面に垂直に立ったポリマーがヘリカル構造をとったときの角度にほぼ一致する。以上の結果から、PDMSは自己組織化過程により、高度に配向することが明らかとなった。

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